8月9日(月) ウィーンへ

朝6:15にホテルを出て6:35に市場に着いた。市場は朝6時から開いていると本には書いていたが,準備中の店が多かった。1階は肉,野菜など食料品。2階は刺繍製品とか陶磁器など土産物屋が多い。閉まっている店が多かったが,開いている店に入って,刺繍入りハンカチを3枚買った(800×3Ft)。自分用と土産用。コンビニがあったので水を買った。

ホテルに戻り,レストランへ行くと野澤さんに出会った。昨日,別れの挨拶を交わしたのに再会してしまったので変な感じだった。同じテーブルで朝食を食べた。市場へ行ってきたと言うと,私のことをパワフルだと言った。そして本当に別れた。

地下鉄でケバーニャ・キスペスト駅まで行った(8:50〜9:15)。そして9:17,リムジンバスが出て行くのが見えた。走ればドアを開けてくれたかもしれないが,また来るだろうと思い,追いかけなかった。次のリムジンバスに乗って空港へ行った(9:30〜11:00)。一昨日より時間がかかった。空港に着いてすぐチェックインした。危うく大阪までと間違えられかけた。もし,係の英語を聞き漏らしていたら,荷物が大阪へ行っていたかもしれない。私はウィーンで乗り換えるのではなく入国するのだ。「オンリー,ヴィエナ」と言うと,係の人はソリーと謝ってくれた。

ハンガリーのお金が少し余ったので使い切ろうと思った。サンドイッチ(884Ft)と絵はがき(120Ft)を買ったら81Ft余った。サンドイッチはハンガリーの物価からしたらとても高いと思う。11:50に飛行機は出発した。100人乗りくらいの飛行機だったが,30人くらいしか乗っていなかった。ブダペストとウィーンは近いし,9.11のテロがあってから,航空会社に保険料も払わなければならなくなったし,また確実に移動できるということから列車を利用する方が便利なのかもしれない。,機内でさっき買ったサンドイッチを食べた。

12:40にウィーンに着いた。そこで迷った。3日間市内乗り放題,美術館など割引もきくウィーンカルテを買いたかった。しかし売り場がなかなかわからなかった。ホームまで行ってみたがわからない。駅員さんに訊いて,来た道を戻りようやく買えた(16.9ユーロ)。やっと目的のウィーン市内までノンストップの特急CATに乗り,動き始めたのは13:55だった。実に1時間以上うろうろしていたとになる。CATは30分ごとに走っていて16分でウィーンミッテと空港を結んでいる。ガイドブックには載っていなかったので開通したばかりのようだ。車内は美しく乗り心地もよかった。もうすぐ着くだろうと思っていたときに,車掌さんが来てウィーンカルテを見せた。ところが,あと7.5ユーロという。ウィーンカルテだけでは足りなかったのだ。

ミッテ駅に着き,地下鉄に乗り換えようとした。しかし,ここでも間違った。国鉄に乗ってしまったのだ。次に止まった駅がRennwegだった。そこで乗り間違いと気がつき,一駅戻った。今度はちゃんと地下鉄に乗った。

午後2時にペンションクリスティーナに着く予定だったが,着いたのは2時半だった。ここはインターネットで直接ペンションにメールで予約していた。3泊,ウェルカムフルーツ,シャンパン,デーメルでコーヒーケーキセットが付くセット料金を設定していた。シュヴェーデンプラッツ駅から近く,トラム,地下鉄ともに乗り換えに便利だ。そのことは良かったが,部屋にはエアコンがなく,蒸し暑かった。またバスタブもなかった。それでもブダペストのホテルより高く,物価の違いを感じた。

シュテファン寺院の方へ歩いて行った。大通りにはブランドの店が眩しく並んでいた。また観光客もブダペストよりずっと洗練された服装の人が多かった。そして目の前に巨大な寺院が現れた。「でっかいなぁ」と思わず呟いていた。中には自由に入れた。周りには客を待っている馬車が10台ほどあった。オペラ座にツアー予定を見に行き,裏にあるザッハホテルを見ると工事中だった。ここでザッハトルテを食べるのがウィーンでの大きな目的だったのに残念だった。(と,このときは勘違いしていた。実は翌々日ここを訪れたとき,カフェだけはやっていることを発見したのだった。)

早々にシェーンブルン宮殿に向かった。着いたときは午後4時20分頃だった。オーディオガイドが付いたグランドツアーのチケットを買い,観ていった。途中,電源が切れてしまったので,元来たところを逆戻りしてそのことを言った。謝ってくれたが,こんなことは初めてだった。1時間半くらい内部の観光をして,エリーザベトグッズを幾つか買い,庭へ出た。帰りかけている人たちが多い中,逆に歩いていった。庭から観る宮殿は外壁が工事中だった。残念だった。写真は無理だった。夕暮れが迫っていたので足早に歩いた。丘の上から宮殿の方向を見ると,遠くにシュテファン寺院の屋根が見えた。6時40分だった。急がねばならない。

楽友協会ホール。私は白黒ボーダーのTシャツに黒のパンツ,デイパックだったのだが,そういう人は予想通りほとんどいなかった。たまに白人でそういうかっこうの人もいた。しかし,着飾っているのは白人よりも日本人だった。あまりに,やりすぎというのも変だなと思った。予約クーポンをチケットに換えてもらうと,どういうわけかランクが一つ上の席になっていた。私はインターネットで45ユーロの席を買っていたのだが,55ユーロの席になっていた。係の人が間違ったのだろうと思って,何も言わずに内心喜んでいた。(これは,間違っていなかった。後日,プラハのツアーに参加した人から聞いたのだが,一人参加の人にはそういうことがよくあるとのことだった。つまり席が端数になるとそういう風にするらしい。実際,私はランクが上がったものの,一番端っこの席だった)。ホールの近くのイタリアンレストランで夕食を食べようとした。料理はコースしかない。今晩のコンサートに間に合うかと訊くと,無理だと言われたのでやめた。店を出て,何か食べる店はないかとウロウロしていると,アイスクリームやさんがあった。何も食べないよりはマシとそれを食べた。そしてホール方面へ戻ると,マクドナルドがあった。オレンジジュースとチーズハンバーガーを食べた。

楽友協会黄金の間は煌びやかだった。買ったパンフレットで曲目チェック。そして,8時15分,演奏が始まった。素晴らしかった。モーツアルトの曲ばかりで知っている曲が多かったというのもあるだろうが,全く退屈しなかった。オペラも少しやってくれて,これもよかった。休憩で,私は紳士淑女の間でアイスティを飲んだ。アンコールは3曲。ヨハンシュトラウスの美しく青きドナウとラデッキー行進曲。手拍子が楽しかった。夢のような時間はあっという間だった。10時10分に演奏が終わり,CDを買い,帰ろうとすると,雨が降っていた。傘を持っていない人が多かったのか,出入り口が混雑していた。何とか出て持っていた傘を広げ,雨は降っていたが,至福の気分で地下鉄に乗って帰った。