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お雪の部屋で、考え事している歳三に「歳三はん?」っと綺麗な瞳を近づけてきた
お雪に「あーすまねぇ、おいら総司の事を考えていたんぜぇ…」「沖田はん?」
「心配はいらねぇよ」と作り笑みを浮かべる歳三だった。
歳三が考えていた事は、ある日「おめぇーぜぇじょぶ(大丈夫)かい?」余りにも、最近の
総司は、痩せてきている事に「大丈夫ですよ!私の事を心配をしてくれるっと言う事は
明日、雨でも降ってこなければ良いですがね」とくすりと笑う総司。
「おめぇさんになんかあったら、おいらおめぇの姉さんに顔を向けられねぇからよ」と心配そうに
総司を眺めている歳三。「大丈夫です!安心して下さいよ…」とふくれる総司に
「ああ、此れならぜぇじよぶ(大丈夫)みてぇだ」と笑う二人だった。
しかし、総司の結核の事が頭から離れられない。近藤の部屋を訪ねた
「近藤さん、いるかい?」「歳?どうしたのだ…」「おいら、総司の持病の事が気になってよ…」
「池田屋で喀血をしたからな…総司」「そうだ!流石だねぇ」「私も総司の事から目を離さないでいるよ」
「すまねぇー、近藤さん」と言い部屋を出た歳三だった。
「伊東はゆるさねぇ!」っと探索方の山崎に話す歳三。
「ほんまですわ…薩摩と手を結んでいたとは!」「やるしかねぇな」
この日歳三は【伊東暗殺】を考えていた。
「諸君、君達には私は嬉しく思うよ」と嬉しそうに話す伊東。
「近藤勇を暗殺をしようと思っているのだが?」「伊東先生、近藤を斬りましょう!」進みでたのは
平助だった。「藤堂くん、君はやはり才覚があるね」と笑みを浮かべる伊東。
「近藤、暗殺ならば是非、私に」と篠原。「ありがとう、篠原君。君達は素晴らしいよ」と
笑みを浮かべる伊東に「近藤暗殺。是非、私に」と静に聞いていた斎藤が言った。
「斎藤君、ありがとう!では【近藤暗殺】は君に任せるよ」「わかりました。伊東先生」
っと静に立ち上がる斎藤だった。
急ぎ屯所に向かう斎藤。「土方副長にお話をしたき事が!」歳三の部屋に入ると
歳三は斎藤の事のあらすじを聞く「本当かい。ありがとうよ…でもおめぇさん【新選組】には
戻れないので、紀州に匿ってもらう事にしたぜぇ」「ありがとうございます。副長」
「ほとぼりが覚めりゃ【新選組】に戻って来たら良いんだぜぇ」っと言い紀州に文を書く歳三である。
「近藤さん、へぇーるぜぇ?」「歳、どうしたのだ?」「あんたを殺そうとしている奴がいるんぜぇ!」
「私を?誰だ、一体!?」「伊東甲子太郎だ」「伊東先生が…まさか」「あんた、人が良いぜぇ
まったくよ。斎藤から聞いたんだ」「斎藤君は、高台寺に?」「おいらが探らせたのよ。斎藤に」
「分かった。歳 それで如何するのだ」「おいらに妙案があってな」と笑みを浮かべた歳三である。
近藤の妾・お孝の家「近藤さん、あなたと話が出来て最高だったよ!」
「いえ、何も私など 伊東先生のお話に比べれば足元にもおよばない…」
「今日は楽しい時間を過ごせた。ありがとう近藤先生」酒を振舞った近藤であったので
伊東は、酔っ払ってフラフラしている。
「それでは、又」と言い帰る伊東。「伊東はんを殺すんでっしゃろ…うち、土方はんが【鬼】にみえますわ」
っとお孝が言った。「歳には、何時もすまないと思っている」と近藤がお孝を見て言った。
酒を飲んで上機嫌の伊東だった。鼻歌を歌っているその時である
暗闇に潜む集団に斬られた。肩から喉をとうり抜けている。
暗闇から月明かりがさしてきた。伊東を斬ったのは【大石鍬次郎】新選組隊士でも
恐れていた男だ。最後に伊東は「奸族ばら!」と叫び倒れた。
伊東の亡骸を足で蹴る歳三「死んだのか?」「そうですね…」
「伊東の亡骸を七条油小路まで、つれていけ!」っと叫ぶと
「高台寺の野郎が伊東をとりにくるぜぇ。その時に、高台寺の野郎を皆殺しよ!」
痩せた総司が問う「土方さん、平助だけは 助けて下さい」「分かってらーな」と総司の肩をポンっとたたく。
高台寺いっとう達
「伊東先生が斬られました…」っと歳三が忍ばせた隊士
「伊東先生は、土佐藩の者 五名に斬られました…早くお引取りにきて下さい」
「伊東先生…」号泣する高台寺統「行きましょう、篠原さん」と平助
「そうだな。早く伊東先生を連れて帰ってこないとな。皆泣いている場合では
ないぞ」と篠原。
「行きましょう、皆さん【七条油小路へ】」
油小路に着いた、一統が見たものは 嘘であろうっと疑いたくなる
伊東甲子太郎の亡骸だった。そして暗闇から現れた集団
歳三を率いる【新選組】だった。
「やはり、あなたでしたか!土方さん」平助が睨む。
「こいつらを叩き斬れ!」歳三の声が響くと、油小路は地獄絵図さながらである
「沖田くん!!」と篠原が叫ぶと、総司の刃が篠原を目掛けて斬りに来る
その時である、持病の発作を起こした 総司が倒れた。
その隙を狙って逃げる篠原。そして、まさかの声がした
「藤堂くんが…斬られました」耳を疑う歳三。
平助が倒れている「平助!!」歳三が叫ぶ「土方さん…私は昔の試衛館時代が懐かしいです」
「もう何も言うな平助」倒れていた総司も駆け寄る「平助!!」「戻れるのなら、試衛館時代に戻りたい」っと
ガクッとと歳三の腕の中で亡くなった平助
藤堂平助・享年24歳。試衛館時代の仲間、山南敬助と同じくして亡くなる。
暗闇の中で、歳三の号泣する声が響いた。