2009年2月県議会 福祉環境委員会  概要記録

 2009年月26(補正予算等議案審査)

 2009年3月16日


補正予算等議案審査
2009年2月26日

《質問》 奥村副委員長
 老人・後期高齢者医療費支給の問題であるが、昨年から制度が開始され、約5億円の減額になっている。内容について教えてほしい。

《答弁》 健康づくり推進課長
   後期高齢者医療制度については、昨年4月から制度が始まったが、新しい制度のスタートということで、様々な予測をたて、予算を組んだところである。
   しかし、65歳から74歳以下の一定の障害のある方のうち、後期高齢者医療制度に移行せずに、それまでの保険に残った方が約2,000人おり、被保険者の数が当初見込みから2,600人余り減少している。今回の補正に関しては、それが大きな要因となり、医療費の県負担分が当初見込みから減ったことにより減額するものである。

《要望》 奥村副委員長
 主な原因は、65歳から74歳の一定の障害のある方2,000人が、後期高齢者医療制度へ移行しなかったということであった。私は、この制度について問題が多いと思っており、もう一度、撤回して考え直してほしいという立場である。補正ということからすれば、そういう状況があるので今後、原因を含めて制度の中身を考えてほしい。



《質問》 奥村副委員長
 昨年から始まった肝炎インターフェロン治療費助成の申請者数が少ないとされている。副作用の問題、働きながらの治療の継続、体調の問題も含めての問題を抱えていると思うが、申請者数が少ないことについてどう考えているか。

《答弁》 難病・感染症対策課長
   肝炎のインターフェロン治療費助成については、当初見込んでいた申請者数よりもの実際の申請者数が少ないということから減額補正をお願いしている。
   制度の周知については、医療関係者はじめ関係者の方には行ってきているが、インターフェロン治療費助成の助成を受けない理由としては、治療に関して副作用が強いということなども背景にあるかと思われる。更に制度の周知や必要な情報提供を行い制度の利用の推進を図っていきたい。

《要望》 奥村副委員長
 肝炎インターフェロン治療費助成制度の周知は実施されているとのことであるが、制度があるなかで安心して治療が受けられないのは色々な問題があると思う。
   今後、申請数が上がるような支援策等の検討を行って欲しい。



《質問》 奥村副委員長
 こころの医療センターの補正予算の関係で入院収益が減額となっているが、前年と比べて今年度どのようになっているのか。

《答弁》 医務課長
   昨年より入院患者が900人程度減少している。

《質問》 奥村副委員長
 900人減少というのは良い方向ということか、入院したいができない方が多いのか、分析はされているのか。

《答弁》 医務課長
   こころの医療センターでは、入院中心から外来に移行している。特に早期退院の取組をしており、その関係で昨年より900人減少している。

《質問》 奥村副委員長
 減額となっている手当の内容はどういうものか。

《答弁》 医務課長
   減額の主なものは、超過勤務手当である。

《質問》 奥村副委員長
 超過勤務をしなくていいような工夫をされたということか。

《答弁》 医務課長
   病院内の中で、勤務時間内で終えるように業務の効率化を図り、超過勤務を減らしたと聞いている。



◎ 議案に対する採決
  議案第17号、議案第20号、議案第30号、議案第53号、議案第54号、
  議案第58号は、全会一致で原案可決



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2009年3月16日

《質問》 奥村副委員長
 福祉介護人材問題であるが、来年度介護報酬が3%上がったという効果問題では、一定の見込みや見通しができると思う。
 実際、介護を受けられる県民が困ることのないように、まず、介護職の方々の安定した確保が急がれている。その中で、介護職の全体として、国の加算等改定であるので、それに事業所がなかなかついていけない、実際どうなっていくのかというところが非常に問題だと思っている。
 県として、こういう制度というものは、底上げをどのようにするかといった問題が非常に大事だと思う。
 今、経済状況も大変な中で、昨日の取り組み(介護の事業所とのマッチングする場を提供する)などもあるが、今、働いている方たちの実際底上げできるような施策が必要であると思うので、県独自が取り組んだり、考えたりといった方向で来年度はしていってもらいたいと思うがどうか。

《答弁》 長寿社会課長
   先程も述べたが、あくまで介護保険の制度であるので、その部分以外の中で、県単独でフォローしていくことは考えていない。

《質問》 奥村副委員長
 知事が来年度に取り組んでいきたいことと言っていたが、高齢者による「地域あんしん・見守り等構築事業」で、困っている高齢者を支えていく仕組みとあるが、民生協力員制度に取り組んでいく考え方はどういうものなのか。

《答弁》 介護予防推進室長
   高齢化が進行する中で、単身高齢者や高齢者のみの世帯が増加しており、県内で4人に1人が高齢者であるという時代である。
   そういった中で、民生委員が地域活動の中心だが、民生委員は県下で2,692人いると聞いており、人口比では約400人に1人の割合となっている。
   より高齢化が進む中で、きめ細かな見守りとして、高齢者が元気に生活しているかどうか、高齢者の安否を十分確認していけるように、よりきめ細かに行うということで、民生委員を補助する民生協力員制度を作っていきたいと考えている。
   新しい制度なので、皆さんの意見を承りながら、十分よい制度にしていきたい。

