県の補助金 自民市議が不適正取得
   複数団体使い5年で4000万円余
     日本共産党県・田辺市議団が徹底調査要求






201295
 和歌山県田辺市の宮田政敏市議(自民)が県の「紀の国森づくり基金」からさまざまな団体名を使い2007年からの5年間に約3700万円の補助金を不適正に受け取り、さらに同様の手口で田辺市の「ふれあいの森緑化事業」からも363万円を受け取ったことがわかり、県民・市民からの怒りの声が上がっています。 (和歌山県・川崎正純)

  和歌山・田辺市 
 日本共産党は、県議団が県に徹底解明を申し入れ、田辺市議団が市議会に百条委員会の設置を要求、高田由一県議と田辺市議団が田辺市内の事業について現地調査するなど、真相解明に全力をあげています。

 使い切れない現地調査する高田由一県議(右)ら=8月22日、田辺市
 「紀の国森づくり基金」は、県民から1人あたり500円の「紀の国森づくり税」を徴収し、従来ある森林関係の事業を補完するのでなく「森林の公益性を重視した和歌山らしい新規事業に充てる」というあいまいなもので、自民党県議団が2005年に提案し、日本共産党などの反対を押し切って2007年から5年間の時限措置で実施、今年5年間延長されました。使用目的が不明確なため徴収した税金が使い切れず基金残高は年々増えています。
 宮田市議は、この県が使いあぐねている基金から、補助金が1団体200万円という上限に対し、同市議が関係する複数の団体名を使い分けて補助金を不適正に受け取ったもので、なかには公益社団法人である「紀南ユネスコ協会」を使ったものもあり、発覚後、宮田市議は同協会に協会公印を勝手に使ったことや「補助金の使途については県のご指導にも反して」などとする「お詫び状」を提出しました。

 委員会開かず
 宮田市議の事業については、事業を審査する「紀の国森づくり基金運営委員会」で各委員から何度も問題点が指摘されています。
 1団体200万円の枠を超えて補助金を受け取るためにさまざまな団体を利用したことについて2009年の委員会では「4つの団体は、全く同じ中身になっている」「脱法的な行為と違うかというふうに考えている」(同委員会議事録から=以下同)と批判が続出。2011年の委員会では「この見積もり3件上げてある、同じ筆跡で、ここはいつものとこなんですが、これが果たしていいのか」とあからさまな偽装とも見える見積もりにあきれています。
 2010年度の田辺インター法面への植樹事業では、委員から「別々の団体として一応申請しているけども、中身は一本化」「高速道路が管理せなあかん土地に、県民の税金を使って、県民が納得するんかな」などの意見が出て同事業は採択されませんでした。しかし、事業場所をインターから紀南病院の法面に変更し、さらに委員会を開かず県事務局が各委員に案件を持ち回りしてまで変更の承認にこぎつけました。
 このようなやり方に党県議団は県への申し入れで「県が実績をあげたいがために事業をしていると言われても仕方ない」と批判。使途不明になっている補助金の行方や、実態を十分知りながら適切な助言を怠ったのではないかなど、徹底調査を要求しています。

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現地調査する高田由一県議=8月22日、田辺市