目 次

弁護士報酬敗訴者負担制度導入反対
住基ネットからの離脱を
同上離脱申請書を和歌山市に提出しよう
石泉閣・木造建物部分一部の障害者利用不能

裁判情報
今後の予定

No.34

発行日2002 1118


弁護士報酬敗訴者負担制度
導入に反対しましょう

  署名にご協力を!(用紙はクリック!・PDF)

 司法改革の一環として、「弁護士報酬の敗訴者負担制度」が導入されようとしています。

 この制度が導入されると、オンブズマンがこれまで行ってきた不正を追及するような住民訴訟の提起が非常に困難になり、また、一般市民紛争においても、裁判が利用しにくくなります。

 そこで当会では、同制度の導入に反対し、署名を呼びかけています。是非、ご協力をお願いします。


 現在、民事裁判で弁護士を依頼したときの報酬(着手金と報酬)は、依頼した当事者がそれぞれ負担する「各自負担」になっています。それを、「敗訴者負担制度」では、裁判に負けた側に、勝った側の弁護士報酬を負担させようとするものです。合理的なようにも聞こえますが、この制度で一般市民は、訴訟を起こしにくくなります。なぜなら、訴訟を起こす前から絶対勝訴することが見通せる事件は大変少なく、一抹でも負ける不安のある事件は、相手側の弁護士報酬の負担を恐れて裁判に踏み切れなくなるからです。

 さらに、公害防止や環境の保全を求めたような住民訴訟あるいは、大企業らを相手に責任追及する裁判や、新しい人権を獲得する裁判、労働者の権利を守る裁判、消費者訴訟、医療過誤訴訟などにとっては、ことは重大な問題です。これらの訴訟は、最初から勝利を見通せる事件など皆無に等しいのです。

 勝利の見込みのうすい裁判は、当然、相手側の弁護士報酬の負担が大きなハードルとして立ちはだかるからです。

 私達オンブズマンがこれまで行ってきた住民訴訟も機能しなくなります。つまり、このような住民訴訟は、不正追及の一環をなしていました。しかし、その勝敗から考えると、原告となろうとする人が誰一人いなくなると考えられるからです。もともと勝訴しても一円も還元されない原告住民が、敗訴したときには巨額の弁護士報酬債務を負わされることになるのでは、原告として不正の追及に正義感に燃えた人であってもあまりにもリスクが大きすぎて躊躇うのは当然のことでしょう。

 国や大企業は、裁判所から市民を締め出すことをねらって、この制度の導入をはかっているのです。国や大企業を利するこの制度の導入に,私達は強く反対しています。

 このような「弁護士報酬敗訴者負担制度」は、世論の力で導入を阻止しましょう。

トップへ


住基ネットからの離脱を

住基ネットに反対する和歌山市民の会
市長に申し入れ

 当会でも、住民票コードの付与に対する異議申立を呼びかけてきましたが、この度、当会の代表らが中心となって、「住基ネットに反対する和歌山市民の会」を結成し、住基ネットに反対する運動を展開しています。個人情報の保護にかかわる問題なので当会でも取り上げていきたいと考えます。

 住基ネットに反対する会では、和歌山市長に対し、次のような離脱を求める申し入れを一一月一五日に行いました。

 8月5日から住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)が、国民の反対や自治体の懸念にもかかわらず、本来めざしていた全国一斉の実施に大きな欠陥を生んだまま強制的にスタートとしました。

 私たちは、今回の住基ネットが、
@ 国民のプライバシーを侵害し、憲法第13条に反すること
A この制度は、国民総背番号制の導入に他ならないこと
B コンピューターシス テムのセキュリティー に「絶対安全」の保障 がないこと
C 漏洩による流出によって、個人情報が悪用される危険性がぬぐえないこと
D 小渕元首相の「個人情報保護法の制定が前提」との答弁にも反し、住民基本台帳法附則1条2項の規定に反するものであること
E いずれ個人情報が蓄積されて国民の管理・選別に使用される危険性が大であること
など、いずれの点からも強行実施は許されないと考えており、和歌山市が「住基ネット」から離脱することを次のとおり申し入れます。

