2015年9月県議会 建設委員会 松坂英樹委員の質問概要記録

 8月31日

《質問》松坂英樹 委員
 議案第139号の工事委託契約は、「県道和歌山橋本線改良に伴う近畿自動車道松原那智勝浦線との交差箇所における工事に画する協定」という名称の和歌山市内の工事である。
 当局からの説明資料によると、県道改良のために、交差する高速道路の下をトンネルで通すという工事であり、通常のトンネルよりも神経を使う工事ということであるが、かなり高額な工事になっている。トンネル部の工事区間が28メートルであるのに対し、金額が約26億円であり、単純計算で1メートル1億円近くかかる計算になる。通常のサイズの国道や県道のトンネル工事では1メートル当たり200万円程度であり、それと比較すると、約50倍もの工事価格になっている。なぜ、ここまで高額な工事となるのか、その理由を説明してほしい。

《答弁》 道路建設課長
 本協定は、県道和歌山橋本線道路改良事業に伴う阪和自動車道との交差部における工事を、高速道路管理者であるNEXCO西日本に委託する契約である。工事内容は、高速道路の通行車両の安全を確保しながら、路面に非常に近接した位置にトンネルを掘削するもので、このような特殊条件に対応できる工法を採用しているため高額ではあるが、妥当な金額であると考えている。

《質問》松坂英樹 委員
 難工事のため高額になるという説明であるが、それだからこそ、県民に理解を得られるようにしなければならないと思う。
 それでは、工事の手続と透明性について聞きたい。
 契約方式は、NEXCO西日本との随意契約ということになっている。地方自治体が行う契約は競争入札が原則で、随意契約は例外的なものときれている。県民から見ると、随意契約となれば、相手の言い値になるのではないか、競争入札よりも高くつくのではないか、という疑問の声が上がるのも当然だと思う。工事自体は、NEXCO西日本が行うのではなく、NEXCO西日本の下請業者が施工すると思うので、通常の県工事の発注と変わらないと考える。
 そこで、この工事価格には入札による競争性が考慮されているのかどうか、そしてもう1点、工事はNEXCO西日本に委託となるが、受注の透明性はどう担保されていくのかを聞きたい。

《答弁》 道路建設課長
 協定締結後、NEXCO西日本において、一般競争入札により発注を行うと聞いている。そのため、県で入札する工事と同様に競争原理は働くと考えられる。

《質問》松坂英樹 委員
 一般競争入札を行うということはわかったが、その結果は公表されるのか。

《答弁》 道路建設課長
 当然公表される。

《質問》松坂英樹 委員
 NEXCO西日本において一般競争入札が行われ、予定価格よりも落札価格が低くなり、その結果入札差額が生じた場合、後に契約変更議案が議会に上程されるという認識でよいか。

《答弁》 道路建設課長
 契約金額の変更が生じれば、議案として議会に上程される。

《質問》松坂英樹 委員
 次に、随意契約という契約方式について聞きたい。
 工事がNEXCO西日本やJR西日本に関係する場合、毎回随意契約という形で議案が上程されてくる。
 県が工事の主体であるので県が発注し、工事管理については、NEXCO西日本やJR西日本に厳重に安全管理してもらうようにすれば、工事も価格も丸投げという印象を拭えると思う。そうはいかなくても、NEXCO西日本が一般競争入札をした結果の落札価格をもとにして県と契約を結べばよいと思う。そうすれば、言い値という印象もない。後で入札結果を公表するのであれば、そのような工夫もできるのではないかと思う。
 今回の議案の中身は、見積もりに基づく協定ということになっているが、やはり随意契約となっているのは、県民にとってもわかりにくいと思うが、どうか。

《答弁》 道路建設課長
 本協定は、供用中の高速道路区域内での工事を高速道路管理者であるNEXCO西日本に委託する契約である。そのため、契約手法としては、地方自治法施行令第167条の2第1項第2号による随意契約となる。

