目 次

グリーンピア南紀借入金肩代わり問題
全国市民オンブズマン大会開催
上記報告:感銘を受けた全国大会
上記報告:新たな出発点に
全国大会で確認した今後の課題
裁判情報
今後の予定

 

No.39

発行日2003 916


グリーンピア南紀借入金肩代わり問題 
 監査結果,請求棄却

 

住民訴訟へ!


 9月5日県監査委員は、私達がなしていた(財)グリーンピア南紀の葛I陽銀行からの借入金のうち金1億3636万7221円を肩代わりするための公金支出差し止めを求める監査請求について、棄却決定を下しました。

 誤った監査結果を正し、必要のない公金支出差し止めを求めて、近く住民訴訟を提起する予定です。

 監査結果は、グリーンピア南紀の役員や実質的な業務運営者らが県や町関係者で務めていたことから、「県は、グリーンピア南紀に運営を委託したが、運営にあたっての事業主体は県であり、財団の自主性を尊重しつつも、その活動は県の管理運営責任の下で行われたのであるといえる。このため、県はグリーンピア南紀と別組織とはいえ、和歌山県が主体的に関与したことは明らかである。」などとして、債務の一部を負担することは違法、不当とは認められないとしました。

 しかし、県や町の関係者らが役員や業務運営にあったとしても、そのことから直ちに県の主体的関与と見なされるものではありません。当該事業を委託するについて、委託契約があります。委託契約上、委託先が運営に責任をもっていることは当然だからです。故に、運営責任は県にはなく独立した法人としてグリーンピア南紀が負うべきものです。

 そして、グリーピア南紀の経営責任も主要な役員や実質的な業務運営者にあった県や町関係者らが厳しく問われるというものです。この経営責任を県民の税金で助けて免罪しようとすることこそ本末転倒であり許されることではありません。

 そもそも、県らOBの天下り先としてそれらの関係者でしめていたことに責任があるというものです。

 そして、県知事が、グリーンピア南紀の代表理事をしていたことから、その理事としての責任を厳しく問われるのもしごく当然のことです。その責任を問わず、これに、血税たる公金の唯一支出権限を有する県知事として、公金を投入するのは立場の混同も甚だしい、というものです。

 また、公益性についても、グリーンピア南紀の事業に公益性があった。その事業推進のために運転資金として借り入れた資金は公益のために使用されたものと考える、としてこれを肩代わりするについて公益性があるとしました。とんでもないこじつけの理屈です。これは、グリーピア南紀が県の組織と同一と見なしていることから誤った結論に至っています。グリーピア南紀は、別法人として、独自に運営されていたものです。経営の行き詰まりから借り入れた運転資金などに、公益性があるはずがなく単なる借り入れた組織の借金の問題です。

 仮に、公益性があったとするならば、金融機関から借り入れるのではなく、その時点で、正規の手続きを得て、県から公金の補助を受けてあるべきです。正規の手続き得ていないことから、その借入金に公益性がなかったこと明らかです。

 また、過去の運転資金の借入金の精算のための公金支出にも公益性がないことは当然です。

 さらに、同決定は、「県が積極的に誘致し受託した事業の再委託先たるグリーピア南紀を破綻させることは、観光立県を唱え、積極的な観光行政により、県民の福祉増進に取り組んでいる県にとって非常に厳しい影響を与えるものと考えられ、県の信用にとって大きなマイナスイメージになり、観光産業等に与える影響も大きいものと考えられ、単に破産をさけるというだけの意味とは認められない。」などと言います。これは、破産をさける意味が大きいとでも言うのであろうか。しかし、仮に、積極的に誘致し受託した事業の再委託先たる施設が破産したとして、

いかなる非常に厳しい影響が県に及ぶというのだろうか。また、県の信用にどのような大きなマイナスイメージが及び、観光産業にいかなる大きな影響を与えるというのだろうか。何ら具体的な影響については一切示さず、単なる抽象的なおそれをことさら強調する当たりは単に為にする理屈でしかありません。むしろ、昨今は、宿泊施設の破産もめずらしくなく、事業努力のたりない施設は淘汰される世相にあります。どの施設が破産しても、関連する事業者や従業員また、その地域や観光産業にある程度の影響を与えることは考えられるでしょう。しかし、それらと同等に考えられる影響であれば、ことさらグリーピア南紀の破産をさけることに公益性があるとは到底言えません。

