2016年9月県議会 建設委員会
   松坂英樹副委員長の質問概要記録
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《質問》松坂英樹 副委員長
 和歌山下津港への大型クルーズ客船誘致に向けた補正予算事業の具体的な内容について説明願いたい。

《答弁》 港湾空港振興課長
 和歌山下津港において、14万トン級のクルーズ客船が、入出港時に安全に航行できることを検証するための調査の費用である。
 現在、和歌山下津港では7万トン級のクルーズ客船までの入港が可能であるが、日本に寄港する外航クルーズ客船が大型化している状況を踏まえ、これらに対応することを目指すものである。

《質問》松坂英樹 副委員長
 14万トン級のクルーズ客船の誘致を目指すということであるが、和歌山下津港へのクルーズ客船の寄港実績、また、全国的な14万トン級の客船入港実績を示してほしい。

《答弁》 港湾空港振興課長
 和歌山下津港へのクルーズ船の実績は、過去5年間に12回のクルーズ船が来港している。
 また、全国的に見た13万トン級の入港実績は、詳細な資料は持ち合わせていないが、外国船のクルーズ船が大型化していると聞いている。博多港においては、16万トン級の船が入っていると聞いている。

《質問》松坂英樹 副委員長
 議案第214号の追加補正予算では、新宮港について、港湾建設費で1億5000万円余が増額補正されているが、国の経済対策でこうした大型クルーズ船誘致に向けた港湾整備なのか、どのような事業内容なのか。

《答弁》 港湾漁港整備課長
 新宮港の補正予算事業の内容であるが、新宮港は、5万トン級の飛鳥Ⅱが入港可能な最大船型となっているが、岸壁前面の泊地を一部拡幅することにより、7万トン級のクルーズ船が入港可能となる。そのため、今回の補正予算では、泊地の拡幅に当たり、補強が必要な護岸が一部あり、この設計費用等を計上している。また、あわせて防舷材の取りかえに必要な経費を計上している。

《質問》松坂英樹 副委員長
 その泊地整備事業の全体事業費はどの程度の概算見積りをしているのか。

《答弁》 港湾漁港整備課長
 泊地の拡幅については約2億円を見込んでおり、防舷材の取りかえについては3000万円を見込んでいる。

《質問》松坂英樹 副委員長
 新宮港への大型クルーズ客船の寄港実績、また、全国的にみた県内港湾への大型クルーズ客船の寄港実績はどうか。

《答弁》 港湾空港振興課長
 新宮港へのクルーズ船の寄港実績は、過去5年間で26回の実績があった。
 また、国土交通省の発表によると、平成27年は全国で1,454回の入港があった。
 そのうち、和歌山下津港には3回、新宮港には8回である。全国的な順位は、和歌山下津港が28位程度、新宮港が23位程度である。

《質問》松坂英樹 副委員長
 全国では、7万トン級では年60回程度、14万トン級では年25回程度と聞いており、それを和歌山に呼び込むための整備だと思うが、今後、日高港などを含めた他の県内港湾でも大型クルーズ客船誘致のための港湾整備を検討していくのか。

《質問》 港湾空港振興課長
 日高港など他の県内港湾へのクルーズ船の誘致については、基本的には既存の施設をいかした形で行っていく。その上で、誘致については、既存の施設で入る船を優先的に誘致活動を行っていく。

《要望》松坂英樹 副委員長
 こうした誘致や施設整備の問題では、施設等の条件整備が先か、実績を上げるのが先かという議論がある。海に囲まれたわが国が、船舶を利用した貨物輸送や旅行に力を入れるのは当然であるが、全国的にも、何百億円の釣り堀と揶揄されるような過大な予測に基づく大型公共事業がムダ使いと問題とされてきた。同様に、航空機の発達に向けた地方空港の乱立や滑走路の大型化がどのような結果になっているかを見てもわかると思う。結局、大手ゼネコンやマリコンの仕事づくりにしかならず、その負担は国民に回されていると批判されている。
 新宮港へのクルーズ客船が増えているのは、有利な地の利をいかした観光資源の発信と、地元の歓迎体制の充実など地道な努力の積み重ねがあると考える。
 経済対策や地域振興を掲げるのであれば、このようなことにもっと支援を行うべきである。
 また、台風の上陸が続くなど、昨今の異常気象に対応した河川や道路などの社会資本への災害対策強化が求められているなど、県全体の予算については優先順位をしっかりと検討すべきであると考える。
 大型クルーズ客船誘致の取り組みについては、県内観光資源のPRや、地元を含めた受入体制の強化に力を入れること、施設整備については、既存港湾の施設と能力の有効活用、身の丈に合った整備に努め、大型クルーズ客船誘致を看板に掲げた更なる港湾整備合戦にならないように要望しておきたい。
 施設整備の追加補正予算については、賛同できないことを申し上げておきたい。
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《質問》松坂英樹 副委員長
 危険な空き家の対策について聞きたい。
 空き家対策は、活用とともに危険な空き家撤去への取り組みが大事である。空き家対策にかかる法律も整備され、国の制度を活用した市町村の制度も広がりを見せているが、県内の市町村の取り組み状況や撤去数はどのようになっているか。

《答弁》 建築住宅課長
 個人への補助制度の取り組みについては、県内の3市5町において、除却に係る費用、除却に伴う産業廃棄物の処分費の一部補助を実施している。また、3市が、国の補助事業である空き家再生等推進事業を活用している。
 撤去数については、市町村が、空家法に基づき、空き家の適正管理を行うよう所有者等に助言・指導した結果、法施行以降延べ51戸が除却されたと市町村から報告を受けている。

《質問》松坂英樹 副委員長
 地域で課題であった空き家が撤去され、市町村の対応が住民から歓迎されていることをよく聞き、うれしく思っている。県として、危険な空き家にどう取り組んでいくのか。

《答弁》 建築住宅課長
 再利用が見込めない空き家については、除却を促進していくことが必要と考えている。1つ目として、国の補助制度を市町村へ周知し、2つ目として、県が主体となり、市町村、学識経験者、弁護士等から構成される和歌山県空家等対策推進協議会を設立することとしており、県としても市町村の空き家対策を支援していきたいと考えている。

《要望》松坂英樹 副委員長
 市町村では、国の補助制度を活用できない部分をカバーするための工夫を行っている。県は、国の補助制度の活用を周知するとともに、市町村の工夫や努力を支援することも積極的に検討するよう要望しておく。


議案に対する採決
議案第202号 平成28年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
議案第214号 平成28年度和歌山県一般会計補正予算
議案第215号 平成28年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
は賛成多数により原案可決
日本共産党 松坂英樹副委員長は反対
 → 雑賀光夫県議の議案に対する反対討論 中継録画
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議案第192号 平成28年度和歌山県一般会計補正予算
議案第198号 南紀白浜空港条例の一部を改正する条例
議案第201号 和歌山県使用料及び手数料条例の一部を改正する条例
議案第203号 訴訟の提起について
議案第205号 工事請負契約の締結について
議案第206号 工事請負契約の締結について
議案第207号 工事請負契約の締結について
議案第208号 工事請負契約の締結について
議案第209号 工事請負変更契約の締結について
議案第210号 工事請負変更契約の締結について
議案第211号 工事請負変更契約の締結について
議案第216号 工事請負契約の締結について
については全会一致により原案可決

意見書(案)採決
委員会から「和歌山県の社会資本整備に必要な予算の確保等を求める意見書(案)」を提出することに賛成多数により決定
日本共産党 松坂英樹副委員長は反対 → 意見書に対する反対理由


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