《要望》松坂英樹 委員
 法律的には契約を交わさなければ仕方がないということであると思うが、中身が県民や国民によくわかるように、いっそう工夫することを要望しておきたい。
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《質問》松坂英樹 委員
 広川の井関地区における堆積土砂対策について聞きたい。
 先月7月の台風により、広川で大変な被害が発生した。被害を受けたのは広川町井関地区で、広川本川が極端に蛇行し、かつ左右から支流が流れ込むため、広川の流速が一気に落ち、多量の土砂がたまりやすい場所である。
 そこには大量の土砂が堆積しており、その下流部で堆積土砂を一生懸命取っても、雨が降るごとに上流部でたまっている土砂が流れてくるため、ポイントとなる場所で対策をとらないと、同じことの繰り返しであるという意見を聞くが、井関地区における堆積土砂への対応について、県はどのように考えているか。

《答弁》 河川課長
 河道内の堆積土砂の撤去について、局所的なものについては、河川の状況を確認しながら、洪水の流下を著しく阻害するなど、緊急性の高いところから修繕費で対応している。
 抜本的な対応が必要な規模のものについては、上下流のバランスなども考慮する必要があり、河川整備計画において具体の対策を検討し、対応することとなっている。
 広川中流部における堆積土砂の撤去については、現地の状況をしっかりと調査し、洪水の流下にどの程度の影響を与えているか等を確認した上で対応を検討していく。

《要望》松坂英樹 委員
 現場には、河川におりていくところがないので、どういう対策をとるかなどについて、地元と協議しながら進めてほしい。

《質問》松坂英樹 委員
 江上川における堤防決壊の災害復旧対策について聞きたい。
 先月7月の台風で、江上川の上中野地内で堤防が決壊し、大きな被害が発生した。実は、その決壊した箇所というのは、去年の台風で堤防が壊れ、災害復旧で直したところの隣である。地元からは、去年の災害復旧で直してもらいとてもありがたかったが、壊れた部分をもとどおりにしてもらっただけで、その続きの弱いところはそのままであり、そこが今年壊れたので、せっかく直してもらったのにという思いがある。
 そのため、今年壊れたところも、そこだけをもとどおりに直した場合、同じことが起こるのではないかと心配している。今年の堤防決壊の災害復旧工事について、どのように考えているか聞きたい。

《答弁》 河川課長
 江上川の護岸被災箇所は、昨年度災害復旧工事を行ってブロック積護岸で対応したところで、その下流側が浸食され被災したものである。当該箇所は、河川が屈曲しており、水の流れが強く当たる水衝部であるため、被害を受けやすいところである。
 昨年度施工した6.15メートルの区間に加えて、今回被災した下流側の7.6メートルの区間の計13.75メートルの区間について、ブロック積護岸で復旧することで、この箇所の一連の水衝部への対応は完了するものと考えている。

《要望》松坂英樹 委員
 今回、去年修復したブロックのところも壊れている。去年対策した箇所がまた壊れたということであり、何のための工事かということになる。
 大きな災害では、元どおりにするだけでなく、改良しながら復旧していく改良復旧という手法をとることもある。大きい災害では、大きい目で見ながら対応することも必要であるが、このような小さな被災箇所においても、ぜひ今回のことを教訓にし、改良復旧的な手法で予防的な措置も含めて事業をしてもらうよう要望しておきたい。


議案に対する採決
議案第133号 平成27年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
は賛成多数により原案可決
日本共産党 松坂英樹委員は反対 → 奥村規子県議の議案と請願の不採択に対する反対討論
                                 議会中継録画
(   )

議案第119号 平成27年度和歌山県一般会計補正予算
議案第131号 和歌山県流域下水道条例の一部を改正する条例
議案第132号 和歌山県流域下水道の構造の技術上の基準及び終末処理場の維持管理に関する条
        例の一部を改正する条例
議案第135号 訴訟の提起について
議案第136号 工事請負契約の締結について
議案第137号 工事請負契約の締結について
議案第138号 工事請負契約の締結について
議案第139号 工事請負契約の締結について
議案第140号 工事請負契約の締結について
議案第141号 工事請負契約の締結について
議案第142号 工事請負変更契約の締結について
議案第143号 工事請負変更契約の締結について
議案第144号 工事請負変更契約の締結について
議案第145号 工事請負変更契約の締結について
は全会一致により原案可決

意見書(案)採決
委員会から「和歌山県の社会資本整備に必要な予算の確保等を求める意見書(案)」
を提出することに全会一致で決定


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