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2006年07月12日 | 【 3.月刊『お前だえよ!』 】 |
愛すべき吉本興業、その芸人たち
先日、久しぶりに吉本の芸人との仕事が田辺であった。
吉本興業のお仕事というのは、本当にミステリーツアーのようなノリ。
スケジュール確認をマネージャーから受けて、当日近くになると片道キップと入り時間の書いた伝票。
最近では、出演者のタイムスケジュール表が入っていて自分以外の大体の出演者が分かるが、一昔前はとりあえず自力で現地に行ってみないと何も分からないというのが吉本流常識。中には、現地に行ってみても分からないという事も度々。
デビューして間がない頃、芸人以上の面白いマネージャーと滋賀の方へ祭りの仕事での出来事。芸人数人とAマネージャーが最寄の駅に降り立った。当たり前の様にタクシーに乗り込み「どこまで?」と運転手。「あっ!ない」。何が?と訪ねると現地までの地図のイベント内容の書いた書類を忘れたという。場所はおろか何祭りかも忘れてる。信頼感ゼロの我々の視線に逆ギレしたA氏は、思わず運転手に「今日、賑やかな祭りやってる所!」。困った運転手さんが考えた末向かった先は、オートバックスのタイヤ祭りだったとか。岡山と和歌山を間違えたとか。休みやと思って家で新聞をのどかに読んでるとテレビ欄に自分の文字が!急いでTV局に走ったとか。ウソのような本間のエピソードがA氏にわんさかある。そんなA氏も今では退社しているので皆さんご安心を??
そんな緊張感を胸に記された電車に乗り、紀伊田辺駅へ降りると同じ電車だった‘さゆみ・ひかり‘の二世漫才師に「だれか迎えにくるの?」と聞くと「さあ?」とあっさり。これぞ吉本芸人と関心させられた。この日は、僕のトークを初め漫才から新喜劇まである吉本豪華パック。まるでNGKの楽屋みたいだった。久しぶりに会ったのが島木譲二さん。
なんと今年で60歳になる兄さんとは、昔よく可愛がってもらってて今はなき「二丁目劇場」での僕のイベントにも何度となく出てもらった愛すべき人。優しくて、偉そがらず振り向けばいつも笑顔で「チューイング・ボーン!」意味が分からないのが島木流。合間に会館近くの喫茶店で近況を語り合ってると、当然ながらあのキャラ故子供からおばちゃんまで笑顔で話しかけてくる。しかし、‘プライベート‘だとかと嫌がる素振りなく惜しげもなくギャグで応える。思わず「しんどくないですか?」と訪ねると、「こないしたら皆喜ぶやろ~」と一言。抱きしめたくなる程、可愛らしい人物である。
そして、今回緊張したのが新喜劇のベテラン桑原和男さんと一緒だった事。
今では、関西を代表する‘おばちゃんキャラ‘の代名詞である物凄いオーラを横で感じさせられながら‘和歌山のおばちゃん‘衣装に着替えるのは、とっても勇気のいる事のなのである。こんな事もあろうかと、失礼に当たると男衣装と両方用意していた僕なのだが、スポンサーの意向もあり、おばちゃんになる事を迫られた。奇しくも同じ楽屋、隅っこで小さく着替えてると「ちゃ~そー」でお馴染みのやなぎ浩二さんが「あっ!これは??」と許しを得ず‘おばちゃんキャラ‘という聖域に足を踏み入れた僕にびっくりするとすかさず桑原さんが振り向く。「これは!」と思い、ご本人に「和歌山弁で落語を・・・」と説明するとやさしく「がんばりや!」エールを送ってくれホッと胸をなでおろした。
本編の舞台もサービス精神旺盛な吉本らしく二回の公演も大成功。
帰り、列車の時間まで余裕があったので「チッチキチー」でブレイク中のこだま・ひびき師匠と駅前でビールを呑みながらギリギリまで僕のキャラについて語り合ってくれた。
久しぶりに会った吉本諸先輩に僕は感激のエクスタシーを感じたのであった。
Posted by sisomaru at 2006年07月12日 00:13