和議第13号
                  台風災害対策に関する意見書(案)

 先に来襲した台風12号は、長時間にわたって西日本各地を暴風雨に巻き込み、洪水や土砂崩れ等、甚大な被害を発生させた。
 特に本県では、多数の尊い人命が奪われ、今なお多くの方々が、行方不明となっている。さらに住宅をはじめ道路、電力、水道、通信等のライフライン、また農林漁業や商工業等、広範な分野で、未曾有の被害が発生している。
 県及び市町村においては、自衛隊の協力を得て、早期の復旧に向け、全力を挙げて取り組んでいるところであるが、今回の災害は、一つの台風による被害としては、県内では、過去に類を見ないものである。
 復旧のためには膨大な経費と労力が必要であり、また、被災された多くの住民への支援も不可欠である。
 さらに、今後、このような大規模な災害から住民の生命、財産を守るため、一層の災害予防対策を早急に講じなければならない。
 よって、国におかれては、災害対策に万全を期すため、下記の事項について特段の配慮をされるよう強く要望する。

                            記

 1 激甚災害の早期指定
 2 各種災害復旧事業の早期採択
 3 災害に係る特別交付税の重点配分等の財政措置
 4 被災者生活再建支援制度の拡充
 5 被災者に対する税制上の特別措置
 6 中小企業者に対する金融支援
 7 総合的な治水、土砂災害対策の推進及び道路施設の防災対策の強化を図るための財政措置

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月8日
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣
 農林水産大臣
 経済産業大臣
 国土交通大臣
 国家戦略担当大臣
 防災担当大臣


                                                         和議第14号
   行政書士に行政不服審査法に係る不服審査手続の代理権の付与を求める意見書(案)

 行政書士は、昭和26年の行政書士法施行以来、複雑・多様化する行政事務に対応し、適正で迅速な行政手続に寄与するなど、国民と行政の橋渡し役として国民生活に広く貢献しているところである。
 平成20年7月1日、行政書士法の一部を改正する法律が施行され、行政書士が行政手続法に係る聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述の手続の代理を法定業務として行えることとなった。これにより、実体法に精通した行政書士がこれら代理を業とすることで、国民にとって行政手続法を利用する環境が、以前より整備された。
 しかしながら、現在、行政不服審査法における行政不服申立手続の代理権については、弁護士のほか、弁理士、税理士、司法書士、土地家屋調査士、社会保険労務士には一定の範囲で付与されている一方で、試験科目として行政手続法や行政不服審査法、行政事件訴訟法が出題され、行政法分野に関して専門性を有する行政書士には付与されていない状況は、行政不服申立手続が国民にとって必ずしも利用しやすい環境になっているとはいえない。
 よって、国におかれては、国民の利便性の向上と行政不服審査法の利用促進を図るため、実体法に精通し、高度な専門性を有する行政書士に対し、行政不服審査法に係る行政不服申立手続の代理権を付与するよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


         様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                              総務委員会委員長 岸本 健
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 内閣官房長官


                                                         和議第15号
         反捕鯨団体の活動に対して毅然たる取締りを求める意見書(案)

