2012年6月県議会 福祉環境委員会 奥村規子委員の質問概要記録
6月26日(火)


福祉保健部

《質問》奥村規子 委員
 この22日に和歌山市の和田川流域で水害があったが、障害者や高齢者に防災関係情報はきちんと届いていたか。

《答弁》 福祉保健総務課長
 災害時における要援護者の避難支援については、それぞれ当該市町村が行うことになっており、今回の和歌山市の対応について、県として把握はしていない。
 今後の対応については、今回の件についての問題点も検証しながら、和歌山市と一緒になって検討していきたい。

《質問》奥村規子 委員
 和歌山市では、災害時要援護者支援の個別計画を、手上げ方式で作成している。個人情報などクリアしなければならない点はあるが、手上げ方式だけでは不十分ではないかと思う。
 県内の災害時要援護者避難支援計画の策定状況はどうか。

《答弁》 福祉保健総務課長
 全体計画は27市町で策定済みである。個別計画は、9市町で策定済み、17市町で策定中である。

《要望》奥村規子 委員
 県も一緒に個別計画を進めていくようにお願いしたい。

《質問》奥村規子 委員
 被災時の見舞金の額について、以前、検討するという話をいただいているが、その後どうなったか。

《答弁》 福祉保健総務課長
 見舞金は被災者に対し県としてお見舞いの気持ちを表すもので、それだけで支援できるものではないと考えている。さまざまな支援の中で一日も早く元の生活に戻っていただくことが重要だと考えている。見舞金の額については当面現行を維持したい。

《要望》奥村規子 委員
 ぜひ、増額について検討願いたい。

《質問》奥村規子 委員
 降雨予測等の情報は住民が避難を判断する基準となるが、確実に伝達する方法は考えられないか。

《答弁》 福祉保健総務課長
 いろいろな情報をどのように伝えていくか、また、情報をどのように得られるようにするか、ということについて、危機管理局にもそういうお話があったことを伝え、検討していきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 児童虐待について、児童相談所の体制を強化しているが、児童虐待件数の状祝はどうなっているのか。

《答弁》 子ども未来課長
 児童虐待相談件数について、平成23年度は709件、平成22年度は640件であったので、若干の増である。
 虐待を行う者は、実母、実父の順に多くなっている。
 被虐待児は、就学前の児童及び中学校までの児童が多くを占めている。

《質問》奥村規子 委員
 児童福祉施設が児童を受け入れることができる数は、どのようになっているのか。

《答弁》 子ども未来課長
 児童養護施設は8施設あり、あわせて約360名の定員となっている。

《質問》奥村規子 委員
 自宅で、児童の様子を見るということも多いのか。

《答弁》 子ども未来課長
 単年度で終わらず、引き続き支援していくこととなるので一概にいえないが、平成24年6月現在で、在宅支援を行っている件数は、約600件弱である。

《質問》奥村規子 委員
 子どもが家庭的な雰囲気の中で育っていくためには、里親制度が大事だと思うが、和歌山県は全国と比較して、その状況はどうなっているのか。

《答弁》 子ども未来課長
 全国の状況は、社会的養護を要する児童のうち、約9割の児童が児童養護施設及び乳児院に措置されており、約1割の児童が里親やファミリーホームで養育されている。国では、3分の1程度を里親での養育にしていくよう進めている。
 里親委託率について、全国は平成22年度末現在で12.0%、和歌山県は平成23年度末現在で9.7%となっている。
 里親担当職員は、児童相談所に3名、里親支援機関に2名おり、里親制度の推進にあたっている。

《要望》奥村規子 委員
 さらに推進していただきたいと思う。
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《質問》奥村規子 委員
 新生児死亡の件でお伺いしたい。和歌山県は子どもの数が少ないので、ひとりふたりで大きく死亡率や全国の順位が変わったりするが、先日出された人口動態統計では、和歌山県の新生児死亡率が高くなっている。この背景は何か。

《答弁》 健康推進課長
 去年の統計では、乳児や新生児の死亡数が、最近10年で見て少し高くなっている。乳児死亡が23、新生児死亡が15で、飛び抜けて高くなったということではない。
 この数字を限りなくゼロに近づけることを我々も望んでいる。先天的な病態などの場合もあるが、妊婦健診等を通じて事前にリスクを察知し死亡を減らすよう努めていきたい。

