2009年2月県議会 農林水産委員会  概要記録

● 2009年2月26日(補正予算等議案審査)

● 2009年6日

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補正予算等議案審査
2009年2月26日

《質問》 藤井委員
   ふるさと定住センター費について40万円の減額補正と債務負担行為の補正で3,000万円が出ているが、この内容について説明されたい。

《答弁》 山村整備課長
   40万円は事務費の減額。債務負担については平成21年度の運営業務委託にかかる費用である。

《質問》 藤井委員
   業務委託で3,000万円ということであるが、ふるさと定住センターは今後どのように運営していくのか。現在、7名の県職員が配置されて運営しているものを業務委託するということだと思うが、そのことによって、ふるさと定住センターの役割や予算上の問題といったことがどうなっていくのか。

《答弁》 山村整備課長
   企画部地域交流課が窓口となり、外部への業務委託について調整を行っている。

《答弁》 農林水産部長
   予算については企画部の所管となっているが、平成21年度から外部へ業務委託することにより、現在、人件費等で6,000万円程度かかっているものが3,000万円に抑えられる。委託に際しては、これまで培ってきたふるさと定住センターの機能や人とのつながりもあり、東牟婁振興局に若干名の人員を配置し、スムーズに業務の引き継ぎを行うための体制づくりを企画部と連携しながら進めている。

《質問》 藤井委員
   企画部と連携していると思うが、組織上は農林水産部、予算は企画部ということで組織上一体的な業務運営はできるのか。定住センターの農林水産部の位置づけはどうなっていくのか。

《答弁》 農林水産総務課長
   来年度は、委託先と協力しながらスムーズに業務移管を行うため、ふるさと定住センターの業務を兼務する農林水産部の技術職員を東牟婁振興局に配置する予定である。

《質問》 藤井委員
   予算は企画部になるのか。

《答弁》 高田農林水産総務課長
   予算については、企画部の執行になる。

《質問》 藤井委員
   県では農山漁村で定住を進めているところだと思うが、それを業務委託してふるさと定住センターの役割や目的が後退することはないのか。

《答弁》 農林水産部長
   定住している方や田舎暮らしを希望する方のネットワークづくりの核としての役割をふるさと定住センターが果たしている。現在、企画部において、こうした役割を担ってもらえる委託先の公募を行っており、併せて地域を熟知した地元の方の雇用について古座川町との調整を進めているところであり、センターが果たしている役割・目的については、確保できるものと考えている。

《要望》 藤井委員
 農林水産部でも状況をきっちりと把握し、ふるさと定住センターの役割が後退することのないよう、また、業務委託の目的が単に県職員の引き揚げだけとならないようにされたい。



《質問》 藤井委員
   議案第80号の県営工事の市町村負担金の変更について、市町村との協議は行われているのか。

《答弁》 農業農村整備課長
   その都度、市町村と協議している。

《質問》 藤井委員
   県営工事については県がすべて負担すべきで、市町村はよりきめの細かいところで事業を実施していくべきと考えている。この点について、どのように考えているか。

《答弁》 農業農村整備課長
   県営工事の市町村負担金については、地方財政法第27条の規定により各々の事業の受益に応じて市町村に負担してもらっており、県財政が厳しい状況にあることから、引き続き市町村の協力をお願いしたいと考えている。

《質問》 藤井委員
   地方財政法第27条の規定は、「負担を求めることができる」という表現になっているはずだが。

《答弁》 農業農村整備課長
   そのとおりです。

《要望》 藤井委員
   法律上は「負担を求めることができる」という規定であり、負担を求めるか否かは県の判断によるので、今後、県営工事の市町村負担のあり方を検討していただきたい。



◎ 議案に対する採決
  議案第80号は、賛成多数で原案可決
   議案第17号及び議案第18号は、全会一致で原案可決


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2009年3月16日

《質問》 藤井委員
 平成21年度の農林水産部の当初予算額は約247億円で、前年度当初予算(約275億円)と比較すると1割強(約30億円)の減少となっており、県土整備部が所管する農道・漁港等の事業を含めても同程度の減少率となっている。県全体の予算総額は前年に比べ若干増加しており、その中で農林水産部、農林水産業費の減少が目立っている。例えば、大型の施設整備が終了するなど予算が減少した理由があるのか。

《答弁》 農林水産部長
   公共事業が減少していることや21年度に予定していた事業を今年度の12月補正で前倒し実施したことが主な要因である。

《質問》 藤井委員
 他部局に比べて農林水産部の減少が大きいのが気になる。前倒ししたということであるが、全体の整備計画がある中で農林水産部としてこれで良いと考えているのか。

《答弁》 農林水産部長
   公共事業などは地元からの要望を受けて対応している。ある程度大きな事業が終了し、市町村や地元からの要望が少なくなってきているものと考えられる。
   また、要望内容も、ため池整備などへと変わってきている。

《意見》 藤井委員
 市町村も財政状況が厳しい中、予算を確保するのが難しいというのが減少の主な要因ということで理解させていただく。



《質問》 藤井委員
 市町村の財政状況が厳しい中、新行財政改革推進プランによる補助金の県単独上乗せの見直しが事業要望の減少につながっていくのではないか、また、全体事業計画に影響を及ぼすのではないかと懸念されるが、各担当課の所見はどうか。