 和歌山県太地町は、捕鯨発祥の地として400年以上の歴史を有し、現在においても小型鯨類追込網漁業、小型捕鯨漁業等が営々と営まれている。これらの営みは、すべて正規の許可を得たものであり、何ら非難を受けるべきものではないばかりか、まさに日本国の「文化」のひとつでもあり、同時に、住民たちにとってはごく普通の生活の一部でもある。
 しかるに、ある日突然、反捕鯨団体を名乗る外国の活動家たちの勝手な標的とされ、漁業の妨害のみならず、ともに平穏な生活を送ってきた地域住民にも精神的な攻撃を与え、安心・安全な生活が大きく脅かされる状況となっている。
 平成15年にはシーシェパードのメンバー数名が漁業用の仕切り網を切断して逮捕されたが、その後も執拗・巧妙な反対運動を継続しているところであり、特に平成22年には、小型鯨類追込網漁業を隠し撮りした映画「ザ・コーヴ」が米国のアカデミー賞を受賞して以降、太地町に反捕鯨団体のメンバーが常駐し、反対活動がさらに活発化しつつある。
 これらの反捕鯨団体の活動は、漁業関係者のみならず、その家族や地域全体を巻き込み、「平穏な生活を送りたいだけ」という地域住民の願いを踏みにじるものである。外国人を見ると、盗撮されるのではないか、罵詈雑言を浴びせられるのではないか等、常に神経をとがらせるなど心の安まることがないばかりか、太地町のイメージにも大きなダメージを与え、観光などの産業に及ぼす悪影響も少なくない。
 シーシェパードによる妨害活動は年々激しさを増しており、昨年2月には、殺傷能力のある器具などを使用した妨害行為の結果、日本の捕鯨調査船の乗組員に負傷者が出ていることからも、かかる事態を放置すれば、より重大な不測の事態を引き起こすことも懸念される。
 よって、国におかれては、下記の事項について適切な措置を講じるよう強く要望する。

                               記

1 悪質な活動家の入国拒否や国外退去も視野に入れた毅然たる入国管理体制を確立すること。
2 現地の警備を担う警察及び海上保安庁の体制を強化すること。
3 観光産業等へのダメージを最小限に防ぐよう適切な支援を行うこと。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様

                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                          経済警察委員会委員長 山本 茂博
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 法務大臣
 外務大臣
 農林水産大臣
 経済産業大臣
 国土交通大臣
 国家公安委員会委員長
 水産庁長官
 海上保安庁長官
 警察庁長官


                                                         和議第16号
         農林漁業用軽油に係る軽油引取税の免税措置等に関する意見書(案)

 我が国の農林水産業を取り巻く情勢は、近年の米価の下落、木材価格や魚価の低迷、燃油価格の高騰など農林漁業者にとって、厳しい状況が続いている。
 特に、コストに占める燃油費のウエイトが極めて大きい漁業にとって、その経営は深刻な状態に陥っているところである。
 こうした中にあって、農林漁業用軽油に係る免税措置や農林漁業用A重油にかかる石油石炭税の免税・還付措置が本年度末で廃止されることとなっており、これに加え、平成23年度税制改正の中では、地球温暖化対策税(仮称)と称し、燃油への新たな課税が検討されているところである。
 今後、こうした免税・還付制度が廃止され、新たな課税が行われると、農林水産業経営やその存続に大きな影響を与えかねない。
 よって、国におかれては、我が国の食料・木材の安定供給並びに、農林水産業経営安定のため、下記の事項について特段の配慮を行うよう強く要望する。

                                記

1 農林漁業用燃油に係る軽油引取税の免税措置について、継続すること。
2 農林漁業用A重油に対する石油石炭税の免税・還付措置について、継続すること。
3 地球温暖化対策のための税について、農林漁業者に新たな負担を求めるような制度を導入しないこと。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                          農林水産委員会委員長 平木 哲朗
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 農林水産大臣
 内閣官房長官


                                                         和議第17号
            「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書(案)

 3月11日に発生した東日本大震災における政府の対応は、当初「想定外」という言葉に代表されるように、緊急事態における取組の甘さを国民と世界に広く知らしめる結果となった。
 世界の多くの国々は、今回のような大規模自然災害時には、「非常事態宣言」を発令し、政府主導のもとに震災救援と復興に対処している。
 わが国のように、平時体制のまま国家的緊急事態を乗り切ろうとすると私有物の撤去や土地の収用など初動態勢に手間取り、救援活動にさまざまな支障を来し、その結果、被害の拡大を招くこととなる。
 また、最近では尖閣諸島や竹島、北方領土問題、さらに北朝鮮核ミサイル問題など、自然災害以外にも国民の生命、財産、安全を脅かす事態が発生している。
 平成16年5月には、自由民主党、民主党、公明党三党が「緊急事態基本法」の制定で合意し、成立をめざしたが、今日まで制定されていない。
 よって政府及び国会におかれては、「緊急事態基本法」を早急に制定されるよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 内閣官房長官


