2009年2月県議会 建設委員会 概要記録
● 2009年2月26日(補正予算等議案審査)
2009年3月16日
《質問》 松坂英樹 委員
国直轄負担金について伺いたい。
今、この国直轄負担金のあり方の問題が厳しい地方財政の中で焦点になってきており、本会議の質問や答弁の中でも和歌山県は高速道路など要望箇所の事業が多いので、という説明であった。
ところが県財政全体で交付税が減らされ、行革プランのような緊縮型が続いて減額傾向であるのに、国事業に合わせて直轄負担金を用意していこうと思えば、他の予算全体を圧迫することにもなると考える。(今日配付している)※道路関係の資料を作成してみた。これは、この5年間の予算の中で道路建設に関わる補助事業や単独事業、及び道路維持関係予算、それに対して国直轄の負担金がどのぐらい伸びているかというのを表とグラフにしたものであるが、この流れを見ても、道路の維持修繕や補修というのは、この対象となる道路延長や面積や法面や設備等が増える一方で、据え置きの傾向になっている。それぞれ投資的な経費においても、補助事業も82%に減っているし、県単の道路事業に至っては47%に減ってきている。このような状況のなか、直轄負担金は2000年と比べれば176%ということで、最近も伸びている傾向にある。
県土整備部の道路事業予算に占める国直轄負担金の割合について伺いたいが、県単独事業や維持修繕の予算、それも補助事業の予算も圧縮傾向が続くなかで、国直轄負担金の占める割合は結果として増えてきていると思うが、どうか。
《答弁》 県土整備総務課長
委員が示された資料は、道路事業について示していただいたものであるが、特に直轄事業負担金は道路事業が大半の部分を占めているということから、県土整備部予算の傾向ということに関しても、やはり負担金の投資的経費に占める割合は増加の傾向にある。ただ、委員ご指摘のとおり、この国直轄事業負担金については、道路ネットワークの整備であるとか、本県が強く要望している箇所について事業が行われていることから、現在、増加傾向になっている。
《質問》 松坂英樹 委員
続けて国直轄負担金の内訳や内容について伺いたい。全国的には維持管理に関わる直轄負担金を止めるよう声が上がっていると思う。維持管理にまで負担金を請求してくるというのはひどい話だと私も思うが、県土整備部に関わる直轄負担金では、建設費の負担金と維持管理費の負担金について、来年度予算で見るとどれぐらいの額や割合になっているのか。
《答弁》 県土整備総務課
平成21年度予算では国直轄事業負担金の合計額が151億円である。その内訳は建設費に係るものが127億円で全体額の84%、維持管理費に係るものが24億円で全体額の16%、こういう比率になっている。
《質問》 松坂英樹 委員
割合が少ないとはいえ、この24億円は本来国が負担すべき金額であると指摘しておきたい。私は今回、グラフでは道路関係で資料を示したけれども、河川についても来年度予算の中に占める直轄負担金の割合は約3割を占めるに至っている。港湾関係の中で中身を見ても、住友金属沖の埋立工事に関わってLNGタンカー接岸を目指して防波堤工事が国によって進められているが、来年度予算でこれに対する負担金はいくらか。
《答弁》 港湾整備課長
和歌山下津港の平成21年度の防波堤の事業費は、全体で2億2,000万円、そのうち直轄負担金として4,042万5,000円を計上している。
《要望》 松坂英樹 委員
いつ来るかわからないLNGタンカーのために、完成年度も決まってないものをダラダラと続けるのはおかしいと思うし、目的や目標をはっきり決めてから実施したらいいと思う。国についていくだけではなく、意見は意見としてきっちり言うべきだと思う。和歌山県は、骨格道路の整備の遅れが国直轄事業への依存を高めている結果となっているが、直轄負担金における維持管理や建設費の負担割合が軽くなれば、県単独の事業や維持管理等、住民に密着した生活道路にもっと予算を回すことができる。国に対しても一層の負担軽減を求めるよう、また同様の理由で市町村負担金の一層の軽減を、これは要望意見として申し上げておきたい。
