2012年6月県議会 総務委員会 高田由一副委員長の質問概要記録
月2日(


《質問》高田由一 副委員長
 代表監査委員が7月に退任されるが、これまで行われてきた会計監査の中での感想、それから今後私たちが教訓とすべきところなど、全般的なことについて発言願いたい。

《答弁》 楠本代表監査委員
 ちょうど4年前の6月議会において、監査委員の選任について同意をいただいたことに改めて厚く御礼申し上げる。あっという間の4年間であった。この間、委員の皆様方には、御指導・御鞭撻賜ったこと、この場をお借りし改めて厚く御礼申し上げる。
 私が就任以来、特に事務局の職員に常々言ってきたことは、ルール違反は絶対に見逃すなということであった。私は現役の頃から、県庁内部におけるチェック機能が低下しているのではないかという問題意識を持っていた。行政改革を進める中で、職員の定数削減が行われ、これをカバーする意味で事務の簡素化・合理化・省力化が進行した。このこと自体は時代の趨勢としてやむを得ないが、しかし一方でルールの遵守がややないがしろにされてきたのではないかという問題意識を持っていた。
 公金の執行は、県民の皆様から徴収した貴重なお金の執行であり、そのためにもより一層公正・公平であり、効率的に執行しなければならない。そのために、地方自治法を頂点としたさまざまなルールが存在する。そのルールを厳格に守るということがなによりも大切である。監査委員からは、毎議会、監査結果を提出している。かなり細かいところまで踏み込んで指摘をしており、重箱の隅をつつく必要もないのではないかという意見もないわけではないが、私はあえて厳しく指摘をした。大事に至る前に、火は小さいうちから消しておくということが大切であろうと考えた次第で、幸いにも少しずつ県庁内部に浸透してきたが、まだまだ十分であるとは思っていない。公金の厳格な執行を全県庁職員が強く認識し、内部チェック機能をより強化しなければならないと思う。
 議会のチェック機能とともに、監査委員も一層その責任を果たさねばならないと考えている。
 私も来月の20日が任期満了となる。残された1ヵ月手綱を緩めることなく、最後までしっかりと職責を全うしたい。
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《質問》高田由一 副委員長
 米軍機低空飛行の問題について聞きたい。これまでも和歌山県から防衛省を通じて抗議をしてきたこの問題は、なかなか解決されていない。私が聞きたいのは、防衛省がどんな手段で、どんな内容で、米軍へ和歌山県の抗議の意志を伝えているのかという点である。こんなに何回も何回もしなければならないのかと疑問に思うが、わかったら教えてほしい。

《答弁》 危機管理課長
 県では、米軍の低空飛行により、まず騒音被害等の報告に対して文書で防衛省に通報の上、訓練の中止を米軍に申し入れてきた。この要請を受けて、防衛省では苦情があることを在日米軍にその都度口頭で申し入れをするというふうに聞いている。

《質問》高田由一 副委員長
 口頭での申し入れということであるが、これだけ長い期間続けていて、今度新たな飛行機でやろうとしているということでもあるので、私は防衛省からきちんと文書で米軍に対して県がこんなに言っていると、住民がこんなに困っていると、文書にして届けるように県の方から防衛省に要望してほしいと思うがいかがか。

《答弁》 危機管理課長
 要望の趣旨については、防衛省の方へ伝えておく。

《質問》 高田由一 副委員長
 米軍の低空飛行であるが、今回知事がはっきりした意志を示しており、大変心強く思っている。ただ、今までの経過からいって、それでも強行される可能性が高いと思う。私は県の広報や、あるいはホームページなどでも米軍の行動がこのようだと広報すべきだと思う。
 この間も報道資料にあったが、オレンジルートというのが公式に初めて表に出て来た。こういうところに対して県としては県民の命と暮らしを守る立場から反対と言うべきで、きちんと広報をするということが大事だと思う。
 それとあわせて、県民から情報提供を県としてももっと直接に求めることが大切だ。他府県の事例であるが、最近はデジカメなどがあるので、撮って直ぐにメールで行政機関に送ってきて、この高度だったら100mもないというような事例もあったようである。そういう情報提供を広く県民に呼びかけて県民世論を高める中でしっかりと米軍に対しても抗議の声を上げていくことが大事であると思う。
 今言った広報という点と、県民から情報提供を求める窓口の設置という点について答弁願いたい。

