奥村 規子 2007年12月議会 一般質問と答弁
2007年12月11日
《質問》 奥村規子 議員
議長のお許しを得ましたので、さっそく質問に入らせていただきます。今回は、3点について質問いたします。
まず一番目は、少子化対策と安心して子育てできる社会的環境についてでございます。 先日和歌山市内でも子どもが犠牲となる大変痛ましい事件が起こってしまいました。その前には香川県坂出市の3人遺棄事件で子どもが犠牲になるという悲しい出来事がおこり、和歌山で起こることのないようにと願っていましたが、本当に悲しいことです。子どもをめぐる事件・事故があとを絶ちません。子どもを取り巻く環境は大変厳しいものがあります。一人ひとりの命が大切にされ安心して子育てができる社会的環境が求められているのではないでしょうか。
子どもたちにもくらしの不安がのしかかっています。訪問先での話ですが、小学生の孫が「僕、大きくなっても結婚せえへん」と言っているというのです。わけを聞くと「子どもを育てるのにお金がかかってたいへんだから」ということです。また別の訪問先でも、子どもの家に家庭菜園でできた野菜を送ってやったところ小学生の孫が電話口で「おばあちゃん助かるわー」と言ったというのです。しっかりしてきた孫の成長に目をほそめ喜ぶ半面、大人たちの家計のやりくりの会話を通して経済的な不安を肌で感じているのではないでしょうか。子供たちが安心して自由に将来への夢をもち、希望を感じることができる社会が求められています。
日本の出生率は1973年以来低下傾向を続け、2005年からは人口も減少に転じています。和歌山県においても2005年は出生率が戦後最低となりました。昨年は出生数・出生率とも、わずかに増加していますが少子化問題は深刻です。
私は、「少子化」で何を問題として捉えるかという点では、生みたいけれど生めない現実が問題であり、生みたい人が安心して生み、子育てのできる社会が問われているのではないかと考えます。ヨーロッパにおいて「少子化」対策という言葉で政策が論議されることはほとんどないと聞いています。新長期総合計画(素案)では『人口減少や高齢化は、経済成長の鈍化、税や社会保障における負担の増大、地域社会の活力低下などの要因となるおそれがある』と書かれています。その観点から少子化を何とかしたいという発想のように思いますが、いかに子育てがしやすく、人間的な生活を営むことができるかが基本的な視点ではないでしょうか。
少子化対策の基本的な考え方について、知事のお考えをお聞かせください。
《答弁者》 知事
和歌山県の出生数は、30年前の半数以下まで減少しており、人口減少や急激な少子高齢化社会の進展に伴う地域社会の活力低下が懸念されているところです。
こうした中、子どもを持ちたい人が、安心して子どもを生み育てることができる社会を実現することが重要と考え、本年度から第3子以上を妊娠している妊婦の健診費の助成等を中心とする「紀州3人っ子施策」など、少子化対策に重点的に取り組んでいるところです。
今後とも、子どもを生み育てようとする家庭への一層の支援・充実を図るとともに、仕事と出産や育児が両立できる環境整備などの施策を展開し、「子育て環境NO.1わかやま」を実現すべく、取り組んでまいります。
《質問》 奥村規子 議員
県少子化対策推進協議会は3つの提言をしています。
@ こどもは「宝」との観点から子育て機運を醸成し県民理解のもと、大胆な経済的支 援
A 仕事と子育ての両立可能な仕組みを
B 若年者の就労支援
の3点について提言しております。私もこの3つのことは、非常に大切なことだと思います。
まず、若年者の就労支援についてです。
労働白書によればこの10年間で非正規雇用が急増しています。年収150万円未満の低所得層が15.3%から21.8%へと増加し、こうした低所得層の非正規雇用者は結婚する割合が低く、少子化の原因となっているとかんがえます。
2005年3月に策定された「紀州っ子元気プラン」では、若年者の失業率が2002年12.3%にものぼっていることから、それを2007年度には9.5%に下げる目標をもっています。しかし2006年度末の到達状況を見ると、残念ながらその時点での失業率は把握されていません。
また賃金や、労働時間などの労働条件も含めた「雇用のありかた」が結婚や出産に大きく影響してきます。1997年の均等法改正で、妊産婦の通院休暇や通院緩和休暇措置、休憩時間延長などが措置されました。安心して妊娠出産できる職場づくりが重要です。
商工観光労働部長にお伺いします。
少子化問題と労働施策は、密接に関係していると思いますが、労働施策についてどのような取り組みをされていますか。
