目 次

県、カラ購入不正支出金問題
上記調査結果を徹底検証
畑中事務局長らに対する損害賠償請求訴訟
石泉閣裁判を傍聴して
旅田前市長に懲役4年の実刑

裁判情報
今後の予定

 

No.52

発行日200511月21日


県、カラ購入不正支出金問題

書籍等のカラ購入で約445万円の不正

極めて不充分な調査結果

11月7日県は、財団法人・和歌山人権研究所(旧・和歌山県部落開放・人権研究所)の資料編纂事業の補助金をめぐる不適正支出の調査結果を公表。合計445万1900円が不適正としました。

 発表によると、平成11から13年度の間に同和室から支出された5件の書籍・ビデオテープ代金318万1500円のうちの1件の一部100冊の25万円分を除いては納品されていず、平成12、13年度に同和委員会から支出された2件の書籍・ビデオテープ等の代金152万400円分が納品されていないとして、計445万1900円が不適正支出としました。

 支出金は、一旦書籍費等の代金として出版社へ振り込まれた後、研究書の編纂事業会計へ入金されている、としています。

 背景として、a正規の補助金として予算化することは検討されなかった。b支出は財務規則上課室長の権限で行うことができた。c同和委員会は組織上独立の任意の団体であり、支出については事務局の裁量範囲が広かった。d和歌山市は「補助金」として予算化した、などとしています。

 性格として、a研究所は補助金に変わるものと受け止めており、全額が編纂事業に充てられ支出済みである。b同和室では「補助金に変わるもの」と認識し支出していた、としています。

これは明らかに、「カラ購入不正支出金」です。真実は書籍やビデオテープの購入・納品の事実がないにもかかわらず購入・納品があったかのように公文書等を偽造して支出しているからです。

 今回の調査は次の点で明らかに不充分です。

 県がいうようにカラ購入不正支出金が補助金というのであれば、研究所が和歌山市に報告している県の補助金額とが一致するはずです。しかしながら、唯一、平成11年度は一致しますが、平成12から15年度が一致しません。とりわけ、平成14、15年度には不正支出金がないとしている県に対し、研究所は100万円づつ計200万の補助を受けたとしています。このような不一致に何の説明もない調査結果は極めて不充分です。到底、県民の信頼を回復するための調査結果とはいえません。今後も不正の解明に、みなさんも声をあげましょう。
【以下に続報】

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カラ購入不正支出金問題調査結果を徹底検証

返還,賠償は何故求めないの

明らかにすべき4年間の過不足差額金

約586万を対象に報告を!

  約445万円のカラ購入不正支出金を公表した県の調査結果が、なお不明な点があり、不充分な説明に終わっていることが分かりました。県の調査資料を検証した結果を掲載します。


平成12〜15年度に多額の不明金

 この問題の端緒は、研究所から和歌山市提出された補助金実績報告書に、県より平成11年度に152万2500円、12年度に134万、13年度から14年度に各100万円づつの計586万2500円の公金補助を受けたとあるところ、県では補助金として正規に支出した事実がなかったからでした。従って、研究所の報告とを比較しながら事実関係を明らかにすべきでした。ところが、県の結果は、平成14、15年度にはまったくふれず、各年度ごとの比較検討もしていないのです。

 そこで、各年度毎に比較しました(同一覧表は下記に掲載しましたのでご参照下さい)。それによると、平成12〜15年度に多額の過不足金(不明金)があることが分かります。


疑わしい一部の書籍の納品

 県は、平成13年4月11日に支出の1件(6種類の書籍340冊の代金71万4000円)のうちの一種類の書籍名「部落そして人権・環境」の100冊分代金25万0000円の納品を認めた形をとっています。しかし、納品の確認をどのようにしたのか、現在も在庫されているのかなどについて一切明らかにしていません。従って、納品の真実性が担保されていないので、真実納品されていたのかの疑いがあります。

 

       各年度毎の比較一覧表
 
11年度
12年度
13年度
14年度
15年度
県が調査で認めた不正支出額
1,522,500
1,304,000
1,625,400
0
0
4,451,900
研究所が県より補助を受けたと和歌山市に報告する額
1,522,500
1,340,000
1,000,000
1,000,000
1,000,000
5,862,500
     差 額
0
-36,000
625,400
-1,000,000
-1,000,000
-1,410,600


