目次

 談合企業に損害賠償請求
 和歌山市「わかやま楽市楽座」事業
     内装工事費返還住民監査請求
 和歌山市迎賓館借り上げ整備事業
     支出金返還並びに差し止め監査請求
 会員投稿
     公費の観光
     「アエラ」掲載広告記事を考える
 裁判情報
 当面の予定

No.26

発行日2001年 7月16日

 

 

本年6月22日、松下環境空調エンジニアリング梶i以下単に「松下環境空調」という)の談合入札により、和歌山市が被った損害金8313万3434円の賠償を求める住民訴訟を提起しました。

 これは、和歌山市職員約4000万円流用事件に関連して刑事事件となった、松下環境空調の従業員にかかる「競売入札妨害」事件記録より、入札予定価格の基礎となる工事価格と「ぶぎり」率を不正に聞き出し、基本的に自ら選定した入札参加業者間で、談合入札を行い、もって、予定価格直下で高値落札した公共工事が3件判明しました。

その工事は、
 @平成8年度地方改善整備事業芦原大型作業場排水処理施設工事 
 A平成9年度地方改善整備事業岩橋大型共同作業場新築排水処理施設工事 
 B平成10年度地方改善整備事業岩橋大型作業場新築屋外付帯工事です。
 そこで、3月29日住民監査請求を行いましたが、5月25日に棄却されたことから本訴に及んだものです。

 市の損害は、談合により形成された実際の契約金額と、公正な競争入札が行われることにより形成されるであろう契約金額との差額金に相当します。よって、公正な競争入札が行われていたならば、落札率85%で落札できたと推定し、その差額金を算出しました。3件合計の談合による契約金額は6億2632万5000円であるところ公正な競争入札の推定落札率85%での契約金額は5億4319万1566円となるところ差額金は8313万3434円となり、右が和歌山市が被った損害となります。

 「談合やる得」を許さず、今後の談合防止を意図して追及におよびました。
 

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 さる6月5日、和歌山市の「わかやま楽一楽座」事業で支出した内装工事相当分の金1063万7000円の返還を求める住民監査請求を行いました。

 これは、昨年からはじまった包括外部監査人本田壽秀氏の監査結果による指摘を根拠として請求しました。同人の監査によると、楽市楽座事業として、大丸和歌山店5階フロアーを借り上げ、敷金名目で金2707万6000円を支出し、契約終了時に金1643万9000円返還されることになっていて、その差額金が1063万7000円であるところ、同差額金は、店舗区画フロアーの内装工事費用に相当する、と言うのです。

 そうだとすれば、実質上、内装工事が市の負担になっていたのですから、本来、店舗区画フロアーの内装工事費用として、正式に、工事契約をし、また、工事契約の前提である相見積を徴求し、工事価格の妥当性の検討をなすなどの手続を経て支出されるべきところ、敷金と偽って脱法的に支出したものであることになります。

 つまり、特定業者に、しかも高値発注を恣意的に行った疑いが濃厚であり、これを覆い隠すためになしたと見なされる極めて悪質な「脱法行為」と言わざるを得ません。よって、脱法的に支出された前記金員の返還を求めて本監査請求を行ったものです。

 また、本件の監査請求は、通常の監査委員に代えて外部監査人によって行われることになりました。
なお、本年3月末に報告された前記外部監査人の監査結果には、随所で、和歌山市の「脱法行為」を指摘しています。外部監査人の指摘する事項を和歌山市に是正をせまる意味からも行いました。

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6月12日、和歌山市長が観光客向けの迎賓館として借り上げた、同市和歌浦の老舗料亭「石泉閣」について、すでに支出された設計料や賃料等の返還と、今後支出が予定される賃料と管理費や建物改造費等の支出差止めを求める住民監査請求を行いました。

 「石泉閣」借り上げ契約は、20年間の長期契約であり、しかも、20年間に予定される公金の支出金合計は8億9240万円(内訳:建物改造費1億4000万円、賃借料3億2760万円、管理運営費4億2480万円)にも及びます。このように高額な支出が予定される契約が議会の議決を得ずになされていたのです。

 このような契約は本来、長期契約の債務負担行為として議決を要するにも係わらず、長期継続契約と装って、議会の議決を得ずに実行されていたことが、3月30日付本田壽秀包括外部監査人の監査結果において明らかにされたことから請求に至ったものです。

  なお、本件の監査請求も、通常の監査委員に代えて外部監査人によって行われることになっています。
 旅田市長に関しては、この事に関しても「親しい女性に市費投入」とかの疑惑のウワサがあります。包括外部監査人の指摘に限らず、真相を厳しく追及していきます。

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N.T.生  

 

 ここに一枚の海外旅行のスケジュール表がある。近畿日本ツーリスト和歌山支店が、和歌山市企画部大学設置準備室のために作成した「ご旅行行程表」である。本年四月五日関空発オランダのアムステルダムへ飛び、そこから空路ロンドンを経てベルファーストへ。翌日は北アイルランドマギー大学視察。三日目は空路バーミンガムを経てアムステルダムへ。着後市内視察。四日目は市内視察の後、空路アメリカのボストンへ。五日目は市内視察とバブソンカレッジ視察の後、空路デトロイトからラスベガスへ。六日目はラスベガスで自由行動。七日目はロサンゼルスを経て帰国の途に就き、八日目に関空着となっている。この「北アイルランドマギー大学、ボストンバブソンカレジ視察旅行費用見積」は「お一人様六五万円」

 この「海外派遣研修」に大浦助役及び企画部長から推薦されて派遣されたのは、企画部長の北野寿彦と企画部大学設置準備室計画化調査班長の坂本安広の二名で、支出予定金額は一四〇万円である。なおこの旅行には旅田市長が私費で同行している。

