たいひらめだけがじゃない!

一般的にはあまりお目にかかれないけど美味しい、姿からは想像できない味・・・
と、いう魚を特集しました。  題して・・・

        「食用珍魚」(しょくようちんぎょ) コバンザメその2
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コバンザメ(ながこばん)「ナガコバン属」こばんざめ科

学名:Remora remora (英)Remora

☆今回の魚は、鮮魚ではなくて、乾燥状態でゲットしました。したがって「こばんざめ科」のうちの
 クロコバン、ヒシコバン、ナガコバン、シロコバン、コバンザメという中から正しくどの種だとは
断定しがたく、吸盤の板状体の枚数で「ナガコバン」としました、とりあえず…

太平洋、インド洋の温・熱帯に分布。体は太く短い。下がく前端は丸い。両がく、口がい、
前じょ骨、舌上に小さな歯がある。胸びれと腹びれは小さい。背びれとしりびれは高い。
背びれ起部はしりびれ起部よりやや前方にある。
尾びれ後縁は2叉する。吸盤は大きく、後端は胸ビレ中央かその後方に達する。

 

吸盤の板状体は17〜19対で。その後縁に3〜4歯列がある。側線りんはとっくり形。
体側りんは小さな円りん。体色は灰白色、暗灰色などと随時に変えることができる。
体長40cm。吸盤でクジラや大型のサメ、エイ類に付着する。

地方名:コバンイタダキ、コバンカジキ、スイツキ、ハダシタビ、フナドメ、ヤスナ、ゾオリベッタ

この「コバンザメ」という魚、紀州では食用というよりも、民間療法薬として
     重宝されています。効能はいろいろあるようですが、私が聞き及んでいるのは
     「黄疸」に効くとのこと。煎じて、あるいは粉末にして「味噌汁」の出汁に使用して飲用します。
     「紀州魚歳時記」(福井正二郎著・ゆのき書房)には
     「…食用にする話は聞かないが、薬用としては非常に珍重されており、万病に効くといい
      特にじん臓にはこれに勝る妙薬はないと聞く。」と記されております。