2009年2月県議会 建設委員会  概要記録

 2009年2月26日(補正予算等議案審査)

 2009年3月16日


補正予算等議案審査
2009年2月26日

《質問》 松坂委員
   この補正予算による経済対策の内容と効果についてお伺いする。県の補正予算全体で見れば、地域活性化・生活対策臨時交付金等を活用した事業で26事業、44億円ということで景気対策のための補正予算となっているが、厳しい経済状況にある県民や県内事業者への十分な効果のある事業であることが望まれると思っている。
   今回の県土整備部分の補正予算のうち、事業の進捗分等による最終補正の分を除いた、追加的な経済対策の部分の概要をまず示されたい。

《答弁》 県土整備総務課長
   今回の補正予算については、国の2次補正によって追加された国庫補助金と地域活性化・生活対策臨時交付金を活用して、緊急輸送道路の橋梁耐震補強や長寿命化対策、或いは河川の浚渫等を推進するものとして計上している。県土整備部関係で、22億8,603万5,000円を計上している。

《質問》 松坂委員
県内業者への発注の割合について伺いたい。
   12月の本委員会でも、1次補正に関わってこの間題について質問させていただいた。せっかくの経済対策の予算なのだから、和歌山県の予算を使って県外業者の経済対策をしても意味がないので、県内業者に効果のある使い方が望まれていると思う。12月補正の時の経済対策の事業では、県内業者だけが入札をする事業が約全体の金額ベースで6割、県内業者と県外業者が入った形で入札になるものが4割だという答弁であった。その時にも今度2月議会に出される補正の事業では、事業内容や発注規模等をよく工夫して県内業者の受注率を高めていくことを要望させていただいたが、今回の2月補正の景気対策の部分について、県内業者だけの入札、または、県内県外を合わせての入札の発注率の割合はどうなっているか。

《答弁》 県土整備総務課長
   今回の補正予算に係る工事或いは測量設計費等については、特殊な橋梁に係る工事や設計、或いは国体施設の基本設計等については県内業者と県外業者の混合入札も考える。それ以外については、専ら県内業者への発注ということになると考えている。割合は、かなり大ざっぱな割合であるが、専ら県内業者だけに発注する部分が約8割、混合入札等県外業者も入ってくるものが約2割になろうかと思う。

《要望》 松坂委員
   県内業者だけで入札するというのが6割から8割に割合が上がっている点は評価をしたいと思うし、ぜひまたこういった、県民の暮らしも支えるし事業者も喜ぶといったふうに、中身を頑張っていただけたらと思う。

《質問》 松坂委員
   地域活性化・生活対策臨時交付金事業について、お伺いしたい。
   橋梁長寿命化対策で5億円計上されているが、今回の補正と12月補正の中身を比べると、12月補正の橋の事業では、橋梁の耐震化をまず優先しなければならないということであったと思う。また、高度な技術を要する部分もあり、県外業者にも参加してもらわなければならないということもあったと思う。今回の2月補正の長寿命化ということであれば、点検や補修という中身が中心になってこようかと思うので、県内業者への発注が高まるものだと期待している。
   まず第1点目に、今回の5億円の補正予算で、県内の橋梁のどれくらいの規模で点検や補修を出来るというように考えているのか。

《答弁》 道路保全課長
   橋梁点検として、トラス橋やアーチ橋などを中心に約80橋、8,500万円、補修設計に約60橋、5,000万円、橋梁の補修工事としては約70橋、3億6,500万円の対策を考えている。

《質問》 松坂委員
   点検、補修設計、補修工事、それぞれ県内業者への発注の割合はどういう見通しを持っているか。

《答弁》 道路保全課長
   補修工事については、県内業者の受注機会を確保できるよう発注する予定。
   橋梁点検、補修設計については、一部混合型もあるが、特殊な橋梁を除いた他の橋梁については、県内業者に発注できるように考えていきたい。

《要望》 松坂委員
   ぜひよろしくお願いしたい。
   一般的な土木工事に比べて、補修事業は手間が食う割に、割に合わないと指摘されている。発注方法や積算単価の問題などよく目を配って、県内事業者に喜んでもらえるように頑張ってもらいたい。

《質問》 松坂委員
   予算説明書出の75頁、河川修繕費が2億円ほど増額されているが、予算全体の枠が縮小されるなかで、維持修繕の予算にそのしわ寄せがきていることをこれまでも指摘してきた。その点、経済対策という面では、河川の浚渫や雑木の撤去というのは地元の業者が100パーセント受注できる事業であるし、これまで予算不足であったが今回の補正で事業を起こし、常々県民からの要望があり、やりたくてもできなかった事業をこの機会に頑張って実施していただきたいと思っているが、工事内容について聞きたい。