 和歌山市公文書公開条例で公開されたこの旅行に関する書類を一瞥して、先ず感じたことは「海外視察に名を借りた観光旅行で、税金の無駄遣いだ」であった。

 そう感じたことの第一の理由は、日程の中で、大学視察時間は総計でせいぜい一日にしか過ぎないのに、オランダの貿易・観光都市アムステルダムでの公園視察や運河巡りと、アメリカの賭博・歓楽都市ラスベガスでの自由時間を合わせた時間はたっぷり二日間である。

 第二に、大学視察について、新設予定の和歌山創造大学のために、具体的に何を見、何を知りたいかの緊急必須の課題を持って視察に出掛けた形跡がない。視察の対象に選んだのは、二十四時間市民に開かれた大学での企業家教育を目標とする和歌山創造大学のあり方に通じる大学だというのだが、復命書をみれば、大学紀要でも取り寄せて見れば分るような、大学案内に類する文字の羅列でしかない。唯一の収穫と見られるのは、バブソン大学で、バイグレイブ教授が和歌山創造大学のために講演やアドバイスを約束し、教授の相互交換を助言されたことである。その外は遠路遙々と高い費用をかけて行くまでもないことである。

 第三に、この視察旅行に旅田市長が私費で参加していることである。これはこの視察の実態に疑惑の目を向けさせるに充分である。本当に必要があり、熱意を持って視察の目的を達しようとするなら公費で行くことに何の異論もない。いかに財政逼迫の下においてであろうともである。それを私費で参加したというのは観光が目的の、後ろめたい気持ちがあったからこそであろう。逆に言えば、公費で行った二人は、私費で行くべきである観光旅行に公費を支出したということになる。

 国情も社会条件も異にする国の大学を視察してただ感心するだけで、運河巡りや賭博場見物にたっぷり時間をかけた「海外視察」に公費を支出したのは税金の無駄遣いである。少なくなくとも、運河巡りと賭博場見物にかかった費用は返還してもらわねばならない。

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西村則夫  

 

 朝日新聞社が発行する週刊誌「AERA」の三月二六日号に見開きを使って、旅田卓宗和歌山市長とメディア・プロデューサー残間里江子さんとの対談が掲載された。

 紙面の右側に大きく旅田市長の写真、左側に残間氏の写真、中央にツーショットの写真を掲載し、メーンタイトルは、「和歌山市の再興を考え出したら夜も眠れんのです」と打ち出し、リードを「地域振興はどこの自治体にとっても優先度の高いテーマ。人口減に歯止めのかからない和歌山市は、危機感をバネに市民・産業・行政を挙げて《再興》に取り組み中だ。内外の地域振興プロジェクトに詳しい残間里江子さんに旅田卓宗市長みずからが本音で、助言を求めた。」としている。サブタイトルは、「プロモートする時代」、「三つのソフトパワー」、「海都WAKAYAMA」としてそれぞれのサブタイトルにそった対談が掲載されていて、最後に、残間氏が「限られた任期内の仕事ではあっても、後々『あの人からこのまちは変わった』と皆さんにいわれるような、そんな素敵な市長さんに、ぜひなってください。」と締めくくられている。

 なんとこれが広告記事で公費で掲載されたのだそうだ。伝え聞いたとき、思わず「え」と驚愕し、ただ呆れるばかりだった。

 公費支出の根拠は、これが和歌山市PR事業でなされたかららしい。どこが和歌山市のPRなのか。これは、旅田市長個人のPRそのものだ。写真が、旅田市長と対談の相手方しか掲載されていないことからもご想像いただけるだろう。市民なら誰がみてもそう思うに違いない。

さて要した費用だが、雑誌編集タイアップ費として、約一九八万円、週刊誌「AERA」掲載費二四〇万円の合計約

四三八万円にプラス消費税だそうだ。極めて高額だ。

 旅田市長個人のPRに、市民の高額な血税を使途して許されるはずがない、と思うがいかがか。
 掲載に際し、「これは広告記事で、公費で掲載されました。」と添え書きをして欲しいものだ。記事からは、公費で掲載されているとは思われないからだ。

 

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  各土木事務所におけるヤミ手当(カラ宿泊)と
  コピー用紙カラ購入にかかる追及裁判

 5月11日に結審となり、判決言い渡し期日は、9月25日PM1時10分と指定されています。

 いよいよ、判決です。和歌山県が1997年に独自に全庁調査をなし、その結果不適正支出があったとして、約13億4400万円を返還しましたが、証拠書類を廃棄して説明責任を果たしませんでした。本件らはいずれも、右の全庁調査には含まれていなかったとして返還を求め、証拠書類を廃棄した是非を問いかけるものとなっています。

 

和歌山県議会補助執行支出公文書(補助金実績報告書等)非開示取消訴訟

 6月21日に裁判が行われました。

 県側の主張の立証は、陳述書の提出によることで、証人採用はせずに終結しました。
 判決の言い渡しは、9月18日午前9時50分から行われます。

 

談合入札損害賠償請求住民訴訟

 6月22日に提訴した本件は、第1回期日が9月4日AM10時に指定されました。具体的な進行はこれからです。

 

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7月16日 PM5:30〜
   ニュース発送作業日

7月25日 PM6:00〜
  第2回全員会議

8月4〜5日
   全国大会 於:京都 

9月4日 AM10:00〜
  談合入札損害賠償請求住民訴訟
    第1回期日

9月18日 AM9:50〜
  和歌山県議会補助執行支出公文書(補助金実績報告書等)非開示取消訴訟
     内容 判決言い渡し
9月25日 PM1:10〜
   ヤミ手当(カラ宿泊)追及裁判
  コピー用紙カラ購入追及裁判
     内容 判決言い渡し
9月26日 PM6:00〜
  第3回全員会議

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