No.25

発行日2001年 5月14日

    目  次

第5回総会開催
和歌山市に談合不正利得返還求め監査請求
和歌山の窮状と政務調査費 (会員投稿)
情報公開条例制定状況調査結果発表
弁護士費用の敗訴者負担制度に反対する (会員投稿)
和歌山市職員海外視察、ラスベガス一日自由行動
判決賠償金を和歌山市幹部会が肩代わり
裁判情報
今後の予定

 

阪 谷 民 子 

 夜来の雨が止んだ4月25日(水)PM6時から、和歌山商工会議所4階会議室において、第5回総会が開催されました。例年の勤労者総合センターから会場が変更したので、会員のなかには、戸惑われた方もいたようです。
 先ず阪本代表の「第5回の節目の大会を迎えて、これからも一歩々々着実にそして楽しんで活動しましょう」という趣旨のごあいさつ。次に畑中事務局長より昨年度の活動報告がありました。
 様々な取り組みのなかでも、和歌山市議らのねぶた物見遊山の旅費返還請求裁判と和歌山県公共工事の入札にかかる予定価格、最低制限価格の非開示処分取り消し請求裁判において、全面勝利し、OB県議親睦団体の飲み食い費返還監査請求においては、一部返還を勧告する監査結果をださせる等、3件も勝利したことは特筆すべきクリーンヒットで、この一事からでも時代の趨勢を強く感じられました。
 総会は和やかな雰囲気のなかで、会員の方々から活発な意見も出て、出席者は20数名と少なめでしたが、大変充実した会でした.。
 只一つ私にとって、残念だったことは女性の参加者が私一人だったこと。今年出席された方々も、又来年度からは出席しようと思っていらっしゃる方々も、是非、次回は奥様を、恋人を、お母様を、子供さんを、お誘いになってほしいとおもいます。それぞれのご家庭の事情で、どうしても留守にできない方もおられると思いますが、その場合は交替で‥‥はいかがでしょうか。ともあれ、女性の参加者が殖えれば、阪本代表が挨拶のなかで、言及されました「たのしい活動」のパワーになると確信します。
 最後に両代表・事務局長はじめ、世話人の方々のご努力に敬意を表し、第6回総会の時には、なお一層の成果の発表を期待しております。

 当会は、3月29日、松下環境空調エンジニアリング鰍ノ対し、金8313万3435円の談合不正利得金返還を求める監査請求をしました。
 これは、和歌山市職員公金不正流用事件に関連して、別件で略式起訴された松下環境空調エンジニアリング鰍フ元従業員にかかる「競売入札妨害」事件が確定したことから、同事件記録を精査したところ、元市職員から入札予定価格の基礎となる工事価格と「ぶぎり」率を不正に聞き出し、基本的に自ら選定した入札参加業者間で、談合入札を行い、もって、入札予定価格張り付きの高値落札し、不当に利益を得た公共工事3件あることが判明したからです。
 その3件は、@平成9年2月7日に入札が行われた落札価格金4億7000万円の平成8年度地方改善整備事業芦原大型作業場排水処理施設工事、A平成9年11月11日に入札が行われた落札金額9400万円の平成9年度地方改善整備事業岩橋大型共同作業場新築排水処理施設工事、B平成10年6月23日に入札が行われた落札金額金3250万円の平成10年度地方改善整備事業岩橋大型作業場新築屋外付帯工事です。
 当会では、自由競争すると最低制限価格直近の落札になる実態から、平成11年度以降、和歌山市が一定の談合防止策を施行してきた結果、平成12年度(13年1月31日現在)の予定価格に対する平均落札率は82・7%を参考に、正規の競争入札が行われたとすれば予定価格の85%で落札できたと推定し、実際の不正落札額から推定正規の落札額との差引額(消費税込み額)を不正利得金と見なしました。
 談合による利益金を談合業者に残したままでは、談合がなくなりません。談合すると「えらい損をする」と思わせるぐらいの厳しいペナルチィを課さないと談合はなくならないでしょう。今後に談合防止していく意味でも徹底して追及します。
 監査請求は、すでに、意見陳述が終わりました。5月28日までには監査結果が示されます。予定価格を聞き出し、談合を行い、高値落札したことは、刑事記録上明らかです。この事実に、これまで、当会のなした監査請求に対し、期待を裏切り続けてきた監査委員らがどのような監査結果を示すか、これも関心事の一つです。

N・T・生

 