《質問》 奥村副委員長
 民生協力員は強制ではないということであるが、市町村が下から積み上げて見守りを実施しているところもあると思う。県が民生協力員制度を作ることについて、市町村はどう受け止めているか。

《答弁》 介護予防推進室長
   2月に市町村長等を訪問してお会いする中で、御意見を承ってきたところである。高齢社会が進行する中で、民生協力員の制度は、非常に時宜を得た制度という意見をいただいている。それを踏まえて制度化を進めていきたい。

《質問》 奥村副委員長
 地域で具体的に困っていることが様々ある。経済問題や日常生活でちょっとしたことができないこと、家族関係の問題など、暮らし全般の問題を抱えた方がいる。そういった中で、県の福祉・医療・介護全般の施策が、セーフティネットを含めて、そういう人にどう括用できているのか、総合的に見直しもしていく必要があるのではないか。
 経済的に困難な状況もあり、そういう人に集中して問題が現れてくるのではないか。そういった問題を、民生協力員が肩代わりするようなことがあってはいけないと思う。
 2006年度から地域包括支援センターができて、そのような事例も含め県として把握して論議していくと書いているが、地域包括支援センターとの連携についてどう考えているか。

《答弁》 介護予防推進室長
   地域包括支援センターは県下に42カ所ある。高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるようにということで、高齢者の色々な悩みごとや困っていることを、地域福祉で支えられるところはどこかという相談業務や施策に繋げるところとして、地域包括支援センターが核となっている。
   民生協力員制度は、民生協力員に対して、困っている問題をしわ寄せするものではなくて、民生協力員は、困っている方々がどのように困っているかを情報収集し、それが地域包括支援センターや市町村へ繋げられ、困っている高齢者が困らないようにする対策に繋げるようにするというものなので、ご理解いただきたい。

《要望》 奥村副委員長
 これから民生協力員の制度を考えていくことになると思うが、十分に県民の声を聞いて作っていってほしい。



《質問》 奥村副委員長
 一般会計全般も含め、予算の関係で福祉保健部長に尋ねる。
 今、金融危機など経済が大変な中で、和歌山でも仕事がないなど色々な状況が出てきているが、県民の生活が大変であるということを具体的にどの様に掴んでいるか。例えば、国民健康保険料が払えないといったことが懸案として出てきていると思うが、どういう風に県民のくらしを把握し、来年度の予算を通して考えているのか。
 もう一点、福祉関係が一つの仕事づくり、雇用の場でもあると考えるが、そういう点で施策において活かされているのか尋ねたい。

《答弁》 福祉保健部長
   まず、100年に1度といわれる経済危機に対しての福祉施策と言うことであるが、従来より県として福祉事務所等を通じて県民の方からいろいろな相談を受けているところであり、今回の経済対策については、福祉保健だけでなく雇用の面をはじめ全ての施策で対応していかねばならないと思っている。
   福祉保健部の施策としては、生活に困っている方から相談があれば、最後のセーフティネットとして生活保護制度があるが、それに至らない場合であっても充分親身に相談に応じていきたいと考えている。
   現在の雇用危機の中で、雇用対策ということで「福祉・医療の職場で働きませんか」や、介護に限り、無資格者も対象にした求人がある職場と一緒に昨日、「介護の仕事をしませんか」就職説明会を開催したところである。
   今後も福祉の人材が不足するという現状があるが、全国的にも福祉の人材不足と離職者や仕事を失った方とのマッチングが上手くできていないという現状もある。それは、福祉の仕事がきついわりに給料は安いといったことで、例えば製造業に従事していた方がなかなか入ってこないということは、そこにネックがあるものと思っている。
   これについては、今回の介護報酬3%引き上げがされ、平成12年度に介護保険制度ができて以来2回マイナス改定あり、今回が初めての3%プラスということで、21年度においてどのように報酬等に反映されているか検証する必要がある。また、今後とも人材を確保するためには、給料面を上げていく必要があると思っているが、県の介護給付費は100億円を超えている。今後、報酬を10%、20%と上げていくということは、今の介護保険制度では、その分は保険料に跳ね返ってくることになるし、国・県・市町村で、例えば県において施設入所費では17.5%、在宅介護では12.5%の給付費を負担していかなければならないが、そういった負担を国や市町村分の経費も含めて、どのように財源確保をしていくかということも議論していかなければならない。勿論、県からこういった実態を国に対して声を大きくして言っていかねばならないと考えている。
   一方で、このような制度である以上、財政的に厳しい面もあるということも理解してほしい。

