トマト菜園二期工事が延期(06年10月18日 「しんぶん赤旗」記事

 大手食品メーカー「カゴメ」(名古屋市)とオリックス(東京都港区)が加太コスモパーク(和歌山市)でトマトを生産する「加太菜園」の二期工事が着工時期不明で延期されたことが十七日、和歌山県議会決算委員会での日本共産党・村岡キミ子県議の質問でわかりました。
 県は加太菜園のため土地を約二十億円かけ造成。土地を所有する県土地開発公社から一平方bあたり五百六十円で借り百円で加太菜園に貸し出しています。三十七f(うち温室面積約二十f)すべて完成すれば貸し出し差額は年間約一億七千万円にも達します。
 計画では稼働している一期分約十f(温室五・二f)に続き、今月から二期分約七f(温室五・二f)の工事を予定し、さらに二〇〇八年には三期分約十八f(温室九・七f)。いずれも着工のめどはたっていません。
 菜園はすべて完成すれば県内のトマト全生産量にあたる年間六千dの出荷量を見込みます。トマト農家からは「死活問題」と強い危機感が出されましたが、県は「二十年間で五百八十三億円の経済効果」などと主張し誘致を強行しました。
 県答弁では、今回の二期工事延期は販売実績が計画より下回ったためとされます。村岡県議は「コスモパークは、関西空港の土取り跡地に『未来型複合都市』をつくるとしたが完全に破たんし県の巨大な不良債権となった。今回いわくつきの失政の上への企業誘致の失敗。企業は儲からないと勝手に撤退するもの。県の見通しの甘さが問われる」と批判しました。