目 次

県庁舎南別館設備工事 再入札に
第9回定期総会を開催
退職派遣者の懲戒を問う
談合損害金の是正求めて

裁判情報
今後の予定
その他

 

No.49

発行日2005 516


県庁舎南別館設備工事入札
県・当会の要請を受入


 従前の結果取消し再入札へ

 当会が4月21日、同月15日に行われた県発注の「庁舎南別館(防災センター)」の機械設備工事に談合の疑いが濃厚と指摘し再入札を求める要請をしていたところ、県は要請に応えて再入札を行うとしました。

                                   

 談合疑惑は、入札前日発行の業界紙に落札した企業共同体名(三機工業、東和冷気、富士商会)が本命と指摘されており、入札前に公表していないはずの参加業名や参加企業協同体数が4団体と一致する点をあげて違法な談合が行われていた蓋然性が高いと指摘しました。そういうことから、入札参加業者を総入れ替えして、改めて、談合防止策を強化し再入札をすべきであると要請書を提出した次第です。

 回答は、1週間以内に求めていましたが、県は、要請後すぐの25日に、要望に応えて、今回の入札結果を取り消して、近く再入札をすると公表、当会にも連絡がありました。再入札を何時行うのか、談合防止策をどうするのかなど具体的なことは今後に検討して進めるとしています。
 

知事の決断   評価に値
 

 いずれにしても、談合疑惑が濃厚だったのだから、やり直しは当然といえますが、知事も当会の要望を受け入れてよく決断したと評価に値します。

 もっとも、再入札の談合防止策をどのような形で行うかは、これからです。評価できるような談合防止策を講じられることを期待しましょう。

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第9回定期総会を開催
さらに奮闘する決意固める

新たな課題もたくさん

 当会は、4月22日、和歌山市勤労者総合センターにおいて第9回定期総会を開催しました。総会は、活動報告と今年度の活動方針を採択、新役員を選出し、今年度も奮闘する決意を確認しました

 当日、阪本康文代表の開会あいさつから始まりました。阪本代表は、1億7000万円の談合損害金を返還させたことや知事とも意見交換したことなどにふれ、この1年間も県政に貴重な役割を果たしたことを強調しました。

 続いて、畑中事務局長が、この間の活動報告や決算報告、予算案を提案しました。

 同事務局長は、現在進めている活動も紹介。県の懲戒処分が甘いから調査してほしい、との意見があったことから、16年度に関する懲戒処分の調査を行ったとして、その結果を一覧表にしたものを配付し説明しました(同一覧表末尾掲載)。その中で、昨年6月に諭旨免職にした事案については問題があると指摘し(当該指摘は次ページに掲載)、さらに検討を加えているとしました。

 続いて山西監査委員が会計監査結果を報告し、新役員(全員留任)も含めて提案、報告事項すべてを採択しました。

 最後に、閉会のあいさつを、松井和夫代表が行いました。

 同代表は、「報告等からすれば、今年も取り組むべき課題に事欠かないといえる」として、より一層の奮闘を呼びかけ閉会しました。

 今回は、第9回目の総会だったことから、参加者からも、「よく継続してきた。来年は10回大会や。記念になる大会にしよう。そのためにも、今年もがんばらなくちゃ。」などという意見もだされました。 そうです。来年の10回大会を節目に相応しい大会にしましょう。そのために、より一層奮闘しましょう。
 

H16年度県職員処分状況一覧(県警除く)
知事部
教育
県立学校
教育
小中学校
免職
諭旨免職
停職
減給
戒告
訓告
36
10
47
厳重注意
52
56
所属長注意
25
25
125
18
145
事案の件数
16



