2026年2月和歌山県議会
議案に対する反対討論
奥村規子
録画中継(27:00~)
2026年3月17日
日本共産党のわたくし奥村規子より、議案第1号、第3号、第7号、第8号、第16号、第44号及び第45号に対する反対討論を行います。
最初に、議案第1号「令和8年度和歌山県一般会計予算」について申し上げます。
一般会計は前年度比5.9%増の6499億円で、過去最高額です。歳入では、県税収入、地方交付税、国庫支出金、地方消費税清算金などが増えますが、収支不足の125億円を県債管理基金から取り崩します。
歳出では、人件費が6.2%、公債費が3.5%増えますが、その他にAIや半導体、国土強靱化、データセンターなど“成長分野”に投資することを政府が進める「地域未来基金(仮称)」を設置し60億円を、さらに地方交付税の代わりに借りた借金返済のための「臨時財政対策債償還基金(仮称)」を設置し40億円を積み立てることが増額の要因となっています。
この先10年間の見通しでは、人件費や公債費、社会保障関係費が増加し、2023年に発出した「財政危機警報」の予測よりもさらに財政収支が悪化すると危機感を強調しています。地方交付税の増額など、国の責任で県民生活を守るよう強く訴えるよう求めます。
昨年末に国の補正予算で成立した「重点支援地方交付金」が和歌山県には128億円交付されます。
わたくし奥村規子は1月に、この交付金の活用について、「賃上げを行ったすべての事業者への支援」、「学校・医療機関・介護施設・保育所等の給食の質の向上」、「省エネ家電の購入支援や生活保護世帯のエアコン設置の保証」、「デマンド型タクシーなど公共交通への支援と医療機関などへの送迎支援」、「市町村をまたぐ訪問介護事業者への支援」などを知事に申し入れました。
当初予算では「賃上げ環境整備支援パッケージ」として生産性向上の設備投資や価格転嫁への支援に27億円が計上されました。働く人の賃金に必ず行き渡る制度設計とするよう強く求めます。
また、他産業との賃金格差が月8.3万円低い介護従事者への賃上げでは、協同化などの要件付きで1人最大1.9万円と、低賃金の解消には程遠い状況であり、大幅な拡充を求めます。
学校給食の材料費高騰で質が低下している問題では、市町村が上乗せして単価を引き上げた分を県が支援することは評価します。さらに全市町村で実施されるよう、また病院など他の分野でも活用されるよう働きかけをお願いします。
住宅向け太陽光発電・蓄電池・省エネ設備導入支援は拡充されましたが、生活保護世帯のエアコン設置保証は検討されていません。年々猛暑が深刻化するもとで命に関わる問題であり、早急に検討するよう求めます。
地域医療構想により、2014年度には1万2,540床あった病床が、25年度末までに2,000床近くも減らされる見込みです。しかし、同年度中に約3,000床を削減する目標に届いていないため、全国で11万床減らす計画とともに様々な補助金で誘導する新たな地域医療構想が検討されています。26年度予算でも病床再編に昨年度比1億6600万円増の5億9400万円を計上しました。新たな感染症や災害に備えた医療体制の充実に向け、地域医療構想の撤廃を求めます。
後期高齢者医療の保険料は、2026年度から一人当たり年平均で5,231円の負担増となります。県の財政安定化基金を積極的に活用するとともに、国庫負担の引き上げを国に強く要望し、保険料を引き下げるよう求めます。
和歌山県の第9期介護保険料基準額は県平均で月6,539円と全国で6番目の高さです。介護報酬とともに国庫負担を増額し、保険料と利用料を引き下げるよう国に要望すべきです。
県制度のこども医療費助成はいまだに就学前までとなっています。県内全市町村が高校卒業まで無料です。市町村のこども支援策を充実させるためにも、県の対象年齢を引き上げるよう求めます。
保育では、3市町で試行的実施していた「こども誰でも通園制度」が全市町村で実施されます。月10時間範囲内で、保護者の就労などの要件を問わず、3歳未満児が1時間単位で保育施設に通える制度です。これまで通常保育をしたことのない事業者の参入も認められており保育の市場化がいっそう促進することや、在園時間や利用頻度が違う乳幼児が出入りを繰り返すことになるため職員体制の管理や情報共有、安全面での保障などの不安があります。地域限定保育士制度とともに小手先だけの対応ではなく、保育士の賃金大幅引き上げと労働環境の改善に行政が責任をもち、抜本的に公的保育を拡充することこそ必要です。