                                                         和議第18号
            受診時定額負担制度導入の撤回等を求める意見書(案)

 政府・与党社会保障改革検討本部が平成23年6月30日に決定した「社会保障・税一体改革成案」において、外来受診時に毎回一定額を負担する受診時定額負担制度の導入が盛り込まれている。
 これは、現在の定率による窓口負担に加え、受診者に更なる負担を強いるもので、受診回数の多い高齢者や重病患者には大きな負担増となる。
 そのため、高齢者や低所得者の方が、医療が必要な状況になっても受診等を差し控え、重症化や治療の長期化を招くことにより、医療費負担が増加し、生活に悪影響を及ぼすことが危惧される。
 また、この制度は、受診者のみに負担を求めるもので、加入者全員で支え合うという公的保険制度の精神に反するものであり、医療費を広く国民全体で負担し、平等に医療を受ける機会を保障する国民皆保険制度の根幹を揺るがすものである。
 よって、国におかれては、国民皆保険制度の理念を損ない、国民の生活と健康を脅かす恐れがある受診時定額負担制度の導入を撤回するよう、強く要望する。
 また、70歳から74歳までの患者負担については、現在、2割負担と決定されている中で、毎年度、予算措置により1割負担に凍結されているところであるが、本来の2割負担とすることは、受診抑制につながるおそれがあるため、時期や方法を含め慎重に判断すべきである。
 さらに、共通番号制度の導入についても、十分な個人情報保護方策を講じる必要があるため、拙速を避け、慎重に検討すべきである。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣
 社会保障・税一体改革担当大臣


                                                         和議第19号
                 万全の領域警備を求める意見書(案)

 昨年、尖閣諸島沖の海上保安庁の警備艇に対する中国漁船衝突事件によって、我が国の領海が日常的に侵犯されているという事実が多くの国民に明らかになった。また、本年8月には、中国の漁業監視船による日本の領海内に侵入する事件が発生するなど、今後、中国漁船などによる違法行為の増加が予想される。
 国民の財産である我が国の領海を守るためには、海上保安庁の徹底した警備に頼らなければならないが、現場の海上保安官は、国際法上認められていない領海等での徘徊等の違法行為に対する取締りが十分できていないのが現状である。
 このような状況が続けば、我が国の国境の島々を守ることは不可能である。
 諸外国では、国連海洋法条約第19条第2項に列挙されている無害通航の例でないものとされた場合、厳重な取締りによって拿捕し、厳しい罰則で対処している。
 我が国においても、そのような違法行為に対して刑罰権を発動することにより法秩序の維持を図るとともに、海上保安庁の有する行政警察権限を拡充し、多様な法執行の選択肢を用意することで、機動的・効果的な対応をすべきである。
 よって、国においては、我が国の領土・主権を毅然たる態度で守る意思を国内外に示すとともに、万全な領域警備を行うための法整備を早急に実施するよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 法務大臣
 外務大臣
 国土交通大臣
 防衛大臣
 内閣官房長官


                                                         和議第20号
           南極海における鯨類捕獲調査事業の継続を求める意見書(案)

 わが国が1987年から実施している鯨類捕獲調査は、「国際捕鯨取締条約第8条」に基づく、国際条約により認められた行為である。
 しかし、米国の反捕鯨団体「シーシェパード」による南極海の捕獲調査に対する妨害が年々過激さを増し、今季の調査では、乗組員の安全を守るため、切り上げを余儀なくされた。
 2006年、2007年の国際捕鯨委員会(IWC)総会において、全会一致でシーシェパードの妨害行為に対する非難を決議し、2008年の中間会合で抗議船の船籍国に対応を要請しているにもかかわらず、抗議船の船籍国や寄港国は、シーシェパードの妨害活動を容認しているのが現状である。
 また、本県の太地町は、捕鯨発祥の地として400年以上の歴史があり、現在も小型捕鯨業や鯨類追込網漁業が営まれているが、海外からやってくる反捕鯨団体等のターゲットとなり、漁業の妨害や精神的な攻撃を繰り返し受けてきたところである。
 こうしたなか、今冬以降の調査捕鯨の実施に向け有識者から意見を聞く農林水産省の検討委員会が設置されたが、その中間とりまとめにおいて、調査捕鯨の縮小・中止の意見が明記された。
 調査捕鯨は、科学的に根拠のない不当な商業捕鯨モラトリアムに対抗して、商業捕鯨再開に必要な科学データを得るために鯨類捕獲調査が開始されたという歴史的な経緯をもつものであり、シーシェパードの不法かつ悪質な妨害行為に屈するべきではない。
 よって、国におかれては、正当な鯨類捕獲調査として、調査捕鯨を毅然として継続することを強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                        (提 出 者)
                                                         中村 裕一
                                                         長坂 隆司
                                                         雑賀 光夫
                                                         角田 秀樹
                                                         山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 外務大臣
 農林水産大臣
 水産庁長官


