2017年9月和歌山議会
     議案に対する反対討論  雑賀光夫
              2017928
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 日本共産党県議団を代表しまして、議案第152号、156号、157号、158号及び159号に対する反対討論を行います。
 まず議案第152号、一般会計補正予算には、大型クルーズ船呼び込みのための港湾整備が含まれています。
 現在、国際競争力の強化を理由に、全国で港湾整備がすすめられています。県内では昨年度から、5万トン級の船まで入港できる新宮港を7万トン級の入港に対応するための港湾整備が行われていましたが、今回はさらに12万トン級の入港まで計画が拡大されました。和歌山下津港和歌山本港や日高港でも、クルーズ船の大型化に対応した港湾整備が計画されています。
 しかし、昨年の入港実績を見ても、博多港や長崎港、那覇港などでは数百回であるのに対し、和歌山県では新宮港9回、和歌山本港2回など、合わせて十数回であるうえに、寄港したクルーズ船は旅客定員に対して空席が多い状況です。これらの現状にてらし、他府県との大型クルーズ船誘致競争で数億円をかけて港湾整備をしても、寄港数や観光客の数が劇的に増える見込みはありません。今ある施設を活用した観光振興にこそ知恵を絞るべきと考えます。
 以上のことから、今回の補正予算には賛成できません。
 なお、補正予算では、隣保館にエレベーターを設置することが提案されています。高齢化が進むなかで、エレベーターをつけてほしいという公民館もたくさんあります。こういう願いにも応えていっていただきたいと思います。
 次に議案第156号は、企業立地促進法改正に伴う、同意集積区域における県税の特別措置の改正です。
 法改正では、全国でわずか2,000社ほどの特定の企業を「地域経済けん引事業者」として、税制優遇や補助金などの支援策を集中させます。さらに、けん引事業者による提案制度では、条例の規制緩和・規制撤廃や、自治体が保有するデータのけん引事業者への提供を提案できるようになる、いわゆる「地域版特区」の制度が導入されます。
 県民のくらしや環境保全よりも、特定の企業を優遇し、企業利益を優先することになりかねない法改正に伴う条例の改正には反対です。
 次に議案第157号は、都市公園法の改正に伴う、都市公園条例の改正です。法改正では、都市公園内にカフェやレストラン、その他の施設の設置・管理を認めます。民間開発事業者による都市開発の一部として、公共空間である都市公園が自由に使用され、災害時の避難場所などの公共機能が損なわれるおそれがあります。以上の法改正に伴う条例改正には反対です。
 次に議案第158号、使用料及び手数料の改正には、通訳案内士資格の規制緩和が含まれています。通訳ガイドの質の低下や、全国で問題になっている悪質ガイドの横行を助長することにつながりかねません。
 加えて、小規模不動産特定共同事業実施のための改正が含まれています。参入規則で定められた事業者の資本金1億円以上を1千万円まで引き下げ、許可制から登録制に緩和し、ネットでも手続できるようにして、小口投資家を募るものです。ハードルを下げて不動産事業への投資を促すのは、国民・県民をリスクにさらすことにつながります。
 いずれも法改正に伴い、県は手数料の設定など必要な措置をとるものであると理解しておりますが、これらの施策がすすむことには賛成できません。
 最後に議案第159号は、建設事業施行に伴う市町村負担金を求める議案です。市町村負担金のさらなる軽減を求める立場から反対です。
 以上で、議案に対する反対討論を終わります。

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