平成16年度地方公務員に対する懲戒処分一覧表 知事部局関係者

番号
部署
事案
処分の内容
1−1 日高振興局 セクハラ 管理監督責任 訓告
1−2 日高振興局 セクハラ 管理監督責任 訓告
1−3 日高振興局 セクハラ 管理監督責任 訓告
2−1 日高振興局 派遣先で行っていた私的流用の事実を,隠蔽する不正を行為復職してから行った事実 諭旨免職
2−2 日高振興局 派遣先で,県水難救済会の資金を私的に流用した職員の管理監督責任 訓告
3−1 那賀振興局 飲酒運転,追突事故,逃走 懲戒免職
3−2 那賀振興局 同上 管理監督責任 訓告
3−3 那賀振興局 同上 管理監督責任 訓告
3−4 那賀振興局 同上 管理監督責任 訓告
3−5 那賀振興局 同上 監督責任 厳重注意
4−1 伊都振興局 出来高検査用務の出張の際,請負業者と同行,飲食,出張費立替払 い 1/10減給 1月
4−2 伊都振興局 同 上 戒告
4−3 伊都振興局 同上 管理監督責任 訓告
4−4 伊都振興局 同上 管理監督責任 訓告
4−5 伊都振興局 同上 管理監督責任 訓告
5−1 伊都振興局 工事検査立会用務の祭,請負業者と同行 戒告
5−2 伊都振興局 同 上 戒告
5−3 伊都振興局 同 上 戒告
5−4 伊都振興局 同 上 戒告
5−5 那賀振興局 同 上 厳重注意
5−6 有田振興局 同 上 戒告
5−7 有田振興局 同 上 戒告
5−8 有田振興局 同 上 訓告
5−9 有田振興局 同 上 訓告
5−10 有田振興局 同 上 訓告
5−11 道路建設課 同 上 厳重注意
5−12 有田振興局 同 上 厳重注意
5−13 伊都振興局 同 上 厳重注意
  農林水産 同 上 戒告 4
  県土整備 計88名 訓告 19
  その他   厳重注意 40
      所属長注意 25
6−1 日高振興局 交通事故 訓告
6−2 漁港課 同 上 管理監督責任 厳重注意
6−3 漁港課 同 上 管理監督責任 厳重注意
6−4 漁港課 同 上 管理監督責任 厳重注意
7−1 県立医科大学 放射線過剰照射事故 訓告
7−2 県立医科大学 同 上 厳重注意
7−3 県立医科大学 同 上 厳重注意
7−4 県立医科大学 同 上 管理監督責任 厳重注意
7−5 県立医科大学 同 上 管理監督責任 厳重注意

 

 

 

 

 


退職派遣者の懲戒を問う
派遣先での犯罪相当行為 何故、不問 ?

 昨年の処分の中に、知事が、復職を前提とした退職派遣者が復職前の派遣先で起こした資金の私的流用(約386万円の着服)と、虚偽の報告書で県の補助金を不正に受領(公金詐欺)した非違行為を、不問にしているのがありました。知事は、復職後に発覚したため派遣先の非違行為には、県職員としての身分がないから、処分ができないとしたのです。

 ただ、この職員は、復職後にも、同様の資金を私的流用(約15万円の着服)し、領収書を4通偽造していたので、これに関し知事は、私的流用の隠蔽工作と認定し信用失墜行為に該るとして、諭旨免職処分とし、約1700万円の退職金を支給していました。

 何と軽い、という印象が強く、何故に、派遣先の非違行為が不問なのか、疑問が禁じ得ませんでした。仮に、すべてを対象に処分を検討したとすれば、それは明らかに懲戒免職処分が相当とみなされる行為だからよけいです。なお、懲戒解雇だと退職金の支給はされません。

 ところで、知事が処分をしなかった派遣先での非違行為の処分は、派遣先からも処分がありません。すでに、派遣先は退職して県職員に復職しているからです。つまり、どちらからも処分がされないのです。これは、派遣先で悪いことをしても、復職までひた隠しにし、発覚さえしなければ、制裁は受けないということです。

 しかしながら同じような派遣でも、退職しない派遣者は、派遣中も、県職員としての身分も併せ持っていると考えられており、派遣先の非違行為も処分の対象となります。このことと比べれば、退職派遣者の派遣先での非違行為が処分の対象とならないでは明らかに均衡を欠いているといえます。退職派遣者も復職を前提になっていることから、派遣先からみれば、県の職員です。従って同じようにみなすべきです。

 また、規定上、退職派遣者も、復職すれば、退職派遣中の期間について、職員としての引き続いた在職期間とみなしている上、期末手当に関しては、退職派遣中において就いていた業務を公務とみなしている規定もあります。つまり、復職にあたって、退職がなかった職員と同等に扱われるよう保障されている一方で、派遣先での犯罪相当行為に制裁が行われないとするのは余りにも都合よすぎるというものです。

 ちなみに、復職前に、当該非違行為が発覚していた場合は、「刑法その他の法令の規定に違反した場合であって、当該退職派遣者が引き続き職員として在職したものとみなしたならば、懲戒免職処分を行うことが適当と認められる場合は復職採用されない」との規定に該当すると考えられますから、復職採用されなかったでしょう。とすれば、派遣中の業務の非違行為を秘匿して復職したのですから、復職採用に、当該復職採用された職員の責めによる重大な瑕疵があったことになりますので、復職採用が無効あるいは、懲戒免職事由になりうると解すのが妥当でしょう。

 いずれにしても、派遣先での非違行為を不問にすることに正当性がないと考えますが、みなさんは、いかがでしょうか。 (畑中正好)

 