総務班長が何故、同和室の支出決裁ができたのか疑問

 県は、「同和室分の5件については当時の同和室長(平成13年度は福祉保健部次長)の判断により支出が決定された。又、同和委員会分2件については同和室長からの依頼を受けて支出された。」として、あたかも同和室長のみの責任かのようにしています。なお、その同和室長はすでに他界されており、死人に責任を押しつけている感が否めません。

 同和室の不正支出の決裁関係の公文書は2件あります。平成12年度の1件は、井阪室長外2名の職員が支出決裁し、履行確認を玉置副主査が行ってることになっています。平成13年度の1件は、岡室総務班長外2名の職員が支出決裁し、履行確認を玉置主査が行っていました。岡室総務班長は、同和室の所属長でもないのです。総務班長の決裁で、何故、支出が可能だったのか疑問がある上、同和室から始まった不正行為が、同和室を越えて異なる部署(同和委員会)へ広がったのかに対する言及もないのです。さらに、それぞれで多くの職員が関与していますが、それらの職員で、何故、不正を阻止できなかったのかに対する言及もないのです。


不正支出金の返還請求は当然

 県は、今回の不正支出金の返還を求める意思がないものと思われます(返還に関する記述は一切ないからです)。

 しかしながら、カラ購入不正支出金は、研究所も共謀した行為です。真実は納品していないにもかかわらず納品したかのように納品書や納品していない代金の請求書を作成・提出という不正を行った上で公金を受領したからです。不正行為に荷担した相手に、受け取った金を返させないなどという不正義がとおるのでしょうか。また、少なくとも不正支出を決裁した職員らも賠償責任があるはずですがどのように考えているのでしょうか。その上、仮に、補助金と見なした場合でも、補助金等交付規則にのっとって交付された補助金でない以上、同規則に反する違法な公金支出と考えられますので返還は免れないというべきでしょう。従って、県は、今回の不正金の返還などを求めるべきです。


平成9年にまとめた「予算執行に関する改善策」の推進は

 振り返れば、私達の追及により「カラ飲食、カラ出張、カラ購入」に関する不正支出に関して、当初、「不正はない」としていた県が平成9年4月22日に「予算執行調査改善委員会」を設置し、平成6、7、8年度を対象に約13億4400万円の不正を認め、管理職員を中心に、利息を含めて全額返還。同時に県は、「予算執行に関する改善策」をとりまとめ、「今後は、この改善策の着実な推進を図り、県民に信頼される県政の推進に全力で取り組む。」としました。

 しかし、私達は、その時の調査資料が「破棄」されていたことから、調査が不充分として、カラ宿泊費とコピー用紙カラ購入費の返還を求める裁判を提訴。裁判は、平成14年6月26日大阪高裁において和解、解決しました。その際、県も破棄したことについて「遺憾の意」を表明した経緯があります。

 今回の不正行為が行われた時期は、私達の裁判中だった上に、県が改善策の着実な推進を図り、県民に信頼される県政の推進に全力で取り組んでいる最中だったのです。    このような経緯に照らせばより厳しい反省が必要です。しかし、杜撰という他ない今回の調査報告では真の反省も改善も見られず、許されないと思いますが、県民のみなさんはいかがでしょうか。

 


畑中事務局長ら4名に対する損害賠償請求訴訟

石泉閣住民訴訟で不当訴訟と小橋元助役

元助役の裁判こそ不当訴訟

  和地裁で証言、畑中事務局長

小橋和歌山市助役から、石泉閣事業住民訴訟の原告たる当会員4名に対し、同訴訟で被告としたのが不当訴訟であるとして約630万円請求してきた裁判において11月1日、畑中事務局長の証言が行われましたので、その概要を掲載します。


石泉閣問題を追及することにしたのは何故ですか。

 石泉閣建物賃貸借契約が取り沙汰されたころ、平成12年9月ころ、「料亭を丸ごと救済」、「個人的な救済策があまりにも見え見え」などとする批判報道があったり、私達の会にも、旅田市長と石泉閣建物所有女性・川野ひろこ氏とが特別に親しい関係にあって、情実によって事業が進められている。公私混同、独断専行で議会と市民をないがしろにしているといったような批判通報があり、監視・追及を要するもの考えていたからです。

