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「今日は、良い天気だ!一句詠みたくなってきたぜぇ」「何です!その、豊玉集って言うのは」半分茶化しているように
歳三は思った。「うるせーまったく!、てめーは向こうに!」っと言う歳三より先に、総司の手が伸びた。
「梅の花 一輪咲いても 梅は梅」「何ですか!?これは。」ニヤニヤしている総司である。「ふーん、土方さんが俳句が趣味なんだ」
「誰かに言ったら、承知しねーぞ!」「分かりましたよ。私と土方さんの秘密ですね」っと笑いながら歳三の部屋を出る総司に
「総司【あも】を食いにいかねーか?」「良いですけど、何ですか【あも】って」「ついてくりゃーわかるさ。一々うるせー奴だな!」
ふふふっ後ろで笑う、総司の声が聞こえた。
四条どうりの茶屋の前に止まると「亭主!【あも】をくれー」と歳三。「楽しみだな【あも】が食べれるの!」
亭主が運んで来たのは、お雪と食べた【あも】だった。「なーんだ、喜んで損をしたな…【あも】って只のもちではないですか!」
「京の都ではな、もちの事を【あも】って言うんだ!分かったか、田舎モノ」「田舎者とはなんですか!」っと総司が怒った所で
「田舎者は、お互いさまぜよ!」と何時かの浪人「おめーは、何処の藩だ!」「藩、そんなちっぽけなもん初めから
捨ててきちょる!」「今度こそ、てめーの名前を聞かせて貰おうじゃねーか!おいら【新選組・副長 土方歳三だ】」「私は【新選組・一番
組長 沖田総司です】」「わしは、無闇に名前を言うなっと勝先生にいわれちょるけど…【わしの名前は、坂本竜馬じゃ】良い名前じゃろ」
「坂本竜馬!覚えていくぜぇ」と茶屋を後にした。歳三と総司であった。
元治元年、祇園ばやしが聞こえる 暑い夏だった。探索方・山崎烝「最近、長州の浪士が うろうろしてますわ。調べてみます」
「長州の浪士が、うろうろとね…」と歳三。「何か、怪しい店がありまして…」「そいつは、どこぜぇー!」「良く調べてみませんと
わかりませんが。桝屋と言う、道具を扱っているみせですわ。宮部鼎蔵も出入りしている店だと聞きました。」
「すまねぇー、その桝屋にちょいと おいら行ってみらねぇ」「私も付いて行きますよ…ごほごほ」「てめー、ろうがいが…」
「行きましょう、山崎さん!桝屋に」と、歳三・総司・山崎、後から「私も行きますよー!」っと追いかけてきた、永倉。
桝屋の一室
「それは、私は 古道具を扱っているぞす。改められても、仕方ありまへん」
「鉄砲をこないに集めてもか!?」「奴は、自分から自白するめぇー」と山崎に耳打をする歳三。
「そなかいて…私が、探索の面子をかけて調べてみせます!」「分かった!おめーに任す」沈黙が流れる。
「副長!ありました。見つけましたよ。連判状です」「良くやった!桝屋を連れて行け!!」歳三の声が響く。
「そな、私は【池田屋】に戻ります」「おい!山崎【池田屋】は、四条通りっと言ったな。【お雪】も四条通りの旅籠で働いている…
まさかな、そんな事はねーだろうよ」
桝屋を問いただす、山南。「土方くん、これ以上は白状しないと思いますがね…」「こんな事では、手ぬるい土蔵に移せ!」
土蔵に桝屋は、縛られている。「おい!白状して楽になりたくねーか?」と優しい声で囁く歳三。
「知らんものは、しりまへん」「おめー、新選組をナメテルのじゃーねぇか!!桝屋を逆さに吊るすんだ、そして五寸釘も忘れずにな」っと
振り返ると、桝屋の顔は強張っている。逆さに吊るされた桝屋。桝屋の叫ぶような悲鳴が聞こえた。
「近藤さん、白状したぜぇ。あいつの名前は【古高俊太郎】って言う名だ。あいつの話では、この京を火の海にするらしいぜぇ!」
「そんな事が…許されてはいけない!」近藤も歳三も青ざめている。
「古高の話では、奴らが集まるのは【たん虎】と【池田屋】があってな!」「歳!お前はどちらと思う?」と近藤。
「おいら【池田屋】だとおもうぜぇ。でも、近藤さんが【池田屋】に行ってもらわねーっとな!すまねー」
「歳、総司を連れて行く。そして、平助・永倉くんも連れて行って、いいか!?」「本当にすまねぇ。」と苦しそうな顔の歳三に、
「死ぬなよ!歳、まあ、お前は死ぬタマではないがな!はははは」と大声で笑う近藤であった。
山崎烝ってか(殴)