高校授業料は公立同様に私立でも無償化されますが、入学金や制服代、教材費、修学旅行費などの「かくれ教育費」はともに自己負担のままです。県独自の支援を求めます。
2025年5月1日時点では、正規教員6,316人に対し、非正規教員である定数内講師が467人、非常勤講師が1,050人もいらっしゃいます。正規教員に置き換えていくとともに、県独自で教職員を増やして少人数学級を進め、労働時間を短縮するよう求めます。
熊野白浜リゾート空港の現在3往復の羽田便4往復化に向けた利用促進に2億円、着陸帯幅を広げるRESA(リーサ)整備に5億円を計上しました。
白浜空港は昨年「特定利用空港」に指定されました。県は「災害対策」としていますが、実態は国家安全保障戦略に基づく軍事力の強化です。特定利用空港の指定によって「防衛訓練」ができるよう内規が改悪され、10月には戦闘機4機の離着陸訓練が行われました。災害対策に戦闘機は必要ありません。「特定利用空港」の指定と、莫大な費用で滑走路を延伸する計画の撤回を求めます。
2023年度まで行われていた「わかやま結婚支援事業」は、“結婚するかしないかは自由意志であり県が踏み込む領域でない”ことや、“民間の取り組みが進んできた”ことなどから24年度には廃止されました。しかし、26年度から「地域少子化対策強化事業」の中に「出会いの場の創出」として復活させ、742万円を計上しました。
生き方の多様性が尊重される世の中が進むもとで、「少子化対策」として出産を促すため出会いの場を行政が提供することは、ジェンダー平等社会の実現に逆行しているのではないでしょうか。
次に、議案第3号は「中小企業振興資金特別会計」です。収入未済額約39億円のうち、98%の38億2000万円あまりが中小企業高度化資金貸付金です。その58%が同和行政のゆがみによる貸付金であり、貸付残高は22億852万円にのぼります。さらにそれとは別に、2025年度までに16件、54億3794万円もの債権を放棄してきました。償還に向け懸命に取り組まれていることは承知していますが、とても県民理解を得られません。
次に、議案第7号は「国民健康保険特別会計予算」です。
2025年度の国保料・税は、夫婦40歳代でこども2人、所得200万円、2割軽減世帯のモデルケースにおいて21市町村で引き上げられ、県平均でも引き上げとなりました。30年度の保険料完全統一に向け、27年度までに市町村からの納付金ベースの統一を目指すとしています。保険料や納付金の統一はさらなる引き上げにつながります。加入世帯の限界を超えている国保料・税引き下げのため、国庫負担の大幅増額を求めるとともに、県としても努力するよう求めます。
次に、議案第8号は「県営競輪事業特別会計予算」です。県が公営ギャンブルを運営することには反対します。
次に、議案第16号は「土地造成事業会計予算」です。毎年指摘してきた2009年度に工業用水道事業会計から借り入れた15億円は、「日高港工業団地」や「あやの台用地」で売却が決まり、さらに26年度にも「あやの台用地」の売却が見込まれることで、ようやく全額返済の見通しがたちました。しかし、26年度も企業債残高17億6500万円の負債が見込まれ、2009年度から始められた一般会計から1億5700万円の繰り入れは続けられます。呼び込み型開発の失敗で抱えた負債であり、認められません。
最後に、議案第44号「国民健康保険事業費納付金条例の一部改正」及び第45号「後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部改正」は、いずれも子ども・子育て支援法の改正に伴うものです。国の「子ども・子育て支援加速化プラン」の財源総額3.6兆円のうち1兆円を医療保険から徴収し、所得の低い人ほど負担割合が高くなる国保料・税にも上乗せして徴収します。後期高齢者医療保険料でも子ども・子育て支援金に係る上乗せが行われます。本来、子育て支援は医療保険の対象ではなく、公的医療保険の目的から大きく逸脱します。
政府は「子育て支援」などと称していますが、実際は高額療養費やOTC類似薬の負担増とともに社会保障費を抑制するものです。和歌山県として第一に掲げる「こどもまんなか社会の実現」を本気で進めるのであれば、全額公費負担で行うべきではありませんか。これらのことから、2つの条例改正には反対します。
以上で、議案に対する反対討論を終わります。
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