8月2日(月) ブダペスト

朝8時出発。もう一度くさり橋を見に行くことにした。昨日通らなかった道を通った。金融街があった。建物自体は新しかったが,ヨーロッパらしい装飾があり調和がとれていた。私が泊まっている部屋に飾られていた絵は王宮をバックにしたくさり橋だった。この構図の写真は昨日撮らなかったので,もう一度行って撮りたいと思ったのだった。昨日は渡らなかったくさり橋を渡ってみた。遠くから美しく見えたくさり橋は,そばで見ると落書きだらけだった。しかし,橋から見たドナウ川と国会議事堂は美しかった。

聖イシュトヴァーン大聖堂に行った。宝物館には初代国王イシュトヴァーンの右手があった。ミイラのようにも見えたが本物だろうか。宝物館は9時から,展望台は10時から入れた。エレベータがあった。展望台へ行こうと乗り込むと,係の人にチケットを見せるように言われた。私達は持っていなかったので,いったん出てそばの窓口で買った。そして次はうまく乗れた。エレベータを下りると工事中の壁が見えた。工事現場のような所を進んでいくと外に出られた。美しい景色が広がっていた。どこへ行っても高い場所から見る風景は良いものである。尖塔が2本近くにあった。

ホテルに戻りチェックアウトした。そして空港へ向かった。来たときとは違い,今度は地下鉄とバスで戻った。特に迷うこともなく行けた。昼食は空港内のレストランでとった。ここも昼食時だというのに他に客はなかった。料理の味は,今回も私には合わなかった。そこを出て見上げると,上の階にある軽食の店は混んでいた。そこの方が安くて美味しかったのかもしれない。

空港2B(ハンガリー・マレーブ航空のみ発着)のインフォメーションデスク3時集合だが,私たちは1時間前から待っていた。3時前にアースウォッチのTシャツを着た中年の白人女性が私達を見つけてくれた。3時になったが,他の人達は来ない。女性はここで待っていてくれと言い残して探しに行ってしまった。私たちはそのまま待っていた。10分ほどすると70才くらいの老夫婦が女性に連れられて来た。そしてすぐにまた女性は2A(マレーブ航空以外が発着)の方へ探してくると言い残して立ち去った。私達は老夫婦と挨拶を交わした。彼らはアメリカから来ていた。

更に10分ほどしてさっきの女性は3人を連れてきた。見た感じ35才くらいの白人女性,30才くらいのラテン系白人男性,45才くらいのインド系男性だった。(あとからわかったことだが,彼らの素性を記しておくと,老夫婦の姓はドーソン,夫は元公立高校生物教師のディック,妻は元小学校教師のエリーでアメリカ・カンザスシティ在住,35才くらいの女性はワシントンDC在住のジャッキー,30才ラテン系男性はブラジル在住のマリオ,45才インド系男性はバングラデシュ人で今は台湾在住のスバシシさん。スバシシさんは仕事上,日本人とも取引をよくして日本人は名前の後ろに「さん」をつけることを知っていた。それで私や野澤さんのことを○○さんと呼んだ。私達も他の人には呼び捨てだったが,スバシシさんにだけは「さん」をつけて呼んだ。ジャッキー,マリオ,スバシシさんはHSBC銀行の社員だった。私と野澤さん,それにドーソン夫妻はボランティアには1週間の参加だったが,HSBCの3人は2週間参加した。)

3台の車に分かれて,3時半出発した。そして4時頃,オクサに着いた。ティボール博士やそこに居た人たちに挨拶をした。 一人の女の子が日本語で挨拶をしてくれた。名前はマリアンナ。高校生だった。

部屋に荷物を置きに行った。男女別の相部屋で案内された部屋には3つのベッドが並んでいて,あと一つエクストラベッドが置いてあった。ジャッキーが一番奥のベッドをとったので,私は入口近くのベッドにした。

5時になってマリアンナ達女の子4人,野澤さんと一緒にダムへ行った。マリアンナに少し説明をしてもらいながら作業の様子を見た。鳥をネットから外し,1羽ずつ布袋に入れて,測定地まで持って帰り,釘に袋のままひっかける。ティボールが袋の中から鳥を取りだし,調査,測定していく。私たちボランティアにその鳥について説明しながら。

夕方6時頃,若い女性がやってきた。サラだ。ニューヨークから来た。空港で荷物が見つからなくて到着が遅れたのだった。サラはその晩,顔を洗った後,タオルの代わりにトイレットペーパーで拭いていた。(荷物が翌日届いた時,大喜びしていた。)

夕食は8時頃。9時に最終のコントロール(見回り)に行き,ティボールの測定が終わると,ティボールが色々説明してくれた。それに対してボランティア達が質問していたが,私は英語力不足のため,わかるのは半分くらいだった。
ティボール博士のことは大人も子どもも皆「ティボール」と呼んでいた。カナダからやってきた大学生のアミットが「なぜドクターティボールと言わないのか。考えられない」と誰かに言っていた。彼はインド系でイギリスで育ち,今はカナダの大学で生物学を専攻している。年齢は20歳だが老けた感じでオタクっぽい。

10時頃,部屋に戻ると私はすぐ眠った。他の人たちはマリオが持ってきた酒でパーティをしたらしい。翌朝,野澤さんから聞いた。