ある日、京の町を歩いていると多分鼻緒が切れたのだろう 困っている女とであった。
歳は、歳三より年下だろう。色の白い小柄な女だった。
「おい!ぜぇーじょぶかい?」と歳三。「はい。下駄の鼻緒が切れて難儀しています。」「おいらに貸してみな!」
「おおきに!うちは、三条通の旅籠で働いている。お雪と言います。」「お雪さんか、良い名前だ。」
「お武家さんは?」「名乗るほどのねー名だ。縁が会ったら又、この京で出会うさ」と言った。
「まっこて、京の女子はええもんぜよ。」「ちぇ。なんぜぇ、おめーは?」背の丈六寸の男である。
「名乗るほどぜぇーね、とは中々粋な事をしちょると思ったもんで!」「いちいち、女に名前をなのらねーよ。おいらは。ったく
さっきから、なんぜぇー。おめーの名は?」「名乗るほどの者では、ないぜよ。機会があったら、又会う事になる!ははは」っと
笑いながら、行く浪人。「まったく、なんてー男だ。」と、歳三は呟いた。

壬生・八木宅に着いた歳三から「土方さん、私達 壬生浪士組に名前が付いたのですよ」と子供のように話す総司に
「なんてー、名が付いたんだ」「新選組です!!」「良い名前じゃねーか!」と笑みを浮かべる歳三に
「土方さんが、笑ったのって久しぶりに見ますよ。私!」「ふん、おいらは、京に来てから笑わなかったっと言いてーのだな!おめーは」
と、久しぶりに総司と戯れる歳三であった。
「新選組っと名前が付いたら、決まり事を決めなくては ならねーな。」「決まり事?」
「ちょいと、おいら 山南さんと話してくらー」っと席を立つ歳三。
山南の部屋から、出てきた歳三に「わかりました。芹沢さん達にも話をしなくては、ならないですね…」っと山南。
「仕方がねー事よ。おいら達の【新選組】にするためにはな!」と歳三は、山南に言った。

歳三は、山南を連れて 近藤の部屋を訪ねた「おーい、かっちゃん!いねーのか!?」「近藤さん、私達です」と山南が言うと
中から、近藤が出てきて「歳に山南くん、私に何か用かね?」「なんぜぇーいるんじゃねーか!ったくよ!」「まあまあ、土方くん」と
山南が宥める。「おいら、あんたに話があってな、山南さんと来たっと言う訳だ。」「話とは、それに 山南さんまで一緒に」不思議そうに
見ている近藤に「へぇーるぜ」と歳三。暫くしてから「分かったよ…土方くん」と近藤は言った。「しかたがねぇー事よ。」と歳三。
近藤の部屋を出てから、永倉に「皆、集めてくれねーか!」「分かりましたけど、土方さん?」「集まれば良い事よ!」と歳三。
しぶしぶ、立ち上がる永倉に「芹沢先生と新見先生もだ。」「芹沢先生も…」「ったく、分かったら早く行かねーか!」歳三は、
永倉に言った。永倉が「芹沢先生は、いらっしゃりますか?」っと問いただすと、艶かしい・お梅が目に入った。
「いややわ〜。こんなとこ、人様に見せるって」「かまわーしねさ、それより永倉くん私に用かね!」とお梅の方をニヤリと笑いながら
芹沢は言った。まずい所だったなっと思っている永倉に「用がないないら、出て行って入れ!」と怒る芹沢に、「新見局長と一緒に
近藤局長と土方副長が、来て頂きたいと。」「分かった!すぐに行く。」と芹沢は言った。

八木宅・大広間にて、酒くさい芹沢と新見・近藤・土方・山南達が集まっていた。
「新選組となったからは、決まり事を決めてーっと思ってな」「決まり事とはなんだね」と新見が言うと
「皆に、勿論!芹沢局長・新見局長にも聞いてもらいたい事です。」ザワザワと皆が騒ぎ出すと「嫌とは、いわせねーぜぇ」と歳三
「まずは、一 士道に背き事をするべからず。一、局を脱する者は許さべからず。一、勝手に金策に致らべきず事。
一、勝手に訴訟取りあつかわらず事。一、私ごとの闘争をするべからず。」と、歳三の声が響く。
「これに、逆らった者は」オドオドして聞いていた、井上源三郎。歳三はニヤリと笑い「切腹さ…」「こんな馬鹿馬鹿しい事はない!」
と、新見。「面白いでは、ないか。土方くん」と芹沢。「では、この決まり事を【局中法度】とするぜぇ。」「好きにしたまえ」と芹沢。
面白くなりやがったっと歳三は思った。

 続き読みます…面白くないですよ!