《答弁者》 商工観光労働部長
少子化の進行の中で、育児中の労働者の負担を軽減し、働きながら子どもを育てやすくする環境を整備していくことは、重要な課題であると認識してございます。
平成18年度の「和歌山県労働条件等実態調査」では、育児休業制度の規定を設けている事業所は63.8%で、育児休業の取得率は、男性が0.9%、女性が89.5%であり、男性の育休取得率など、まだまだ十分とは言えず、男女ともに、さらなる子育てに関する意識の向上と育児休業等を取得しやすい職場の環境づくりが必要であると考えてございます。
そこで、県といたしましては、事業主等を対象に、育児休業等をテーマとした仕事と家庭の両立に関するセミナーの開催や「中小企業労働施策アドバイザー」の巡回訪問等により、子育て支援に対する意識が向上するよう鋭意取り組んでいるところでございます。
また、育児をしながら安心して働けるように、育児の支援を受けたい人と支援をする人がともに会員となり、地域において助け合う「ファミリーサポートセンター」の設置促進を図っているところでございます。これまでに、和歌山市、田辺市、橋本市と海南市の4市が設置し、平成18年度の会員は約1,500名、活動件数は約5,300回で、年々その活動が充実してきてございます。
今後とも、仕事と家庭の両立が図れるよう、積極的に取り組んでまいります。
《質問》 奥村規子 議員
次に、環境生活部長にお尋ねします。
提言では、仕事と子育ての両立可能な仕組みについて書かれています。子どもを持つ男女の働きやすい周辺環境の整備や精神的支援、企業、地域、行政が一体となって整備する連携施策が必要とのべられています。そのためには、まずは家族、パートナー関係における平等と共生の関係をどうつくっていくのか大きな課題でもあります。
男女平等な家族生活の考え方、男女が共に子育てを担う考え方がどれだけ普及されてきたのでしょうか。お答え下さい。
《答弁者》 環境生活部長
平成18年度に実施いたしました「男女共同参画に関する県民意識調査」におきまして、「仕事と家庭に関する男女の役割分担」についておたずねをいたしましたところ、「性別による分担をせずに、夫婦にあったかたちで役割分担する。」また、「男女とも仕事を持ち、家庭においても男女で協力する。」ことが理想と考えておられる方が全体の約6割いらっしゃいました。しかしながら、一方で実際の生活では、理想と一致している方は約2割と、理想と現実には大きな開きがあるという結果が出ております。
こうした調査結果もふまえまして、今年3月に改定いたしました「和歌山県男女共同参画基本計画」では、施策の方向の一つに「仕事と家庭の両立支援」を位置付けまして、男女共同参画を推進する事業者の登録制度等によりまして、男女が共に働きやすい職場づくりのための事業者の取組を支援しております。また女性の社会参画を進めていくためには、これまで仕事中心の生活をしてきました男性が、子育てや介護等の家庭生活にも積極的に参画し、その責任を共に担うことが重要であることから、本年7月に「子育てに活かすコミュニケーション講座」を開催するなど意識啓発を行ったところでございます。今後とも、関係部局との連携を密にいたしまして、男女共生社会実現のため、積極的に取組を行って参ります。
《質問》 奥村規子 議員
最後に提言で指摘された大胆な経済的支援の問題です。
子育ての深刻な状況は先にも述べたように親の生活実態が非常に不安定になっていることです。そうした世帯の子育てを社会的にバックアップする仕組みが問われています。しかしバックアップの仕組み自体がどんどん政策的に後退しているのが現状です。
そして、子育てには大きな費用がかかるという問題があります。
知り合いの高校生を持つお母さんが「来春2番目の子どもが高校に行くが、1ケ月1万円以上の授業料を納めるのも大変、それ以外にもお金がいってくるし」と頭を痛めています。
子育て費用の試算では中学・高校が公立で国立大学を卒業するまでで基本的養育費と教育費の合計が一人当たり3,000万円かかるということです。ご存知のように内閣府の「少子化社会対策に関する子育て女性の意識調査」によると、子育て世代の女性が望んでいる少子化対策のトップは「経済的支援」です。
提言にもあるように本当に「子どもは宝」と思えるようにしていくことが国・自治体に問われることではないでしょうか。
そこで 福祉保健部長にお聞きします。安心して産み育てるために早急に解決すべき課題は保護者の経済的負担の軽減をはかる事です。そのために、