《質問》奥村規子 委員
 妊婦健診の回数は以前の2.6回から、国の施策もあって14回になり、環境は良くなってきたけれどもなかなかゼロには向かっていかない。周産期センターも整備されてきたが、なかなか減らないということで、今後その辺も含めて考えていただきたい。

《答弁》 健康推進課長
 今、指摘されたように妊婦健診は公費負担を14回に拡充して実施している。
 今後も、できるだけ死亡を少なくするよう努めていきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 高齢者の自殺率は和歌山が高いと聞いたがどうか。

《答弁》 障害福祉課長
 和歌山県は全国平均より自殺率が高いのが現状。
 ただ、自殺対策は、平成21年度から本格的に実施しており、その前の平成20年から23年までを比較すると年々自殺者の数は減ってきている。
 高齢者が多いという点については、年齢別に見ると60代の方、70代の方が自殺者数の中では割合が高いという現状となっている。

《質問》奥村規子 委員
 そういった状況の中で施策に活かしている点、何か特徴的なものがあれば教えてほしい。

《答弁》 障害福祉課長
 周りの方が悩みに気づいていただいて自殺まで至らないようにするのが大変重要な点と思っている。
 各種啓発活動、一般の方に向けての講習を開催しているほか、特に自殺の原因ではうつ病の方が多いので、うつ病に対する啓発、例えば、眠れないなどの症状があればうつ病かもしれないので声をかけるというような啓発をしている。また、特に相談支援を行う方や学校の先生など悩みに気づきやすい立場にいる方を念頭にゲートキーパーの養成研修に取り組んでいる。

《要望》奥村規子 委員
 高齢の方で家族構成を聞いたら、一人暮らしが多いと思っていたが、二人とか同居の家族がいる場合の比率が高いという状況があると思うので、家族関係の中でそういうことに気づいていくというようなことにぜひ取り組んでいってほしい。
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《質問》奥村規子 委員
 ALS患者の24時間介護を目指した裁判の判決を受けて、和歌山県としてどのように考えているのか。和歌山市も控訴することはなかったが、このような状況を受けて和歌山県としてどう受け止めているのか教えてほしい。

答弁》 障害福祉課長
 和歌山市の裁判のケースについては、判決に従った支給決定がされたと聞いている。
 和歌山県としては、今後とも、個別の方の状況をよく見ていただき、裁判の趣旨も踏まえて対応していただきたいと考えている。
 和歌山市に対してもそのように話をさせていただきたいと思っている。
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《質問》奥村規子 委員
 障害者の一般就労の定着や企業の受入を進めるに当たり、仕事外で、例えば昼休みの過ごし方などに不安感をもつ障害者がいるとの話を聞くことがある。企業側が障害者に寄り添うことで一般就労がうまくいく制度が労働局にあると思うが、和歌山県の企業での利用はないと聞いているので、県として企業への働きかけを進めてほしいがいかがか。

《答弁》 障害福祉課長
 一般企業への働きかけについては、福祉サイドのみならず、労働局や労働政策課とよく連携をとりながら進めたい。

《要望》奥村規子 委員
 労働局や労働政策課との連携を図る中で、福祉サイドからも提案してもらいたい。
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《質問》奥村規子 委員
 節電対策について、福祉の関係でいえば例えば特別養護老人ホームなども節電アクションプランの対象に含まれるのか。

《答弁》 長寿社会課長
 節電の取り組みは全県的に取り組まなければならないので、老人福祉施設に対しても節電アクションプランを通知し、協力をお願いしている。

《質問》奥村規子 委員
 これは自主的にという面での協力になると思うが、できる範囲での協力と受け止めてよいか。

《答弁》 長寿社会課長
 そのとおり。
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《質問》奥村規子 委員
 脱法ハーブとはどういったものか、薬務課とは関係があるのか。

《答弁》 薬務課長
 脱法ハーブを販売しているところは、現在県内では、和歌山市内に2店舗ある。
 脱法ハーブでも麻薬、覚せい剤、指定薬物を含んでいるものもあるため、そういうものを販売していないか、立入調査している。
 いまのところ、違法なものは発見されていないが、吸引等による乱用が問題となっているので、引き続き調査を行っていく。

《要望》奥村規子 委員
 若者対策、青少年の関係とも連携して対応してもらいたい。
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《質問》奥村規子 委員
 医療関係施策のうち、看護師確保対策は今年度前進しているか。