 いずれにしても、行政いいなりの監査結果であり、「死んだ監査制度」と評さざるを得ないものでした。

 誤った監査結果を正し、必要のない公金支出の差し止めを求めて、住民訴訟を近く提起します。

 ご支援をよろしくお願いします。

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内部告発のすすめ

 「上司に逆らえない」などといって、違法なことに手を染めていませんか。旅田・和歌山市元市長のことでもそうです。職員は被害者だ、などという声が聞こえてきますが、そう言う発想に基づくものでしょう。

 法令遵守は、職員にも求められます。違法は許せないと言って内部告発してくる方もおります。当然のことでしょう。あなたも、違法なことには毅然として内部告発をしましょう

匿名でも大いに歓迎です。お気軽にご一報ください。

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全国市民オンブズマン大会開催

わかやまから6名参加

  第10回全国市民オンブズマン大会が8月30、31日と仙台で開催されました。全国から約700名が集い、当会から阪本康文代表をはじめ6名が参加しました。

 大会は、丁度10年という節目の大会であることからこの10年間の活動を振り返り、その経験を踏まえて今後の課題を明らかにするなど新たな出発点となる画期的な大会でした。

 また大会では、入札調書の分析結果、議会透明度ランキングの結果、包括外部監査の通信簿などについて公表しました。

 佐藤信(評論家)氏の記念講演もあり、その後、5つの分科会に別れて活発な報告も行われました。6名の参加者はそれぞれ別れて分科会に参加しました。

 

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包括外部監査の「通信簿」

 Bランク
 
ランク


 

 全国大会にあわせて、2002(平成14)年度の包括外部監査の通信簿をの公表がありました。これは、地方自治体が'02年度に実施した包括外部監査を評価してまとめたものです。 評価は、A(優れた監査として評価に値する。)からE(不可。外部監査として欠陥があり意義を認めがたい。)までの5段階で評価しています。総合評価で最高のAと最低のEは、ともに4自治体ありました。

 和歌山県はB(よい監査であるが、なお、改善を希望し今後に期待する。)です。和歌山市はC(平均的レベルであるが不充分な点もあり、監査対象の選び方や監査方法・内容等を改善する必要がある。)でした。

 県は、2件を監査対象としており、その内「@和歌山県商工労働部における補助金交付及び貸付金の執行状況、管理状況に関する事項」がBで、「A和歌山県道路公社の財務内容及び執行状況と、同公社に関係する和歌山県の事業に関する事項」がDで、総合評価が『極端なアンバランス。@の対象は具体的提案が多く、踏み込んだ内容もある。一方、Aの対象は、需要予測が過大となった原因の究明不足。提案も具体性がない。』とするBでした。

 市は、「@公共下水道事業」と「A学校給食事業」を監査対象にしており、@C、AをDと各評価し、総合評価が『@は、論点がいずれも踏む込みが足りない。契約関係一つとっても分析が甘く、提言も抽象的。Aはまず対象選定に疑問がある。わずか21ページの報告書で、内容は薄い。「問題なし」としている根拠の説明が足りない。』とするCでした。

 

 前年度のランクは、県C、市Cでした。県の評価がワンランクアップしたことになります。C程度の外部監査では、監査としての水準が低すぎます。高額の費用を公金で支払っているのですからその費用に見合うような監査を求めます。これでは税の無駄遣いと言えるでしょう。外部監査をよりよくしていくためにも外部監査を活かした取り組みが大事です。今後、外部監査結果を精査して、活用していきます。

 

 


感銘を受けた全国大会

阪谷昇良

 私は初めて全国市民オンブズマン大会に参加し、各地のオンブズマンの方々と接し皆様方の活動に対する弛まざる努力と、その情熱の深さに一層の感銘を受け、この運動に対する意識をまた新たに致しました。

 この仙台で10年前全国市民オンブズマン連絡会議を発足、その時はわずか13団体であったのが、今日、79団体になり、また「市民オンブズマン」の名称も、一般の方々に広く知られ、市民運動として認知されるようになったことから発足の地である仙台で、"全国市民オンブズマンの10年―その軌跡と課題"と題して大会が持たれました。

