2015年6月県議会 建設委員会 松坂英樹委員の質問概要記録
6月23日
  

《質問》松坂英樹 委員
 河川整備の目標、進め方と整備計画の策定方針について聞きたい。
 先に発表された県の地方創生の総合戦略において、県管理河川の河川整備率を37%から44%まで引き上げるという目標が示されている。また、今年度の予算編成方針では県管理河川の河川整備計画を3年間で完成させるということが示されている。
 現在策定中の河川整備計画では、これまでおおむね20年から30年間とされてきた整備期間をおおむね20年間と前倒しをし、早期に効果が発揮できるよう積極的な目標が掲げられてきたが、この総合戦略の5年間の目標もこれを具体化するものと理解している。
 紀伊半島大水害を経験した県民から河川整備のスピードアップを強く要望されていることに応えるものとなるよう、期待している。
 道路改良率はこれまでもよく議論されてきた数字であるが、河川整備率という数字が示されたのは、これまでにはないことだと思う。目標を達成するためにどのように進めようとしているのか、また、河川整備計画を3年間で完成させる今後の取り組みについて示してほしい。

《答弁》 河川課長
 河川整備率についてであるが、6月8日に決定された「和歌山県まち・ひと・しごと創生統合戦略」において、「安全・安心な暮らしを実現する」という基本目標のもと、風水害、土砂災害から県民の生命と財産を守るために、台風や集中豪雨への備えとして、水害対策の着実な推進を図るということで、河川整備率も示している。
 河川整備率は、管理区間延長のうち、山間部などの改修が不要な区間を除いた整備が必要な区間のうち、整備済みの区間の割合を示したもので、今回、平成26年度末の37%を平成34年度末に44%に上げていくということで、県全体における近年の整備の進捗状況を踏まえて目標値を設定している。
 今後、目標の達成に向けて、総合戦略の行動指標にも示したとおり、県内主要7河川の河川整備計画を平成29年度末までに策定するとともに、既に策定してある13河川の整備計画も含め、それらの計画に基づいて県管理河川の整備を推進していきたいと考えている。

《質問》松坂英樹 委員
 それでは、次に有田川の河川整備計画について尋ねたい。
 先日の審議会において、河川整備計画(原案)が、このたび計画(案)としてまとめられた。さきにも述べたが、策定作業の議論の中で、整備期間が、おおむね30年から20年に前倒しされたことは評価したいと思っている。
 審議会の議論において、委員から、有田川の水質データの中で一部が環境基準を超えていると指摘があったが、県としては、どのように認識し、今後どう対応しようとしているのか示してほしい。

《答弁》 河川課長
 有田川の水質については、BODの値が近年上昇傾向にあるということで、県としても、流域内人口や汚水処理の普及率といった負荷源が変わっているのかなどを分析したが、原因の特定には至っていない。ただ、平成26年度の速報値では、環境基準を満たしているという結果も出ている。
 今後とも、環境部局と連携しながら、しっかりとモニタリングをしていくこととは整備計画(原案)にも記載しているが、流域の自治体や地域と連携し、負荷源への対策や河川環境保全の意識啓発に努めていきたい。

《質問》松坂英樹 委員
 最近の数値はよくなってきているという答えであったが、直近の数値を示してほしい。

《答弁》 河川課長
 平成26年度の速報値を環境部局で確認したところ、保田井堰で1リットル当たり1.3ミリグラム、金屋橋で1リットル当たり1.5ミリグラム、東川橋で1リットル当たり1.2ミリグラムとなっている。

《質問》松坂英樹 委員
 しっかりとしたモニタリングを続けることは非常に大事だと思うが、これまでと同じ調査を続けるだけでは、平成15年までは一定であったものが最近は上昇傾向にあることの原因、どこからこの数値上昇が始まっているのかということがわからないままになると思う。そこで、調査地点の数をふやすとか、違った角度から分析するなどし、上昇傾向の要因と対策を探るよう、環境セクションとも連携して対応を強化すべきだと思うが、どうか。

《答弁》 河川課長
 今後とも、引き続き環境部局と連携して、水質の保全に努めていきたいと考えている。

《質問》松坂英樹 委員
 それでは、日高川の河川整備計画について聞きたい。
 日高川の河川整備計画を検討する「日高川を考える会」が先日開催され、県から整備計画の方向性が示されるとともに、住民代表の方からも意見が出されたと聞いている。
 日高川流域では、紀伊半島大水害で甚大な被害が発生していることから、住民の関心も高く、しっかりとした計画策定が求められると思うが、その整備計画の方向性の特徴はどのようなものなのか。また、住民代表の方からどのような意見が出されたか示してほしい。