《答弁》 医務課長
 現在、就業看護職員は、12,896人で、平成12年以降、平均すると毎年200人余り増加しているが、急速な高齢化の進行、医療の高度化、働く場所の多様化や新たな看護基準の導入などにより看護職員についてはまだまだ需要が必要との見通しをたてている。
 県では、離職防止、就業促進、養成力確保、資質向上を4本柱に、量・質の両面にわたり看護職員の確保対策に取り組む。

《要望》奥村規子 委員
 看護基準は、患者にとってはいいが、大病院が7対1の高い基準をとると、全体の看護師不足は、養成が進んでいても厳しい状況である。救急受入れがある病院では、患者が集中し現場は大変であるという実態を把握していただきたい。
 また、看護職員確保対策予算は増加しているが、県内外の修学資金の枠が少なくなっているのでさらに拡充するよう、今後考えていただきたい。

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《要望》奥村規子 委員
 生活保護制度について、現在タレントの件で国会議論、マスコミ報道されているが、この制度は憲法で保障されている制度である。最後のセーフティネットとして適正に事務を進めていただきたい。

議案に対する採決
議案第86号 平成24年度和歌山県一般会計補正予算
は全会一致で原案可決


環境生活部

《質問》奥村規子 委員
 電力不足問題について伺う。節電アクションプランの説明を受けたが、先日、計画停電はいくつかのブロックに分け、7月2日から始まると新聞記事に出ていたが、県としては関電からどのように聞いているのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 計画停電については、先週金曜日の22日に関西電力と経済産業省から計画停電の概要が示された。そういった資料と新聞報道等を通じてしか把握していないが、関西電力管内を6つのグループに分け、それらをさらに8つのグループに分けて、全体で48グループに分ける。計画停電をしなければいけないときには、それらのグループを順次ずらしながら、順番に停電させると聞いている。
 計画停電は、前日、電気予報が概ね99%以上の見込みとなった場合、前日18時に予報を出すことになっており、停電を行う当日の停電開始2時間前にも再度計画停電を実施するとの報告を行うと聞いている。
 6つのグループそれぞれの停電時間は、2時間程度になるとのことである。
 医療機関、県庁や役場、警察署、消防署などの公共機関は計画停電の対象としない。また、本県では、台風12号の被災地における仮設住宅も対象外と聞いている。その他、国の機関や原発30km圏内も対象としない。我々に関係するところでは、鉄道や空港も対象としないと聞いている。

《質問》奥村規子 委員
 アクションプランでは、県民に節電を呼びかけ、県が率先して節電に取り組むと書かれている。計画停電が突然行われれば、医療機関では人工呼吸器などさまざまな支障や影響が考えられる。福祉保健部にも質問したが、病院の規模によってどんな影響があるのかということを、どういうように県民に知らせるのか。

《答弁》 環境生活総務課長
 計画停電についての影響や危険性については、昨日の本会議において中村議員からの一般質問にあり、知事が答弁したところであるが、診療所等で停電になった場合、生命に危険が及ぶ可能性もある。県民生活の中でも信号機が消えることで、交通事故が発生するなど、さまざまな影響があるとの答弁を昨日行った。
 現時点では、国は通常では計画停電を予定しないということになっているが、御承知のとおり、今年の電力需給状況は、大飯原発の再稼働により危機的な状況を回避できたので、皆様に節電への御協力をいただきながら、やっていけば何とかなるのではないかという状況である。ただ、古い火力発電設備も総動員しているという、余裕のない状態であるので、事故により大きな火力発電が停止するといったことになると、たちまち危険な状況に陥ることから、そういう意味で計画停電の準備はしておくという国のスタンスである。
 計画停電の危険性やそれぞれの対処については、例えば、病院であれば、福祉保健部より各病院に対し、事前に患者を別の病院に移送するとか、バッテリーを準備しておくといったことを周知しているように、それぞれの部署からそれぞれの担当に周知しており、県民の皆様にも広くそういった影響等について周知していこうと考えている。

《質問》奥村規子 委員
 それは、すでに周知しているということか。これから周知するということなのか。国は考えていないが、アクシデントが発生した場合に備えるため周知しているということか。