@ 乳幼児医療費無料化を小学校卒業まで拡充する考えはありませんか
A 保育料や障害児の通所施設の利用料の負担を軽くし、子育てしやすい環境づくりを
おしすすめることが必要です。市町村では保育料の多子家庭負担軽減制度がありますが第二子が障害を持っている場合、障害児通園施設の利用料の軽減制度がありません。対象者も多くないと思われますのでできるところから早急に対応策を考えていくべきではないでしょうか。
B 妊産婦健診の公費負担の拡充です。健診費用や出産にかかる費用も若い世代にとって負担が重く2人目、3人目とはならない現状です。厚生労働省の今年1月の通達には妊婦健康診査の公費負担の望ましいあり方についてということで妊婦が受けるべき健康診査の回数について14回程度行われることが望ましいがそのうち各市町村が5回程度の妊婦の公費での実施をおこなうことと公費負担の状況調査を県にもとめました。県下の市町村の実施状況はいかがでしょうか。市町村が実施に踏み切るよう県としてどのようなアプローチをお考えでしょうか。お聞かせ下さい。
《答弁者》 福祉保健部長
@乳幼児医療費の無料化の拡充
少子化対策の一環として昨年10月に、他府県の実施状況や本県の財政状況を勘案のうえ、通院に係る対象年齢を拡充し、入院、通院とも義務教育就学前の児童までとしたところでございます。
本県の乳幼児医療費助成制度は、全国的に見ても高い水準にあるものと認識しており、現行でご理解を賜りたいと思っております。
A保育料・利用料の軽減
保育所は保育に欠ける乳幼児を保育することを目的とし、一方、知的障害児通園施設は障害のある幼児に対し療育訓練を通して発達を促すことを目的とするもので、施設の役割や保護者負担制度などの相違がございますが、保育料・利用料の軽減につきましては、国に対し、障害児施設等に入・通所する就学前児童も対象にするなど、多子家庭に対する軽減措置の一層の充実を図るよう近畿府県とともに要望しているところでございます。
また、障害の子どもを持つご家庭の負担を軽減するため、特別児童扶養手当や税の減免措置などの支援制度もあります。
なお、障害児施設の利用者負担につきましては過大な負担とならないよう、低所得の方への減免措置がなされていましたが、本年度からは更なる負担軽減措置として、月額上限額の引下げや軽減対象世帯の拡大などの措置が講じられているところであります。
B妊婦健診の公費負担の拡充
議員ご承知のとおり、安全な分娩と健康な子の出生のためには、妊婦健康診査は重要であり、出産に至るまで14回程度の健診の受診が望ましいと考えられています。
現在の実施状況につきましては、県内全市町村で、全ての妊婦に対して、妊娠の前期・後期に各1回の併せて2回、更に、1市、これは海南市でございますが、今年度からプラス1回の併せて3回公費による健診を実施しています。国においては、平成19年度より 妊婦健診の充実を含めた地方財政措置の拡充がなされたところであり、県といたしましては、市町村に対し、機会があるたびにその拡充を働きかけているところでありますが、今後とも、更なる妊婦健診の充実に向け積極的な取り組みが推進されるよう働きかけてまいります。
また、県におきましても、少子化対策としまして、第3子以上を生み育てようとする夫婦に対し、妊婦健診にかかる費用を原則無料とする市町村に対し、その経費の2分の1を補助する制度「紀州3人っこ施策」を創設し、経済的負担の軽減を図っているところでございます。
《質問》 奥村規子 議員
次に2番目の障害者自立支援法と小規模作業所の問題についてお聞きします。
障害者自立支援法は昨年4月の施行後、障害を持つ人と家族に「応益負担」という過酷な負担を押し付けることで深刻な矛盾が現れています。
政府は昨年末に軽減策をとらざるをえなくなりましたが、事態は1年経っても何ら改善されませんでした。日本共産党は9月に実態調査を行いましたが月額1万円以上の負担増になった人が6割にのぼりました。事業所の収入も1〜2割減少したところが6割以上に上り、障害福祉の現場から離職者がでています。
こうした状況の中、「応益負担」の撤廃を求める障害を持つ人や家族の粘り強い運動がひろがっています。この声が政府、与党を動かし先日与党のプロジェクトチームが障害者自立支援法の見直し方向をまとめ、負担軽減策や作業所の経営安定化をはかる改善措置などを行うことで合意しました。「応益負担」と作業所の報酬「日割り方式」には固執していますが、ここまで見直しが必要になっているのですから、「応益負担」と「日割り」方式の廃止に踏み出すべきだとおもいます。
こうしたなかで自立支援法の問題が大きく現れている分野について福祉保健部長にお聞きします。
