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★★★目 次 ★★★ ラスベガス海外研修旅費返還住民訴訟
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No.40 発行日2003年 11月12日 |
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旅田前市長らに約140万の支払命令 全面勝利判決 10月28日、ラスベガス海外研修旅費返還請求住民訴訟の判決があり、
この裁判は、01(平成13)年12月に提訴したもので、旅田前市長が、同年4月に同氏と同氏の私的な友人2名らの私費によるグループに、公費による職員2名の合計5名で、北アイルランド、アムステルダム、ボストン、ラスベガスなどへ大学視察の海外研修と称して行った出張旅行について、職員の随行は、単なる観光旅行に随行したものであって、その出張には公務性がなく違法であり、職員に出張命令をだした旅田前市長には指揮命令権限を逸脱した違法があるとして賠償を求めていたものでした。 もっとも、当該旅行後間もない頃は、旅田前市長らは、同氏の友人らの同行の事実をひた隠しにしていました。しかし、私達の調査で、その旅行に石泉閣の若おかみ川野ひろこ(背任容疑で公判中)と市の指名業者である楠本建設の代表者とが同行していた事実を明らかにして、民間人同行の旅行に公務性がないとして住民監査請求に至ったものです。 この監査請求を受けて、旅田前市長は、民間人同行の事実を認め、同旅行を同氏が思い立ち、私的な友人に呼びかけて、川野氏と楠本氏が応じてくれたことから実施し、職員らにも出張命令をだしたということを認めたのでした。 裁判の争点は、旅田前市長とその友人らの私費グループの私的旅行と一緒に同行した職員2名の出張に公務性あるか、また、職員らの出張が、公金で視察するにふさわしい出張であったかでした。 判決は、本件出張が、旅田前市長が計画した私的な旅行が端緒となっており、行程の決定にあたり、旅田前市長が関与し、私的な旅行と出張とが同一に実施されているし、職員が民間人の分の搭乗手続きや宿泊手続きを行っていることから、「本件旅行は、旅田が私費で民間人である川野及び楠本とした私的な旅行と職員2名の出張とが一体となってされたもの」であるとしました。また、実際の視察内容は、8日間にわたる出張において、大学視察は6時間にも満たない上に、通訳を介しての会話であることから実際は半分程度にすぎない、とし、出張後の報告も、その内容は、大部分が一般的抽象的なものであり、もう一人の分は、その大部分が配付された資料の翻訳ないし日本の雑誌記事の引き写しにすぎないものであったことから、その出張内容においても、「多くの部分が一般の観光旅行と異なるものではなく、視察旅行としての側面を有すべき海外の大学への視察についても、その準備状況、実際の視察内容及び出張後の報告の状況に照らすと、視察というよりも形式を整えるためにされたもの」と認定しています。そして、「出張の実態は、真実視察ないし研修を目的としたものではなく、視察ないし研修名
目でされた観光旅行にほかならない」と断じました。 また、「旅田は、本件旅行に川野、楠本、職員2名を誘い、協議の上でその行程を決定し、職員らに出張命令を出して、旅費を支出させ費消させた」として、「出張命令は、旅田が市長としての指揮
監督及び職務命令権限を逸脱した違法なもの」であるとして、旅田と職員らに支払い命令を下しました。
《《 監査委員の責任を問う 》》 判決 3件も続いて監査結果を否定
それは、まず、住民に監査請求を通じて地方政治への住民の参加を保障し、このことにより、地方公共団体の行財政の適正な運営を確保し、もって、住民全体の利益を擁護することを目的としているからです。そういうことから、住民の監査請求があった場合には、行財政の適正な運営が確保できるよう住民の利益に立って、違法性や不当性に関する審査が求められるというものです。しかも、裁判は違法性が指摘できないと訴えられませんが、監査の段階では、違法性がなくとも、その運営が不当というレベルをも監査の対象にして適正な運営を確保しようというものです。つまり、「市民の常識で考えておかしい」という指摘がなされるものもテーブルにのせられるというものです。 それだけに、監査委員にも、違法性を審査する高度な能力が求められるし、とりわけ不当性を判断する公平かつ公正で住民の利益にかなった常識が求められるというものです。