2015年2月県議会 文教委員会 雑賀光夫委員の質問概要記録


2月17日 補正予算等審査
議案に対する採決
議案第17号 平成26年度和歌山県一般会計補正予算
議案第21号 平成26年度和歌山県修学奨励金特別会計補正予算
は、全会一致で原案可決


3月3日 付託議案等審査
《質問》雑賀光夫 委員
 教育長の説明の中で「きのくに教育審議会」と言われたが、かつては「きのくに教育協議会」というものがあったように思う。審議会と協議会は、別のものか。

《答弁》 教育総務課
 委員ご指摘のように、以前は「きのくに教育協議会」があったが、平成25年4月1日以降、附属機関の設置等に関する条例の改正に伴い、「きのくに教育協議会」が「きのくに教育審議会」と名前を改め、新たに設置したものである。

《意見》雑賀光夫 委員
 「きのくに教育協議会」は前教育長時代のものであるが、西下教育長にも「教育的に見て大変重要なものである」とお答えをいただいた。審議会というのは、得てして当局の言われたことを審議して、シナリオに沿って進めていくことが多いような気もするので、今後、こういうことにならないかどうか、見守っていきたい。
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《質問》雑賀光夫 委員
 付託案件について質問する。
 給与条例について、議案第65号、議案第66号と2議案が提案されている。これらは給与制度の総合的見直しと言われているが、この見直しで給与がよくなるのか。

《答弁》 給与課長
 人事委員会の勧告に基づき、給与制度の総合的な見直しを実施したいと考えている。その内容につきましては、地域間、世代間の給与配分の適正化の観点から給料表を平均2%引き下げ、地域手当の見直し、単身赴任者の処遇の改善等を行うものである。ただし、給料表の引き下げについては、現給料を下回る職員について、最長3年間、現給料を保障するものとしている。

《意見》雑賀光夫 委員
 消費税が5%から8%に上がり、安倍首相は賃上げも進んでいると言っているが、実際、増税分に追いついていないと思う。そういうことも言われている中で給与を引き下げることについて、私は納得できないので反対をしたい。
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《質問》雑賀光夫 委員
 議案第67号の定数条例について、予算特別委員会でも申し上げたが、小学校で1年生、2年生、3年生と進んでいくときの少人数学級の学年進行が2年生までで打ち切られている。それで、今まで2学級であったものが3年生になると1学級になってしまうと心配していた。去年もいくつかあったと思うが、その数と、どういうやりくりをしたのか、教えてほしい。

《答弁》 学校人事課長
 対象となった学校は全部で12校であるが、そのうち県基準どおり学級減となった学校が6校、学校に加配されていたチームティーチング教員を活用して学級分割を行った学校か3校、児童生徒数が35人以下となった学校が3校である。

《質問》雑賀光夫 委員
 特に小学校3年生というのは非常に大事な時期である。よく、学校でベテランの先生が1年生や6年生に配置されて、新しい先生が3年生、4年生に配置される場合があるが、実際に子供の発達から考えると、3年生はぐうっと変わる非常に大事な時期である。その時期に、2年生までは、例えば18人から19人であったのがヾ 私の校区の内海小学校では2クラスに分かれていたのが一緒になって 37人になり、大変苦労しているという話を聞く。そうなると、初めから37人の学級とは子どもの受けとめ方が違う。これまでは18人や19人で、先生が僕の言うことをよく聞いてくれていたと思っていた子供が、突然37人になると、先生は一生懸命やっていても、「僕が言っても先生に無視されている」と誤解してしまう場合もある。そういうことで横を向いて走ってしまうこともある。
 学年進行途中で、18人や19人であった学級が37人に一緒になるということは大変大きな問題であると思うが、そういうことで何か問題があると聞いていないか。

《答弁》 学校人事課長
 特にそこの部分で問題があったとは聞いていない。

《質問》雑賀光夫 委員
 そういうことはなかなか県教委まで上がってこないと思う。
 そうすると、来年度、このまま進むと2学級を1学級にまとめなければならない学級はいくつぐらいあるか。

《答弁》 学校人事課長
 現時点での見込みであるが、平成27年度に学級減となる学校は14校ある。

《質問》雑賀光夫 委員
 文部科学省でも、こんなことになるとは予想していなかったと思う。というのは、少人数学級の学年進行がストップしたとき、去年、私は決算特別委員会の委員であったので、その年度の予算を見ると、大幅な減額修正をしていた。年末に政権交代があり、すでに自民党政権になっていた。自民党政権下の文部科学省も、当然、学年進行で進めると思って県は予算を組んだところ、実際は削られていたので県予算は後で減額修正した。すごい減額修正だと思ったら、そのことが一つの原因であった。定数でいっても大きな数であった。
 私は、よく前置きで、定数内講師も置いて安上がりなんだからと言うが、12〜13人は県で予算措置をして学級が1つになるのをさけることはできないかと予算特別委員会でも申し上げたが、教育長はどう考えるか。

《答弁》 西下教育長
 これまでも再三申し上げてきたが、国の加配を活用し、小学校3年生から小学校6年生については1学年が2クラス以下の場合は38人学級、3クラス以上は35人学級という県独自の学級編制を実施している。予算特別委員会で知事より答弁もあったが、県独自でこれ以上拡大することは非常に厳しい状況にあると考えている。