まず、小規模作業所の問題です。小規模作業所は現在16箇所になっていると聞いていますが、利用人数も多いところでは30人から少ないところでは5人の方が利用されているところです。
小規模作業所は障害を持っている方と家族、地域など皆さんが悩みながら力を合わせて育ててきた施設です。「県民の友」12月号の一面に大きく、−すべての人が安心して暮らせる社会をめざして−と書かれていました。どこに住んでいても安心して暮らせる、まさに小規模作業所は障害をもつひとたちに居場所をつくり、障害をもっている人が仕事や創作活動などを通して社会参加への道をきり開く貴重な役割を果たして来ました。今後も身近なところできめ細かな施策を行う上で大変重要です。
しかし今、小規模作業所は自立支援法の中で法定の施設としてやっていくのか、それとも地域活動支援センターとして存続していくのかの選択を迫られています。ある作業所では一般の棟続きのアパートの一室を借りており、このままでは、新事業に移行はできず場所探しに苦労されていたり、また作業所では、補助金は年2回に分けて受け取っていますが、年度始めにはおりてこないため、新しく物品を購入したり新しいことに取り組みたくてもできないなど困っています。ある作業所では利用者さんにわたせる給料が月5,000〜6,000円で、昼食代のお弁当に350円、これだけでもうなくなってしまいます。その上に適所するための交通費、利用料合わせると、とても自立した生活が成り立ちません。事業所職員の給与も2万〜3万円しか出せない現状です。
県としての小規模作業所への支援状況をお聞かせください。
《答弁者》 福祉保健部長
障害者自立支援法に基づく新たなサービスへの移行に向けて調整段階であったり、直ちに移行できない小規模作業所に対して、県では経過的な措置として、市町村が行う運営補助に対し、2年間に限り助成する新たな支援を行っているところでございます。
今後、小規模作業所につきましては、新事業体系の中にある就労継続支援事業等の自立支援給付事業への移行や市町村が実施いたします地域活動支援センター事業への移行となることから、引き続き関係市町や作業所と個別に協議を行ってまいりたいと考えてございます。
《質問》 奥村規子 議員
次に障害児施設における応益負担の考え方についてお聞きします。
「障害があってもまず子供としてみてほしい」「障害があるからこそ、できるだけ早く療養をうけ、安心して子育てがしたい。」保護者の皆さんの当たり前の思い、それが切実に願わざるをえないところに非常に胸が痛みます。
「自立支援法」は本来なら感じることのいらない「障害児を産んだ悲しみ」、と責任をおしつけています。子どもは成長し発達するものであり、障害を固定的に見るのではなく、日々の働きかけで改善することも事実です。しかし働きかけがなければ改善しません。
つまり「自立支援法」の下では、お金がなければサービスを受けられないという仕組みに大きな問題があります。私は憲法13条の幸福権の追求にそって、根本からあらためるべきだと思います。いかがお考えですか。
《答弁者》 福祉保健部長
障害児施設につきましては、昨年10月から利用者本位の「契約」の仕組みに見直すのに併せまして、障害者のサービスと同様、サービスの利用に応じた負担をお願いしてございます。
ただし、一般の子育て世帯との均衡から、応能負担である保育料程度の負担水準となるよう軽減され、更に19年度からは障害児のいる世帯は若い世帯が多く負担感が大きいといったことから、もう一段の利用者負担軽減措置が、講じられているところでございます。
障害児支援につきましては、国において法施行後3年を目途に施設・サービス体系等について検討が行われることになっておりますので、国の動向について注視してまいりたいと、そのように思っております。
《質問》 奥村規子 議員
次に通所施設における運営の問題です。
施設にとって、利用者が休めば収入が減ってしまうという「日額単価」の実績方式のため、利用者側も気を使ってしんどくても休めないという状況があります。運営に当たってたえずお金のことを考え、びくびくしていなければいけないという現状で、本当に職員がやりがいをもって働けるようにするには、安定的に運営できるようにすることが大事です。どのようにお考えですか。
《答弁者》 福祉保健部長
「利用実績払い(日払い方式)」の導入に伴い、一定限度内であれば、定員を超えての受入れや通所施設の開所日数を増やすことなど弾力的な運営が可能となっております。また、障害者自立支援法円滑施行特別対策において、従来の報酬額の90%保障するなどの事業者に対する激変緩和措置が講じられております。
