2016年12月県議会 建設委員会 松坂英樹副委員長の質問概要記録
  
20161215

《質問》松坂英樹 副委員長
 橋梁の老朽化対策について聞きたい。
 有田川町内の国道480号に川崎橋というかなり古いコンクリート橋があるが、住民の方から「たいがい古い橋だけれども大丈夫か、耐震とかも心配だ」という声が寄せられている。
 この間の笹子トンネル事故を教訓とし、橋梁やトンネルは5年ごとに点検し、その点検結果を基に対策をすることになったと聞いている。
 振興局に調べてもらうと、先ほどの橋については、点検の結果、急がないがこの先対策を検討すべき橋、ということであった。
 そこで、橋梁やトンネルの点検結果に基づく対策について、何点か聞きたいと思う。
 まず、点検結果は、4段階で評価するということであるが、それはどのような内容なのか示されたい。

《答弁》 道路保全課長
 点検については、道路法が平成26年に改定され、道路施設のトンネルや橋は5年に1回の点検が義務化された。それを受けて、県でも平成26年度から点検を実施している。
 点検結果の判定については、判定区分が4段階となっている。
 まず、区分1は、健全ということで、橋の機能が健全ということである。
 区分2は、老朽化しているが、橋の機能には支障はないものの、修繕するのが望ましいものである。
 区分3は、老朽化し、橋の機能に支障が生じる可能性があり、修繕した方がよいものである。
 区分4は、老朽化しており、橋の機能に支障が生じているため緊急な対策が必要なもの、という4段階にわかれている。

《質問》松坂英樹 副委員長
 それでは、県の橋梁、トンネルの点検結果はどうであったか。

《答弁》 道路保全課長
 まず、橋梁については、平成28年4月現在の県管理橋梁は2,468橋あり、そのうち平成26年度、平成27年度の2ヵ年で591橋の点検を行った。
 その結果として、先ほどの判定区分4の緊急な対策が必要な橋梁はなく、区分3の修繕が必要な橋梁は66橋、区分2の修繕が望ましい橋梁は222橋、区分1の健全な橋梁が303橋であった。
 また、トンネルについては、県管理のトンネルは166本あるが、これについては、今年平成28年度から3ヵ年で点検することになっている。

《質問》松坂英樹 副委員長
 幸いにも、すぐに通行止めとなる4ランクの橋はなかったようであるが、3という、かなり注意が必要な段階のものが66橋ということで、調査した全体の1割強を占めているが、これらの橋梁について、今後どのように対応していくのか。
 加えて、これまでの維持管理予算では、このような補修・改修には対応できないのではと心配するが、どのように事業化・財源を確保していくのか。

《答弁》 道路保全課長
 確かに、道路の管理者としては、このような修繕費用を確保していかなければならないと考えている。全体の予算も限られているため、この限られた予算の中で、修繕の費用についても、コスト縮減等を図りながら予算を確保していきたいと考えている。
 道路の管理者の責務としては、道路を通行する方の安全を確保するために、適正な維持管理に努めていきたい。

《要望》松坂英樹 副委員長
 しっかりと財源や予算を確保していくという回答であったと思う。
 点検の結果必要となった改修については、国補助事業対象であると聞いているので、そういう補助事業も活用しながら、計画的にしっかりと老朽化対策、維持管理を進めていくようお願いしたい。
 また、先に例に出した川崎橋であるが、構造的な補強策は時間をかけて検討するにしても、橋の欄干がもう物騒な状態になっているので、通学路でもあることから、安全対策については早急に検討・対応してもらうよう要望しておく。
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《質問》松坂英樹 副委員長
 防波堤の整備について聞きたい。
 部長説明の中で、今回の補正予算では、津波対策としての防波堤整備やクルーズ船対応の港湾施設整備の関係で約8億5000万円、海岸保全で、津波避難困難地域の解消や高潮防止等で2億1000万円の増額補正との説明があった。津波対策の防波堤整備という点で、今回の補正予算でどのような事業を予定し、どの程度の事業進捗が見込まれるのか。

《答弁》 津波堤防整備室長
 今回の補正予算のうち、津波対策の補正については、平成26年10月に策定された「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」に基づくもので、漁港関係では、串本漁港及び周参見漁港において防波堤のかさ上げ、拡幅を進める費用として5億2500万円、港湾関係では、由良港の津波防波堤の新設費用として1億3650万円、海岸関係では那智勝浦海岸、串本海岸の防潮堤のかさ上げ、補強等の費用として1億910万円を計上している。
 個別事案については、それぞれ工法や規模が異なるため、どれだけ事業が進むか明言できないが、いずれにせよ、「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」に基づく津波対策の早期完成のため、事業の進捗を図るものである。

《要望》松坂英樹 副委員長
 このプログラムは、完成までにボリュームも多く、こういった補正予算も活用しながら、しっかりと事業進捗を進めるよう要望しておく。
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《質問》松坂英樹 副委員長
 3点目に、大型クルーズ船対応の港湾整備について聞きたい。
 港湾施設整備の補正予算には、前回9月議会の補正予算に引き続いて大型クルーズ船入港に向けた港湾整備が含まれている。前回の補正で設計費用が予算化された新宮港、並びに和歌山下津港では国直轄港湾工事の負担金が計上されているが、それぞれ具体的にどのような内容の工事になっているのか。

《答弁》 港湾漁港整備課長
 クルーズ関係の補正予算については、新宮港と直轄事業負担金として和歌山下津港を上程している。
 新宮港は、5万トン級の飛鳥Ⅱが入港可能な最大船型であるが、岸壁前面の泊地を一部拡幅することにより、7万トン級のクルーズ船が入港可能となる。9月議会の補正予算では、泊地拡幅にあたり補強が必要となる護岸の設計と岸壁の補修費用としての予算を計上した。今12月議会では、泊地を一部拡幅するための工事の予算を補正予算として上程している。
 和歌山下津港については、大型クルーズ船を対象とした操船シミュレーションを県が実施することになっており、これに必要な経費が9月議会で承認されている。それに引き続き、受け入れのための係船柱の改良工事を国直轄で行う予定であり、今12月議会では、事業費を1億円と想定し、直轄港湾負担金として3565万円を上程している。事業の内容は、係船柱4基と防舷材4基の改良工事を実施する予定と聞いている。

《要望》松坂英樹 副委員長
 9月の委員会でも指摘したが、大型クルーズ船の寄港状況から見れば、経済対策の名の下に過大な見込みに基づいて、全国の港が誘致合戦、整備合戦をすることには賛成できない。県としては、和歌山の魅力を磨くクルーズ船誘致活動や、地元対応への支援に一層力を入れるよう要望しておく。
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議案に対する採決
議案第226号 平成28年度和歌山県一般会計補正予算
議案第244号 平成28年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
については賛成多数により原案可決
日本共産党 松坂英樹副委員長は反対 → 松坂英樹県議の議案に対する反対討論
中継録画1800~)

議案第235号 和歌山県港湾施設管理条例の一部を改正する条例
議案第236号 和歌山県プレジャーボートの係留保管の適正化に関する条例の一部を改 正する条例
議案第246号 県道路線の認定について 建設委員会
議案第247号 訴訟の提起について
議案第249号 日高港緑地の指定管理者の指定について
については全会一致により原案可決

意見書(案)採決
委員会から「紀伊山地における国直轄による大規模土砂災害対策事業の強力な推進を求める意見書(案)」を提出することに賛成全員により決定


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