                                                         和議第21号
     地元漁業者が主体となった法人の漁業権取得について制限を求める意見書(案)

 平成23年6月25日、東日本大震災復興構想会議において、漁業再生のためには、「特区」手法により、地元漁業者が主体となった法人が、漁協に劣後しないで漁業権を取得できる仕組みを実現すべきであるとの内容を盛り込んだ提言が行われた。
 我が国の沿岸漁場においては、多数の漁業種類が複層的に営まれており、漁協が漁業権を管理し、きめ細かな漁業権行使規則を制定して、厳しい管理を行うことで、資源と漁場の持続的利用を可能とするとともに漁業操業上のトラブルを回避してきた。
 特区構想の導入により、漁協が一元的に調整・管理している漁場において、一部の地元漁業者が主体となった法人が直接免許を受け、二つの管理主体が存在することとなれば操業上の紛争は必至であり、大きな混乱を招くこととなる。
 復興に向け、漁業者が一体となって取り組んでいかなければならない今、特区構想が漁業者の絆を分断し、長年にわたって積み上げてきた秩序を崩壊させることにつながるものであれば、その導入は断じて容認することはできない。
 よって、国におかれては、その導入にあたっては、地域の実態と意向を十分に把握し、その地域の意向を踏まえない企業の参入を制限することができる制度とするよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 農林水産大臣
 内閣官房長官


                                                         和議第22号
           医療に係る事業税の特例措置の存続を求める意見書(案)

 国において、医療機関等に係る事業税の特例措置について、見直しの議論が行われようとしている。
 しかし、社会保険診療は、全国一律の公定価格により低廉な水準で国民に医療を提供するという、極めて高い公益性と非営利性を有している。
 また、医療法に基づき設立される医療法人は、営利を目的として開設することは認められず、剰余金の配当は禁止されている等、営利目的の普通法人とは、その性格を大きく異にしている。
 これらの特徴を否定し、診療活動を営利事業として捉えて事業税を課すことは、医療機関の経営に深刻な影響を与え、地域医療の確保の後退と医療水準の低下を招きかねない。
 よって、国におかれては、医療機関等に係る事業税の社会保険診療報酬に係る非課税措置及び医療法人の自由診療部分に係る軽減税率適用の特例措置の存続を強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣
 社会保障・税一体改革担当大臣


                                                         和議第23号
        一般用医薬品のインターネット等販売規制緩和に反対する意見書(案)

 一般用医薬品のインターネット等販売規制の見直しについては、行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会において検討され、平成23年7月22日に閣議決定された「規制・制度改革に係る追加方針」に盛り込まれている。
 その内容は、安全性を確保する具体的な要件の設定を前提に、第三類医薬品以外の薬局・薬店によるインターネット・郵便等による販売の可能性を検討するというものである。
 現在、医薬品の販売については、薬剤師等の専門家による対面販売が原則とされ、比較的副作用等のリスクの少ない第三類医薬品に限りインターネット等による販売が認められている。
 しかし、インターネット販売では、わが国では認められていない医薬品や規制薬物、医薬品まがいの健康食品等の安全性が確保されていないものが販売されることもあり、その危うさが指摘されている。
 また、対面販売のように、一般用医薬品の適切な選択と使用に係る情報提供が確保されていないため、誤用・副作用等による健康被害の防止が困難である。
 医薬品は、効能効果とともに副作用のリスクを併せ持っており、単に利便性や経済性という面から安易に販売規制を緩和することは、健康被害の発生を招き、国民の生命と健康に深刻な影響を及ぼすことが懸念される。
 よって、国におかれては、安全性の確保と適正使用に関する情報提供に十分配慮の上、一般用医薬品の販売については、専門家による対面販売を原則とし、インターネット等による販売の規制緩和を行うことのないよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 厚生労働大臣
 内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)
 内閣府特命担当大臣(行政刷新)