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談合損害金の是正求めて
住民監査請求書提出

 当会は、4月1日、先に談合損害金約1億7000万円を返還させた談合事件の舞台となった県海南工事事務所発注にかかる測量設計委託業務においても談合があったとして住民監査請求を行いました。 談合は、平成11年度に海草振興局海南工事事務所発注(発注責任者元所長堀口芳宏)し、中山コンサルが受注した国道370号道路用地測量及び橘本橋設計業務に関する委託事業などの4件。損害金は合計約752万円です。

 これらは、これらの発注の際に、中山コンサルに便宜をはかり、見返りに元所長が金品を受領したとして贈収賄事件となった供述調書などから明らかになりました。

 談合は、中山コンサルを指名業者と選定する便宜を図り、入札参加業者らに、いわゆる「天の声」と言われる、暗に中山コンサルに落札させる意向を伝えて中山コンサルに受注させるという「官製談合」であることも分かりました。また、談合と言える4件の落札率は、いずれも99%前後という高率でした。

 損害金は、落札金額の20%とみなして算出しました。

 すでに意見陳述も終わりました。今月の末ごろに結果がある予定です。

公文書非開示に異議申立
和歌山市 一転開示に

 当会は、3月16日、公文書非開示処分の取消を求めて異議申立を行いました。

 これは、従前から追及してきた問題ですが、和歌山市が詐欺及び談合損害賠償請求をなした訴訟の訴状や答弁書などの関係書類の開示請求を行ったところ、市は、対象となる公文書が12件あるとした上で、当該公文書が、「現在執行中の事件であり公開することにより、当該事務事業に関し係争中の裁判に予期せぬ影響をもたらすことが危惧されるため」として開示しないとする処分を行いました。しかしながら、当会が求めている公文書は、いずれも、公開の法廷で、双方が、陳述し提出した書面類であることからすでに公開されたと言えるものであり、かつ、裁判所において閲覧も可能なものです。従って、予期せぬ影響などあり得ないといえるものでした。市は、抽象的な影響をことさら取り上げて、単に開示を拒んでいると考えられたことから異議申立をおこないました。 異議申立を受けた市は、4月12日付けで、一転して非開示処分を取消し、開示してきました。自ら非開示処分の過ちを認めたと言えます。

 当会は異議申立をしましたが、一般市民が仮に非開示処分を受けても、異議申立することは希有であり、そのことからすれば、非開示処分を安易にすることがないよう、慎重を期すべきです。

 いずれにしても、市長の開示に後ろ向きの姿勢が反映されてものだったと言え、これからも開示の促進を求めていく事が重要といえます。

 

 

 

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市職員海外(ラスベガス)派遣研修費返還請求訴訟

 当裁判は,今回も,前回と同じ状況であり,旅田元市長が上告し,事件が最高裁に係属して審理されています。最高裁は書面審理のみであり,最高裁からの連絡を待っている状態です。

石泉閣借り上げ費用返還訴訟

 裁判は5月6日に行われました。今回もこれまでと同様の検討を行っています。石泉閣に関連してなされている旅田元市長の刑事裁判で使われている資料の取り扱いについての検討です。次回は7月5日午後4時30分からの予定です。


グリーンピア南紀損害賠償請求訴訟

 この間4月22日に裁判が行われました。この日は,県側証人の県職員の尋問がおこなわれました。 同証人は,本人が作製した報告書に添付している破産を選択した場合のシミューレーションについて、当時、そのようなシミューレーションは行っていないとしましたが、破産手続きをさける必要があった,県として補助金の支出は正当としました。次回は,6月21日午前10時からの予定です。

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5月16日 PM4:00〜
ニュース発送作業

5月25日 PM6:00〜
第1回全員会議

6月21日  AM10:00〜
   グリーンピア南紀損害賠償請求訴訟

7月 5日 AM11:00〜
住基ネット差し止め訴訟

 同    PM4:30〜
石泉閣借り上げ事業費返還訴訟

7月27日 PM6:00〜
第2回全員会議

 

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その他

 【 会費納入のお願い 】

新年度になり,すでに会費のご請求をさせていただいておりますが,未だ未納の方は,ご送金をお願いします。会費は1口2500円ですが、なるべく複数口お願いします。ご送金は、下記銀行口座か,すでに郵送しております郵便口座にご送金ください。 なお,領収書の発行を省かせていただきますので,ご送金された控えをご保管下さい。必要な方はお手数かけますがご連絡下さい。

《ご送金先》

きのくに信用金庫本店
普通預金  bO419585
名義 市民オンブズマンわかやま
事務局長 畑中正好(じむきょくちょう  はたなかまさよし)


 郵便局
  加入者名 市民オンブズマンわかやま
  口座番号 00990-7-11007
       名  義 市民オンブズマンわかやま

 

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