《答弁》 危機管理課長
 低空飛行の訓練については、大変危険性を伴い、県民の安全を脅かすので、遺憾なことと思っているが、県民からの情報提供については、現状では、当課へ直接あるいは振興局の総務県民課を通じて通報してもらっているという状況である。今の意見については、やはり県民の安心安全を守るという観点からすると、低空飛行を目撃した場合などは、県に対して情報をもらうよう広報する方向で検討していく必要があると考えている。
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《質問》高田由一 副委員長
 計画停電に関する問題であるが、関西電力が2、3日前に計画停電の計画を発表した。その内容をみると、二次救急指定病院以上の大きな病院や県庁については、計画停電から除外することになっている。前に当局から聞いていたのは、地域ごとにバサッと切っていくから、その病院を除いてくれというようなことはできないという話もあったように思う。そういう点で言えば、危機管理という立場から、計画停電をこういうことでやりたいというような問い合わせが関西電力から事前にあったのか。

《答弁》 危機管理監
 関西電力からの計画停電に関する問い合わせは、私は聞いていない。

《質問》高田由一 副委員長
 やはり、当初できないと言っていたものが、細かな工夫をすることによって、大事な大きな病院などを外すことができるということがわかっただけでも、私は大きな変更であると思う。そういう点では、電力会社が決めて、「うちはこれでやります、県庁と病院は除外します」と書いているが、少なくとも私は、事前に県行政に相談があってしかるべきだと思っている。このことは、電力会社の方にも、危機管理からも強く要望してほしいと思うがいかがか。

《答弁》 危機管理監
 これに関しては、電力需要ということで、環境部局などが関西電力に事情聴取をしたりしているかもしれないが、危機管理としては、意見を聞かれていることは今のところない。

《要望》高田由一 副委員長
 環境の方に聞いても聞いていないらしい。電気は危機管理という点からも大事なマターなので、ぜひ頭にいれておいてほしい。

《質問》高田由一 副委員長
 一般質問に対する知事の答弁で、計画停電になり電気が来なかったら、化学反応が起こってガスが発生して危険になる場所があると言っていたが、消防の観点から聞きおけない状況であり、具体的にこのような場所や工場があるのか。

《答弁》 消防保安課長
 製造事業所のうち、消防保安課が所管している危険物施設と高圧ガス施設等の安全対策について答える。危険物施設や高圧ガス施設では消防法や高圧ガス保安法により安全基準が定められており、必要な強度や警報器、安全弁、遮断弁のような安全装置や消火設備が設置されている。
 さらに、コンビナート事業所においては、自家発電装置等が保有されており、停電が発生しても施設が直ちに危険な状態になるということはないと考えている。
 また、高圧ガス施設においては、保安の確保に必要な設備、いわゆるコントロールの設備や警報器などについて、停電等で機能が失われないような措置を講じることとなっている。
 事業所では安全な運転や操作に関することや、危険な状態になった場合の措置について規程を定めている。
 万が一、危険な状態になった場合は、施設に応じた適切な対策が講じられるものと考えている。

《質問》高田由一 副委員長
 知事の答弁と今の見解は違うと思うが、消防保安課でわからないのであれば、他にそのような事業所がある可能性があるのか。

《答弁》 消防保安課長
 知事は、停電が発生してそのまま何らの措置も講じられなければ、化学反応が継続して、ガスが発生して危険な状態になることもある、という主旨で発言したと関係課から聞いている。
 少なくとも、当課が所管している高圧ガス施設や危険物施設については、設備の面でもソフトの対策の面でも危険性はないと考えている。

《要望》高田由一 副委員長
 大変安心した。ぜひ、点検や巡視にも今後力を入れてもらいたい。

《質問》高田由一 副委員長
 節電に関連して今、自治体の中でも県庁等の庁舎の管理において、PPSと言われる特定規模電気事業者から、新電力という卸し電力を買うという動きがでている。庁舎管理の問題でPPS新電力の導入の予定、計画はあるのか。

《答弁》 管財課長
 新電力PPSからの電力の調達だが、現行の電力自由化の範囲について、高圧受電で契約電力50KW以上の事業者については、電気を購入する電気事業者を選択することができることとなっている。本庁舎の電力供給は、高圧受電で行っているので、新規の供給電気事業者PPSとの契約が可能であるが、電力入札を実施するためには、受電電力の実績等を把握する必要があるため、本庁舎の耐震工事中には、この実施を見送ってきた。本年度、本庁舎の新電力調達に向けて準備を進めていたが、関西電力管内における電力不足の影響により、入札へ参加する特定規模電気事業者PPSが減少するなど新電力の調達が難しい状況が続いている。今後、入札条件や電力の回復状況を見守りながら、電力入札の実施について検討していきたい。

