場外舟券売り場断念させた
“健全なまちづくり”で住民団結

2009年9月21日
   和歌山市6月定例議会最終日の7月7日、「ミニボートピア設置に反対する」請願が、あふれる傍聴者が見守るなか賛成20人、反対18人で採択されました。推進決議が本会議で採択されたことは過去に何度かありましたが、設置反対の決議が採択されたのは市議会としてはじめてのことです。
   和歌山市では、過去に何回もボートピア(場外舟券売り場)設置計画が持ち上がりましたが、そのつど地元自治会やPTAなどの反対ですべて中止されてきました。

 急浮上した計画
   2007年9月、和歌山市は地元同意の範囲を「一単位自治会」(和歌山市の場合数十戸となる)でも可能とする「政策判断」を示し、反対運動を挫折させる動きに出てきました。この判断と並行して、ミニボートピア(販売窓口15カ所)を設置する計画が急浮上しました。
   地元住民は、「子どもの教育環境を守れ」「通学路にバクチ売り場はいらない」「ギャンブルに頼らない商店街の発展を」などと声をあげ反対運動が急速に広がりました。ミニボートピア設置計画地の連合自治会(1600世帯)は、36単位自治会のうち27単位自治会が、また和歌山市内の小学校育友会は30団体すべてが反対決議を上げ和歌山市長に「市長同意」をしないことを求めました。

 4万5,000の署名
   署名は、短期間に4万5,000人をこえました。さらに、昨年と今年夏、炎天下のもと孫をもつ高齢者の方やベビーカーを引いた若い女性も参加した反対集会で決議を上げ、和歌山市役所までパレード行進し、市長に提出しました。
   市長同意、地元同意、議会の反対決議がないことが、ミニボートピア設置における3要件ですが、市の政策判断の変更と時を同じく、ミニボートピア設置対象となる27戸の地元単位自治会では「推進派」巻き返しで、新たに9戸のテナント営業者などが単位自治会に加入し、きん差で設置同意の決議があがりました。
   日本共産党和歌山市議団は、設置された全国の事例を調査研究し、穀田恵二衆院議員とも連携して国交省基準を示し、一単位自治会での同意では不十分であることなどを提示しました。とくに、6月定例議会で、当局から「周辺1キロ以内に、2幼稚園、4小学校、2中学校があり通学路となっている」との答弁を引き出し、反対市民の声を市長に示して、同意はするなと論戦を進めました。
   住民の圧倒的な声が議員に届いたことは間違いないと思います。計画中止後、住民の方から「議会質問は、資料として配り参考にしていました」との声が寄せられ、「設置反対請願が採択されて本当にうれしい」と涙ながらに喜ばれました。
  (和歌山市議会議員・渡辺忠広)


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「ミニボートピアはいらない」とパレードする人たち=09年6月、和歌山市