2013年6月県議会 福祉環境委員会 奥村規子委員の質問概要記録
2013年6月25日
〔環境生活部〕
《質問》奥村規子 委員
昨年度末に、御坊の森岡の管理型の産廃申請に対し許可をしたということであるが、住民の方たちで、建設についてまだまだ納得せず、反対しているところがあるかと思う。その中で、県としてもそういう疑問に応えるため、何度も場を持ち質問に応えてくれたことは大変よかったと思っているのだが、最終的にまだまだ反対の方もいる中で、昨年度許可したことについて、そういった意見も踏まえて、どう判断したかということについて説明されたい。
《答弁》 循環型社会推進課長
御坊の産廃の許可申請の審査に当たっては、廃棄物処理法の手続に従い許可申請書並びに生活環境影響調査書を縦覧に供し、地元市町村及び住民の方々より生活環境保全上の見地からの意見をいただいた。
また、生活環境の保全に関し学識経験を有する方からも意見をいただき、それらを踏まえて、申請内容が廃棄物処理法令の許可基準に適合しているかどうか、慎重に審査を行ってきたところである。
審査の結果、3月25日に許可をしたが、住民の方々からの不安の声も踏まえ、法定基準を超えて、業者に指示を行い、業者の方も真摯に対応したということで、許可の処分を行ったところである。
《質問》奥村規子 委員
住民の方から、県の許可に際し反対や不安の声が寄せられている中で、最終、許可権は県にあるのだが、許可の際にそういう方に対して許可するに当たっての報告や、許可後の報告等のシステムはないのか。
《答弁》 循環型社会推進課長
許可の審査手続において、様々な意見をいただいているという経緯を踏まえ、審査はしているが、その結果、許可をするに当たり、あらかじめそういう意見をいただいた方に説明するというシステムになっていない。ただ、今回については、許可について記者発表し、広く周知をしたと考えている。
《質問》奥村規子 委員
今後、住民の方にとっては毎日の生活に関わってくることであり、まだまだ不安のある面というのが引き続いていると思う。県として許可する際には、許可した後でもきちんと経過なり報告すべきだと思うので要望しておく。
一点、確認したいのだが、管理型であるので遮水シートから漏れないようにするということがあるのだが、遮水シートの耐久性とか品質といった面で、先日、原発事故での汚染水がシートから漏れたという話とかあるが、そういう点では、安全性・耐久性というのは、どのように考えているのか。
《答弁》 循環型社会推進課長
管理型最終処分場で使用される遮水シートと同様のものが、福島第1原発の貯水槽で使用されており、その貯水槽から水漏れがしたというのは報道のとおりであるが、御坊の施設で使用されるものと材質は異なっている。御坊のシートについては、全国都市清掃会議において定める「廃棄物最終処分場整備の計画・設計・管理要領」において基準が定められており、この基準を満足するという試験結果が得られていることから、安全性は確保されていると考えている。
《要望》奥村規子 委員
その基準に沿って安全は確保されているということだが、絶対的な安全というのはなかなか言えないのではないかと思う。今後ともぜひ、住民の方の意見も聞きながら進めていってもらいたいということを要望しておく。
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《質問》奥村規子 委員
消費生活施策について質問する。今回、追加積立ての基金を活用し、市町村の消費生活相談体制の充実強化をするということだが、知り合いの高齢の方が詐欺にあい大変な状況なのだが、こういう状況はまだ広がっているのか。
その対策をいっそう充実していくということであるが、具体的にはどんなことを考えているのか。
《答弁》 県民生活課長
まず、消費生活センターにおける相談件数だが、昨年度は5,419件であり、一昨年度比では36件減となっている。また、相談における高齢者層の割合も年々増加しており、昨年度は35.9%を占めている。
特徴としては、健康食品の強引な電話勧誘が昨年9月から急増しており、また、未公開株や社債、ファンド型投資等の詐欺的なもうけ話も少し減ってきているものの依然として高い割合を占めている。
