目 次

知事、県議ら特別職給与減額問題
愛媛県警現職警官の裏金内部告発問題
第13回全国市民オンブズマン福岡大会案内
会費納入お願い
裁判情報
今後の予定

 

No.56

発行日2006 710


知事、県議ら特別職の給与減額問題

現任期中、『減額』のない減額案が可決
痛みを先送りした知事に批判の声

 6月県議会に提案されていた知事や県議ら特別職の月額給与につき、現任期中、「減額」のない減額案が可決しました。一方、昨年度の知事給与所得が全国高額順で8位と高順位にあることから、自らの痛みを先送りした今回措置に「真の改革者ではない」との批判の声が聞かれます。

 この6月県議会に提案されていた特別職等の「現給保障」つき給与減額案が、反対意見もなく可決されました。可決の給与減額は、「現給保障」により、知事や県議らの現任期中は、現在の給与が保障され、実質的に減額が実施されるのは次期特別職就任時からというものです。

 提案された「現給保障」つきの減額案は、県特別職報酬等審議会(会長・岡田栄治弁護士)の「現給保障」つきの減額答申を受けて行われたものです。

答申は、5月15日にありましたが、和歌山県に先だって4月から減額した7府県中3県の岩手、山形、佐賀の各県は、「現給保障」をしない減額を実施していることから、木村知事も、岩手、山形、佐賀の各県のように、「現給保障」のない減額案を示し、逼迫した県財政の改革に自ら痛みを伴う姿勢を示されるかと一縷の期待がもたれましたが、期待にたがう結果となりました。

 一方、資産公開条例により公開された全国の知事等の年間給与等が報じられています(読売新聞7月3日付夕刊)が、それによると、木村良樹知事の昨年度の年間給与額は1929万円という。これは、全国で公開条例により公開された公開対象外の山形、岐阜、宮城県を除く44都道府県中、高額順で8位に相当する結果になっています。

 また、全国の平均給与額は1790万円といいますので、可成り高額であることがわかります。さらには、改革派の片山善博・鳥取県知事は1725万円、増田寛也・岩手県知事が1520万円、田中康夫・長野県知事は1448万円であり、これらの改革派といわれる知事は、自らの給与を抑制して改革を率先していることが伺えます。木村知事が、自ら改革派と称する割には、これらの改革派知事との間にはずいぶん隔たりがあるといえます。

 自らの痛みを先送りした今回の、現任期中、「減額」のない給与の減額による木村知事の改革姿勢に対し、批判の声があがっていますが、うなずける点がないとはいえないでしょう。

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仙波敏郎氏・愛媛県警現職警官の裏金内部告発問題

 当会第10回大会の記念講演でお迎えした愛媛県警現職警官の仙波さんが「配置転換は告発への報復人事であり不当」として異動の取り消しを求めていた闘いで、これに対する県人時委員会の採決があり、異動が取り消されたことがすでに報じられています。

 仙波さんが言う『正義が認められた』形ですが、「仙波さんを支える会」の代表世話人である東玲治さんから、今回の報復人事を取り消した採決に関連して、より詳しい報告をいただきましたので掲載いたします


 

『愛媛県人事委員会裁決に思う』

----- 否定できない全体像のゆがみ ----

仙波さんを支える会 世話人  東 玲治  

 

 ご承知の通り、仙波さんの不服申し立てに対し、愛媛県人事委員会(委員長、稲瀬道和弁護士)は6月7日、配転は違法、不当な処分で、これを取り消すという裁決を公表、仙波さんは配転前の鉄道警察隊に復帰、JR松山駅で勤務を始めた。

 仙波さんは昨年1月20日に現職警察官でありながら、県警で長年、組織的な裏ガネ作りが行なわれ、幹部が私腹を肥やしてきたことを記者会見して《告発》した。仙波さんはその日のうちに拳銃を取り上げられ一週間後には鉄道警察隊から同じ地域課に属する通信指令室に配転を命じられた。このため、この2つの処分は告発に対する報復であり、他への見せしめだとして人事委に不服を申し立てた。

社会通念にかなった採決

 人事委の裁決は、任命権者の裁量権を幅広くみとめる傾向に歯止めをかけた昭和61年の最高裁判例「公務員の身分、俸給、勤務場所、勤務内容などで不利益がなくても、他に特段の事情がある場合には、処分取り消しの余地がある」を基に、配転により、身分俸給などには不利益が認められないが、勤務内容については「著しく少なく、本来公務員が分担するに相応しい内容を備えていない」などとし、軟禁に等しいという仙波さん側の主張を全面的に認め、これは不利益処分に当たるとした。

 裁決はさらに、最高裁判決が示した《特段の事情》についても言及し、配転後にポストが新設されるなど、配転は恣意的で県警の言う「行政目的上の必要性も認めがたい」と指摘、配転を発令した直属上司・地域課長の任命権の乱用に当たるという判断を示した。

 また裁決は、社会通念上許されるかどうかについても判断し、「配転は告発会見との間に強い関連性があり、告発内容に問題があって何らかの処分が行なわれたならともかく、それは全く問題にされていない」と事実上報復的な人事とみなし、「(告発会見は)公益を図る目的に出たものであることを公言していることに鑑み、少なくとも会見したこと自体により不利益を与えることの無いよう慎重な配慮が求められるところ、そのような配慮がなされることなく処分が行なわれ」社会通念に照らして著しく妥当性を欠くとした。

