2016年2月和歌山県議会 議案に対する反対討論
 雑賀 光夫  議会中継録画(26:00)
   

                                                               2016317

 日本共産党県議団を代表しまして、議案第1号、3号、7号、16号、41号、51号から53号、55号、57号、79号から82号、84号及び167号、議請第4号の不採択に対する反対討論を行います。
 議案第1号は、平成28年度和歌山県一般会計予算です。
 算規模は5752億円で、前年度より2%にあたる120億円減となっています。
 歳入では、県税収入は948億円で前年度よりも2.4%の22億円増える見込みです。地方交付税と臨時財政対策債を合わせた額は1901億円で34億円増えるとされました。県債は臨財債を含め823億円で、前年度より76億円減るとされたものの、県債残高は209億円増えて、1兆341億円と見込まれ、1兆円を超えてからも、なお増え続ける予想です。
 主な事業について申し上げます。
 国直轄事業負担金の総額は139億円ですが、その中には和歌山下津港の南防波堤工事や、日高港の泊地整備というムダな公共事業が含まれています。わかやま国体開催をひかえて前年度まで増加していた高速道路等の国直轄道路負担金は減額したものの87億円で、うち京奈和自動車道の和歌山ジャンクションの大規模工事が含まれており県負担金は58億円と見込まれています。必要以上に大きな工事ではないでしょうか。
 また、「紀淡海峡ルート・フリーゲージトレイン整備促進」広報活動費に247万円を計上しています。今はわずかな額ですが、本当にこんな公共事業がすすめられるなら、県財政を圧迫することになります。
 評価できるものとしては、生活困窮家庭向けの給付型奨学金の新設、少子化対策として、第3子以降の保育料等の無料化拡充や、介護事業所内保育所整備への支援、不妊治療助成の拡充、保育士・産科医確保のための返済免除付き貸付制度創設など、国の制度を活用しながら県としても支援を充実させたこと、民間が行う「子ども食堂」への支援は歓迎します。今後さらに拡充していくことを求めます。
 しかし、抑制・削減された事業も少なくありません。県単独福祉医療助成制度では、老人、重度心身障害児(者)は制度改悪以来減額され、市町村や県民からの要望が高い子どもの医療費助成制度の拡大は行われず、ひとり親家庭も含めた4制度の合計では、前年度より1億2000万円の削減になっています。
 また、母子生活支援施設や医療型児童発達支援センターの民間譲渡により、県費が約5000万円削減されています。
 「高すぎる国保料」「のしかかる医療費」「保険あって介護なし」「切り下げられる生活保護」など福祉充実への県民の願いは切実です。「消費税引き上げはすべて福祉に回す」というのなら、もっと改善されてしかるべきではないでしょうか。
 教育問題では、学力問題や不登校が大きな問題になりました。新年度でも県独自の学力テストの実施や、先進県への教員派遣などが予算化されていますが、先進県に学ぶというなら教員定数の改善などを進めるべきです。小学校2年生から3年生に上がるときに1クラス減る場合がある問題、定数内講師が528人いる問題などこそ改善すべきです。
 毎年指摘していますが、コスモパーク加太対策事業として、新年度も6億3600万円を支出し、土地開発公社から1平方メートル581円で借りた土地をカゴメ加太菜園に100円で貸すという優遇措置をこれまでどおり続けています。ゆきすぎた優遇措置は見直すべきです。
 議案第3号は、中小企業振興資金特別会計予算です。ゆがんだ同和行政についての反省もなく、高度化資金の貸付や債権管理の実態が不透明なものを残しており、県民の理解を得ることはできません。
 議案第7号は、県営競輪事業特別会計予算です。公営ギャンブルを認めることはできないという立場から反対です。
 議案第16号は、土地造成事業会計予算です。呼び込み型開発失敗の責任を反省し、説明責任を果たすことなしに、県民の税金から損失補てんを続けることには賛成できません。
 議案第41号は、職員の分限に関する条例改正です。地方公務員法の改正により、能力評価と業務評価を中心とする人事評価制度の導入が義務付けられました。住民の福祉増進を図ることを基本とする地方公務員に成果主義はなじまないとする立場から反対です。
 議案第51号、52号はマイナンバー法施行に伴う条例改正です。高校生等への奨学給付金支給に関する事務などを追加するものですが、マイナンバーの最大の狙いは、国民の収入や財産を政府が掴み、税や保険料の徴収強化をおしつけることであり、また安全性への問題も明るみになってきています。マイナンバーの取り扱い事務の拡大には賛成できません。
 議案第57号は、動物の愛護及び管理に関する条例改正です。「動物愛護・管理」をめぐって県民同意を得られない問題で、罰則の新設・強化を急がなくてはならないのかどうか、継続審議として引き続き県民を含めた議論が必要と考えます。
 なお、議請第4号は、この条例改正を行わないことを求めた請願です。委員長報告の不採択には反対です。
 議案第79号は、風営適正化法の改正に伴う条例改正、53号、55号、80号もそれに伴う条例改正です。若者から高齢者まで健全な文化として普及しているダンス、クラブ文化を風俗営業法の枠内で規制すべきではないと考え、今回の法改正に伴う条例改正には賛成できません。
 議案第81号は、使用料及び手数料条例改正です。介護支援専門員に係る研修制度の見直しに伴う大幅な受講料の引上げには反対です。
 議案第82号は、建設事業施行に伴う市町村負担金を求める議案です。市町村負担金のさらなる軽減を求める立場から反対です。
 議案第84号は、関西広域連合規約の一部の変更です。関西広域連合が実施する事務に「まち・ひと・しごと創生法に規定する計画」が追加されます。関西広域連合の事務拡大には反対する立場から賛成できません。
 議案第167号は、中小企業近代化資金貸付金の権利の放棄です。現在も、滞納債権回収に努力はされておりますが、ずさんな債権管理によって債権放棄を余儀なくされたことは、県民の理解を得ることはできないと考えます。
 以上で、反対討論を終わります。


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