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2004年12月01日【 3.月刊『お前だえよ!』 】

2003年8月号

 今年の夏も暑い!いろんな涼の取り方ってあると思うけど、僕的に一番好ましくない涼み方といえば幽霊モノ。おとな三人寄れば一人ぐらい「ちょっとギャーって叫びに行こらよう!」と言う奴がいる。

 先日、僕がやってるインターネット放送「しそまるTV」で和歌山屈指の幽霊スポット由良トンネルを取材に行った。 この由良トンネルは僕ら子供の時分から色んな噂が耐えない。

 有名な話はひとり車でトンネルを走ってると目の前に突然、若い女性が現れる。「ワッ!」と声をあげ、びっくりしているうちに姿が消える。「今のなんやったんやろ?」と首を傾げ「フッ」と助手席をみると青白い顔した女性がニタリと笑ってる。トンネルを過ぎ、思わずブレーキを踏むと姿が消え、びっしょりとシートが濡れていたという。

 実はこの由良トンネルは以前、ラジオの取材で行った事がある。その時、知られざる事実が数々判った。

 皆さんご存知の国道42号のトンネルは実は正式には‘第二由良トンネル‘という。ほなら第一はというと、現地で聞き込みをし調べると丁度真上にあるという。教えられるがまま、近くの急斜面を登って行くとすぐに警察官が以前複数殉職した碑が建ってある。それも春に凍死したという何ともこっけいな出来事と怖さが募る。それから車一台がやっとという山道をくねくねと登って行く。途中、草木が道路に倒れてるのを抜け、人も車もしばらく通っていないのが判る。登ること数分、薄暗い山道の急カーブを曲がると忽然とくり貫かれたまっすぐなトンネルが目の前に飛び込んでくる。その不気味さには言葉を無くしてしまった。MDの録音ボタンをオンし、車に乗ってレポートを必死にこなし、やっとの思いでトンネルを抜けると小さな石碑が三つ。

 怖さが増し、行ってはいけない所に足を踏み入れたんではないか!という重たいものを背負ったみたいな感じでその日は寝付きは悪かった。

 、、、そして今回は僕と漫画家のマエオカ君そして以前、ここに僕と取材に行ったディレクターの田尾君。二度目のアタックとうには、慣れているいうより以前の恐怖が思い出され凄くおっくうである。

 記憶を手繰りながら細い道を進んでいく。途中、セミの鳴き声をステレオで聴きながら急なカーブを曲がるとあの時と同じ姿が僕等の前に立ちはだかっている。「近寄るな!」と言わんばかりの迫力である。その前で怯えながら出発前に買ってあった食塩を全身に振り掛けてると田尾君が「二人でカメラ持ってトンネル歩いてもらえますか!僕後ろで車のライト点けて行きますんで」とびっくり発言。ウンもスンもいう間もなく、カメラを渡されオドオドしながら二人、恐々少しずつトンネルに足を踏み入れていく。 一歩踏み入れただけで、辺りは真っ暗でよどんだ空気が肌寒い。マエオカ君の服をしっかり持って、少しずつ前へ進んで行くと真ん中ぐらいに行くと、今までレンガ造りだった壁がいかにも洞穴というむき出しに変わる。もう行くも戻るもどっちも怖いトンネル特有の恐怖が二人を迫る。ピタッピタッと水滴が落ちる中をぬうように明るい方に向かう。いよいよゴール!と早足で駆けていくと天井にぶら下っていたであろうコウモリがバタバタと完歩を労ってくれた。「ウォ!」と叫びながら二人はトンネルを抜けた。

 目の前には標識が飛び込んできた県道湯浅御坊線。町名は日高町となっていた。トンネル潜る前は由良町だったのに、、 

 その後、近くの民家で由良トンネルの話を聞いたところ、地元のおばちゃん達は至って当たり前の様にその存在を肯定した。三年前、冷やかしで来た他市の若者たちの一人が女性の幽霊に乗り移られ「どうにかしてほしい!」と駆け込んできたという。

 噂は本当だった。しかしこのトンネルに霊が存在していると判った今は今度通る機会があれば成仏してくださいと僕は心で手を合わすだろう。

Posted by sisomaru at 2004年12月01日 18:46


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