 大会は、挨拶、基調報告、新海事務局長の「市民オンブズマンこの10年」の報告で始りました。

 報告は、「仙台は間違いなく、全国のオンブズマン組織の"一番バッター"だ。常にリーダーシップを取ってきた。メンバーにも恵まれており、問題を追及する市民運動の機能に加え、シンクタンク機能も持ちはじめていると言える。仙台のオンブズマンが培ったノウハウを、ほかの地域でも共有していきたい。地域が抱える実情も違うし、取り組んでいる人間も違うので、それぞれに特色がある。それでいいと思う。また、これからの課題として、@政策形成過程の情報公開、A無駄な公費支出の抑制、B行政監視ツールの充実―国民訴訟の創設の三点に取り組んでいかなければならない。」と言う趣旨でした。

 続いて、オンブズマン活動を「平成の自由民権運動」と評した評論家・佐高信氏の記念講演があり、「いま、日本を読むー政官財複合国家を撃つ視点」との演題で約1時間、現在の政官財界人のシニカルな人物評をまじえて面白く聞かせてくれました。

 引き続きおこなわれた分科会は、〈議会改革〉〈談合・入札制度改革〉〈包括外部監査〉〈公共事業〉〈情報公開〉の5テーマが設定されてあり、その内私は、〈談合・入札制度改革〉の分科会へ出席しました。この分科会は、100名を越す盛況ぶりで全国的にこの問題に対する関心の深さが感じられました。

 分科会では、大川隆司担当幹事(かながわ市民オンブズマン)より報告があり、オンブズマンが談合対策に取り組んで8年、この間に、@落札率の情報公開の実現、A談合の責任を追及する住民訴訟の進展、B入札・契約制度改革などを進展させた。そして、談合実態の解明には、落札率の把握が有用であり、例えば、その落札率が両極端に別れ途中がないことは、談合が成立したケースと成立しなかったケースに二分されることを意味し、一定期間の平均落札率がたかければ、談合が蔓延しており、低ければ自由競争の場合が多いことを意味する、と言います。

 「談合業者に対する損害賠償請求権は、契約の成立から1年以内に限る」という「1年ルール」の原則を打ち破るために悪戦苦闘し、その結果、02年7月に最高裁で、談合の責任追及に関しては、「1年ルール」の適用されないと決着させた、との報告もありました。

 また、入札・契約制度改革の現状は遅れているとの指摘があり、一般競争入札あるいは、公募型指名競争入札の対象となる工事の範囲を大型工事にとどめている自治体が非常に多いとして、1億円未満の工事でも一般競争の対象にしているのは僅か3自治体、公募型指名競争の対象にしておるのは11治自体にすぎないと批判しました。そのような中で、予定価格1,000万円以上の工事に対し、一般競争入札を01年から導入した宮城県では、導入前の00年度に95.6%であった平均落札率が、導入後の02年度において82%にさがっていると強調します。こうした改革にたいし、落札率が下がると工事の質が低下するとの反論があるが、落札率が低いから工事成績評点が低いとは限らず、逆に落札率が高いから工事成績が高いとは限らないことが宮城県の調べで判明したとして、反論に根拠がないとの説明がありました。

 さらに、談合追放による節税効果は、国の機関の発注工事で4兆8,741億円、地方の機関の発注工事で10兆5,957億円に及ぶと言います。なお、国と地方の平均落札率は96%程度との推定から、談合の排除により
札率を10ポイント下げるだけでも、全国的に1兆6,114億円の節税効果がある、との指摘に、私たちオンブズマンのがんばり甲斐がある活動だと感じました。また、入札制度に関する「制度を改善すれば落札率は下がる。改善しない知事や市長は、地方自治体の財産管理を怠っているに等しい」との発言にはもっともだと感じました。

 鳥取県の職員も参加していました。その職員からは、入札制度の改革と地場産業の育成とを如何にリンクしていくのかが問題だという趣旨の発言もありました。いずれにしても、和歌山県や市の職員も参加して学んで欲しいと思いました。

