1月4日(日) バクタプル・ナガルコット

カトマンズへ戻る日だ。やはり風邪をひいてしまった。しんどい。トースト,フルーツの朝食をとり,8時過ぎにホテルを出て,空港へ行った。しかし,カトマンズが霧で空港が閉鎖していて,予定通り出発できなかった。ポカラは晴れている。待っている間,アロンさんに外の展望台に連れ出されたが,私は寒くてしようがなかった。他の二人はそうでもなさそうだったので,やはり風邪の影響だと思った。耐えきれなくて,中へ行きたいと申し出た。中に居てもすることがなく,気分も晴れなくて,忍の一字だった。それでも11時になってようやくポカラに向けて出発することができた。カトマンズには11時35分に着いた。

王宮前通りにあるチベット料理レストラン「ルブリンカ・チャウタリ」へ行った。ここの料理はネパールで食べたものの中では一番美味しかった。メニューはギャコック(鍋料理),モモ(餃子),炒め物など。すべて美味しかったが,特にギャコックが美味しかった。日本で食べる寄せ鍋と似ていて,スープの味も日本人向きだと思った。ネパール人と違ってチベット人は私達と同じ黄色人種なので,味の好みも近いものがあるのかもしれない。風邪気味だったが,食欲はまだこの時点では衰えていなかった。



カトマンズから車で30分ほどの古都バドガオン(バクタプル)へ行った。バクタプルは,15世紀から18世紀にかけてのマッラ王朝時代に3王国(カトマンズ,バクタプル,パタン)の首都のひとつとして,最盛期を迎えたネワール文化とともに発展をとげた。バクタプルは「帰依者の町」という意味で別名バドガオンともいう。赤茶色のレンガ造りの建物がビッシリと並び,古都の風情をかもし出している。









王宮広場,タチュパル広場に残るダッタトラヤ寺院,5重の塔を持つニャタポラ寺院などを観光した。この5重の塔は,日本の法隆寺のそれに比べて大きいと思った。2人のレスラーがその下で構えている階段を登り,あたりを見渡してみた。木彫りの彫刻が美しかった。

美しい織物の袋に入った紅茶が安かった。日本円で1袋80円程度。紅茶そのものよりポシェット型の袋が良いと思った。私は2袋買った。Kさんは15袋も買った。職場のお土産にするのだそうだ。とても80円には見えないような良いお土産だが,私は買わないことにした。職場に同じようによく海外旅行をする女性がいて,へたにお土産をたくさん買っていったら,その人に睨まれるのではないかと思ったからだ。



繊細な木彫りが美しい孔雀の窓を見た。木彫美術館の左側面に1対あるが,片方は首が折れていた。

車を待っていると,ちょうど高校生達が学校から出てくるのに出会わした。楽しそうだ。

ヒマラヤ展望の村,ナガルコット(標高2100m)へ向かった。バクタプルを観光している間は平気だったが,バスに乗り込むと急にしんどくなってきて鼻水が出てきた。どうやら風邪が本格的になってきた。山道をどんどん登って行き,宿泊先のカントリービラに着いたのは夕刻だった。部屋で少し休み,外に出てヒマラヤを鑑賞した。あいにく空気があまり澄んでいなかったのでエベレストは見えなかった。

夕食のメインはグリルしたチキンだったが,食欲が出ずほとんど残した。アロンさんが風邪にきくからと卵,ブランデーなどが入ったカクテルを作ってくれた。食事はほとんど食べなかったが,それは飲み干した。

夜,寝ていると,ドアがたたく音がした。怪しかったので私もKさんも出なかった。そのうち,ドンドンとドアをたたく音が大きくなった。それでも無視していた。「マーム,ホットウォーター・・・」と聞こえたので「アイドントワントゥホットウォーター」と答えたら向こうの方へ行った。しばらくしたら電話がかかってきて,また「ホットウォーター・・・」というので「アイドントニードホットウォーター」と答えた。そしたら納得してくれたようで,その騒動は一段落した。鼻水が出てしようがなかったので,鼻にティッシュを詰め込んだまま寝た。