2012年9月県議会 建設委員会 松坂英樹委員の質問概要記録
9月25日


《質問》松坂英樹 委員
 「災害対策等緊急事業推進費」事業について、今回の補正予算で、国の推進費という枠組みで、熊野川や日高川などの5つの河川でこの災害対策が事業化されたことを大いに評価したい。特に熊野川については、河道に堆積した土砂の撤去が膨大な量に上っているので、地元住民からも強く要望されてきたと思うが、熊野川流域については、これまでの災害関連事業や田辺市の事業、今回の追加事業などで、必要な全体量に対して、どのくらい見通しがついてきたのか。

《答弁》 河川課長
 災害によって河道内に堆積した土砂については、委員指摘のように、いろいろな方法を使い、できるだけ早く取り除くよう全県的に実施している。
 熊野川については、台風12号の後に概略の測量をしたところ、水面上に出ているところで、三重県側も含めると430万立方メートルくらいの土砂が、あると見積もっている。その中で、昨年から順次、市等の協力を得ながらいろいろな方法で取ってきているが、現時点において、県による事業、市による代行工事、民間による採取等と、この推進費も含め、100万立方メートルくらいの撤去のめどがたったところである。今後もできるだけあらゆる方法を駆使し、少しでも進捗できるようにしていきたい。

《質問》松坂英樹 委員
 大変な苦労で、ここまで計画して見通しも立ててきたと思う。今後も、国や三重県側とも相談をしながら進めてほしい。
 合わせて、このような災害に関連した事業、災害対策等緊急事業推進費と、災害対応が紀南地方で進むのは本当にうれしいが、一方、有田川以北の局所的な災害対策や災害予防の対策もしっかり進めてほしいと思っているが、この点について聞きたい。

《答弁》 河川課長
 12号台風による被害は、紀南地方がより深刻であるが、県としては、全県的な浸水対策にここ数年力を入れており、今年度の予算においても、紀北地域も含めて増額している。
 今後とも、災害復旧事業に全力で取り組むことはもちろんであるが、紀北地域も含めて、必要な対策を着実に実施していきたい。

要望松坂英樹 委員
 要望だが、本会議でも発言したダム堆積土砂の問題など、河道のいろいろな課題について、こういった推進費等を活用しながら、ぜひ安全対策を進めてほしい。
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《質問》松坂英樹 委員
 議案第141号の秋葉山プールの工事請負変更契約について聞きたい。
 今回の変更については、硬い岩盤への対応を迫られたということで、やむを得ないと考えるが、ボーリング調査の見込みと実際の岩の状況に差がありすぎるのではないか。
 ボーリング調査に基づく当初の計画では、軟らかい岩が24,000立方メートルだったが、実際は軟らかい岩は10分の1の2,700立方メートルしかなくて、硬い岩が27,000立方メートルもあったと聞いている。硬いところが当初より2、3割増えたとか、倍になったというのと違い、軟らかい岩は10分の1であり、9割も予想が外れたのなら、もう少し丁寧な説明が必要なのではないか。発注者や設計者の技術力が問われることにもなるし、ボーリングの仕方がどうだったのか等について説明を求めたい。

《答弁》 公共建築課長
 秋葉山公園県民水泳場地下駐車場建築工事においては、工事に先だち地質調査を行っている。まずボーリング調査を25ヵ所行った。これは、主に建設する建物の支持地盤を確認するための調査で、その結果、岩であることが確認できた。さらに、25ヵ所のうち4ヵ所について、岩質の確認のためにコアボーリングというそのまま岩を抜いてくる調査を行った。コアボーリング調査をした箇所は軟岩という判定であったので、軟岩の掘削という設計をしていた。ところが実際に掘削してみると、コアボーリングをした箇所は確かに軟岩であったが、それ以外の部分については、大部分が軟岩ではなく硬岩であることが判明し、掘削工事に時間を要した。

《質問》松坂英樹 委員
 4ヵ所は軟岩であったが、他のところは違っていたということか。ではどうして他のところをコアボーリングしなかったのか。

《答弁》 公共建築課長
 25ヵ所のボーリングでは、細かく砕けてはいるがサンプルを採取している。岩の種類としては、25ヵ所すべて緑色片岩(りょくしょくへんがん)という種類だった。硬岩か軟岩かは、同じ岩種であっても、ひび割れの間隔やひびの割れ目の入り方等で判定し、掘削の施工方法を決定している。コアボーリングの箇所数をもう少し増やせば良かったのではないかというのは、委員指摘のとおりであるが、同じ岩質であることがわかっている中で代表的な4ヵ所をコアボーリングして判定を行った。

《要望》松坂英樹 委員
 ボーリングのコストの面もあるし、狭い現場で掘っていくという制約もあるから、今回のことを今後に活かしてほしい。
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《質問》松坂英樹 委員
 江上川の改修について聞きたい。今回、市町村から建設委員会に提出された要望書を見ると、当該箇所の事業化へのお礼と更なる進捗を町から要望されているが、広川町でも、最近の時間当たり雨量で大変すごい数値が出ている。そういうすごさを見ると、対策事業の早期完成が望まれるが、この事業の現状と今後の見通しを聞きたい。

《答弁》 河川課長
 江上川の出水対策については、平成19年度に浸水被害を受け、河川改修に着手している。昨年度から事業着手し、測量設計、用地補償を実施しており、今年度で用地補償が完了する予定である。今年度に護岸工事に着手した後に、概ね2年程度での完了をめどに取り組んでいく。
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◇ 議案に対する採決

議案第138号 平成24年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
は賛成多数により原案可決
日本共産党松坂英樹委員は反対 → 奥村規子県議の議案に対する反対討論

議案第107号 平成24年度和歌山県一般会計補正予算
議案第136号 和歌山県港湾施設管理条例の一部を改正する条例
議案第139号 訴訟の提起について
議案第140号 工事請負変更契約の締結について
議案第141号 工事請負変更契約の締結について
は全会一致により、それぞれ原案可決

◇ 委員会から「近畿自動車道紀勢線ミッシングリンクの早期解消及び4車線化の早期実現を求める意見書(案)」を提出することに決定


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