 和歌山で大丸、長崎屋、サティと百貨店の撤退が続く中、創業百年を誇る名門百貨店の丸正が倒産した。その倒産で関連業者を含め六百人の失業者が出たという。大変な事態である。
 しかも、これらの百貨店の撤退、倒産はただそれだけでなく、和歌山の繁華街ぶらくり丁の前途にただならぬ暗雲を投げかけている。いや、百貨店の撤退、倒産と同じ条件を共有していたぶらくり丁自体が、倒産の危機に直面していると言ってもよい。
 さらに、駅という集客に有利な地点に立地している高島屋や近鉄百貨店にしても、経営は必ずしも安泰とは言えないと聞くと、和歌山全体が沈没しかかっていると言えなくもない。どの店もこの店も不安と苦悩の日々を送っているのではないだろうか。このような状態をもたらした原因は何だろうか。
 第一に考えられるのは開発だ、道がよくなり車が増えて、生活圏が郊外へ市外へと拡大し客足は分散して、市内中心部は空洞化し商圏は郊外・市外へと移動した。
 第二に、高速道路の延伸や鉄道網の整備による京阪神大都会と結ぶ時間の短縮や便利さが地元の客足を大都会へと引きつけ向かわせたことが大きい。 
 第三に、過去に和歌山に繁栄をもたらせた木材・鉄鋼・石油精製業等の業種が衰微して和歌山を衰退させた上、それに代わる業種の企業誘致がうまくいかない。
 第四は、和大教育学部や経済学部、さらに医大までもが郊外に追いやられ、市内から若者の姿が減り、客足を遠ざける一因を成した。
 第五に、和歌山商店街の魅力の乏しさ。新しい時代に即した客足を集める工夫が足りない。そして客足が遠のき利益が上がらなくなると、それを値上げで補おうとする。それがまた客足を遠ざける結果となる。
 これらのことが因となり果となって和歌山商店街が衰微して四苦八苦しているとき、対象的に、県・市の役人や議会人がノホホンと市民の窮状をよそに見て、税金の浪費を繰り返しているのは断じて許せない。浪費の内、その最たるものは県・市議会の政務調査費ではないだろうか。費用ばかりかけて、県・市民ために何の役にも立っていないように思われるからである。
 県の政務調査費は、納得できる理由も示されないまま三〇%アップしたことについて前号で述べた。しかもその使いぶりは、開示の対象になっていないので闇の中である。開示の対象になっている市議会のそれから類推するほかないが、市議会の政務調査費がまた呆れるほどの放漫さである。例えば出張費を見るとどれもこれも、あの旅費返還を命じられた、毒入りカレー事件発生直後の「ねぶた祭り見物旅行」を彷彿させ、本質的にあの旅行と同一範疇に属する「視察旅行」で充満しているのである。

 4月20日、情報公開法が4月から施行された事に鑑み、県内五〇市町村における同条例の制定状況に関し、アンケート調査を行い、結果をまとめ公表しました。
1 調査の目的
 この調査は、同条例の制定状況と、条文上の規定が住民の立場からよい条例と評価できるかや、未制定の自治体には今後の予定を訊ね、その実態を明らかにし、もって、住民によりよい条例の促進を目的に取り組みました。主な調査項目と結果は次のとおりです(なお、未制定の自治体に関する詳細の記載は省略しています)。
2 調査項目と結果について
@ 制定状況  
4月20日現在、県内50市町村の内24市町村がすでに制定。その内訳は、全市(7市)、16町(36町中)、1村(7町中)が制定済みでした。そして、26未制定町村の内、16町村が今年度中に制定を予定しており、今年度中には、40市町村で制定される見込みでした。
翌年度以降で制定予定を示した町村は、かつらぎ町、九度山町、高野町、すさみ町、中辺路町、日置川町、日高町、高野口町の8町、花園村、美山村の2村でした。 なお、制定予定のない自治体はありませんでした。
A 「知る権利」の明記 
制定市町村中、橋本市を除く6市と8町1村の約6割が明記していました。
B 「説明責任」の明記
制定市町村中、全市と4町1村の5割が明記していました。
C 請求者の範囲
「何人」との規定は、新宮市、古座町、白浜町、湯浅町1市3町だけでした。
D コピー代
最も安い10円は有田市、海南市、新宮市、田辺市、貴志川町、湯浅町、太地町、熊野川町の8市町でした。なお、15円1市、20円8市町ありました。
E 議会が開示の対象になっているか
制定市町村すべてが実施機関として開示の対象にしていました。
F 第三セクター等が開示の対象となっているか。
「実施機関としているか」との設問自体が不適切だったことから正確な実態把握ができませんでしたが、要綱等で開示対象としている回答は、海南市、田辺市、新宮市の3市ありました。
G その他広報活動等に関しても質問しましたが、制定時に広報したとするのが大半でした。
 なお、回答の一覧表は、ホームぺージに掲載していますのでそちらをご覧下さい
3 総合評価と当会の意見
 調査の結果、条例上の規定として比較的進んだ自治体のトップは、新宮市。次いで、田辺市、海南市、有田市、貴志川町などが続いています。今年度中に制定されない自治体は、制定に対する努力を怠っていると言わざるを得ません。「法の下の平等」の実現を図るため、早急の制定に一層の努力を求めます。
コピー代30円とする自治体が6町ありました。30円はいかにも高額にすぎ、住民が利用する上でもハードルとなっています。10円としている自治体が存することは10円でも可能なことを示しており、減額は可能でありこのことを強く要望したい。
広報活動は極めて不充分でした。積極的に活用を進めるよう広報に力を入れることをも重要です。 なお、和歌山県は、この3月にこれまでの条例を見直し、知る権利や説明責任を明記し、請求者を「何人」と改正し、コピー代の減額(現在30円)や出資法人の開示も検討していると伝えられています。本アンケート結果や県の改正条例も参考に未制定の自治体では特に、既に制定されている自治体でも、よりよい条例の制定や改正作業を進めることを強く訴えたい。