私的な利益を得ようなどと言う動機はなかったですね。 

 はい。ありません。

住民監査請求をしたのは何故ですか。

 平成13年3月末付けで、平成12年度の包括外部監査の結果が公表されました。そこには、石泉閣賃貸借契約が債務負担行為に該当し、債務負担行為としての予算の議決がないとの指摘がありました。しばらくしてその指摘が、予算の議決のない賃貸借契約は無効と気づきまして、無効な契約の是正と、公私混同の是正も考えて監査請求を行ったのです。

棄却された監査結果について、どう評価しましたか。

 棄却されましたが、監査委員は、「債務負担行為による議会承認と同様の配慮が市にとって不可欠である」としていました。また、「3名の補助者の弁護士は、契約は債務負担行為に該当するとの意見であった」としていましたので、実質的には、債務負担行為と言っているに等しいと考えられました。

住民訴訟を提起したのは何故ですか。

 監査結果が、実質、債務負担行為といっているに等しいと考えられましたので、この点で、裁判所の判断を仰ぎたいと思ったからです。また、この間に公私混同の点についても新たに判明した事実がありましたので、この点もあわせて追及するためでした。

 公私混同の事実は、旅田市長が本人と職員の計3人で行ったとしていた海外大学視察研修の欧米への旅行に、川野ひろこ氏らが同行していたことを暴露し、ウソをついていた旅田市長に認めさせていました。従って、旅田市長と川野ひろこ氏との特別に親しい関係は明らかと言えましたので、石泉閣賃貸借契約が情実による公私混同の市民を裏切るものであり、是正が必要と提起しました。

助役であった小橋を被告にしたのは何故ですか。

 助役は、石泉閣建物賃貸借契約の締結伺い書に、旅田市長と共に、決裁をしておりましたので、決裁した助役の責任追及のために被告としました。

 助役の職務は、法に規定があり、市長を補佐することとなっています。補佐とは、仮に、市長が、市民の福祉や利益に反しあるいは、諸法令に照らして違法・不当な行為をしようとしている場合には、市長としての職責をまっとうさせるよう補佐する責任です。

 石泉閣賃貸借契約に照らして言えば、同契約が、債務負担行為であると、助役は行政のプロですから、当然、認識していたか、予見できたはずです。従って市長の職責をまっとうさせる助役の補佐する責任上、債務負担行為として予算の議決を得ていない違法な契約に対しては、回避する措置を講ずべきだったのです。

 また、公私混同の点でも、助役には、旅田市長と川野ひろこ氏とが、特別に親しい関係にあったことも、認識していたか予見できたと思われます。それは、うわさがながれていましたし、とりわけ、石泉閣の契約する前の平成12年5月に、旅田市長と川野ひろこ氏ら親しい友人らの海外旅行に、職員2名を随行させていた事実がありますので、当然、認識していたか、予見できたと考えられます。従って、この点でも、公平性、公正性、清廉性を重んじなければならない市長の立場を補佐して、公私混同の契約を回避させるべき措置を講ずべきであったと考えたからです。

小橋から不当訴訟ということで訴訟を提起されましたね。どう感じましたか。

 裁判まで起こしてくるとは思っていませんでしたのでたいへんびっくりしました。市民全体の利益のためにしているのに何だと。また、極めて不当で、許しがたいと考えました。

精神的苦痛はどうでしたか。

 たいへんなショックを受けました。万一の場合も考えられますので不安も感じました。

逆に、反訴を提起したのは何故ですか。

 助役の私達に対する裁判は、住民訴訟制度、すなわち市民の政治参加に対する挑戦です。ぜったい許してはならないからです。

 住民訴訟は、市民としての参政権の行使ですから、不当訴訟という言いがかりこそ不当だからです。

住民訴訟の被告と された行政関係の被 告が住民訴訟を不当 訴訟として損害賠償 請求をした事例があ りますか。

 私の知る限りではないと思います。

このような不当な損害賠償請求が認められるようなことが あれば住民の参政権の行使が萎縮されま すね。

 そうです。そのことがたいへん心配です。

 個人的には1円の利益にならないのにリスクを負うことになりますので、そうなると思います。こんな訴訟を許してはならないと強く思います。

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石泉閣裁判を傍聴して

和歌山 亮

 11月1日行われた裁判の小橋元助役の証言と畑中正好氏の証言を傍聴しました。

 元助役は「ウソをついている」と、思わずにはいられなかったと言うのが率直な感想です。旅田前市長と1回も食事をしたことも酒も飲んだことがないし、家の近くへいったことがあるが上がったことがないというからです。市長と助役の関係で、そんなことがある訳ないからです。また、いかにも責任感に欠けていると思いました。助役は決済印を押しているのです。助役としての責任があるはずです。その責任感がどこにも感じられなかったからです。

