2012年12月県議会 建設委員会 松坂英樹委員の質問概要記録
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《質問》松坂英樹 委員
 今回の補正予算では、国の予備費の配分を受け、有田川の河川整備事業も予算化されているが、その内容と事業方法について示されたい。

《答弁》 河川課長
 予定している事業の具体的な内容は、主に2点ある。1点目は、堤防の補強対策で、従来から有田川でも進めているが、更に一部について、遮水のための護岸工を実施する予定である。
 2点目は、河道掘削を実施し、河道の流下能力向上を図る事業である。

《要望》松坂英樹 委員
 いずれも、これまで事業進捗が望まれているもので、ぜひ一層の事業進捗をお願いする。
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《質問》松坂英樹 委員
 那智川の改良復旧の工事委託契約についてであるが、これは那智川の改良復旧に伴いJRの鉄橋と線路を移動するもので、随意契約により約26億円で契約を締結することについて議会の同意を求めているものである。那智川の改良復旧については、一刻も早く進めてほしいと思っている。県発注工事で随意契約をするのは鉄道関係ぐらいと思うが、その金額の内容について、もっと住民に分かりやすく説明する必要があると思う。26億円の内訳について、説明資料には年度ごとの所要額が示されているが、橋や護岸でどのぐらいか示されたい。

《答弁》 河川課長
 工事全体で約25億7000万円を予定しており、主なものでは、橋りょうを架け替える工事が10億円弱、また、橋りょうが下流にずれるのに伴い、線路を6〜700メートルの区間で下流にずらす必要があり、それに伴う電気・土木工事が12億円弱、さらに、河川の護岸の取り合わせ部分の施工が2億円弱、その他管理費等を含めて25億7000万円を計上している。

《質問》松坂英樹 委員
 橋で10億円、護岸で2億円との説明であるが、護岸の2億円については大体そのぐらいと思うが、橋の10億円には、新しく造る分と撤去する分を含んでいるのか。

《答弁》 河川課長
 現橋の撤去分も含まれている。

《質問》松坂英樹 委員
 新しく造る分と撤去する分、それぞれの額を教えてほしい。

《答弁》 河川課長
 大体であるが、新橋の建設費として約6億5000万円、現橋の撤去費として約3億円を計上している。

《質問》松坂英樹 委員
 大きさの割には、仮橋の撤去費用が少し金額が高いように思う。用地費などはあまり必要ではないと思うし、橋と護岸以外で事業費の半分くらいを占めているが、通常そのようなものなのか。

《答弁》 河川課長
 今回、レールを長い区間にわたりずらさなければならない。それから、一部駅にまで影響が及ぶため、ホームの改修も必要になるということで、現時点で見込まれる額で予算の見積りを行った。しかしながら、当然コスト縮減を望まれるところであり、今後JRと具体的に詳細を詰めていく中で、できるだけコスト縮減を図りたい。

《質問》松坂英樹 委員
 ホームが良くなるのはいいことなので、安全に気をつけながら工事を行うことは非常に重要であり、そこをとやかく言うつもりはない。しかし、安全に注意しながらも、県も国も鉄道事業者も、全体として負担が軽くなるのは良いことなので、コスト縮減をお願いしたい。
 今の鉄橋を復旧するときには100%鉄道事業者の負担で行い、今回はほとんどが国や県の負担となると思われるが、それぞれの負担割合について教えてほしい。

《答弁》 河川課長
 25億7000万円のうち、JR西日本の負担は約3900万円程度、県が国の補助を受けながら実施し、現在の負担割合でいくと県が約7億円、国が約18億円である。

《要望》松坂英樹 委員
 暫定的な復旧では全額JR西日本が負担し、今回はほとんどが国・県の負担となり、それはそれですっきりした仕分け方とは思うが、ホームが良くなることも考えれば、JR西日本にもう少し負担を求めても良いのでは、という気もする。これ以上言うつもりはないが、随意契約ということもあり、全体のコスト縮減を図るように要望する。
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《質問》松坂英樹 委員
 国道42号の郵便橋から県道に入ったところに低い箇所があり、たびたび水に浸かっており、それもかなり深く浸かるので何とかしてはしいという要望が寄せられている。現状と見通しを聞きたい。