こういった状況を受け、県消費生活センターでは、従来から、冊子を作成し、高齢者向けの啓発講座など高齢者向けの啓発や「セカンドライフ生活安全読本」といったチラシを市町村や社会福祉協議会、民生委員や高齢者見守り活動の方々に配付し、消費者被害発生の防止に取り組んでいるところである。
特に、高齢者が被害に遭うことが多いと言われる悪質商法であり、特に70歳以上のワースト3となっている「健康食品の送り付け」、「利殖商法」、「訪問販売による屋根修理」への対応方法について、ドラマ仕立てで解説した啓発用のDVDを500枚作成し、高齢者向けのポスターと併せ、今年3月末に市町村や社会福祉法人等に配付をしたところである。
更に今年度は、「ホットな消費者ニュース」で、悪徳商法について4月と6月の2回取り上げ、各4,000部配付したところである。
消費者被害は、発生すると損害を回復することがなかなか難しいため、こういった取組を進めていきたいと考えている。また、市町村についても、相談窓口の充実や相談員の養成等への支援に努めていきたいと考えている。
《要望》奥村規子 委員
被害防止を進めるためには、市町村の役割が大きいかと思う。ぜひ、訪問などていねいな対応をお願いしたい。
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《質問》奥村規子 委員
女性のための電話相談員養成講座について先日資料をいただいた。女性のための電話相談ということになれば、男女共同参画のみならず幅広い相談が寄せられると考えられるが、どのような相談を想定して企画したのか。
《答弁》 青少年・男女共同参画課長
男女共同参画センターに寄せられる相談のうち、件数が多いのは自身の性格、生き方、夫婦間、家族の問題であり、これらの問題にも対応できるよう相談員のスキルアップを目的として企画した。
《要望》奥村規子 委員
大阪府に妊娠期の女性を対象にした相談事業があると新聞で見た。妊娠期から相談を受け必要な支援につなげることで、出産後の子どもへの虐待防止に一定の効果があったとのこと。このような取り組みも他府県にはあるので、男女共同参画だけではなく、女性全般の相談窓口としての取り組みを広げてほしい。
〔福祉保健部〕
《質問》奥村規子 委員
子育て支援施策について質問したい。昨年、子ども・子育て支援法が成立した中で、今後どうなっていくのかと思っている。大都市では、子どもの保育所への入所について待機児童が多いと言われているが、本県においては、待機児童はどういうことを指すのか。現在の状況について教えてほしい。
《答弁》 子ども未来課長
待機児童については、申込みは市町村にするが、その中で、満杯で保育所を紹介できない状況について待機児童になると解釈している。
今後の方針については、子ども・子育て支援法に基づき平成26年度末までに県として子ども・子育て支援計画を国に提出することとなっている。これは、都市部については、待機児童の解消が中心となるが、地方については、保育士の質の向上やきめ細やかな保育として、小規模な保育や障害児の保育などの質の確保等を、いつ実施するかのスケジュールなども含め、今後検討した上で確定し、国に提出することとなる。
《質問》奥村規子 委員
今現在の待機児童の数はわかるか。
《答弁》 子ども未来課長
今把握しているのは、和歌山市で6名程度、御坊市で7名程度と聞いている。
《要望》奥村規子 委員
働きながら子育てしているお母さんの場合、どこに預けるかは生活に関わってくる。保育所まで子どもを送って、また戻って反対のほうに仕事に行かないといけないなど、入所させたいという希望があるにもかかわらず、入りたい保育所に入れないなどの状況もあるかもしれない。実際、保育所には行っているが、なかなか大変だとかいうことも含めて、きめ細かく、また実態なども見てもらえるとありがたい。
《質問》奥村規子 委員
新システムの中で、認可保育所をつくるとき、国が2分の1で、市町村が4分の1、財政的な補助金が確かあったと思うが、今度、廃案になった。
株式会社の参入も認められるようになってきた中で、保育がゆがめられていくのではないかと危機感を感じる。県としては、どのように考えるか。
《答弁》 子ども未来課長