 畑中氏に対する尋問では、相手の弁護士が畑中氏におこり、裁判官に諫められて謝るという場面がありました。畑中氏に対する相手弁護士の尋問は、いじめそのものという感がありました。尋問になっておらず意見を述べ押しつけていたと思います。あれでも弁護士の尋問かと憤慨しました。 また、「おれは怒っているんや」などという尋問中の弁護士の発言に許せず、思わず傍聴席から声を発してしまいました。

 

 

指定管理者の情報公開後退のおそれ

  指定管理者が管理することになった施設の情報が、首長の保有する情報ではないとして、情報公開の対象からはずされるおそれがあることが分かり調査したものです。
 指定管理者を実施機関とする条例改正をするのが望ましいのですが、そこまで手当をしている自治体は全国的にも少なかったようです。
 当県は、同制度の導入を43施設予定してお り、うち2施設が導入済みでした。指定管理者の情報公開について県は、条例を改正したものの実施機関とはせず、努力規定にとどめていました。県は、導入予定施設は外郭団体であり、これまでの出資団体に対する開示レベルは確保しているとしていますが、このレベルでは、非開示処分に対し異議申立ができないなど、問題があります。

 知事は私達に、庁内オンブズマンと自称しただけに、出資団体や指定管理者についても強く、実施機関にすることを求めます。

和歌山市は、3/43の施設が導入済みですが、条例を改正せず協定書にも規定しておらず、「未定・検討中」のようです。このままでは、公開の対象からはずされ後退するおそれが多分にあります。市長は、情報公開を後退させないために早急に、指定管理者を情報公開の実施機関にすべきです。

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旅田前市長に懲役4年の実刑

収賄と背任の罪に問われていた旅田卓宗前市長に対する判決の言い渡しが11月18日に和歌山地裁で行われました。樋口裕晃裁判長は、懲役4年、追徴金300万円の実刑判決を言い渡しました。終了後、旅田前市長は拘置所に収監されました。旅田前市長は、即日、控訴しました。

 旅田前市長は、「不老館」の土地を購入する見返りに現金300万円を受け取ったとして収賄に、私達も民事裁判で追及する「石泉閣」建物を市が不当に高い月額140万円で借り上げた行為が「背任」に問われ、両事件とも無罪を主張して争われてきました。

 実刑を言い渡した判決は、収賄について、「不老館跡地の買収のお礼として現金300万円を供与したという捜査段階の供述の信用性は極めて高い」と認定しました。また、背任については、「市の損害の下に川野に利益を得させ、愛人関係にあった川野の関心を買い、さらには石泉閣の経営困窮常態を解消させるために、その任務に背いて不当に高額な賃料等を支出させて川野らの利益をはかったことは明白である。」としました。

 

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石泉閣借り上げ費用返還訴訟

 この間裁判は,10月18日と11月1日に 行われました。両日とも集中して証人尋問が行 われました。10月18日には,旅田の愛人だ った石泉閣若女将と旅田前市長の証言が,11  
月1日には,当時の助役だった小橋氏と当会の畑中事務局長が証言しました。畑中事務局長の証言内容の概要は別途掲載しています。両日で証人尋問が終了しましたので,近く結審する予定です。次回は,12月27日AM10:15分からの予定です。

グリーンピア南紀損害賠償請求訴訟

                                     

 控訴審の第1回期日が12月15日PM1: などを書面にして提出しました。なお,裁判所15〜と指定がありました。1審判決の不当性 は大阪高等裁判所です。

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11月21日 PM4:00〜
  ニュース発送作業

11月30日 PM6:00〜
  第4回全員会議

12月15日  PM1:15〜
   グリーンピア南紀損害賠償請求控訴審訴訟 大阪高裁において

12月27日 AM10:1500
  石泉閣借り上げ事業費返還訴訟

1月25日 PM6:00〜
  第5回全員会議

1月31日 PM1:15〜
  住基ネット差し止め訴訟

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