《答弁》 道路保全課長
 県道田辺白浜線の冠水箇所は、上富田町岩崎地内にあり、昨年度は、台風12号はかで2回浸水している。この箇所は、前後の路面高が高く凹部になっていることから、冠水しやすい状態である。その対策を行うためには、周辺地域との調整も必要であるので、富田川の内水であるこの流域の排水対策について、ここを流れる野田排水路の管理者である上富田町等と協議していきたい。
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《質問》松坂英樹 委員
 椿山ダムの操作改善による洪水対策効果について教えてほしい。
 本会議でも質問をしたが、利水容量を活用した事前放流をすることにより、洪水のタイミングを後ろにずらす等の効果が期待できるということであった。しかし、椿山ダムは、利水部分が他の県営ダムと比べて薄いので、効果は限定的であるという側面を持っていると思う。新しい運用の説明では、台風12号でシミュレーションすると、1時間40分程度ただし書き放流に至るタイミングをずらすことができる、そういう効果があるという試算を示していた。
 これに対し、地元からは、あのくらいの洪水量、毎秒3000立方メートルを超える水がきていた頃には、1時間40分ももたないはずだが、変に1時間40分も効果があるんだということで、かえってダム神話を重ねることになるのではないか、という声がある。これで大丈夫だ、この対策をすればただし書き放流になることはないんだ、ということになってもいけないと思うので、正確にシミュレーションした方が良いのではないか。また、1時間40分ということだが、その半分ぐらいではないのか、との声も出ているが、どうか。

《答弁》 河川課長
 椿山ダムで示している1時間40分の効果というのは、あらかじめ水位を下げておいた場合に、台風12号時の操作と比べてどれくらいの差が出るかということで試算したものである。実際の運用時には、ゲート操作する際にタイムラグが生じるが、そういったタイムラグのようなロスは考慮しないで試算している。そのロスの見積り方によって効果は変わるということは認識しており、ダム神話という話もあったが、我々も「これだけ延ばせるから安心だ」とは全く考えていない。この新しい運用により、何十時間も安全になると誤解されては困るので、1つの目安として示したものである。この新運用ではやはり限界がある。これで防げない洪水も起こる可能性もあるので、決して安心してもらわないように、早めの避難行動といった防災対策を住民の方々にもパンフレット等でお願いしている。今後も引き続き、周知啓発に努めていきたい。
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議案に対する採決
議案第176号 平成24年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
は賛成多数により原案可決
日本共産党松坂英樹委員は反対 → 奥村規子県議の議案・請願不採択に対する反対討論
議案第148号 平成24年度和歌山県一般会計補正予算
議案第155号 和歌山県流域下水道の構造の技術上の基準及び終末処理場の維持管理に関する条例
議案第156号 和歌山県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
議案第157号 和歌山県が設置する都市公園に係る移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する
        基準を定める条例

議案第158号 和歌山県営住宅条例の一部を改正する条例
議案第159号 和歌山県建築基準法施行条例の一部を改正する条例
議案第164号 訴訟の提起について
議案第165号 損害賠償請求事件に係る和解について
議案第166号 調停の成立について
議案第168号 和歌山県和歌川河川公園の指定管理者の指定について
議案第169号 紀三井寺公園及び和歌山県営相撲競技場の指定管理者の指定について
議案第171号 工事請負契約の締結について
議案第172号 工事請負契約の締結について
議案第173号 工事委託契約の締結について
議案第174号 工事請負変更契約の締結について
議案第175号 平成24年度和歌山県一般会計補正予算
は、全会一致により、それぞれ原案可決

請願の審査
議請第7号 住宅リフォーム助成制度創設を求める請願書
は不採択と決定同反対討論

意見書(案)採決

委員会から「紀伊半島一周高速道路及び−「有田〜南紀田辺・間」4車線化の早期実現を求める意見書(案)」を提出することに決定


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