                                                         和議第24号
                 調剤基本料の一元化に係る意見書(案)


 保険薬局の調剤基本料の一元化については、行政刷新会議「規制・制度改革に関する分科会」において協議され、平成23年7月22日に閣議決定された「規制・制度改革に係る追加方針」には盛り込まれてはいないが、分科会の第二次報告書(平成23年7月21日)に今後も検討が必要な旨が示されている。
 これは、一部の特定の薬局に例外的に低く設定されている調剤基本料を、他の大多数の薬局にまで拡大適用し、結果として基本料を引き下げるもので、薬局の維持継続に多大な影響を与え、ひいては地域医療の後退と崩壊に繋がる恐れがある。
 持続可能な社会保障制度の構築のため、医療の効率化等は必要と考えるが、単に医療費の削減を目的とするのではなく、地域の実情に応じて医療制度の充実・強化を図ることが必要である。
 よって、国におかれては、地域医療を支える薬局の経営基盤を揺るがし、存続を危うくするとともに、国民の健康維持に与える調剤基本料の一元化に反対するものである。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣


                                                         和議第25号

           戦没者等の遺族に対する特別給付金等に係る意見書(案)

 戦没者等の妻に対する特別給付金は、夫を失ったことによる精神的痛苦を慰謝するために給付金(記名国債)が支給されるものである。
 昭和38年以降、10年を経過するごとに給付金の継続措置がなされ、現在の給付金は、平成15年に継続措置されたもので、平成25年10月に国債の最終償還を迎える。
 また、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金は、弔慰の意を表するために、終戦後20周年に当たる昭和40年以降、10周年ごとの特別な機会を捉えて弔慰金(記名国債)が支給されるものである。
 これらの制度は、遺族の方々の深い悲しみや苦難に対し、国として特別の慰謝をするために創設されたものであり、今後も継続して制度の充実を図っていかなければならない。
 よって、国におかれては、妻に対する特別給付金及び遺族に対する特別弔慰金の継続支給措置並びに増額等の充実、時効要件の緩和を求めるものである。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣


                                                         和議第26号
                  消費税に係る措置を求める意見書(案)

 社会保障と税の一体改革が議論される中で、消費税を社会保障の目的税とし、段階的に税率を引き上げ、社会保障制度の安定的な財源として確保してゆく方針が示されている。
 現在の消費税制度では、医療機関や薬局等における社会保険診療等は非課税とされ、医薬品や診療材料の仕入れについては課税とされている。
 そのため、医療機関等が仕入れ先に支払った消費税のうち、社会保険診療報酬等に対応する部分については仕入税額控除が認められておらず、医療機関等が一旦負担した後に診療報酬等により補填されることになっている。
 しかし、現実的には、消費税分が適正に診療報酬等に反映されているとはいえず、一部は医療機関等が負担したままとなり、経営を圧迫する一つの要因となっている。
 このように、医療機関や薬局等の収入は診療報酬等により公的に定められているため、消費税率が引き上げられた場合、増加する消費税をそのまま収入に転嫁することは困難であり、医療機関等の負担が増すことは明らかである。
 よって、国におかれては、社会保険診療等に係る消費税について、医療機関や薬局等の負担が生じないよう、適正な措置を講じることを強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                               和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣
 社会保障・税一体改革担当大臣


                                                         和議第27号
           地下タンク漏えい防止規制対応推進事業に関する意見書(案)

