森づくり基金の不適正使用問題
和歌山県議団が
徹底解明を申し入れ
2012年8月1日
和歌山県田辺市の市会議員が「紀の国森づくり基金」補助金を不適正に得ていた問題で日本共産党和歌山県議団は8月1日、徹底解明を県に申し入れました。
基金は、財源を県民から毎年「紀の国森づくり税」として500円を徴収し、県の森林整備や環境保全の啓発に活用するというもので自民党県議団が提案しました。報道などによると2007年からの5年間に田辺市議が関与する様々な団体に計約3700万円が交付されていますが、これら団体の実績報告が虚偽に基づくものであることがあきらかになっています。
日本共産党県議団は申し入れで、事業の目的があいまいなうえ、基金自体を使いあぐねていることを示し、日本共産党県議団が昨年12月議会で「紀の国森づくり税」の延長に反対したことを紹介。田辺市議が関与する団体への補助のあり方に疑問の声がいくども出されたことや、ある年度ではこれら団体が申請した事業が運営委員会で採択されなかったのに、県事務局が委員を持ち回りで再評価をお願いして事業の場所を変えて実施したことを指摘し、徹底的な調査を要求しました。
【申し入れ文書】
2012年8月1日
和歌山県知事
仁 坂 吉 伸 様
日本共産党和歌山県議団
団長 雑 賀 光 夫
紀の国森づくり基金活用事業の不適正使用問題の徹底解明を求める申し入れ書
日頃から県民福祉向上のためご尽力いただいておりますことに敬意を表します。
表記の問題につきましては、この間、新聞紙上でも取り上げられているとおり、ある田辺市議が関与する団体が繰り返し補助金を申請、事業を実施しておりますが、その実績報告がまったくの虚偽に基づくものであることが明らかになっています。
私たち日本共産党県議団が昨年12月県議会で「紀の国森づくり税」の延長そのものに反対したのも、事業の目的があいまいなこと、基金自体を使いあぐねている状態にあるという実態があったからでした。
また、この間、私たちが調査したところによると、同基金の運営委員会では平成21年頃から、この田辺市議が関与する団体への補助のあり方について疑問の声が幾度となく出されていたことも明らかになっています。そのうえ、ある年度ではこれらの団体が補助申請をした事業が運営委員会ではいったん採択されなかったものの、後に県事務局が委員を持ち回りで再評価をお願いし、事業の場所を変えて実施するなどの実態があり、県が実績をあげたいがために事業をしていると言われても仕方がありません。
この度の問題は「紀の国森づくり税」の根幹にかかわる重大な問題と言わざるをえません。よって以下のことについて早急に徹底的な調査をすることを申し入れます。
1、 これまでの同補助金の全事業が適正に実施されていたのかどうか。
2、 問題になっている田辺市議が関与する団体の事業実施について使途不明になっている県補助金の行方。また、県に
対し不当な働きかけなどなかったか。
3、 同「基金」運営委員会の県事務局は、今回問題となった団体の実態を十分知りながら、適切な助言を怠っていたので
はないか。
以上