ところが、巷では「住民の追及の防波堤」になっていると揶揄されるように、行政当局者の意向に従って、住民の請求を退ける場合が殆どです。これでは、本来の目的とする監査制度とはほど遠くあってはならないことです。 ところが、和歌山市も類に漏れず揶揄されるような「住民の追及の防波堤」でした。それは、私達が、これまでに5件の監査請求をした結果は、5件とも請求が認められず退けられました。そのうち4件について裁判に訴えたところこれまでに3件の判決がありました(うち、2件の判決はすでに確定。1件は、控訴期間中につき未確定)。その判決は、いずれも監査委員の結果を覆して私達の請求を認める内容のものだったのです。この事実から
「住民の追及の防波堤」だったことが明らかです。 市民の利益にそぐわない監査委員の更迭を
裁判に訴えた3件が、連続して監査委員の結論を覆した意味は大きいといえるでしょう。 それは、監査委員の判断が誤っていると否定したことに他ならず、しかも3件も続いたことは過ちが繰り返されてきたことを意味するからです。 尾崎元市長が汚職にまみれ、旅田前市長の収賄と背任事件の不祥事があって、「和歌山の常識は日本の非常識」と言われていますが、こういう事件が熟成される土壌の要因の一つとして、「判決で否定されるような監査を続けてきた」という、あってはならない監査委員の存在にあると考えられます。 それは、「住民の追及の防波堤」になる監査は、組織内部向けには甘い監査ということになります。内部的に甘い監査は、内部の不正や不祥事を許す結果にもつながりかねませんし、自浄能力も発揮されません。内部監査がきびしくない組織には内部統制がきかないというものです。 ちなみに、平成12年にあった「ねぶた祭り視察旅費返還訴訟」の判決が、当該旅行が視察ではなく観光と断じました。監査委員が、この判決を真摯に学んで視察旅行の監査の基準としていたならば、今回の判決が示すような形だけをととのえた海外派遣研修と称する観光旅行が、漫然と行われるようなことがなかったと言えます。そう言うことからしても、監査委員の責任は重大です。市民のみなさんはいかが思われますか。 いずれにしても、裁判に訴えないと是正されないような監査制度では意味がありません。こういう監査委員をいつまでも就任させておくことは、市民の利益に反することと言えるでしょう。市長や議会においてもすみやかな対応が望まれます。
※※※監査結果が判決で否決された3件の事件名と ねぶた祭り視察旅費返還請求訴訟 談合損害金賠償請求訴訟 ラスベガス海外研修費返還請求訴訟 グリーンピア南紀債務肩代わり問題 必要性も公益性も責任もなく違法
グリーンピア南紀は、県から再委託を受けた財団法人が運営していました。財団法人は県とは別の法人です。運営の責任もその財団法人にありました。そういうことから財団法人の経営破綻の責任は、県には何の責任もないというものです。 また、グリーンピア南紀はすでに破綻していますので、その公金支出によって、県民に公益がもたらされることも一切ないというものです。 債務肩代わりによって恩恵を受けるのは融資先の紀陽銀行です。紀陽銀行は財団法人に融資する際、担保も保証もとらずに貸し付けていました。その融資が焦げ付いても他からの回収が不可能という状態でした。もちろん県も保証しておらず、公金で債務を肩代わりすべき責任がまったくないというものでした。 そういうことから、県が責任を負うとすれば、財団法人に出資した出資金の範囲で負担すればよいことであって、新たに公金支出をともなう負担は必要のないものでした。そうであるのに、その財団法人の理事長であった木村知事が、県民の代表としての知事たる立場と権限を逸脱して、県民には何の責任や必要も公益もないにもかかわらず県民の公金でその債務の返済に充てたと考えられるものです。 決して許されることではありません。このような公金の無駄遣いの是正を求めて裁判に及んだ次第です。
那智勝浦町及び太地町の住民のみなさん、一緒に追及しましょう! なお、グリーンピア南紀の債務肩代わりは、県だけでなく那智勝浦町と太地町もそれぞれ金2922万1547円づつ公金で負担しています。両町の是正を求める追及は両町の住民にしかできません。当会も応援しますので両町の住民の方々に、無駄遣いの是正を求めて立ち上がることを呼びかけるものです。是非一緒にしましょう。
※市民オンブズマンわかやまの「コスモパーク特定調停地裁『決定』に対する意見書」ご覧下さい(クリック)