井 上  壮 一

 

 政府の司法制度審議会では今、司法制度「改革」の一環として「弁護士費用の敗訴者負担制度」を導入する方向で議論されている。
 この制度は、訴訟で負けた方に勝った者の弁護士費用を負担させるものである。現在は、この制度を採っていない。訴訟の勝敗に係わらず、弁護士費用は、依頼した者がそれぞれ負担することになっている。
 敗訴者に負担させることは、一見、それなりに合理的に思える。だが、大きな落とし穴があることを見落としてはならない。この制度が導入されると、市民は安心して訴訟を起せなくなり、市民を訴訟から遠ざけてしまう結果になるからだ。
 最近、現代型公共訴訟といわれる訴訟が多く提起され、それが社会にアピールし、大きな成果をあげている。私たち「市民オンブズマンわかやま」が提起した、ねぶた祭り見物旅費返還住民訴訟や入札情報の公開を求める訴訟もその典型であると私は自負している。これらは市民が行政、とりわけ自治体の財務会計を監視し、私たちの税金である公金が乱費されないように、市民が行政を民主的にコントロールするための重要な訴訟である。
 また、各地で起された官官接待、カラ出張などの公金乱費や官僚腐敗を糺すための住民訴訟、大企業の独禁法違反による不当値上げや談合入札を糺す消費者訴訟、総会屋と癒着した大企業役員の責任を追及する株主代表訴訟、政治腐敗の根源とされている大企業の政治献金を止めさせる訴訟などが提起され、行政や大企業の恣意や腐敗・不条理を糺すのに大きな成果を上げている。
 これらの訴訟は、私たちの前記訴訟がそうであるように、決して原告の個人的利益のためにしているのではない。訴訟を通じて、行政非違を糺し、大企業の恣意的行動から多くの市民・消費者を守ることを目的としているのである。
 ところで、この種の訴訟は勝敗を提訴前に見通すことはかなり難しい。それは、相手は国や自治体や大企業であり、訴訟の証拠となる資料も大部分が相手方の手中にあることが多いからだ。しかし、勝訴の見込みが暗くても、とにかく国や地方自治体、さらには、大企業の不条理な行動を糺す努力をしよう、との意気込みで、市民は、この種の訴訟を起すのである。いわば、この種現代型公共訴訟には、その勝敗に拘わらず、訴訟自体が持つ社会的インパクトにより、社会に問題を提起し、多くの社会的不条理を糺す機能がある。
 ここで最も大切なことは、われわれ市民のだれもが、このような訴訟に気軽に参加出来ることである。言ってみれば、世直しのための訴訟に多くの市民が原告として参加出来ることである。もし訴訟に負けたら相手の弁護士費用を負担させられるならば、世直し・社会改革のための訴訟を起す者はいなくなるであろう。それで喜ぶのは、総会屋と癒着して自分の地位を守ろうとしたり、会社の金で多額の政治献金をして政治腐敗の根源を作っている大企業の重役たちと、公金を乱費してはばからない悪徳役人たちである。そんなことを許してはならない。
 だから、私は声を大にして「弁護士費用敗訴者負担」制度導入に反対しているのである。