《要望》高田由一 副委員長
 検討しているというか、すでに準備をしていた結果、流れてしまったという答えだったと思うが、関西電力だけに頼らない、いろんなシステムを使った電力調達は大事だと思うので、よろしくお願いする。
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《質問》高田由一 副委員長
 集中豪雨が続いているが、住民への情報提供という点では、今回もなかなかうまくいかない例があった。県土整備部では、県営ダムの運用の関係もあって、日本気象協会から短時間の降雨予測、何時間先には何ミリ位の雨が降る、というデータをダムの周辺について購入している。お金で買って、ダムの運用に役立てるということをやり始めている。
 そういうことがあるなら、集中豪雨が多い中で、データを総合防災課から住民に提供していくことも可能ではないかと思うが、検討はしているのか。

《答弁》 総合防災課長
 現在、気象庁から提供されている降水の予測情報は、府県気象情報と降水短時間予報の2つである。府県気象情報は、これから1時間に最大何ミリぐらい降るだろう、それから24時間でだいたい何百ミリ降るだろうという、マクロの数字であり、詳細な状況は今のところわからない。
 降水短時間予報は、地図上に色分けして表示されるものであり、これも詳細な数値についてはわからない状況である。
 河川課で、ダムの関係で情報収集しているものについては、ダム周辺の流域部分だけ、費用を出して購入している。その話を聞いてすぐに検討したが、その結果、県下全域で詳細な情報をとろうと思えば非常に多額の経費がかかるということであった。
 日本気象協会のもので2種類良い情報があった。ひとつはシンフォスという情報であり、これは51時間先までの詳細予測がわかるもの、もうひとつは超短時間予測というもので、1kmメッシュの情報で3時間後までの降水予測が10分間隔で更新されるものである。これでかなり詳細な情報がわかる。ただし、これも雨量何ミリという数値情報をもらおうと思うと、和歌山県に合わせてシステム構築を行わないといけない。日本気象協会に問い合わせたところ、数千万円かかるという話であり、今のところどういうふうにするか、検討している。
 ただ、これらは非常に有効な情報であると考えており、先日の政府提案の中で、気象庁に対し、日本気象協会のデータをそのまま提供せよというのは無茶な話であるが、それに類するような情報を無償で提供してほしいと、国に要望している。
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《質問》高田由一 副委員長

 情報公開に関する問題で、手数料を有料化していこうということで議論がされている。今の情報公開制度について懇話会を作って、委員で検討するとともに、パブリックコメントも6月の半ばまで実施して検討しているとのことだが、現在の検討状況と懇話会の内容、どういう風に議論されているのか、といったことを聞きたい。

《答弁》 総務学事課長
 今回の条例改正の、まず狙いは、情報公開に係る行政コストの一部を利用者の方に負担してもらうというものである。情報公開には、例えば、文書を特定するとか、その中に非開示情報が含まれていないかどうかをチェックする、含まれている場合はそれを塗りつぶす、その上でコピーをとるとか、かなり時間と労力がかかっている。それらはすべて税金で賄われている訳だが、その行政コストの一部を情報開示を求める利用者の方に負担してもらうとで、その制度の利用者とそうでない県民の負担の公平を図るということで、改正について検討している。
 その改正について議論してもらうために、有識者5名からなる情報公開制度懇話会というものを設けている。これは、和歌山大学経済学部の森口教授を会長に据え、それ以外に、公認会計士、弁護士、それから福祉団体の代表、マスコミの方、併せて5名からなる懇話会を設置している。その懇話会の中では、なぜこの時期に手数料を取るのか、その前提となる行政コストの把握について、他府県の状況はどうなのか、減免措置を設けるのか、そういったことを議論してもらっている。

《質問》高田由一 副委員長
 パブリックコメントは、どんな内容だったのか。

《答弁》 総務学事課長
 パブリックコメントを今月5日から18日までの間実施し、その中で4件の意見があった。団体から2件、個人から2件である。そのいずれも、要約すると、県民の知る権利の抑制につながる可能性のある手数料の導入については反対という意見である。しかしながら、県の考え方は、先ほど趣旨のところでも言ったが、開示する情報の範疇を狭めるとか、手続を複雑にするとか、そういう考え方は全く持っていないので、決して県民の方の権利を抑制することになるとは考えていない。


28日(木)
◇ 議案に対する採決
議案第 86号 平成24年度和歌山県一般会計補正予算
議案第 87号 和歌山県税条例の一部を改正する条例
議案第 88号 和歌山県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
議案第 89号 和歌山県民文化会館設置及び管理条例の一部を改正する条例
議案第100号 訴訟の提起について
は全会一致で原案可決

報第1号 和歌山県税条例の一部を改正する条例
報第2号 近畿圏の都市開発区域における県税の特別措置に関する条例の一部を改正する条例
は全会一致で原案承認


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