退職金や県貸付金の返済金まで補助 グリーンピア南紀に関するその後の調査で、紀陽銀行の債務肩代わりの公金支出以外に下記記載のとおり、多額の公金が運営事業補助金という形で議会にも諮らず、グリーンピア南紀に対し投入していることが分かりました。その合計がなんと約3億2000万円にも及ぶというものです。 そして、平成13年度の内訳明細から明らかなとおり、なんと、「派遣職員の人件費」や「希望退職者の退職金」、それから「県が貸し付けた貸付金の返済金」までもが公金で負担しているというのです。また、14年度の補助金の内訳明細は不明ですが、県当局者の説明によると収支差の補填といいます。しかし、その支出の合計の中には「正規職員11名の退職金」や「年休残余日数分の手当」などが含まれているのです。なんといたれりつくせりでしょうか。 グリーンピア南紀は、木村知事が代表理事をしているとは言っても県とは別の財団法人です。だから、そこで働く職員は地方公務員でもなんでもないのです。その職員の退職金を公金で支払わねばならない根拠はどこにあるのでしょうか。 また、「県が貸し付けた貸付金の返済金」を公金で肩代わりしたというのです。何かへんですよね。県が貸し付けたのですから、その貸金を回収する責任は県にあったはずです。その責任はどうしたのでしょうか。とんでもない使われ方がされていると思うのですが、県民のみなさんはこの実態をいかが思われますか。 御意見を事務局までお寄せ下さい。お待ちします。
【グリーンピア南紀への補助金支出額一覧】 12年度 2340万9153円 他に,那智勝浦町と太地町とが各1460万9316円
調査資料の公開請求実施 第8回情報公開度ランキングのための調査の基礎資料となる公開請求を11月18日に全国一斉に行われる予定です。当会もそれにあわせて実施する予定です。 これは、毎年全国連絡会議の呼びかけで、情報の透明度を進めるために行われているもので、今年で8回目となります。 当会も、毎年県と和歌山市(なお和歌山市については任意参加)で参加してきました。 今年の調査対象は下記記載のとおりです。 なお、昨年の順位では、和歌山県の総合順位がなんと岩手、三重にならんで2位というめざましい進展がありました。 一方、和歌山市は、新しく誕生した大橋市長が交際費の開示レベルをフルオープンから2ランク下げる措置を講じたことから公開度が後退するというあってはならない事態が明らかになりました。 【公開請求をする調査資料一覧表】 (1)交際費 (2)入札結果調書 (3)監査書類(県警に対する定期監査の資料) (4)土地開発公社 (5)県警の激励慰労費
市職員海外(ラスベガス)派遣研修費返還請求訴訟 1面でお伝えしていますように10月28日にあった判決は,当方の全面勝利の判決でした。内容的にも,出張を観光旅行と断定し,旅田前市長の指揮命令権限の違法を認定するなど完璧な勝利でした。市民の常識の勝利でした。この勝利をともに喜びましょう。 なお,現在のところ控訴期間中にあり,判決確定の有無が定かでありません。当ニュースが着く頃にはその行方が決まっていることでしょう。待ち遠しいですが,今しばらくの辛抱です。
石泉閣借り上げ費用返還訴訟 10月8日に,第13回目の裁判が行われました。この日も,弁論準備手続きでした。 旅田側の証人として予定している和歌山市職員2名の陳述書が提出されました。 旅田側の代理人から,相被告の小橋元助役の代理人として別の代理人を選任するのでその時間的な余裕と,準備書面を提出するので,そのための時間的余裕を求められたことから,次回再度の弁論準備手続きが入りました。 しかし,次々回から通常の弁論に入る予定です。旅田の刑事事件と関わりなく本件は進行していきますので,来春にも,証人調べがはじまるものと思われます。 次回期日は,11月26日午後4時からです。
グリーンピア南紀損害賠償請求訴訟 4面に詳細を掲載していますが,9月29日住民訴訟を提起しました。 第1回の期日が12月16日午前10時と決まりました。 相手の代理人が誰かも今のところ分かりません。次号ではお伝えすることができると思います。 ![]() 11月12日 PM4:00〜 11月18日 11月26日 PM4:00〜 同 日 PM6:00〜 12月16日 AM10:00〜 1月27日 PM1:10〜 1月28日 PM6:00〜 |
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