メガソーラーに“待った” 災害・自然破壊どうなる
      和歌山市民が「考える会」
       
                    結成総会を開く住民ら=和歌山市
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 和歌山市北部の千手(せんじゅ)川を挟んだ和泉山脈の斜面に、2つのメガソーラー(巨大太陽光発電施設)が計画されています。災害などへの不安がぬぐえず、地域住民が立ち上がりました。
  (南畑幸代和歌山市議)

 メガソーラー計画の1つは、園部・六十谷・直川地域で、面積74.3ヘクタール。県の環境影響調査の対象面積は75ヘクタールからで、調査の対象外です。発電出力48.8メガワット。事業者は鈴鹿電設グループ株式会社サクシードインブェスメントです。
 もう1つは直出・府中地域で、面積132ヘクタール、発電出力76.6メガワット。事業者はTKMデベロップメント株式会社です。

 甲子園の53倍
 隣接した両計画を合わせると、甲子園球場の53倍にもなります。両計画地とも下方に住宅地が広がり、住民からは「事業者の説明会を聞いても不安が払拭(ふっしょく)されない」「山林の伐採による洪水や土砂災害の危険が危惧される」「生物などの自然破壊が心配」など、不安の声が広がっています。
 仁坂吉伸知事への建設反対署名は5月13日現在、1,410人分が寄せられています。13日に開いた「いずみ山系の巨大太陽光発電を考える会」の結成総会には60人以上が参加しました。

 「無謀な計画」
 結成総会で講演した元和歌山大学教授の広瀬正紀氏は、「計画地は急峻な地形、土砂崩れの危険地帯で、計画は無謀。事業者の説明は稚拙で、例えば『造成は現地の地形(起伏)を極力変更せずに伐採のみで』といいながら、『伐採した木はチップ状にして現地の平面部に散布する計画』としている。進められれば取り返しのつかない大規模自然破壊を引き起こす」と計画に反対しました。
 参加者からは、「業者は協力金の話を持ち出している。お金で自然を買うのはダメ。若い人にも(反対を)広げよう」、「昭和27年(1952年)の水害で2人が千手川に流され、1ヵ月後、淡路島に流れ着いた。戦争で山林が伐採されたことが原因だ」「ため池の下に中学校や小学校がある。まだまだ知らない人が多い」「千手川下流も危険なのに説明会が開かれていない」など、多数の意見が出されました。
 会場内には千手川に飛来する野鳥の写真も展示されました。
 「会」は今後、知事への署名提出や学習会などに取り組むことにしています。

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