委員のお話は都市型ということになるが、本県では、事前に需給調査を実施することになり、きめ細やかな保育となると、社会福祉法人や行政でないと難しいかと思う。株式会社では、一番世話のない子どもをたくさん入所させる形となる。最終的には、認可は市町村だが、きめ細やかな保育が必要な本県の事情から考えると参入は難しいと考えている。
《要望》奥村規子 委員
法律では、できることとなっているので、「だめです」とはできないと思うが、子どもの保育環境や質の問題も含めて、将来を担う子どもたちのいい保育をできるよう、株式会社の参入についても慎重に考えてほしい。
《質問》奥村規子 委員
子ども・子育て会議について、構成メンバーなどは、これからみんなで協議して、計画を審議していくと思うが、みんなの声が反映されるようになっているか。
《答弁》 子ども未来課長
委員の人選については、条例が成立した上でということになるが、今、考えているのは、各事業者として、幼稚園、保育園、認定こども園の経営者、そこに通っておられる父兄、学識経験者等を中心に、できるだけ、実際に中身がわかっており、何が問題であるか議論できる人に絞り込んだ形で、委員を選びたいと考えている。
《質問》奥村規子 委員
現場の保育士も構成の中に入るか。
《答弁》 子ども未来課長
メンバーに入る予定である。
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《質問》奥村規子 委員
和歌山市のほうにお尋ねしたり、最近も1人暮らしの方が3ヵ月発見されなかったと聞いたりしているが、ぜひ、高齢者の孤立死をなくしていく構えで取り組んでいただきたいと思う。高齢者の見守り体制はある程度限界があるかと思うが、引きこもっている方との関わりについてどういうふうに考えているか。
《答弁》 高齢者生活支援室長
見守りについては、市町村では民生委員の方にもやっていただいているし、緊急通報装置を配付する取組も行っているところである。さらには、配食サービス時に見守るなどの形もとっている。それに加えて、県からも、今回のような民間事業者の取組であるとか、あるいは県のボランティア制度の地域見守り協力員とか非常に多くの形での見守りを行っている。委員御指摘のように、見守りだけで不十分ではないかとの点については、もう一つの視点として、支え合いという部分が大切であると思う。これについては、従前から社会福祉協議会やシルバー人材センターがそういう助け合うような活動をしようとするときの立ち上げ支援や、さらにはNPOや住民グループの方々の同様の取組に対しても支援をしてきたところである。
《要望》奥村規子 委員
どうしても外へ出ていけなくて、引きこもりしているという中で、他の方との交流が全くないなど、いろいろな状況があると思うので、そういった方たちへどうやってきちっとした網がかかっていくかという点についても、またよろしくお願いしたいと思う。
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《質問》奥村規子 委員
精神障害者が、病院から在宅へ地域移行をしている取り組みを教えてほしい。
《答弁》 障害福祉課長
県としても、精神障害者の地域移行に積極的に取り組んでいる。家族がいないなど退院するのが難しい方々を対象に補助事業で地域移行支援を行っており、平成16年から23年度にかけて、78名の精神障害者の方が退院している。平成24年度からは、事業の形態が変わったが、約30名の精神障害者の方が地域移行の給付対象となっている。
和歌山県は、入院患者の平均在院日数も長いが、徐々に短くなってきている。平均在院日数も平成22年度には352.4日だったが、平成23年度には347日へと短くなっている。先月も各地域の自立支援協議会を回り、各地域の方々と意見交換をしてきたところで、今後も地域移行の取組を積極的に進めていく。
《質問》奥村規子 委員
精神障害者の地域移行に伴う基盤整備の状況はどうか。
《答弁》 障害福祉課長
地域移行の移行先としてのグループホームの整備状況は、平成25年3月末現在で県内150ヵ所、定員823人となっている。昨年度、国からの補正予算対応を含め10ヵ所程度新しく整備している。現状において十分足りている状態ではないので引き続き整備を図るとともに、アパートに住まわれる方も多いので、普及啓発等も含め地域移行を進めていきたい。