 これらのことから配転は「任命権者の裁量権の範囲を逸脱した違法、不当な処分」に当たるとして、取り消すべきものと判断している。

 裁決は、拳銃の取り上げについては処分には当たらないとしながら、「自傷他害の恐れがある」という県警の主張は認められないとした。拳銃は取り上げから2ヵ月後に返還されており、裁決の直接的な効果はないが、仙波さんに「不適格警察官」の烙印を押し、告発内容の信憑性を傷つけようとした県警の意図は打ち砕かれ、仙波さんの名誉回復が図られたことの意義は大きい。

 裁決はまさに社会通念のかなったものといえ、高い評価を受けている。

 

採決の問題点

 しかし、問題がないわけではない。

 最大の問題は、配転などの責任をひとりの課長に転嫁したことだ。仙波さんの告発は、愛媛県警のみならず、全・警察組織を揺るがせるものであった。その仙波さんの処遇に最高責任者で野心的な県警本部長が無関心、無関係であるはずはない。誰が見てもそれは明らかだ。仙波さん側は、本部長の関与を立証するために証人申請したが、人事委はこれを認めず、審理を打ち切っている。

 その結果、裁決は任命権者は本部長であり、地域課長はその一部について委任されていることを認めながら、「本部長が配転を行ったという外形的事実は認められない」の一言で片付け、配転辞令の交付者が地域課長であることを理由に、課長に責任を押し付けた。これは法律家(人事委員長は弁護士)特有のロジックで、常識にはかなっていない。関与を疑わせる事実はいくらでもあった。証人申請却下は政治的配慮といわれても仕方があるまい。

 もっとも、仮に本部長の関与が明らかになったとしても「配転取り消し」以上の裁決はないわけで、結果は同じことになった。それだけに、配慮の入り込む余地があったともいえるのだ。

 裁決の結果は正しい。しかし、全体像のゆがみはいかんともしがたい。数学と一緒で、途中の計算は間違っていたけれども答えはあっていたということではないか。

 

裁決を尊重して裏ガネ問題の解明を

 それはそれとして、この裁決は重要な指摘を随所でしてもいる。

 仙波さんの行動の正当性を認めたこと、県警が簡単に過ちを犯し、それを自らは是正できない体質を持っていることなどで、そういう県警のウソだらけの内部調査を鵜呑みにして、知事も議会も、監査委員も公安委員も告発から1年5ヶ月の間、裏ガネ問題の解明を怠り、仙波さんの孤立に手を拱いてきたことを言外に指摘したと読むこともできる。

 人事委員会も彼らも、同じ自治法上の存在であるから、裁決は重く、十分に尊重されねばならない。誰が、何をなすべきかは、明らかだ。裁決はそれを促しているともいえる。


第13回全国市民オンブズマン福岡大会のご案内

 

第13回全国市民オンブズマン大会が福岡市で次のとおり開催されますのでご案内します。
     参加を希望される方は事務局までご連絡下さい。

連絡先 電話073−433−2241 畑中

 

    日 時2006年9月16日(土)13時〜17日(日)12時

   ■ 会 場 : 福岡市都久志(つくし)会館   
                福岡市中央区天神4-8-10 TEL.092-741-3335

    参加費 : 5,000円 (大会資料集の代金を含みます)

    懇親会費 : 5,000円 (アークホテル博多ロイヤル)   

   ■ 大会の主な内容

       9/16(土)
          13時〜 開会、実行委員長挨拶、基調報告
          13時15分〜 全体テーマ報告 
               記念講演 浅野史郎 前宮城県知事(予定)
                    「知事室から見た市民オンブズマン(仮)」
          15時〜 個別テーマ報告(3つ程度)
          17時半〜 包括外部監査表彰式+監査人スピーチ
          18時〜 懇親会

      ★ 9/17(日)
           9時〜 個別テーマ報告(3つ程度)
          11時半〜 決議、大会宣言

   問合せ : 「第13回全国市民オンブズマン福岡大会」実行委員会
     10-0023 福岡市中央区警固2丁目17番 26-305号
       TEL 092-731-7172  FAX 092-731-7199
     ombuds@f.email.ne.jp  http://www.ombudsman.jp/taikai/

 

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【 会費納入のお願い 】

すでに会費のご請求をさせていただいておりますが、未納の方は、ご送金をお願いします。会費は1口2500円ですが、なるべく複数口お願いします。ご送金は、次の銀行口座か、すでに郵送しております郵便口座にご送金ください。
なお、領収書の発行を省かせていただきますので、ご送金された控えをご保管下さい。必要な方はお手数かけますがご連絡下さい。

《ご送金先》

 

☆ きのくに信用金庫本店

  普通預金  bO419585
  名義 市民オンブズマンわかやま   じむきょくちょう  はたなかまさよし 事務局長 畑中正好

☆ 郵便局

加入者名 市民オンブズマ ンわかやま
口座番号 00990-7- 11007
 名  義 市民オンブズマンわかやま

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石泉閣借り上げ費用返還訴訟

控訴審の第1回裁判が6月13日に行われました。

裁判官から相手方にポイントをしぼってほしい旨の要請がなされました。 今後は,石泉閣設置条例の議決の点と賃料にしぼられて審理が進むと思われます。

次回は,8月31日午後1時30分からです。裁判所は大阪高裁です。

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7月10日 PM4:00〜
ニュース発送作業

7月26日 PM6:00〜
第2回全員会議

8月31日 PM1:30〜
石泉閣借り上げ事業費返還訴訟
控訴審 大阪高裁において

9月16日〜17日
第13回全国オンブズマン大会 (福岡)

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