TPP“かなりの影響” ミカン産地和歌山で
  日本共産党県議団・国会議員団らが調査
  
    ジュース工場を視察する(左から)大門参院議員、畠山衆院議員、雑賀県議、
    松坂県議(右から2人目)ら=紀の川市

                                                     20151222
 第1日目 
 環太平洋連携協定(TPP)で、ミカン生産量全国一の和歌山県の地域経済と幕らしは―。日本共産党和歌山県議団と、畠山和也衆院議員、大門みきし参院議員ら日本共産党国会議員団などは、2日間の日程で現地調査しました。初日の12月21日、有田川町長、ジュース工場関係者と懇談しました。
 オレンジ関税率は現在、12月~5月は32%、6月~11月は16%、グレープフルーツは10%です。これを6~8年間でゼロにしようとしています。県は影響額を、ミカン生産量は10%減、ハッサクなどの中晩かん価格は32%減、かんきっ類産出額は35.7億円減と試算しています。
 有田川町の中山正隆町長は、後継者不足に繰り返し危機感を表明。TPPについて、「全国町村長会は反対してきたが、政府の説明は無しだ。かなりの影響を懸念している。大規模化は山間部では無理だ」と語りました。一行は、高品質のジュースで輸入品との差別化を図っている和歌山ノーキョー食品工業の工場(紀の川市)を視察。TPPについて工場側は、「価格競争になると、晩かん類がまず影響を受ける恐れがある。生果のレベルを上げてやっていきたいが、安いオレンジとの競争が葛藤です。国は価格対策をしてほしい」と話しました。


  和歌山TPP影響調査2日目 
 「ミカンもっと落ち込む」
  日本共産党県議団・国会議員団ら
   農家・JA役員と懇談

   
   急傾斜地のミカン畑で松坂ひでき県議(左端)の説明を聞く大門参院議員(左から2人目)ら
   =有田川町


 日本共産党和歌山県議団と国会議員団らは、県産業の柱・ミカンへの環太平洋連携協定(TPP)による影響調査2日目の12月22日、ミカン畑を歩き、農家やJA役員と懇談しました。
 冬の高温や多雨の影響は深刻です。急傾斜地の畑では、木になったままミカンが黒ずんで腐敗していました。
 関税率がゼロになると、県の試算では、ミカン1.5ヘクタール、ハッサクなどの中晩かん0.5ヘクタールの農家の場合、所得が546万2,000円から386万9,000円に落ち込みます。
 農家から切実な声が寄せられました。「国の補助対象となる大規模化は無理だ。農業は環境保全の役割もある。小規模農家を守る施策を」、「後継者不足で荒れ地が増え、シカの食害がひどい」、「生産費の補填(ほてん)を。“勝ち組・負け組”を持ち込むと、ミカンはもっと落ち込む」、「農業を守る、食料自給率を上げる意識が国はあるのか」
 あるJA役員は「TPPは重要5品目のイメージだったが、『大筋合意』ではミカンも果汁も対象だ。少なからず影響がある。何にでも適正価格があるが、農産物は安すぎる。この機会に発信したい」と語りました。
 大門みきし参院議員は、「現場のリアルな声を国会で取り上げていきたい」と語りました。

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