 市民オンブズマン全国大会に参加し、いろいろな点で感銘を受け、また多くの勉強をし本当に参加してよかったです。来年の全国大会は8月末函館で行いますので皆さんも参加いたしませんか。また杜の都仙台も思い出深いよい町でした。

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新たな出発点に

池内祥元

 1993年にここ仙台で、13団体で第1回の大会が行われたそうである。それから同じここ仙台で10回の大会が行われた。今年は、79団体と、700人以上の参加の大きく成長したことがわかる大会であった。

 たくさんの活動報告があった。全国各地の税金の無駄遣い・違法支出の追及で公務員同士の飲み食い−官官接待でこんなにまだ行われているのか、と。特に、元高検の検察官が庁ぐるみで裏金をつくり、飲み食いの内部告発しようとするや逮捕された、との報告に、権力とは、こんなものかと、恐ろしくなった。だが、みなさんの力強い発言、発表で前進の道が見えてきた。また、まだまだ談合、カラ出張もこんなにあるのか、と驚かされた。

 それらを見抜いていくのに、情報公開等がある。開示請求により取得した行政情報を分析して問題点を指摘する。大変な仕事だが、行政に市民要求を提案し、実現した報告。全国各地で取り組まれている報告に、元気を頂いた。

 大会宣言、たくさんの決議案に要約されているが、巨大な公共事業による群がる「カネ」を裁くこと、無駄を防ぐことや議会・議員や監査委員に本来の仕事を行わせることなど、この社会の「ウミ」をださせるオンブズマンの人たちに圧倒された。

 全国の彼ら彼女らの素直さ、純情さ、直向きさ、頑張りさにも圧倒された。

 参加させていただき、私の新たな出発点になった。一つひとつ、地道にやるしかない。自分の新たな出発点でもある。和歌山から六人の参加。一緒に参加させていただきありがとうございました。

 

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全国大会で確認した今後の課題

 @ 政策形成プロセスの透明性を求めること

 A 無駄な公費支出の抑制
    ・ 談合の根絶
    ・ 無駄な公共事業の差し止め


 B 行政監視ツールの充実
    ・ 議会・議員や監査委員に本来の仕事を行わせること
    ・ 国民訴訟制度の創設      

 

 

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市職員海外(ラスベガス)派遣研修費返還請求訴訟

この間,8月5日に最終弁論が行われました。これまでの審理を踏まえて,双方が最後の主張を陳述しました。

いよいよ次回が判決です。判決日は,10月28日午後1時10分からです。

    ラスベガス旅費返還訴訟              
            いよいよ判決       
                       傍聴にきて下さい!
   

 10月28日
   午後1時10分
  和歌山地方裁判所

 

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 石泉閣借り上げ費用返還訴訟

9月3日に,第12回目の裁判が行われました。この日も,弁論準備手続きでした。

 前回,当方が石泉閣事業廃止までに支出したすべての費用2億5454万0146円を返還請求したのに対し,旅田側が全額が損害にならないとする主張を詳細に準備すると言うことから2ヶ月余り先の期日にしていたのですが,提出がありませんでした。協力してくれる人が石泉閣事業に関連して逮捕されたことにより作成できなかったことがその理由のようです。その人物が釈放されたことから作成可能になったのでその期間を要求してきました。裁判所がそれを認める形で次回期日が決まりました。

 次期日は,10月8日午前10時からです。

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 『愛人手当て「石泉閣」事業追及の軌跡』

     と題して畑中事務局長講演

    日時   10月5日午後12時30分〜
    場所   和歌の浦アートキューブ「キューブA」
    主催   水と森と平和の声

 

 

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9月16日 PM4:00〜
   ニュース発送作業日
9月24日 PM6:00〜
  第3回全員会議
9月29日 PM7:00〜
   住基ネット差し止め訴訟をすすめる和歌山の会事務局会
10月 8日 AM10:00〜
公金支出差止及び返還請求訴訟
(石泉閣事業)
10月28日 AM10:00〜
住基ネット差し止め訴訟第1回
10月28日 PM1:10〜
市職員海外派遣研修費(ラスベガス)  返還請求訴訟
判決
11月26日 PM6:00〜
第4回全員会議


 旅田被告・石泉閣
  事業「背任」事件

  公判のお知らせ

 10月29日
     PM1:30〜
   和歌山地方裁判所

 

 

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