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伊東一派と、山南・小波がすれ違った。
「やー!これは、千葉道場で名だき【山南先生と、千葉道場で免許皆伝の腕前の小波さん】では
ないですか!」「ああ…伊東くんだったね」と山南が言うと「それにしても、此処の土方くんの考えには
私は、付いていけませんな。ははは」と笑うと、「私は小波くんに様があるので失礼します」っと会釈をして
伊東から離れた。
山南の部屋で、小波に言った「今日は、君に合わせたい人がいる。だから、島原に一緒について来てくれないか」
「良いですが、島原にね…」と言うと「すまぬ、急いでくれ」と急かすものだから、
小波も戸惑った。女郎に会いに行くと山南くんは言ったが今日でなくても…っと思った。
島原遊郭「それにしても、賑やかだなー!私に合わせたい姫殿は何処かな」とニヤリと笑う小波。
明里の居る遊郭に急ぐ、二人だった。
「山南はん。会いたかったぞすぇ」と甘えると小波に気づき「この男っぷりの良いお人は?」
「小波くんと言って、私の古い友人だ」「小波はん、ええ名前どす。うちに 山南はんが居らんかったら惚れていたかも」
っと悪戯っぽく、笑う明里に小波は戸惑うばかりであった。
「山南先生、今度 うちに着物を買ってくれはるの?」「好きなものを選べば良いさ」っと淋しそうに笑みをつくろう山南だった。
帰り道「小波くん、君だけに言うのだか 新選組はこのままでは駄目になっていくとおもう…」
「何を言い出すかと思ったら、君 まさか…」「もし、私の身に何かあったら 明里を頼む」
「早まった、まねをすねのではないよ!君らしくない」と小波が言うと笑みを浮かべる山南。
それが、小波が最後に見る 山南の笑みだった。
開けて屯所 内では大騒ぎに「山南先生が脱走!?」と平助が問うと
「山南先生は、総長だぜ!脱走などする筈がない!!」と佐之助が言う。
大騒ぎしている、屯所で「やはり、脱走したか…」と微笑みを浮かべながら思う伊東。
もしやっと思い、山南の部屋に入る小波。案の定、手紙が残されていた。
「小波くん、君に迷惑ばかりかけて、すまない。新選組に誘ったのも私だ。でも、このまま新選組では駄目だ。
私は、弱い男だ。そして、重ね重ねすまないが、そこに置いてある 50両で、あの女 そう私が最期まで
愛した女だ。その金で、自由にしてあげてくれ。すまない。」と書き認めいる手紙の横に
ふくさに包まれた、50両が入っていた。「山南くん…」と彼は声を立てずに泣いた。
「山南さんは切腹ですか?」問う平助に「山南さんは総長だ。総長と言えずに【局中法度】に犯した者は
切腹だ!」歳三は叫んだ。「そんな、子供遊びじゃねーぇど!新選組は」と誰に怒りをぶつけたら良いのか
分からない歳三だった。「仮に局長が脱走したら…」とおそるおそると聞く平助に
「局長でも、法度を犯した者は切腹だ!それより、総司を呼んでくれ」っと平助に頼むと
「わかりました…」と部屋を出て行く平助であった。
平助と入れ違いに、総司が来た。不機嫌そうな顔だった。
「おめぇー山南さんを探しに言って来い」と歳三が言うと
「嫌ですよ。嫌なことは、全部 私に言いつける」っと総司が言うと
「おめぇー、草津まで行け!それでも、山南さんが見付からなかった場合はけぇって(帰って)来い。」
意外な歳三の言葉に「草津で見つからなかったら、帰っても良いのですね!見逃してあげるんだ
土方さん!」嬉しそうに笑う総司に、「山南さんと親しかった、探索方・小波も連れて行け」と
天井を見上げながら、歳三は言った。
山南を追う、総司と小波
草津まで逃げてくれっと二人の心情だった。
意外な事に「大津」で山南と出合った。
「何してるのですか!?」「そうだよ!山南君」と二人が言うと
「足を挫ってしまったらしい。本当に運がないよ、私は」と山南が笑うと
「逃げて下さい。私達は、大津で山南さんとは出会わなかった事にします!」
「探索方の山崎さんにも伝えておくよ」
「良いんだ…それよりも追ってが君達で良かった。他の追ってだったたら、私は斬っていたかもしれない」
「それより、今日はゆっくりと旅籠に泊まって 明日、屯所に行くよ」っと山南が微笑んだ。
「彼は、死ぬ気だ!何としてでも留めなれれば」と小波は心で誓った。