2011年9月県議会
 文教委員会
  雑賀光夫委員の
   質問概要記録







9月22日(木)

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《質問》 雑賀光夫 委員
 災害で教科書や学用品を流失した場合、無償で給与することになっているが、教科書でどれくらいの給与件数があったのか。

《答弁》 学校指導課長
 教科書の給与については、現時点での申請数は約100件である。

《質問》 雑賀光夫 委員
 学用品として、どのようなものが対象となるのか。例えば、ランドセルをなくしたという相談を受けたりする。学用品が流された場合、給与される範囲はどんなものか。

《答弁》 学校指導課長
 学用品は、制服や楽器、文房具等、様々ある。基本的には、教科書と副教材は喪失したものを給与する。文房具や通学用品費は、限度額が決まっている。小学校児童は一人当たり4,100円、中学校生徒は一人当たり4,400円、高等学校等生徒は一人当たり4,800円を限度額として現物支給する。

《質問》 雑賀光夫 委員
 学校の備品については、理科室が浸水して顕微鏡あるいはプロジェクターなどが使えなくなると、一つ一つ写真を撮って申請書を出すという作業があるそうだが、大変だと思う。先生自身、自宅が被災しているかもしれないし、子どもの家庭を回って様子を見て回る、子どもの心のケアをする、学校が大変だから泥落としをする、そこへ備品の書類を出すという作業がある。
 そういう書類というのは、普通のときであれば相当細かく書くだろうが、場合によっては思い切って簡略化する方法もあると思う。例えば全て台風の災害によるのであれば、理由は全部書いておき、それをコピーして顕微鏡あるいはプロジェクターとだけ書けば通るようにするとか、いろんな方法がある。
 指導される市町村教育委員会の担当によっては細かいことを言う人や、緊急のときであるのでそれでいけと言う人もあると思うが、そういう点でいろいろな問題は生まれていないか。もし生まれていたら、緊急の事態であるので、事務の簡略化ということで大事なことに力を入れるように指導していただきたい。

《答弁》 教育総務課長
 緊急の事態であるので、文部科学省にはできるだけ簡略化していただくようにお願いしているところであるが、一定の証拠も必要であるので、市町村の教育委員会には、迅速に写真などを撮ってその場の復旧作業等に影響を与えることがないようにお願いしている。

《要望》 雑賀光夫 委員
 人の配置問題では、スクールカウンセラーを設置しているが、いろいろな後処理の事務についても人を配置してできないかという要望もある。この点は市町村教育委員会のやることでもあるだろうが、市町村教育委員会では余り人がいない。
 どうにかできないか、要望する。
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《質問》 雑賀光夫 委員
 今年は夏目漱石が和歌山の旧県会議場で「現代日本の開化」という有名な講演をしてから100年になる。8月15日だったそうであるが、今年の8月14日に、漱石が和歌浦で何を言いたかったかというシンポジウムがあり、大変面白く話を聞かせてもらった。そういう点で一乗閣の問題にも関心を持っていた。
 そうしたところへ、県会議長から各会派に文書が回ってきた。目本考古学協会の埋蔵文化財保護対策委員会委員長・矢島さんという方からの議長宛の文書で、一乗閣の移転の問題について、保存は大事であるが、根来寺の埋蔵文化財を壊すことになるのではという趣旨であった。議長がつけてくれた文書によると、中身の回答は教育委員会にお願いする、文書が議会に回ってきたので会派に回すということであったが、これについて教育長はどういう回答をしたのか。

《答弁》 教育長
 その件については、文化遺産課と連携をとりながら、基本的には根来の文化遺産が壊れることはないという認識で一乗閣の移転を進めている。国とも連携を取りながら進めているので、詳細については課長から状況説明をさせる。

《答弁》 文化遺産
 委員から御指摘のあった要望書の中身をもう少し詳しく話をすると、3点の要望である。1点目は、尾根を余り調査していないのではないか、さらに調査して保存してください、2点目は、文化財保護法に定める史跡に追加指定ください、3点目は、根来寺全体の整備活用を図られたいということであった。
 それに対する私どもの回答は、尾根部分については、昔、そこでパイロット農園が経営されていたが、埋蔵文化財確認調査の結果、それをつくったときに重機で削った爪痕等が確認されており、埋蔵文化財は既に破壊されているので追加調査する必要はない、また保存措置については、いかに埋蔵文化財を保存しつつ旧県会議事堂を移転するか、これから基本設計を行うのでその中で検討すると回答している。史跡指定については、県教育委員会の権限ではないので答えることはできない。根来寺全体の保存、整備活用については、岩出市が中心となって委員会を設立しているので、その中で検討していくと回答している。