《答弁》 農業農村整備課長
   農業農村整備事業に関しては、県の上乗せ補助率が5%削減となっているが、市町村事業に比べ県営事業の事業費割合が高い状況の中、21年度より県営事業の事務費負担率を工事費の負担率と同じに見直したことにより、県全体で約800万円の市町村負担金の減額を図ったところである。

《答弁》 山村整備課長
   今後の林道整備については、「紀州材生産販売プラン」の目標達成に必要な路線を重点的に整備するとともに、設計等の中でコスト縮減にも併せて取り組んでいくこととしている。

《答弁》 水産振興課長
   水産振興関係の築いそ事業については、従来、県単上乗せ補助率が10%であったものが、今回の見直しにより5%となった。このことは市町村に対して負担をかけることになるので、県の事情を説明し、市町村の理解を得ていきたいと考えている。

《質問》 藤井委員
 工事費の低コスト化を進めるにしても、すぐにコストが下がることにはならないと考えるが、今後どうしていくのか統括した見解を伺いたい。

《答弁》 農林水産部長
   県財政が厳しい中、全国の都道府県の状況を踏まえ、補助率を一旦ゼロに戻し、政策的な要素や条件不利性などを加味したうえで、5%、10%を上乗せするということで苦渋の決断をした。結果として市町村の負担増となるが、市町村にも事業の優先順位を付けてもらうなど、効果的な事業実施を推進して参りたいと考えている。

《要望》 藤井委員
 国に対して地方自治体の一般財源確保を要望するなど、事業量を確保していく努力をお願いしたい。



《質問》 藤井委員
 国では食料自給率の40%から45%への向上をめざし、生産調整水田での飼料米や加工米等の生産推進や耕作放棄地解消等の対策に取り組もうとしている。
 本県では食料自給率の向上に向けてどう取り組むのか。

《答弁》 果樹園芸課長
   本県では温暖な気候を活かした冬場の野菜や果樹等の生産を中心に自給率に寄与している。県では自給率向上の一つとして地産地消に取り組んでいる。具体的な取り組みとして、多品目の野菜を生産・供給するために農協が種子などを農家に提供するとともに、振興局と農協が連携しながら講習会を開催するなど、品目を増やす努力を行っている。今後とも、栽培技術面での指導を通じて地産地消に取り組んで参りたいと考えている。

《答弁》 経営支援課長
   農地は農業生産の基盤であり、その確保は重要と考えている。耕作放棄地については、県内で農地の約1割程度あり、その解消に向けて、県単独事業の「和歌山版果樹産地づくり総合支援事業」に取り組んでいる。また、21年度には国から耕作放棄地を解消するための交付金が交付される予定で、これらの事業を活用して、耕作放棄地の解消に努めて参りたい。

《質問》 藤井委員
 耕作放棄地や生産調整農地の活用をどう増やしていくか、農地の持つ多面的機能の保持なども大切な課題である。このため、農地の活用や保全、後継者対策を組み合わせた総合的な対策が必要ではないか。

《答弁》 農林水産部長
   本県は果樹を主体とした生産であるため、自給率に関する議論は馴染みにくいと考えているが、県内の3万6,000ヘクタールの農地を維持し、食料自給力として下支えできないかと考えている。地産地消や耕作放棄地対策に加え、生産・加工・流通・販売対策により農業が活性化すれば食料自給力の基盤ができあがり、日本の食料確保につながってくるものと考えている。

《要望》 藤井委員
 本県は米主産県でないから、食料自給率にはあまり関係がないとのことだが、食料自給率向上に向けて、それぞれの府県で貢献策があるのではないか。耕作放棄地や生産調整農地での大豆や飼料米の生産など、できることから是非努力していただきたい。



《質問》 藤井委員
 先程、農業農村整備課長から県営事業の事務費について市町村の負担軽減を図っているとの説明があったが、そのことで農家負担が増えることにならないのか。

《答弁》 農業農村整備課長
   そのようなことはない。

《質問》 藤井委員
 県営事業の負担軽減は、補助金削減の見合いとして実施するものなのか。

《答弁》 農業農村整備課長
   補助金削減とリンクしたものではなく、県営事業の市町村負担の軽減を図っていくために実施するものである。

《要望》 藤井委員
 この件については、良しとする。県も市町村も財政が厳しいが、農林水産業は県民の暮らしや景気回復にとって大きな役割をもっているので、財源確保に向けて頑張っていただきたい。



◎ 議案に対する採決
   議案第64号及び議案第79号については、全会一致で原案可決
◎ 調査議案に対する意見徴収
   藤井委員から議案第1号について、市町村財政の厳しさから、県の農林水産業予算
  もなかなか事業量が確保できない。これが将来の事業量にどう結びつくのか懸念する。
  全国的に地方財政が厳しく、地方交付税が大幅に減額になっており、三位一体改革で失
  われた地方交付税を国の責任として、きちんとして地方へ配分すべきであり、そういう
  
予算であるべきとの意見があった。
◎ 議案第1号の意見付記について、採決
   議案第1号については、適当と認めるが意見を付すことに賛成多数で決定
  議案第2号については、「適当である」旨、報告することに決定


09年2月県議会

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