 5月9日、和歌山市長と同市職員2名が4月5日から12日の日程で実施した大学視察目的の海外視察旅行に関する関係資料の情報公開請求を行いました。
 これは、欧米旅行中に、米国・ラスベガスでの自由行動や、オランダでの水上バスによる運河巡りが含まれていたことが、 27日に開かれた市議会特別委員会で明らかになった、旅田市長は私費参加だったが職員2人には1人当たり約70万円の公費が支出されており、議会は、「税金の無駄遣い」と、批判したことがマスコミ報道されたことから請求に至ったものです。
毎日新聞の見出しの「大学視察」なのに「ラスベガス」との指摘は当を得ており、ラスベガスに滞在する必要などまったくなく、この事だけでも視察に名を借りた単なる物見遊山の観光旅行に過ぎない、と言わざるを得ないものです。詳細なチェックは、関係資料が開示されてからとしても、昨年12月12日にあったねぶた祭り物見旅費返還請求事件の判決で、同旅行の実態が、視察に名を借りた観光旅行だと断じられたことに対する反省がまったく見られない所業と、強く非難されます。徹底して追及しましょう。
 みなさん、この事についてどう思いますか。ご意見をお待ちします。


ご意見メール(ここをクリック)

 5月9日付け産経新聞の報道により、極めて許し難いことが明らかになった。
 昨年12月12日の判決により、視察に名を借りた単なる旅行だったとして旅費等の返還を命じた「ねぶた祭り視察旅行」の賠償金について、返還を命じられた市議らと吉井元助役ら和歌山市職員4名は、それぞれ判決に従い、右賠償金を返還したことが伝えられていた。しかし、そのうち、吉井元助役ら和歌山市職員4名の返還金が「和歌山市幹部会」から支弁された、と言うのだ。
 右幹部会は、同市の主幹級以上の職員で構成する親ぼく団体。会費は1人月1000円で、会長は市長公室長が務めている、と言う。同会の規約によると、公金の不正支出をして賠償が命じられても、刑事事件にならない限り、右賠償金と弁護士料を支弁する仕組み。
 つまり、不正流用者らは、刑事事件にならない限り懐がまったく痛まない、と言うのだ。昨年、市職員の約4000万円の公金不正流用が問題になったとき、旅田市長が、告訴になかなか踏み切らなかったのも頷ける。刑事事件にさえしなければ、幹部会で助け合う仕組みがあったからだ、と邪推したくもなる。
 幹部会で肩代わりするシステムが存する限り、職員らの公金使途に関する感覚がマヒし腐敗がはびこる、と断言できる。何ら責任をとらずに済むことから、使途のチェックがあまくなり、引いてはモラルが欠如してくるからだ。

 みなさん、この事についてどう思いますか。ご意見をお待ちします。
ご意見メール(ここをクリック)

  各土木事務所におけるヤミ手当(カラ宿泊)と
  コピー用紙カラ購入にかかる追及裁判

 5月11日に裁判が行われました。
 裁判は、この日で結審となりました。いよいよ判決です。判決言い渡し期日は、9月25日PM1時10分からです。


   議会情報の開示を求める裁判                                   

 4月9日に裁判が行われました。県側から主張書面の提出があり、5月10日までに、当方の反論と主張を書面で提出することになり、すでに、提出しました。
次回は、5月16日午前10時からの予定です。

5月14日 PM5:30〜
機関紙発送作業日
5月16日 AM10:00〜
議会情報の開示を求める裁判
5月23日 PM6:00〜
第1回全員会議
8月4〜5日
   全国大会 於:京都 
9月25日 PM1:10〜
   ヤミ手当(カラ宿泊)追及裁判
コピー用紙カラ購入追及裁判
内容 判決

会費納入のお願い

 新年度会費の納入を訴えますのでよろしくお願いします。
 同封の「振込用紙」か下記銀行口座に送金下さい。
 なお、送金控えをもって領収書にかえさせていただきますので、
別途、領収証の必要な方は事務局までご連絡下さい。
年会費は1口2500円です。
  【送金先】
    きのくに信用金庫本店
     普通預金  bO419585
     名義 市民オンブズマンわかやま
             事務局長 畑中正好