 全国的には、住基ネットに強制的に組み込まれた国民とそうでない国民とが混在した状況にあります。つまり、東京都杉並区、同国分寺市、福島県矢祭町などは、当初から不参加でネットそのものから離脱しており、横浜市は、「市民選択制」を導入し、市民の意思確認作業などのため現在は接続されておらず、そして、82万人を超える市民が不参加だと伝えられています。また、東京都中野区は、実施後接続を切断してネットそのものから離脱しているからです。このような各自治体の対応からすると、各市町村長の考え方次第でこれからでもネットから離脱することは充分可能だと言えます。

 そのような中、和歌山市は、私達市民の意思を確かめることなくネットに接続しました。しかし、和歌山市では、住民票コード通知書の受取拒否が57件(10月31日現在)あり、住民票コードの付与を不服とする異議申立が289件もありました。これらは、住基ネットの必要性を認めない市民が多数存することを示しています。そうであるのに、和歌山市は、市民の意思を無視したまま強制的にネットに接続し続けています。このことは、市民の意思を無視するものとして、厳しく非難されます。和歌山市においても、市民の意思を尊重して、ネットへの接続を強制しないようにすることが求められます。

 ところで、私たち市民には「自己情報コントロール権」があります。これに基づけば、和歌山市は本来、市民の同意を得てから個人情報を住基ネットに流すべきでした。それを怠り、市民の同意を得ずになした市の住基ネットへの参加決定は無効とも解されます。

 そこで、私達は、自らの個人情報を住基ネットに流すことに反対し、住基ネットそのものからの離脱あるいは、市民の意思に従った「個人選択制」に基づく離脱を求め本申し入れをさせていただく次第です。

 


住基ネットの離脱申請書を
和歌山市に提出しよう!

私たち和歌山市民にも
自己情報コントロール権を認めて!

 国民全員に11桁の固有番号(住民票コード)を強制的に割り当て、住民票を国が一括管理する住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)が8月5日から稼働しました。しかし東京都杉並区・中野区・国分寺市・福島県矢祭町は不参加。横浜市は「個人選択制」を打ち出し、4人に1人が不参加を表明しました。これに対し国は、いずれ住基ネットに参加することを条件に「段階参加」を認めるやにも伝えられています。そして,現時点では約170万人が住基ネットに参加していません。

住民票コードに異議申立289件も・・・・・・・

 横浜市では,個人選択が採用されています。接続を希望しない市民には離脱することを認めているのです。他方,和歌山市では,個人の意思が無視されて,強制的に接続されています。

 しかし,和歌山市において,住民票コード通知書の受取拒否が57件(10月31日現在)あり,また,住民票コードの付与を不服とする異議申立が289件もありました。少なくない市民が住基ネットからの離脱の意思を示したものと考えられます。


 他の自治体では,住民の個人の意思が尊重されて,和歌山市では何故尊重されないのでしょうか。不思議です。要は,市長が市民の意思を尊重するか否かの姿勢にあります。

私たち市民には自己情報コントロール権があります

 「自己情報コントロール権」という考え方があります。難しそうな言葉ですが「私の個人情報は私のもの」という当たり前の考えです。これに基づけば、和歌山市は本来、市民の同意を得てから個人情報を住基ネットに流すべきでした。これを怠り市民の同意を得ずになした市の決定は無効と解されます。

 私たちは,自らの個人情報を住基ネットに流すことに反対し,住基ネットそのものからの離脱あるいは,横浜市と同様に,個人選択性に基づき離脱する自由を求めています。

◎住基ネット離脱申請書を和歌山市に送りましょう!

 住基ネットからの離脱を希望される方は、同封の申請書(クリック!・PDF)に住所氏名を記入し押印のうえ、当会あるいは,直接市役所の市民室へ届けて下さい。

住基ネットに反対する和歌山市民の会
〒640-8158 和歌山市十二番丁10番地 本山ビル3F
和歌山合同法律事務所内 TEL 073-433-2241 FAX 073-433-2767

 

 

 

トップへ


石泉閣・木造建物部分
一部の障害者利用不能

バリアフリー条例に違反と指摘

前号でもお伝えした石泉閣総点検による結果を、一部「報告書」と言う形にして一〇月三〇日裁判所に提出しました。その概要をお伝えします。

 点検結果は、

(1) 石泉閣建物は、バリアフリーのための整備基準などを規定する「和歌山県福祉のまちづくり条例」が適用される公共施設であるにも係わらず、同条例に違反していること、しかも、同条例に適合させるための改造が不可能な建物群であること、

(2) 建物内に存する立入禁止区域は広範囲に、かつ、建物所有者の私物と目される物品が市民に開放されていない部屋と蔵に多数存在したことの2点あったとしていますが、同報告書では、(1)に関してまとめています。