《答弁》 河川課長
 日高川水系河川整備計画の策定に当たっては、昭和28年や平成23年の既往最大洪水への対応ということを基本としたが、整備に多くの費用と期間が要することから、既往最大洪水の次に大きな規模である平成15年の洪水に対応できるよう、住宅地への浸水被害が発生しないように計画期間の20年間で整備することとし、流下能力が不足している区間のうち住宅地に隣接する区域について、それぞれの区間に応じた整備内容を定めることとしている。
 また、「日高川を考える会」で出された意見については、今月11日に地域住民の意見を聞くために第2回「日高川を考える会」を開催したが、そこでは、個別の箇所に関する意見が多く出された。特に多かったのは、堤防の補強や護岸の修繕などの維持管理に関する意見であった。

《要望》松坂英樹 委員
 新聞報道によると、「考える会」からは、これで終わりか、もっと意見を聞いてほしいといった大変積極的な意見が出されたと聞いているので、住民とともに整備計画をつくり上げていくという河川法の趣旨にのっとり、しっかりと住民と一緒に整備計画を練り上げてほしいと要望しておきたい。


《質問》松坂英樹 委員
 現在、湯浅町と広川町では、歴史まちづくり法に基づく計画認定に向け取り組みを進めている。
 この歴史まちづくり法を活用したまちづくりの事例は全国で広がっており、その地域の持つ固有の歴史的地域資源の活用によって、地域の活性化などの効果が期待されていると聞いている。
 県からも支援してもらっているが、湯浅町と広川町での歴史まちづくりに関する取り組み状況と今後の予定について、また、計画認定を受けることによるメリットについて示してほしい。

《答弁》 都市政策課長
 湯浅町、広川町においては、昨年度から歴史まちづくり法に基づく歴史的風致維持向上計画の認定に向け、国土交通省、文化庁、農林水産省とのいわゆる3省庁協議を鋭意進めている。
 湯浅町においては、既に法定協議会を立ち上げ、今年度末の認定を目指しており、広川町においても、来年度末の認定を目指している。
 メリットとしては、計画が国に認定されることにより、道路や広場の整備、それから防護柵の美化に活用できる都市再生整備計画事業の交付率が従来の40%から45%にかさ上げされるほか、電線類の地中化や町並みの修景を支援する「街なみ環境整備事業」においても事業が拡充され、町並みを形成する歴史的建造物の買い取り、移設、修理、復原などが可能となる。
 県としては、これまでも、計画策定や政府要望において、このような地域資源を生かしたまちづくりを進めるための手厚い支援を関係省庁に要望するなど、さまざまな支援を行っているが、引き続き、歴史まちづくりの推進について両町への支援を行うとともに、その他の市町村に対しても働きかけを行っていきたいと考えている。

《要望》松坂英樹 委員
 湯浅町は、重要伝統的建造物群という保存すべきすばらしいものがあり、それに加えて周りの地域と合わせて活用していくという取り組みが期待され、広川町も、防災対策を昔から進めてきた歴史を持った地域ということで、本当にすばらしい地域資源があると思っている。ぜひ、引き続き県の支援をよろしくお願いしたい。


《要望》松坂英樹 委員
 議案第107号の建設事業施行に伴う市町村負担金については、防災・災害対策の県単独事業において、さらなる負担割合の軽減を要望しておきたい。


議案に対する採決
議案第107号 平成27年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
は賛成多数により原案可決
日本共産党松坂英樹委員は反対松坂英樹県議の議案に対する反対討論 議会中継録画
(17:00~)

議案第 96号 平成27年度和歌山県一般会計補正予算
議案第104号 建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例の一部を改正する条例
素案第109号 訴訟の提起について
議案第110号 訴訟の提起について
議案第113号 加太港緑地の指定管理者の指定期間の変更について
議案第114号 工事請負変更契約の締結について
議案第115号 工事請負変更契約の締結について
議案第116号 工事請負変更契約の締結について
は全会一致により原案可決