《質問》 雑賀光夫 委員
 文化財の専門的なことはわからないが、こういう学会の方の要望と同時に、大阪歴史学会代表委員・小田康徳という方からもそういう要望が来ている。
 埋蔵文化財は一度壊してしまうと取り戻しがつかない。パイロット農園のために調査せずに壊してしまっていたことがわかったというのは教育委員会の責任ではないだろうが、その後、文化遺産課に話を聞くと、3月から8月にかけて県の文化財センターに依頼してまた発掘調査をやっていただいたようである。こういう場合、埋蔵文化財の文化財保護審議会に諮って和歌山の専門家の中で「それでいい」というお墨付きをもらい、後から専門家の意見を聞かなかったと言われないようにだけしてほしい。

《答弁》 文化遺産課長
 委員のおっしゃるとおり、昨年10月、平成23年1月に文化財保護審議会の埋蔵文化財部会を開き、この件について報告をしている。また、県文化財保護審議会も23年3月に開催してこの件について報告をしている。また、今後も埋蔵文化財部会、文化財保護審議会を開催して報告する予定である。

《質問》 雑賀光夫 委員
 この問題について心配している方に聞くと、今、文化財保護審議会の委員の皆さんのところへ文書で届けられているようであるが、委員の皆さんの中には知らなかった人もいるようである。その点、きちんと話を詰めてやっていただきたい。
 23年3月に文化財保護審議会が開かれているようであるが、議事録を見せてほしいとお願いすると、個人の発言が載っている議事録は公開できないと言われた。普通、審議会であれば、発言した委員の名前が出せないでA、B、Cになる場合もあるが、公的な審議会で審議をするからには、こういう意見があったという議事録が公開され、その結果どうであったかということが記録として出されないといけないと思うが、その点どうか。

《答弁》 文化遺産課長
 文化財保護審議会だけではないが、審議会というのは、特定の事象についてそれぞれの委員が率直に意見を出し合い、協議・検討をする意見の交換の場であるので、その審議会の議事録を公開することはできないということになっている。
 それが情報公開制度の趣旨である。

《質問》 雑賀光夫 委員
 例えば、きのくに教育協議会であれば議事録が詳しく出ている。一般的に議事録を残さないのが審議会というものであるのか。

《答弁》 教育長
 特に文化財には様々な意見があり、価値観が違うので、その辺、今までどのように審議され、どのような経過をたどっているのか研究して勉強し、次回、回答させていただきたい。

《要望》 雑賀光夫 委員
 私も、どちらの結論がいいと言っているわけではなく、後になって問題を残さないようにだけはしていただきたいという趣旨で言っているので、その点ひとつよろしくお願いしたい。
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《要望》 雑賀光夫 委員
 今後検討してほしい問題を2つ申し上げる。
 小さい学校をどう残すか。分校の果たす役割をもう少し研究していきたい。
 龍神分校では、最近、希望者が増えているが、寮が足りないという悩みを聞いている。そういう分校の果たす役割について、改めて議論をし、寮の問題についても見解を聞きたい。
 もう1つは、南紀にいる視力障害を持つ子が来年から盲学校へ行くか地元の学校へ通うか迷っているケースがある。今後、専門的な立場でどちらがよいのか議論をされていくと思うが、私が問題視するのは、盲学校、ろう学校は和歌山市にあり、生徒数はそう多くはないので紀南地方に独立して設置することは難しいとしても、専門的な教育を受けられるように今後検討してはどうかということを考えている。
 今後研究しておいてもらい、自分も研究して次回質問したい。

◇ 議案に対する採決
議案第101号 平成23年度和歌山県一般会計補正予算
議案第107号 和歌山県高等学校等修学支援対策基金の設置、管理及び処分に関する条例の一部
        を改正する条例

議案第108号 和歌山県スポーツ振興審議会条例の一部を改正する条例
議案第109号 和歌山県立特別支援学校設置条例の一部を改正する条例
議案第118号 平成23年度和歌山県一般会計補正予算
は、全会一致で原案可決

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2011年9月県議会、雑賀光夫 文教委員会=9月22日、和歌山県庁