《意見》雑賀光夫 委員
 私は、納得できない。500人も定数内講師がいるので、予算で計算すれば300人ぐらいは置けるのではないかと申し上げたが、何も300人も置けとは言わない。せめて10数人ぐらい置けないか。実際やりくりできないで、18人、19人だった学級が1つにならざるを得なかったという学校がたくさんあるというのを聞いたので、去年もこの定数条例には賛成できなかったが、今年も賛成できない。
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《質問》雑賀光夫 委員
 今年に入ってから立て続けに悲しい事件が起こった。1つは、私の地元で、中学生が女の人を刺したという事件、また紀の川市で小さい子どもが22歳の男に殺されたという事件、それから、今、全国的に問題になっている川崎市の少年グループに子どもが殺されたという事件で、大問題になっている。予算特別委員会で、防犯の観点から防犯カメラの問題などの質問があり、警察本部長、教育長にもそういう観点で答弁があった。防犯という観点からこの問題を見ることも大変大事である。もう一方では、教育問題として、どうしてこういう子どもに育ったのかという観点から見ることも大事であると思う。
 12月の県議会で学力テストの問題を議論したとき、若い芽を「早く大きくなあれ」と引っ張ってはいけない、そんなことをすると学校が息苦しくなって不登校が一層ひどくなる、そのはけ口がいじめになり、行き着く先は少年犯罪であろうと申し上げた。あのとき、私が頭に思い浮かべていたのは、以前、神戸で起こった酒鬼薔薇聖斗の幼児をバラバラにして殺した事件である。私は本会議でそのことを取り上げたが、亡くなった子どもと親御さんにはお悔やみの言いようがなかった。同時に私は、もう死んでしまいたいとの思いでひっそりどこかに隠れて住んでいる、犯罪を起こした子どもの親はどんな気持ちであろうかと思った。一般の親から言えば、うちの子どもがそんな犯罪にあわないかという心配と同時に、うちの子はそんな犯罪を起こす子どもにならないかという心配もしているという話もした。そのことを想定しながら学力テスト問題を議論した。そんな議論をビラにして地域で配ろうと思っていた矢先、私の地元で中学生が女の人を刺したという事件が起こり、びっくりした。このままビラを配れば親御さんがどういう気持ちになるだろうかと思い、ビラを書き直した。
 今、この問題の結論がすぐに出なくても、どのように考えていくのか。文教委員会でも緊急論議すればよいのではないかと思うぐらいである。この問題について、教育委員会の会議で議題に取り上げて議論をされたのか。

《答弁》 山本教育委員会委員長
 全ての事件は、委員がおっしゃたように非常に大事な問題である。
 私自身の考えを申し上げると、県としては道徳教育を今後ますます充実させていくという方向を出しており、実際、文部科学省でも今までの「読む道徳」から「考える道徳」へと言い出しているが、今回の事件はそういうレベルを超えていて、学校だけではどうしようもない、そういう問題ではないかという気がする。恐らく、スクールソーシャルワーカーとか臨床心理士、弁護士、あるいは警察の協力とか、そういうものに加えて、地域全体で取り組むことが必要ではないかと考える。学校だけではどうしようもないというのは、学校で実際にいろいろ指導できる子どもであればよいが、卒業してしまっていて、いわゆる心の病を抱えているような人もいる。そういう人を社会でどのように保護していくかという別の問題もある。今回のように学校の指導を超えていると、いじめ対策のマニュアルが果たしてどこまで通用するか、そういう問題も実際突きつけられている。ひいては、学校関係者は更生を念頭に置いていろいろと対処をしているが、法的なことについても、今後問題となってくるのではないか。
 いずれにしても、命を落とすという最悪の事態を目の当たりにしているので、理屈だけではない、もっと実践力の伴った道徳教育も必要であると考えている。

《質問》雑賀光夫 委員
 あの子が、例えば“道徳教育をちゃんとしていたら、そんな犯罪を犯さなかった”などと誰も思わない。そういう意味で、学校だけですむ問題ではない。同時に、もつと広い意味での学校の問題でもあると思う。社会の問題でもあるし、地域の問題、家庭の問題でもある。子どもたちが息詰まるような状態に追い込まれ、精神的にもおかしくなって、ああいう問題が起こってくる。
 解明はこれからであるが、教育長に、どれくらいそのことをつかんでいるのか聞きたい。川崎市の問題はわからないとしても、和歌山で起こった、女性を刺した中学生、子供を殺した22歳の男性の2人の生育歴を大体つかんでいるのか。プライバシーに関わらない範囲で結構なので、答えてほしい。

《答弁》 西下教育長
 当該の市町村教育委員会を通じて、きちんと報告を受けている。

《質問》雑賀光夫 委員
 ここで話をするのは、ちょっと難しいのか。

《答弁》 西下教育長
 はい。

《意見》雑賀光夫 委員
 無理にここで話してくれとは言わない。
 やはり、こういう子どもにどうして育ったのか。私は本会議でも、親は人殺しをするようにと子どもを育てたわけではない、優秀な子どもになってもらいたいと思って子どもを育てた、学校でも「早く大きくなれ」と芽を引っ張ることばかりしてもだめだと申し上げた。これから時間をかけてしっかりと議論する必要がある。
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議案に対する採決
議案第61号 和歌山県教育委員会委員の定数を定める条例の一部を改正する条例
議案第62号 和歌山県職員定数条例の一部を改正する条例
議案第63号 委員会の委員等の給与等に関する条例の一部を改正する条例
議案第64号 教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
は全会一致で原案可決
日本共産党 雑賀光夫委員は反対 → 雑賀光夫県議の議案に対する反対討論 議会中継録画(24:20)

議案第65号 教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
議案第66号 市町村立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
議案第67号 和歌山県立学校等職員定数条例の一部を改正する条例
は賛成多数で原案可決


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