《質問》 松坂英樹 委員
住宅リフォームは地元の工務店等が受注できる地域にとって経済効果が高い事業と考えている。景気の悪化に伴い、新築件数が減っている分、リフォームの推進が、景気誘導策として注目しなければならない点と考えている。
太陽光発電、木造住宅耐震化、紀州材活用、高齢化に伴うバリアフリー改修等のリフォームがある。これらは相互に関連しており、工務店にとって受注をのばす機会である。しかし、これらに対する各種助成制度は、太陽光発電は経済産業省、住宅耐震化は国土交通省、合併浄化槽は環境省と国土交通省、介護のリフォームは厚生労働省と国レベルでは縦割りとなっており、県においても県土整備部をはじめ、商工観光労働部、農林水産部、福祉保健部と他部局にまたがり、施主、工務店にとってどのような助成制度があるかわかりづらく、国会でも議論されているように窓口を一本化することや、補助制度や優遇制度について、一目でわかるパンフレット等を作成することは効果があると考える。他部局との連携も含め、景気対策の重要な柱として住宅リフォームの問題にどのように取り組んでいくのか、考え方も含めて示して欲しい。
《答弁》 都市政策課長
住宅リフォームの促進についてであるが、県としては、耐震化工事を促進することにより、地域経済の活性化に資するものと考えているので、より取り組みやすい木造住宅の耐震化に対する助成制度として、重点的に進めたいと考えている。
リフォームに関する窓口相談の一本化については、今後、アンテナを高くして国の動向を見守っていく。
《質問》 松坂英樹 委員
国道424号の改修見通しについて伺いたい。
国道424号有田〜海南間において、有田川町西ヶ峯地内の狭隘で危険な区間の拡幅改良で、これまで県事業の小規模道路改良にて対応していたところである。新年度事業としては、国事業としての予算化もされており事業進捗のスピードアップも期待されるところである。改修の見通しについて示して欲しい。
《答弁》 道路建設課長
国道424号の有田川町〜海南市間については、これまで小規模道路改良事業で整備してきたところである。平成21年度から交付金事業もあわせて、幅員狭隘区間や線形不良区間の整備を推進していく予定である。
《質問》 松坂英樹 委員
ふるさと雇用や緊急雇用での市町村との連携について伺いたい。
ふるさと雇用や緊急雇用といった景気雇用対策の基金事業の活用が新年度に進められることになっているが、県と市長村が同じような事業を別々に実施し、二重行政にならないよう注意する必要があると考える。
例えば、市町村から要望の多い河川の浚渫や草木伐採事業等、県と市町村が協力共同して計画すれば、入札等の手間をかけず地元雇用も生むことができると考える。
また、砂利や土砂、伐木の処理や活用については、地元自治体や自治会の協力が得やすいという条件が伴ってくると思う。
河川に関わる土砂や伐木に限ったことではないが、ふるさと雇用・緊急雇用の事業化について市町村とよく相談すべきだと考えるがいかがか。
《答弁》 河川課長
ふるさと雇用・緊急雇用の実施については、市町村の意見を十分聞き、円滑に進捗が図られるよう調整を図っていく。
◎ 付託議案に対する採決
議案第79号は賛成多数をもって、議案第65号から議案第70号まで、議案第84号
から議案第86号まで、議案第92号、議案第93号及び議案第96号から議案第99
号までは全会一致で原案可決
◎ 調査議案に対する意見聴取
松坂委員から議案第1号について、国庫直轄事稟負担金が、厳しい県財政の中で重い負
担となっているため、「国直轄事業負担金については、負担割合の軽減、維持管理負担
の廃止及び国事業の精査を求めるべきである」という意見の提案があった。
◎ 議案第1号の意見付記について、採決
議案第1号は、賛成少数により意見を付さないことに決定
調査議案については「適当である」旨報告することに決定