 報告書は、まず、バリアフリーを規定する福祉のまちづくり条例が、「障害者や高齢者等の行動や社会参加の機会を阻んでいる様々な障壁を取り除き、すべての人が自らの意思で自由に行動し、主体的に社会参加ができ、共に地域社会で快適に暮らせる福祉のまちづくりを推進していくために、県民は、共に力を合わせ、不断の努力を傾けることを決意」したことを宣言し、基本方針を定めて、障害者、高齢者等が安全かつ円滑に利用できる施設の整備を促進することを目的に制定されているとしています。そして、その目的に添って障壁を取り除くための整備基準が定められているが、現実の石泉閣は、その整備基準に適合しておらず、違反状態にあるとしています。

 違反状態にあるとする各事実は次のとおりです。

(1) 石泉閣来客用駐車場としている「和歌浦シーサイド駐車場」がバリアフリーのための障壁を取り除く整備が一切なされておらず、かつ、駐車場から石泉閣に至る経路は、一般車道を通行する形になっており、しかも傾斜もあって、障害ある方が一人で通行できないことから当該駐車場は実質使用不能であること。

(2) 障害者用出入り口には、館内の総合的に説明する受付がどこにあるかの案内は一切なく、しかも、視覚障害者の障壁を取り除くための誘導ブロックも音声案内もないことから、障害者が入り口に到着しても、そこから実質進行不能に陥ること。

(3) しかも、受付は、三階にある健常者の入り口に近い所に設けられており、受付台も大人の健常者がたって利用する高さの構造になっており、車椅子利用者のための下部スペース(車椅子のアームレストやひざがあたらないように)がなく、障壁を取り除くための整備基準に従った構造でなかったこと。

(4) 旅田元市長が言うようにバリアフリーのための改造をなしたのは鉄筋コンクリート建物だけであり、何らの障壁を取り除くための整備を施していない木造建物である西別館、茶室、北別館などは、障害者や高齢の利用に耐えうるものでないことは言うまでもなく、しかも、西別館、茶室、北別館に至る経路には、段差があり、この障壁を取り除くための整備も何ら施しておらず、一部の障害ある人々にとっては、これらの建物に到着することすら不可能で利用不能の状態にあること。

 また、報告書は、とり西別館、茶室、北別館などの木造建物に関しては、障壁を取り除くための整備を施すにも、他の法律の規制から整備の改造が不可能な状況にあることから、公共施設として不適格であり、そもそも選定したことに誤りがある、としています。さらに、一部の障害ある人々の利用を不能にしたままで開館を続けるべきでない、と厳しく指摘しています。

 

 

トップへ


市職員海外派遣研修費返還請求訴訟

 この間,9月25日と10月23日に裁判が行われました。通算9回目の裁判です。

 両日とも,弁論準備手続きでした。相手方から,復命書に添付される視察で収集した資料の提出がありました。英文そのままの提出で,翻訳文が添付されていなかったことからすると,単に収集していただけであり,何ら活用されていなかったものと伺えます。裁判所からも翻訳文を提出するように要望がなされました。

 証人について,当方は,出張した職員2名に加えて旅田元市長と楠本建設の社長及び石泉閣建物所有女性の5名が必要と採用を要求しました。これに対し相手方は,職員の2名だけとしました。相手方と意見が違う証人3名について,当方から証人調べが必要とする意見を次回まで書面で提出することになりました。

 早ければ次々回には,証人調べがはじまります。

 次回期日は,12月16日AM11:00〜の予定です。


石泉閣借り上げ費用差し止め及び返還訴訟

 この間10月30日に7回目の裁判が行われました。この日も,弁論準備手続きでした。

 この日,当方から,先になした石泉閣点検ツアーの結果をまとめた報告書(概要は別途掲載)と,石泉閣の契約を今年度限りで解除する意向と報じる報道記事を証拠として提出しました。

 次回期日は,12月12日AM11:00〜の予定です。

 

 

トップへ


11月18日 PM1:30〜
   ニュース発送作業日

11月27日 PM6:00〜 第4回全員会議

12月12日 AM11:00〜
公金支出差止及び返還請求訴訟
(石泉閣借り上げ契約)

12月16日 AM11:00〜
市職員海外派遣研修費返還請求訴訟

1月29日 PM6:00〜
  第5回全員会議

 

トップへ

Click