会って伝えてこそ
「直接会って、戦争法廃止の大切さを伝えることね」。中学校教師だった事務局員の富岡嬉子(よしこ)さん(72歳)が応じます。人口約1万8,000人のかつらぎ町で署名は700人になりました。
町は、アジア・太平洋戦争で1,000人余の戦死者が出ました。平和への思いが強い土地柄です。
同連絡会は、“あの戦争は何だったのか”と問いかけるとりくみを毎年続けています。
昨年は、8月に中国残留孤児や女性の帰国に、生涯をささげた山本慈昭(じしょう)住職をモデルにした映画「望郷の鎧 満蒙開拓団の落日」上映会を開催。平木哲朗橋本市長や井本泰造かつらぎ町長、岡本章九度山町長、平野嘉也高野町長と伊都・橋本地方の全首長と、県傷痍(しょうい)軍人会の阪口繁昭副会長ら著名25氏が推薦人に名を連ねました。同月の市民集会・デモ行進、11月の「伊都・橋本9条まつり」と行動してきました。
弾みがついたのが6月の、かつらぎ町議会での意見書可決です。
「戦争か平和か、日本の岐路にかかわる大事な問題だけに、徹底して議論すべきだと思ったからです」。町議会議長も務めた大原清明町議(71歳・保守系無所属)は語ります。
意見書は「政府・与党は一方的に採決を強行せず、法案と憲法の整合性や必要性を丁寧に国民に説明し理解を得ることが必要です」と強調しています。
本会議では可決に
意見書の提出を求める請願は、総務産業常任委員会では2対3で不採択になりました。しかし、本会議で、日本共産党議員団が「若者を戦場に送り、殺し殺される法案に手を貸すことは議員の役割ではない」と討論。大原さんが「憲法学者もこぞって違憲といっている。趣旨に賛成だ」と発言すると一転、7対6で採択され、さらに意見書については10対3で可決されました。
「私には高校3年から1歳半まで4人の孫がいます。イランやイラクの『平和を知らない』子どもたちを見るにつけ、涙があふれる」と声を震わせる大原さん。「先の戦争のときのように、海外で町出身の自衛隊員が命を奪われることなどあってはならない」 連絡会メンバーに、「2000万署名の進み具合はどうだ」と聞いてきた元保守系地方議員(79歳)。「安倍政権は短命になる」と語ります。
「『悲願』の『憲法改正』を成し遂げるため、大阪のダブル選挙で、橋下・おおさか維新に“加勢”し、自分の党の仲間を裏切る安倍首相たちに未来はない。自民党にダメージを与えるには、甘利疑惑の厳しい追及をもっと強める必要がある」
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