 近年、円高の影響や、少子高齢化・過疎化に伴うガソリンや灯油の需要減少により、ガソリンスタンドが急激に減少している。
 そんな中、平成23年2月の消防法改正により、地下タンクに関する規制が強化され、対象となる地下タンクについては、漏えい防止の措置を行うことが義務付けられた。
 しかし、措置を行うためには、一件あたり数百万円の費用が必要となり、中小零細企業が大多数を占めるガソリンスタンド業界にとって、その負担は極めて大きい。
 国におかれても、消防法の改正に係る激変緩和措置として、平成23年度から、「地下タンク漏えい防止規制対応推進事業」を実施し、対象者に措置費用を補助しているが、平成23年度の予算額では、補助を希望する事業者全てには補助が行き届いていない。
 しかし、地下タンクの措置は、平成25年2月までに実施しなければならず、このままでは、補助を受けられない事業者が廃業するケースが急増する恐れがある。
 公共交通機関が脆弱な山間部等では、自動車の利用が不可欠であり、ガソリンスタンドの減少は、住民の日常生活に深刻な影響を及ぼしかねない。
 よって、国におかれては、希望者に補助が行き届くよう、地下タンク漏えい防止規制対応推進事業の予算額を大幅に増加されるよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 経済産業大臣
 内閣官房長官
 国家戦略担当大臣


                                                         和議第28号
           円高・産業空洞化等に係る緊急経済対策を求める意見書(案)


 今般の円高局面は、欧米各国における財政状況の悪化や、景気の減速懸念等を背景として、さらに投機的要素が加わった結果、円高水準やその進行の速さにおいて戦後最大の危機に見舞われている。
 国においても、8月4日に単独介入と日銀の追加金融緩和による円高対応を行うなど一定の対応を実施しているが、未だ、この苦境を脱するまでには至っていない。
 このことは、国内企業の先行きへの不安を更に広げており、このまま円高を放置すれば、産業の空洞化を引き起こし、我が国の経済活力や雇用を失わせ、地方自治体の財政状況に深刻なダメージを与え、東日本大震災後における復興努力が水泡に帰すことも懸念される。
 よって、国におかれては、産業空洞化の防止や円高の影響を受ける中小企業の支援、雇用の確保に加え、過度の円高を是正し、デフレからの脱却を図るための緊急経済対策を早急に実施されるよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 経済産業大臣
 内閣官房長官
 国家戦略担当大臣


                                                         和議第29号
         雇用の再生・創出のための基金事業の延長等を求める意見書(案)

 我が国経済は、リーマンショク後の世界的な景気後退後、政府による緊急経済雇用対策の一環である雇用の再生・創出事業の実施等により、ようやく回復の基調を見せていたが、この3月の東日本大震災で再び大きな打撃を受けることとなった。
 とりわけ、雇用情勢については、今年7月の全国の完全失業率が4.7%、有効求人倍率が0.64倍と、依然として厳しい状況が続いている。
 こうした中、本県では、国の交付金を財源とする総額124億円を超える「緊急雇用創出事業臨時特例基金」及び「ふるさと雇用再生特別基金」を造成した。
 この基金による事業には、独居老人等要援護高齢者宅の戸別訪問や幼稚園での預かり保育など、地域社会において必要とされる事業も多く、県のみならず、市町村でも様々な分野で活用されている。
 しかしながら、この基金事業は、一部事業を除き今年度末までとされており、依然として厳しい雇用情勢ならびに東日本大震災による経済的なダメージを踏まえると、その継続は不可欠である。
 また、より効果的な事業実施となるよう、対象事業の拡大や雇用期間の延長など、更なる要件の緩和も望まれるところである。
 よって、国におかれては、深刻な地方の雇用情勢を改善するため、雇用の再生・創出のための基金事業について、実施期間を延長するとともに、更なる充実に向け、実施要件を緩和されるよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣
 経済産業大臣
 内閣官房長官


                                                         和議第30号
         小規模事業者経営改善資金融資制度の充実を求める意見書(案)