《答弁》 河川課長
   河川修繕費については、土砂の浚渫や流水の阻害となっている樹木の伐採が主な内容である。
   箇所としては、根来川、有田川、左会津川など40河川で実施する予定である。
   例年に比べ、一層の進捗が図られると考えている。

《要望》 松坂委員
   河川の浚渫や雑木の撤去は非常に地元の要望の強い点であるので、ぜひよろしくお願いしたい。

《質問》 松坂委員
   公営住宅の関係で、予算説明書出80頁「住宅建設費」の中で、県営住宅の擁壁の安全対策として今回補正で挙げられている。これは私も昨日、現場に出向いて調査した。そこは隣接する小学校の通学路にもなっており、地元としても非常に喜ばれているということで、ぜひ進めていただきたい。当初予算で実施できなかったものを今回の補正で事業化されたという経過も含めて、事業の説明をお願いしたい。

《答弁》 住宅環境課長
   公営住宅建設の8,000万円については、委員のご指摘のとおり、湯浅町内にある県営住宅御殿場団地の擁壁に関するものである。少しひび割れが発生しており、また、小学校の通学路にもなっていることから、その安全性を確保するために、補強工事としてアースアンカー工法を施工して、擁壁の安全を確保するものである。

《要望》 松坂委員
   県単独予算でなければできない工事をこの補正で充てはめたことについて、工夫されたと思っている。この工事施工にあたっては、子どもたちが通る所であるため十分にその安全に気をつけながら、早期に完成できるようお願いしたい。


◎ 付託議案に対する採決
  議案醍80号は、賛成多数をもって原案可決、議案第17号、議案代24号、議案第2
  5号及び議案第28号は全会一致で原案可決



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2009年3月16日

《質問》 松坂英樹 委員
 国直轄負担金について伺いたい。
 今、この国直轄負担金のあり方の問題が厳しい地方財政の中で焦点になってきており、本会議の質問や答弁の中でも和歌山県は高速道路など要望箇所の事業が多いので、という説明であった。
 ところが県財政全体で交付税が減らされ、行革プランのような緊縮型が続いて減額傾向であるのに、国事業に合わせて直轄負担金を用意していこうと思えば、他の予算全体を圧迫することにもなると考える。(今日配付している)※道路関係の資料を作成してみた。これは、この5年間の予算の中で道路建設に関わる補助事業や単独事業、及び道路維持関係予算、それに対して国直轄の負担金がどのぐらい伸びているかというのを表とグラフにしたものであるが、この流れを見ても、道路の維持修繕や補修というのは、この対象となる道路延長や面積や法面や設備等が増える一方で、据え置きの傾向になっている。それぞれ投資的な経費においても、補助事業も82%に減っているし、県単の道路事業に至っては47%に減ってきている。このような状況のなか、直轄負担金は2000年と比べれば176%ということで、最近も伸びている傾向にある。
 県土整備部の道路事業予算に占める国直轄負担金の割合について伺いたいが、県単独事業や維持修繕の予算、それも補助事業の予算も圧縮傾向が続くなかで、国直轄負担金の占める割合は結果として増えてきていると思うが、どうか。

《答弁》 県土整備総務課長
   委員が示された資料は、道路事業について示していただいたものであるが、特に直轄事業負担金は道路事業が大半の部分を占めているということから、県土整備部予算の傾向ということに関しても、やはり負担金の投資的経費に占める割合は増加の傾向にある。ただ、委員ご指摘のとおり、この国直轄事業負担金については、道路ネットワークの整備であるとか、本県が強く要望している箇所について事業が行われていることから、現在、増加傾向になっている。

《質問》 松坂英樹 委員
 続けて国直轄負担金の内訳や内容について伺いたい。全国的には維持管理に関わる直轄負担金を止めるよう声が上がっていると思う。維持管理にまで負担金を請求してくるというのはひどい話だと私も思うが、県土整備部に関わる直轄負担金では、建設費の負担金と維持管理費の負担金について、来年度予算で見るとどれぐらいの額や割合になっているのか。

《答弁》 県土整備総務課
   平成21年度予算では国直轄事業負担金の合計額が151億円である。その内訳は建設費に係るものが127億円で全体額の84%、維持管理費に係るものが24億円で全体額の16%、こういう比率になっている。

《質問》 松坂英樹 委員
 割合が少ないとはいえ、この24億円は本来国が負担すべき金額であると指摘しておきたい。私は今回、グラフでは道路関係で資料を示したけれども、河川についても来年度予算の中に占める直轄負担金の割合は約3割を占めるに至っている。港湾関係の中で中身を見ても、住友金属沖の埋立工事に関わってLNGタンカー接岸を目指して防波堤工事が国によって進められているが、来年度予算でこれに対する負担金はいくらか。