《要望》奥村規子 委員
ハードの面も併せて人材面の養成も必要になっていると思うが、しっかり整備を進めてほしい。
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《質問》奥村規子 委員
結核医療について、和歌山市で結核医療を担っていた神田病院が閉鎖されたが、その影響はどうか。各病院から困っている声を聞くが、その点についてどうか。
《答弁》 健康推進課長
委員お話のとおり、3月に神田病院が閉鎖になったが、保健医療計画上は結核基準病床数については27床になっており、現在、和歌山病院が20床、和歌山生協病院及び新宮医療センターがモデル病床各4床の計28床であり、県全体で見れば保健医療計画上は結核病床数については満たされていることになっている。ただ、今まで和歌山市住民で神田病院を利用されていた方が、今の状況だと美浜町の和歌山病院に行くことになるので、そういった場合に地域連携クリティカルパス等を用いた医療連携の中で、和歌山病院と和歌山市内の病院が連携してスムーズな退院ができるように取り組んでいきたいと考えている。
《質問》奥村規子 委員
病床としては基準病床数を確保できているということでよいか。しかし、和歌山市の人口が多い中で、結核は高齢者の方が体力が弱ってきたり、若いときに結核にかかっていたりの中で発病するとか、まだまだ感染症としては大変な病気だと思う。治療についての薬といったところは以前よりよくなってきて、治療期間は早く治癒すると聞いているが、各病院で発症したときに、ほかの患者さんに感染しないように、いろんなことが必要になってくるので、そういう意味ではスムーズに患者を紹介できるところが和歌山市内に必要ではないかと思うが、その点はいかがか。
《答弁》 健康堆進課長
委員お話のとおり、現在、結核医療については平均在院日数は70日程度と20年前に比べ半分以下になっており、昔のように長く入院するのではなく、他人に感染させる危険がなくなった時点で在宅治療とする方向になっている。和歌山市内の方については、和歌山病院を退院した後はスムーズな形でかかりつけ医にかかれるような体制について連携を促進していきたいと考えている。
《要望》奥村規子 委員
糖尿病の患者さんも感染を受けやすかったり、他の病気を持たれていて結核に感染しやすいなどの場合もあるかと思うが、そういった意味で不安に感じている方も県民の皆様の中にいる。和歌山病院まで行かなければならないのは大変であり、入院も長期にわたるのでぜひ考えていただきたいと思う。
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《質問》奥村規子 委員
国民健康保険の広域化について、保険者のあり方が議論となっている。国民健康保険の保険料の負担が大きく、納めることができない現状がある。県として、今後どんな考えを持っているのか。
《答弁》 健康推進課長
国民健康保険の保険料は、高齢者の割合が多い市町村や医療機関が多い市町村では、保険料が高い傾向にある。
保険料については、財政運営を市町村単位としているため、財政的に不安定となりやすい状況にある。
国民健康保険の広域化について、都道府県単位で広域化するという考え方は、市町村単位で運営するよりはよいであろうと、昨日の本会議で知事から答弁申し上げたところである。
県としては、都道府県だけに責任を押しつけるのではく、国の責任において、構造的な問題を解決し、持続可能な制度を構築するよう、国に対し要望を行ってまいりたいと考えている。
《要望》奥村規子 委員
根本的な問題として、国が財政的に強化していくことが必要だと思うので、ぜひ、国に強く要望するようお願いしたい。
議案に対する採決
議案第75号 平成25年度和歌山県一般会計補正予算
議案第79号 附属機関の設置等に関する条例の一部を改正する条例
は、全会一致で原案可決
議案第89号 平成25年度和歌山県一般会計補正予算
議案第92号 平成25年度和歌山県立こころの医療センター事業会計補正予算
は賛成多数で原案可決
日本共産党奥村規子委員は反対 → 雑賀光夫県議の議案に対する反対討論 議会中継録画(17:50〜)