 わが国経済は、やや持ち直してきてはいるものの、長引くデフレや円高、さらには東日本大震災の影響もあり、中小企業や地域経済は大きな打撃を受けている。
 また、本県においても、個人消費こそ持ち直しつつあるものの、雇用情勢の悪化懸念は依然として残っており、小規模事業者の深刻な経営悪化や事業所数の著しい減少などを招いている。
 こうした中、中小・小規模企業の資金繰りを支援するため、昭和48年に小規模事業者経営改善融資制度が創設され、平成21年4月には、貸付限度額の増額や貸付期間の延長等、制度の拡充が図られた。
 この拡充措置は、平成23年度末で期限を迎えるが、日本経済が再び活力を取り戻し、持続的な発展を遂げるためには、中小・小規模企業の更なる活性化が不可欠であり、今後も資金繰りの安定に向けた対策を継続的に実施する必要がある。
 よって、国におかれては、小規模事業者経営改善資金融資制度の拡充措置の延長等、更なる制度の充実を図られるよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 経済産業大臣
 内閣官房長官
 国家戦略担当大臣


                                                         和議第31号
                   介護保険制度に関する意見書(案)

 我が国の介護保険制度は、平成12年に創設され、進む高齢化に対し、高齢者の介護や介助問題等の解消に寄与してきたところである。
 しかし、高齢化の急速な進展に伴い、介護サービスを受ける高齢者の数も着実に増加している。従って、介護保険制度が目指す、高齢者の尊厳を保持し、自立支援を一層高めて行くには、これまで以上に、きめ細やかな対応が求められているところである。
 よって国においては、平成24年度から始まる第5期介護保険事業計画に向けて、地方自治体の意見を十分に尊重し、地方自治体や要介護者及び家族に過重な負担を生じさせることなく、国の責任において、将来にわたって長期的に安定した制度の運営ができるよう努められたい。
 特に、地方における特別養護老人ホームなど不足している介護基盤の充実を図られたい。また、人材の確保が難しい看護師等をはじめ、介護に関わる従事者全員の処遇改善を行うため、介護報酬の引き上げを実施するとともに、被保険者に過度な負担が生じないよう、第1号保険料の急激な上昇を抑制するため、必要な財政措置を講じられるよう強く要望する。なお、こうした措置が講じられない限り、介護職員処遇改善交付金について、現行の課題等を見直した上で継続すること。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長

 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣


                                                         和議第32号
     35人以下学級早期実現、義務教育費国庫負担制度拡充を求める意見書(案)


 本年度の政府予算において、小学校1年生の35人以下学級を実現するために必要な義務標準法の改正法が成立した。これは、30年ぶりの学級編制標準の引き下げである。今回の義務標準法改正条文の附則には、小学校の2年生から中学校年生までの学級編制標準を順次改定する検討と法制上を含めた措置を講ずること等が明記されたが、今後35人以下学級の着実な実行が重要である。
 一人ひとりの子どもに丁寧な対応を行うためには、ひとクラスの学級規模を引き下げるとともに教員一人あたりの児童・生徒数を引き下げる必要がある。新しい学習指導要領が本格的に始まって授業時数や指導内容が増加するなか、暴力行為や不登校、いじめ等生徒指導面の課題が深刻化し、障害のある子どもや虐待を受けた児童生徒、国語指導など特別な支援を必要とする子どもが近年顕著に増えているが、子どもたちがその生育条件にかかわらず、機会均等に一定水準の教育を受けられることが重要である。
 我が国のGDPに占める教育費の割合は、OECD加盟国(28カ国)の中で最下位となっており、3分の1に引き下げられた義務教育費国庫負担制度の国負担割合は、自治体財政を圧迫している。
 我が県の将来を担い、社会の基盤づくりにつながる子どもたちへの教育は極めて重要である。未来への先行投資として、子どもや若者の学びを切れ目なく支援し、人材育成・創出から雇用・就業の拡大につなげる必要がある。
 よって、平成24年度政府の予算編成において下記事項の実現を強く要望する。


