同和に甘い融資審査 和歌山県財政さらに圧迫
  県外部監査報告書で指摘
                                                              2009年9月4日
   慢性的な財源不足が続く和歌山県財政をさらに圧迫する未収金は一般会計、特別会計(公益企業会計を除く)合わせて約170億円。うち中小企業高度化資金の未収金残高は約100億円で、この9割、約88億円が同和対策事業によるものです。県外部監査結果報告書は県による融資審査の「甘さ」を指摘します。

債権放棄で
   2008年に26億円余が債権放棄されました。そのうち、同和融資分は約24億円です。
   債権放棄した同和融資分の内訳は、豆腐製造のプラスパフーズ協業組合(和歌山県桃山町―現「紀の川市」)が22億4,000万円、皮革くず処理業の協業組合同和(和歌山市)が1億4,000万円。外部監査はプラスパフーズについて「5%強の配当しか回収できないという状況は異常」「審査が甘かった」と批判し、融資しただけで操業すらできず1円も返さなかった協業組合同和についても「融資の検討が甘かった」と断じます。なお、ほかに2006年、「手続きミス」により同和融資4億9,000万円が債権放棄されています。
   また、まだ債権放棄に至っていない案件についても外部監査は「融資額のほとんどが回収不能状態に陥っており、結果的に融資時の審査が甘かった」「保証人に対しても回収事務を行うべきところをまだ行っていない」「連帯保証人の資力(返済能力)を把握できていない」など県のずさんな融資審査を指摘し、回収作業の改善を要求しています。

異常な数値
   債権放棄は今後も続くものと予想されています。
   未収金170億円のうち回収不能は約97億円と見込まれ、このうち約81億円が貸付金の未回収によるものです。さらにその9割、約77億円が中小企業高度化資金によるもので外部監査は「異常な数値」と指摘します。
   この「異常な数値」のため、不良債権比率(融資額に占める不良債権の比率)は、全国平均39.9%に対し和歌山県は91.9%と全国トップ。額でも全国54億円に対し167億円と兵庫県の257億円に次ぎ2番目の多さです。
   中小企業高度化資金の「異常な数値」の背景にあるのは乱脈な県同和行政です。日本共産党県議団は、同和行政の終結を要求するとともに中小企業高度化資金の滞納問題を粘り強く追及。貸付金の滞納整理をすすめる償還指導室を設置させるなど問題解決に全力をあげています。


「提案と見解」

和歌山県議団TOP