1998年8月14日(金) バッキンガム宮殿 ロンドン塔 レ・ミゼラブル

夜中に目ざめてしまった。朝まで長かった。7時から朝食を食べられるのでその場所へ行った。係りの人にルームキーの袋を見せたら右へ行けという。見ると右側はコンチネンタル専用で左側はサラダやソーセージなど色々ある。お金を出せばイングリシュブレックファーストも食べられたんだ!私は言われた通り右側のパン、チーズ、ハム、ジャム、バター、牛乳、ジュースをとって適当な席についた。周りを見るとみんなパンを上下半分にナイフで切り、それにハムなどをのせて食べている。私も真似てみた。でもパンがうまく切れなくてがたがたになった。みんなスパッときれいに切れている。子供の頃からしているからできるんだろう。ふと見ると東洋人が3人ほどイングリッシュのコーナーからたくさん料理を皿にのせて私たちの方に来るではないか。2つのコーナーの間には軽くロープが張られていて区分けしているのに。この人たち知らないのだろうか。でもホテルの人は入り口にしかいないので誰も何も言わない。

部屋に戻り、昨晩干した洗濯物にさわると、下着は乾いていた。靴下とTシャツはまだ少し湿っていたのでそのまま干しておいた。でも日本と比べると乾燥しているのでよく乾く。

8時頃ホテルを出た。ところでロンドンのタクシーというのは客席が4人向かい合って座れる。黒塗りのオースチンという車種だ。タクシーの運転手になるにはロンドン市内の地理の試験が厳しくバイクで走り回って覚えるため2年位かかるということだ。

バッキンガム宮殿へ行った。道に迷ってしまったので結構時間がかかった。でも何とか行ったらものすごく人が並んでいた。夏の間だけ1992年のウインザー城火災修理費用捻出のため宮殿を公開していてその見物人達の列なのだ。2000年までの予定だからすごい人気だ。しばらく宮殿の写真を撮ったりしていたが、この日は衛兵交代式が行われないと表示されていたので宮殿内見学のチケットを買いに行った。9.5£、時間指定で10時45分とチケットに書いてあった。それまで30分あったのでぶらぶらして15分前に並びに行った。自分と同じ時間のチケットを持った人達ばかりだったので安心した。

内部はきんきらきんの豪華さだった。あとで見たウインザー城の何倍もの派手さだった。緑を基調とした部屋、青、赤、黄色、それぞれの部屋があった。音楽室に置かれたピアノは小ぶりながら装飾が見事だった。すかし模様が入ったガラスのドーム型天井も華麗であった。窓から入る風も心地よく、広い庭を見渡せた。周りの人を見るとガイド本を持っていた。日本人に聞いてみると、セキュリティチェックがすんだところに売っていて3.5£だという。全然気づかなかった。口惜しかった。これはぜひ買いたかったのに。見学をすんで出たところにも売ってなかった。

お腹がすいていた。野菜不足が気になっていて、肌の調子も悪かったので栄養を取ろうと思い、日本食を食べにチャイナタウンまで行った。ガイドブックに載っていたトーキョーダイナーという店がすぐ見つかったので入った。予想外に外人が多い。皆下手だが箸で食べている。店員は日本人で日本語で注文できた。どれも高かった。学生向け定食が3.5£だったので店員に言うと2時半からだと言った。奮発してミックスフライ定食10.9£を注文した。鮭のさしみもついてきた。マロニーの酢の物は酸っぱすぎで量もやたら多いがまあまあ栄養は補給できた。外人の女の子が七味唐辛子を丼物に膨大な量を降りかけていた。そういえば日本に来ている英語教師のジェイソンもそうだった。あんなにかけておいしいんだろうか。自分のテーブルにあった瓶をみると確かにS&BのものだがNANAMITOUGARASIと書いてあった。店を出た所にヨーロッパ最大のディスコ、ヒポドロームがあった。

ロンドン塔へ行った。 入場料9.5£。ここは旅行前に夏目漱石の「倫敦塔」を読んで少し予習していたのでじっくり見たいとは思っていたが、人が多く並んでいて時間がかかった。案内人の初老の男性達が居た。彼らはビフィーターといい、16世紀以来同じデザインの服を着ている。退役軍人が務めているらしい。二人の王子が幽閉されたブラディタワー、彼らは叔父に殺された。その他多くの人がこの狭い塔に幽閉されていた。怨念がこもっている塔だ。タワーグリーンでは5人の女性が処刑されているという。ホワイトタワーはもともと王の要塞としてつくられたそうで、太っちょのヘンリー8世のよろい等が飾られていた。もうそこで観光疲れで外のベンチに座ってジュエルハウスの長い人の行列が減るのを待っていた。1時間位そうしていてかなり減ったので入った。その中には世界最大の530カラットのダイヤ、アフリカの星がはめ込まれた王しゃくやエリザベス女王らの王冠や金の食器等お宝がわんさとあった。みんなが並ぶだけあって見事だった。

すぐ近くのタワーブリッジへ行った。美しく水色と白のペンキが塗られ、新しい感じがした。もっと古びた橋かと思っていた。橋を歩いて渡った。今はめったに橋は上がらないのだそうだ。こんなに車が通っていては無理というものだろう。真ん中に来ると揺れを感じた。

いったんホテルへ帰り、7時になってパレスシアターへ「レ・ミゼラブル」を見に行った。日本で予約したのでSTALL席である。よく見えた。プログラムが2£。7時半から開演したが、すぐに眠くなってきた。歌はすばらしいのだが何せ時差ボケである。前半はうとうとが続いてしまった。おまけにクーラーがきいていず、暑かった。9時頃休憩に入ったのでブラックコーヒー(0.8£)を飲んだ。効いたのか後半はばっちり見た。この劇はソロの歌が多いが全員上手い。さすがだ。10時45分位に終わり、歩いて帰った。このあたりは繁華街で人が多くて歩いて帰っても平気だった。お金の計算をしてすぐ寝た。

夜中の2時頃けたたましいベルで起こされた。何だろうと窓の外を見たり、廊下を見てみた。3分位じっとしていたがベルが鳴りやまず、階段を降りて行く人たちが窓から見えたので服を着替え、大事な物だけショルダーに入れて階段を降りた。下のロビーには人があふれ、消防車も数台来ていたが火事が起きた様子などなかった。みんな英語で何か言っているがわからなかった。人々は移動するでもなく、はだしのままネグリジェを着たままのおばあさんも居た。15分位居たが部屋へ戻る人もいて、何となくホテルの人も戻れと言っているみたいなので戻った。なんだかよくわからないまままた寝た。

8月15日へ