                               記


1 少人数学級を推進すること。具体的学級規模は、OECD加盟国並みのゆたかな教育環境を整備するため、35人以下学級とすること。
2 教育の機会均等と水準の維持向上をはかるため、義務教育費国庫負担制度の堅持とともに国負担割合を2分の1に復元すること。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                                   和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 文部科学大臣
 厚生労働大臣
 内閣官房長官


                                                         和議第33号
          「防災集団移転促進事業」適用条件緩和を求める意見書(案)


 台風12号による豪雨災害は県下に多くの被害を与え、本県では復旧と復興・住民生活への支援とともに、今後の災害予防対策に全力をつくすことが求められている。
 これまでも大雨のたびに被災を経験してきた地域の中には、いわゆる「高台移転」を強く希望しているところもあるが、それに応える国の「防災集団移転促進事業」は、移転促進する住宅団地の規模を10戸以上と定めている。
 この事業では、平成16年新潟県中越地震に係る地域について、最低規模を5戸以上に緩和するとともに、一般地域より高い補助基本額とした拡充措置がとられたところである。この度の台風12号にともなう災害においても、適用条件を柔軟に運用するとともに地方公共団体の財政負担の更なる軽減を併せて講ずることにより、「高台移転」への願いに応えられるようにすべきである。
 よって、国におかれては、「防災集団移転促進事業」について適用条件及び財政負担の緩和を講じられるよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                              和歌山県議会議長 新島 雄
                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 国土交通大臣
 内閣府特命担当大臣(防災)


                                                         和議第34号
           災害復旧における農地傾斜角度等に関する意見書(案)


 本年月30日から9月4日にかけ襲来した台風12号により、和歌山県は記録的な豪雨に見舞われ大規模な山腹崩壊や河川の氾濫により、月25日現在で死者47名、行方不明者8名、家屋の全壊185棟、半壊79棟など、甚大な被害が発生した。
 農村地帯でも、水田及び果樹園の冠水被害の他、土砂崩れ、農地崩壊等、農地並びに農業施設に甚大な被害が発生し、地域経済に大きな影響を及ぼしている。
 平成21年7月7日には、田辺市、みなべ町を中心とした局地的集中豪雨においても、急傾斜農地の崩壊が多数発生し、大きな課題となったが、今回の台風でも急傾斜農地に同様の被害が発生している。
 農地の災害復旧については、「農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律」により規定され、同政令により、耕作面の傾斜が20度を超える農地が被災した場合、復旧事業の経済効果が小さいものとして、事業対象農地から適用除外されているため、現実には県内における20度を超える被災農地は国の支援を利用できない状況にある。
 本県の基幹作物である梅は急傾斜農地であっても生育が容易であり、漬け梅等加工を前提とした場合、落下梅をネットで収穫するなど、農地に傾斜があることを有効に活用した合理的な農業が営まれている。
 ついては、本県農業を支えている「20度を超える農地」の復旧についても、果樹王国たる本県農業の特性、地域の実情に鑑み、地域農業に即した政令の運用を検討されるとともに、農地災害復旧事業の対象とされるよう要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年9月28日


          様
                                               和歌山県議会議長 新島 雄

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 農林水産大臣
 水産庁長官


                                                         和議第35号
                本県の農地の災害復旧に関する決議(案)


 農地の災害復旧については、「農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律」により規定され、同政令により、耕作面の傾斜が20度を超える農地が被災した場合、復旧事業の経済効果が小さいものとして、事業対象農地から適用除外されているため、現実には県内における20度を超える被災農地は国の支援を利用できない状況にある。
 ついては、本県農業を支えている「20度を超える農地」のほか、国の災害復旧事業の対象とならない復旧事業についても、果樹王国たる本県農業の特性、地域の実情に鑑み、本県独自の支援を検討されるよう要望する。


 以上、決議する。


  平成23年9月28日
                                                        和歌山県議会

                                                         (提 出 者)
                                                          中村 裕一
                                                          長坂 隆司
                                                          雑賀 光夫
                                                          角田 秀樹
                                                          山下 大輔


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