わが県の挑戦 
  日本共産党和歌山県委員長 下角力さんに聞く
         
 和歌山市長選(7月22日告示、29日投票)、秋の県知事選、来年の統一地方選と参院選など選挙が連続します。どうのぞむか、日本共産党の下角力(Facebook)和歌山県委員長に聞きました。(川崎正純、渡辺健)

共闘の時代 地方選でも実を結ぶ
― 安倍政治への怒りは、どのようにあらわれていますか。
 昨年、紀の川市議選で1議席増の3議席に、今年、定数2減の海南市議選で現有4議席を確保し議席占有率が県内トップの20%になり、上富田町議選で1議席増の2議席を得ました。いずれの選挙でも、安倍政権への怒りが前進に結びつきました。
 また、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が毎月実施している「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」は48回を数え、和歌山大学の学生や地域の青年らが主催するデモも昨年から今年にかけ4回実施されるなど、運動が継続し広がりを見せています。

 市民連合と信頼へ
― 「安倍改憲NO!3000万人署名」はどうでしょう。
 現在の到達は5月18日集計で6万4,249。3000万人に見合う県内目標は23万なのでさらなる奮闘が求められていますが、日高町では113%に達しています。ビラを3回新聞折り込みして署名の意義を知らせ、住宅地図に一軒一軒チェック入れる緻密さが署名を積み上げました。また、かつらぎ町で元町長2人が名前を連ねる市民アクションが結成されるなど、各地でさまざまな人が3000万人署名の輪の中に入ってきています。

― 市民と野党の共闘についてお聞かせください。
 2016年参院選では由良登信弁護士が統一候補として奮闘しました。昨年の衆院選では日本共産党の全選挙区候補を市民連合が推薦し、社民党や自由党など他党の方や市民のみなさんがいっしょに宣伝カーに乗り、訴えました。共産党の届け出政党はがきを市民連合のみなさんが自分たちの知り合いに出してくれました。信頼関係ができていればこそだと思います。

 市民参加型の選挙
― 和歌山市長選をどうたたかいますか。
 争点の一つはカジノ誘致です。知事は当初、ギャンブル依存症の問題から外国人専用としていたのを「日本人も入場できるようにしたい」と言いだしました。市長も「外国人専用」としながらも推進の立場です。
 また、国保料や住民税の滞納に対する差し押さえが横行しています。滞納整理のための課をつくり、分納している世帯には差し押さえ同意書を書かせ、実際に差し押さえる。県内でも特殊な市政になっています。
 今回、市民のみなさんの努力で島久美子(Facebook)さんが立候補を表明しました。市民連合のみなさんが願った「地方選挙でも共闘を」が実を結んだものです。日本共産党も参加する「活気ある住みよい和歌山市をつくる会」が島さんを推薦。5月17日に政治団体「にじいろ和歌山(Facebook)」が結成され、和歌山では初めての市民参加型の選挙が始まりました。

参院・地方選 市民に見える活動
― 参議院選挙の目標はどうでしょうか。
 2016年の参院選に続いて市民と野党の共同でのたたかいをめざしています。今年の和歌山市長選、県知事選を統一候補でたたかい、参院選の統一候補につなげたいと話し合っています。和歌山市長選は島久美子さんが統一候補として立候補しました。協議するベースはできています。比例代表では8万5,000票、得票率15%以上の獲得が目標です。5月11日に前久さんを和歌山選挙区予定候補として発表しました。

 支部を拠点に宣伝
― 統一地方選挙についてお聞かせください。
 県議選は、現有2議席から5議席以上を、和歌山市議選は現有5議席から1議席増の6議席をめざしています。
 参院選や統一地方選に勝利するためには、まず党を強くすることが求められています。音の出る宣伝を重視し、市民から共産党の活動が日常的に見えるようにしたいと思っています。各党支部が自分の交差点を持ち、辻々でのスタンディングを含めた宣伝に打ってでるなど、あちらこちらで宣伝している状況をつくり、そこに候補者がやってくるというイメージです。

― 県議選2人区、3人区で勝った経験や教訓、1人区挑戦について聞かせてください。
 5月16日に1人区の御坊市区で、くすもと文郎(Facebook)さんの立候補を発表しました。比例代表が導入された1983年に全区立候補して以来、初めての1人区からの立候補です。これまで勝利した2人区、3人区は、保守の方たちを含めた後援会組織がつくられてきました。党の力量だけでの当選は難しく、保守の人々と共同してというのが和歌山の特徴です。

 共産党を知ってもらう
― 「つどい」では、どんな経験が。
 1999年に西牟婁郡で高田由一さんが初当選しました。当時、定数4です。しかしその後は惜敗し、2011年に定数2で再選を果たします。惜敗した選挙で言われたのは、「高田さんは大好きだが、共産党だからなあ」でした。これは“共産党そのものを知ってもらわなくては勝てない”と始まったのが「つどい」でした。
 高田さんは議席回復にむけ今、100回の「つどい」を開催しようと奮闘しています。
 古座川町では2012年から毎月、42ある集落ごとに開き、いま2巡目に入っています。党員や赤旗読者を大きく増やし、2016年に党議席を回復した洞佳和町議誕生の原動力になり、2017年衆院選比例では得票率12.59%で県内3位でした。和歌山市の和佐支部では2ヵ月ごとに開き、「つどい」のなかで支部の党員を倍以上に増やし、新入党員の新鮮な活動が支部に活力を与えています。


 和歌山県のデータ 
◆人口94万8,260人(4月1日現在)
 有権者数82万8,151人(3月1日現在)
◆地方議員総定数466人(5月18日現在)
 日本共産党の議席数45人(議席占有率9.66%)
◆県議会(定数42)の勢力分野=日本共産党2、自民29、改新クラブ5、公明3、無所属議員の会1、欠員2
◆和歌山市議会(定数38)の勢力分野=日本共産党5、至政クラブ19、公明8、誠和クラブ4、維新の会2

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