《答弁》 環境生活総務課長
 病院、水道施設、消防などそれぞれの部門への周知については、各部局から行っている。広く県民に対し、その影響等を周知するということは、まだできていないので、これから周知していきたいと考えている。
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《質問》奥村規子 委員
 御坊市の森岡産業廃棄物処分場について、廃棄物の適正処理の推進ということでお伺いする。
 管理型産業廃棄物処分場は、和歌山県として初めてということになる。遮水シートがひかれることになるが、全国的にみて、遮水シートが破れるなどの事故は起こっていないか。起こっていると思うが。

《答弁》 循環型社会推進課長
 今、きっちり情報をつかんでいる訳ではないが、全国的にそういう事例があると思う。

《要望》奥村規子 委員
 住民の方も不安に感じていると思うので、全国的な状況なども是非ちゃんと調べていただきたい。

《質問》奥村規子 委員
 遮水シート自体は、耐用年数はどれ位か。

《答弁》 循環型社会推進課長
 耐用年数というか、環境省の基準に準じた遮水シートであると認められる。

《質問》奥村規子 委員
 環境省で認められたというのは。

《答弁》 循環型社会推進課長
 遮水シートの耐久性については、全国都市清掃会議の要領において、耐候性であるとか、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性等の基準が設けられている。そうした基準を満足しているということで、メーカーによる試験報告が提出されており、問題ないものと判断している。

《質問》奥村規子 委員
 半永久的という理解でよいのか。何年ということではないということか。

《答弁》 循環型社会推進課長
 何年ということはわからないが、管理している間は大丈夫だということで、試験報告も出ている。

《質問》奥村規子 委員
 次に、現在申請している8品目以外に、もし追加ということがあれば、県としては許可していく方向にあるのか。

《答弁》 循環型社会推進課長
 反対の会の方との話し合いの中でもそういう質問があり、廃棄物処理法上、追加ができるのかということに対してはできると回答した。しかし、事業者は、取り扱い品目を8品目として申請していて、県はその申請に基づいて審査を行っている。事業者においては、申請書どおりの計画で埋め立てるものと考えている。

《質問》奥村規子 委員
 追加の申請があれば許可も有り得るということでよいか。

《答弁》 循環型社会推進課長
 廃棄物処理法上の規定では可能である。しかし、色々な意見をいただいているので、実際の場合にどうなるかは別である。

《質問》奥村規子 委員
 次に構造のことであるが、廃棄物の山の上に土堰堤を載せていく構造で、円弧滑りの危険性はないかという意見を聞くがどうか。

《答弁》 循環型社会推進課長
 廃棄物最終処分場の安定性などの話であると思うが、廃棄物最終処分場整備の計画・設計要領に基づいて様々な調査、解析を行っており、地震時においても円弧滑りはないということを確認している。

《質問》奥村規子 委員
 私も現地に行ったが、近辺に御坊市内の給食センターがある。粉塵等の影響は全くないのか。

《答弁》 循環型社会推進課長
 産業廃棄物最終処分場の稼働時における粉塵等の影響は非常に重要であると認識しているが、生活環境影響評価では、給食センターに隣接する民家で環境保全目標を満足する結果になっている。アドバイザー会議でも指摘を受けたことから、粉塵対策として、法面緑化や散水、粉塵のモニタリングを行うこと等が追加されており、生活環境保全上必要な措置が盛り込まれた計画であると認識している。

《質問》奥村規子 委員
 借地ということなので一定後、産業廃棄物を埋めて覆土して一旦地権者に返すと思うが、何か環境に影響が生じた場合、県としてどのように対応していくのか。

《答弁》 循環型社会推進課長
 埋立期間中も含めて、そういう事故が起こらないように、適正な維持管理がされるように指導徹底して行くのが第一であると思う。そのため、そのようなことは起こらないと思うが、万が一、そのようなことが起こった場合は、県として何が出来るのか、その時点で真摯に対応していくことになると思う。

《要望》奥村規子 委員
 そういった不安を抱えた住民の意見もある。そういった状況にあるということを説明なり、理解を深めてもらいたい。
 福島原発とはまた全然違うが、大型の産業廃棄物処分場ということよりも、今後、できるだけ公共的な要素で産業廃棄物処分場を造るという方向も大事ではないか。それほど大きくなく、将来的にも被害がないような物を造っていくことが大事だと思うので、ぜひご検討いただきたい。

議案に対する採決
議案第86号 平成24年度和歌山県一般会計補正予算
は全会一致で原案可決


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