《要望》 奥村副委員長
 介護保険制度そのものに問題があると思っている。サービスが増えて、いい介護を受け、いい高齢期を過ごせるようにと言いながら、一方では、サービスを受けた分が保険料に跳ね返ってくるという仕組みの問題がある。
 国がどれだけバックアップしていくかを国へ向けてしっかり言っていかなくてはいけないと思っている。
 もう一点、仕事づくりと言ったのは、例えば、高齢者居宅改修補助事業があるが、在宅で過ごされることが多くなってくる中で、手すりを付けたり、段差解消などに対する補助事業の予算が減額になっている。
 こうした生活に密着したところでの仕事が見回すとけっこうあると思う。しっかりと身近なところでの仕事づくりという面でも、福祉を充実させていくことと併せた方向で見ていっていただきたい。
 明日をどうしようという方も実際いる中で、色々な施策が本当に有効に機能されているのか。敏速で総合的な相談ができる体制、窓口相談体制というものの検討も含めてやっていただきたい。



◎ 議案に対する採決
   議案第55号、議案第56号、議案第57号、議案第59号、議案第60号、
  議案第61号は、全会一致で原案可決

◎ 調査議案に対する意見聴取・採決
   調査議案については「適当である」旨報告することに決定
 休憩 ― 再開



《質問》 奥村副委員長
 青少年の家の利用料金の改定について条例案があがっているが、教育施設であるし、子どもたちの使う施設なので、今の料金と改定後の料金を教えていただきたい。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
   現在の利用料金は、宿泊棟における宿泊料を例に挙げると、幼児から小中学生が230円、高校生から29才までが340円、30才以上が800円の料金となっている。新料金は、3才から18才までが500円、19才以上が1,000円となっており、一番の対象と考えている小中学生の区分に270円の値上げをお願いしている。

《質問》 奥村副委員長
 これで、宿泊料をみると倍に上がるということになるが、宿泊の場合の寝具代、食事代を含めると倍に上がるということではないのか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
   宿泊料以外にリネン代や3食の食事料金が付随するので、トータルで考えると、現行、小中学生が1泊すると2,100円かかるが、今回の案では、同じ区分で2,370円となり、率にすると約13%の値上げになる。

《要望》 奥村副委員長
 今、それぞれの保護者の皆さんの生活も大変な中で、給食代や修学旅行の費用も大変ということもあるので、全体として上がらない額であれば、ぜひ、抑えて維持させてほしいと思う。



《質問》 奥村副委員長
 非行少年や高校中退者への切れ目のない立ち直り支援を行う基盤づくりということで、高校中退者は昨年、一昨年でどれくらいの人数があるか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
   高校中退者は、手元の数字では、平成19年度で611名、平成18年度で600名となっている。

《質問》 奥村副委員長
 立ち直り支援を行う基盤づくりというのはどういうことを考えているのか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
   昨年末に発表された国の青少年育成施策大綱でも、青少年問題の多様化の中で、困難を抱える青少年に対する支援ということが大きく唱われている。
   高校の中退者については、在学中は、学校や教育委員会という枠組みの中でケアができるが、中退をしてしまうと、ケアする人がなくなってしまう。一般質問の中でも向井委員が問題にされていたが、それらの青少年への相談や就業支援というような個々の施策は、県、市町村、国に支援があるが、青少年自身が出向いて行かないと実態を把握できない現状がある。それを関係機関が連携して、困難を抱える青少年の情報を共有することで、積極的に行政の方から青少年にアプローチをかけていく、訪問支援・アウトリーチという手法も使って立ち直りを支援していくという体制づくりのための事務費をお願いしている。

《要望》 奥村副委員長
 サポートすることや情報の共有システムも大事だと思うが、同時に高校中退者が就労することも困難な状況にあるので、モデル地域や居場所づくりなども検討してもらいたい。



《質問》 奥村副委員長
 和歌山県地域子ども会活動支援事業補助金というのがあるが、どういう内容のものか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
   地域の子ども集団、子ども会と呼んでいるが、交流活動や学習活動、レクリエーションを行った場合にかかる経費を市町村が補助しているが、この市町村に対する補助金である。

《質問》 奥村副委員長
 今の会員は何名か。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
   約2,500人である。

《質問》 奥村副委員長
 これは、母親クラブ、子どもクラブとは別のものなのか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
   今の人数は、いわゆる子ども会と言われている子ども集団の会の人数で、母親クラブ、子どもクラブ等をすべて合わせると県内会員数約38,000名である。

《質問》 奥村副委員長
 この補助金というのは、母親クラブ、子どもクラブを含めた補助金ということか。
 今、小学生で、県内50,000人ぐらいの青少年がいるが、これらのすべてに対する支援になるのか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
   今回、子ども集団関係の補助金において、4,800万円弱の金額をお願いしている。

《質問》 奥村副委員長
 子ども集団というところに対する補助金なのか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
   子ども集団という意味合いで使っているのは、母親クラブ、子どもクラブ、子ども会、そういう子どもの育成団体をすべて含んだ概念になっている。



◎ 議案に対する採決
   議案第50号は、賛成多数で原案可決
◎ 議案第49号、議案第51号、議案第52号、議案第87号、議案第88号、
  議案第89号、議案第90号、議案第91号は、全会一致で原案可決

◎ 調査議案に対する意見聴取・採決
   調査議案については「適当である」旨報告することに決定



09年2月県議会

奥村規子プロフィール、質問一覧