今後、激変緩和措置後の影響等を見ながら、その上で改善すべきところは国に対して働きかけてまいりたいと、そのように考えてございます。
《質問》 奥村規子 議員
最後に3番目の御質問です。「原油価格高騰」に関わる緊急対応策についてご質問いたします。
一人暮らしで、年金生活をしている70歳のOさんを訪ねました。Oさんは障害者の子どもさんを施設に預けて働いてきました。息子さんのことで、指導員の先生からほめられることを唯一こころの支えにしています。ご自分は糖尿病の治療を続けています。「歯医者や目医者にも行きたいけど、とても年金だけでは食べていかれへん」といっています。今年は住民税も上がり、介護保険料、国保料もはね上がりました。さらに負担が重くのしかかっています。
県民のくらしは来年度も年金課税への強化や、今年6月にも住民税が上がり、国保・介護保険料の負担が増えました。来年もさらに負担が増えることになっています。定率減税も廃止されました。
生活保護世帯の高齢者加算の廃止、母子家庭の母子加算の段階的廃止がすすみ、生活扶助基準の引き下げがすすめられようとしています。そこへ重油価格の高騰により石油関連商品、生活必需品の値上げラッシュが始まっています。便乗値上げなども憂慮される状況です。障害者施設など福祉の現場では、送迎の燃料費や作業所の経費、燃料代の増大に悲鳴があがっています。一刻も早い対応が求められています。学校給食などにも影響が現れています。中小企業、サービス業、飲食業者など産業への影響も深刻です。また県経済や、県民生活への影響が大きいと考えます。
それぞれ関係部長にお尋ねします。
環境生活部長には、
県民生活への影響についてどのようにお考えですか
《答弁者》 環境生活部長
原油価格高騰に伴い、ガソリンや灯油など石油製品価格が値上がりをしており、県民生活への影響も懸念されるところであります。
昨日、議論がございました農林水産業やご指摘の中小企業への影響のみならず、各家庭におきましても、これから暖房を利用する季節を迎えることから、その影響は大きいものと認識しております。
ガソリン等石油製品の価格状況につきましては、県におきましても、毎週把握しているところでありますが、現時点では、全国平均、近畿府県等の価格と比べても、特に突出している状況にはございませんが、今後、不当な価格のつり上げ、便乗値上げなどの恐れもあり、これらに対しては適切に対応して参ります。
この間題につきましては、現在、国におきましても緊急対策を講じる方針であると承知しておりますが、一方では、化石燃料への依存をできるだけ少なくするという意味でも、省エネルギーのより一層の推進も図って参らねばならないと考えております。
《質問》 奥村規子 議員
商工観光労働部長には、
中小企業への支援策をお尋ねします。
《答弁者》 商工観光労働部長
原油価格につきましては、冬の需要期も相まって、ここ数ヶ月急激に高騰しており、地場産業やトラック運送業などへの影響が顕著になってきておりますが、コスト上昇分を価格に転嫁できないなど中小企業者が苦境にあると認識してございます。
そのため、県の相談窓口をはじめ、商工会連合会、和歌山商工会議所や政府系金融機関などに特別相談窓口を設置し、中小企業者の相談に応じているところでございます。
また、県では中小企業者向けに信用保証制度による低利融資制度を設けてございますが、今般の原油価格の高騰で運送業などセーフティネット対象となる業種の方には、より低利の設定をし、中小企業者の負担軽減を図っているところでございます。
今後とも原油価格の推移を注意深く見守りながら、適宜適切に対応して参りたいと考えてございます。
《質問》 奥村規子 議員
今朝のニュースで、湯たんぽが売れ出荷が間に合わないと報道されていました。灯油を使わないで暖をとる方法等、庶民はいろいろと工夫し、節約に必死なことがうかがえます。
今ある制度を、十分活用していくことも大事だと考えます。例えば、軽油引取税の免税軽油利用状況はいかがですか。
総務部長お答えください
《答弁者》 総務部長
本県における軽油引取税の免税状況につきましては、平成18年度実績では、免税軽油使用者は2,932名、免税軽油数量は24,821キロリットル、免税額は約8億円となっております。
免税制度については、小冊子「県税のあらまし」の配布や県のホームページでの掲載によりまして周知を図っているところでありますが、今後、県税事務所の窓口や農協、漁協などの関係機関を通じて、周知をしてまいりたいと考えております。