意見書(案)採決
建設委員会から「和歌山県の社会資本整備に必要な予算の確保等を求める意見書(案)」を提出することに全会一致で決定


2015年6月県議会 半島振興・地方創生対策特別委員会
 松坂英樹委員の質問概要記録
6月18日
 
《質問》松坂英樹 委員
 県としての地方創生の総合戦略が示されました。その目標をどのように達成し、県民生活を向上させていくのか、議会としても議論を進めていきたいというふうに思っています。
 そこで、私からは、県内市町村の総合戦略についてお聞きします。県の総合戦略の中でも、番に地域という言葉が位置づけられているように、魅力的な地域政策は計画の中では欠くことのできないものであり、県内市町村の総合戦略を作っていく中では、県としても重要な意味を持つと思います。そこで、計画の策定にあたっては、住民と行政による中身の濃い議論が求められ、コンサルタント任せで全国どこにでもあるような金太郎飴的計画では意味がないと思います。
 そこで、市町村は地方版総合戦略を今年度中に策定をするということとなっていますが、県は5月の市町村を集めた会議で、先行型の交付金に対応する意味で、10月までに計画策定を呼びかけられたと報じられています。地域の魅力に磨きをかける政策づくりに知恵を出すという点でも一定時間かかるであろうし、市町村によっては、長期計画などの大きな計画の策定時期と重なったり、国の法律に基づくまちづくり計画を策定中で、そういったものとの統一性・整合性を踏まえるべきところもあり、10月というと、時間的余裕がないのではないかと思いますが、総合戦略の位置づけと、県内市町村の計画策定状況はどうかという点をご答弁願いたいと思います。

《答弁》 市町村課長
 委員ご指摘の地方創生先行型交付金の上乗せ交付分タイプにつきましては、本年10月末までに地方版総合戦略を策定することが交付対象となる要件の一つとなっております。先般、委員ご指摘のとおり、10月までに総合戦略を策定した場合は、上乗せ交付金の対象となる旨紹介させていただきました。このタイプの交付金の趣旨は、昨年度来、早期に総合戦略の策定に着手し、策定を終えた団体において、年度後半に生ずる総合戦略推進のための新たな財政需要に答えるためのものでございまして、早急に総合戦略を策定することを促すものではございません。地域の実情に応じた実効性のある総合戦略を市町村には策定していただきたいと我々としては考えております。
 地方版総合戦略の位置づけにつきましては、今後5か年の目標や施策の基本的方向、具体的な施策をまとめたものです。地方における安定した雇用の創出、地方への新しい人の流れを作る等の基本的目標を設定し、そのために講ずべき施策の方向性を記載することとなっております。その中で、各施策ごとの重要業績評価指数KPIを設定し、施策の効果を客観的に検証し、実効性のあるものにしていただきたいと考えております。
 ご質問にございました県内町村の策定状況でございますが、5月に行ったアンケート結果では、現在団体において10月までに地方版総合戦略を策定する予定と報告を受けております。なお、全ての団体において年度内に策定する予定となっております。県としましては、市町村の総合戦略が実効性のあるものとなるよう、国等の情報を伝え、引き続き、きめ細かな支援を実施してまいります。

《質問》松坂英樹 委員
 今後のスケジュールのこともちょっとお聞きしたいのですが、昨年度末の経済対策の補正予算でも、すごく思ったのですが、地方、県、市町村はいろいろその経済対策の補正予算の活用方法を、アイデアを検討したのですけれども、蓋を開ければ国の示した旅行券であったり、商品割引であったり、またぞろ地域振興券というのがほとんどで、この独自性やアイデアの光るものが多くなかったと、少なかったというのが反省点だったと思うのです。今後はそんなふうにならないようにすべきだと思いますが、この中身の問題で新型交付金がどのようなものになるのか、どのようなものが示されるのかというのが、県も、それから県内市町村も気になっていることだと思うのです。そういう中でその中身とスケジュールですが、今後の国の新型交付金の内容や予算について、地方に示すスケジュールや進め方がどうなっていくのかをお示しいただきたいと思います。

《答弁》 企画総務課長
 まず、スケジュール感でございますけれども、新型交付金につきましては、6月中にとりまとめられる「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」の中で一定の考え方が示されるというふうに聞いております。また、新型交付金の内容の一端でございますが、6月12日に開催されました「まち・ひと・しごと創生会議」の資料の中で、新型交付金は各地域による先駆的な取組や独自の創意工夫のイニシアティブが働くよう従来の縦割り事業では対応しきれない課題に取り組む地方を支援するというような形で紹介されているところでございますが、私どもとしては今後も国の動向を注視していきたいと考えております。

《要望》松坂英樹 委員
 最後に要望ですが、地方創生の名のもとに取り組まれる予算や取り組みが、国の示す枠や誘導にとらわれすぎることなく、自らの地域の将来を見据えた知恵と努力にしっかりと応援・財政支援が得られるものとなるよう、県としても引き続き国に対して要望していただきたいとお願いしておきたいと思います。


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