《答弁》 港湾整備課長
   和歌山下津港の平成21年度の防波堤の事業費は、全体で2億2,000万円、そのうち直轄負担金として4,042万5,000円を計上している。

《要望》 松坂英樹 委員
 いつ来るかわからないLNGタンカーのために、完成年度も決まってないものをダラダラと続けるのはおかしいと思うし、目的や目標をはっきり決めてから実施したらいいと思う。国についていくだけではなく、意見は意見としてきっちり言うべきだと思う。和歌山県は、骨格道路の整備の遅れが国直轄事業への依存を高めている結果となっているが、直轄負担金における維持管理や建設費の負担割合が軽くなれば、県単独の事業や維持管理等、住民に密着した生活道路にもっと予算を回すことができる。国に対しても一層の負担軽減を求めるよう、また同様の理由で市町村負担金の一層の軽減を、これは要望意見として申し上げておきたい。

《質問》 松坂英樹 委員
 住宅リフォームは地元の工務店等が受注できる地域にとって経済効果が高い事業と考えている。景気の悪化に伴い、新築件数が減っている分、リフォームの推進が、景気誘導策として注目しなければならない点と考えている。
 太陽光発電、木造住宅耐震化、紀州材活用、高齢化に伴うバリアフリー改修等のリフォームがある。これらは相互に関連しており、工務店にとって受注をのばす機会である。しかし、これらに対する各種助成制度は、太陽光発電は経済産業省、住宅耐震化は国土交通省、合併浄化槽は環境省と国土交通省、介護のリフォームは厚生労働省と国レベルでは縦割りとなっており、県においても県土整備部をはじめ、商工観光労働部、農林水産部、福祉保健部と他部局にまたがり、施主、工務店にとってどのような助成制度があるかわかりづらく、国会でも議論されているように窓口を一本化することや、補助制度や優遇制度について、一目でわかるパンフレット等を作成することは効果があると考える。他部局との連携も含め、景気対策の重要な柱として住宅リフォームの問題にどのように取り組んでいくのか、考え方も含めて示して欲しい。

《答弁》 都市政策課長
   住宅リフォームの促進についてであるが、県としては、耐震化工事を促進することにより、地域経済の活性化に資するものと考えているので、より取り組みやすい木造住宅の耐震化に対する助成制度として、重点的に進めたいと考えている。
   リフォームに関する窓口相談の一本化については、今後、アンテナを高くして国の動向を見守っていく。

《質問》 松坂英樹 委員
 国道424号の改修見通しについて伺いたい。
 国道424号有田〜海南間において、有田川町西ヶ峯地内の狭隘で危険な区間の拡幅改良で、これまで県事業の小規模道路改良にて対応していたところである。新年度事業としては、国事業としての予算化もされており事業進捗のスピードアップも期待されるところである。改修の見通しについて示して欲しい。

《答弁》 道路建設課長
   国道424号の有田川町〜海南市間については、これまで小規模道路改良事業で整備してきたところである。平成21年度から交付金事業もあわせて、幅員狭隘区間や線形不良区間の整備を推進していく予定である。

《質問》 松坂英樹 委員
 ふるさと雇用や緊急雇用での市町村との連携について伺いたい。
 ふるさと雇用や緊急雇用といった景気雇用対策の基金事業の活用が新年度に進められることになっているが、県と市長村が同じような事業を別々に実施し、二重行政にならないよう注意する必要があると考える。
 例えば、市町村から要望の多い河川の浚渫や草木伐採事業等、県と市町村が協力共同して計画すれば、入札等の手間をかけず地元雇用も生むことができると考える。
 また、砂利や土砂、伐木の処理や活用については、地元自治体や自治会の協力が得やすいという条件が伴ってくると思う。
 河川に関わる土砂や伐木に限ったことではないが、ふるさと雇用・緊急雇用の事業化について市町村とよく相談すべきだと考えるがいかがか。

《答弁》 河川課長
   ふるさと雇用・緊急雇用の実施については、市町村の意見を十分聞き、円滑に進捗が図られるよう調整を図っていく。


◎ 付託議案に対する採決
  議案第79号は賛成多数をもって、議案第65号から議案第70号まで、議案第84号
  から議案第86号まで、議案第92号、議案第93号及び議案第96号から議案第99
  号までは全会一致で原案可決

◎ 調査議案に対する意見聴取
    松坂委員から議案第1号について、国庫直轄事稟負担金が、厳しい県財政の中で重い負
  担となっているため、「国直轄事業負担金については、負担割合の軽減、維持管理負担
  
の廃止及び国事業の精査を求めるべきである」という意見の提案があった。
◎ 議案第1号の意見付記について、採決
  議案第1号は、賛成少数により意見を付さないことに決定
  調査議案については「適当である」旨報告することに決定



09年2月県議会

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