2019年9月議会
 「統合型リゾート(IR)の誘致に関する決議(案)」
 に対する反対討論
 奥村規子
  
  中継録画(43:00)
                                           2019927
 日本共産党県議団を代表しまして、和議第10号「統合型リゾート(IR)の誘致に関する決議(案)」に対する反対討論を行います。
 当決議案は、本県への統合型リゾートIRの誘致活動を積極的に推進することを表明するものです。IRとは、カジノを中心とする施設であり、カジノはこれまで刑法が禁止してきたとばくを解禁するものです。日本で最初にとばくが禁止されたのは、西暦689年、女性天皇である持統天皇が発布した「双六ばくち禁止令」です。その後1,300年以上、とばくは禁止されてきました。
 また昭和25年、「とばくにも営業の自由を与えよ」と主張した裁判において最高裁判決では、次のようにのべられています。「勤労その他正当な原因によるものでなく、単なる偶然の事情により財物の獲得を僥倖(ぎょうこう)せんと相争うごときは、国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜじめ、健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風を害するばかりか、甚だしきは暴行・脅迫・殺傷・強窃盗その他の副次的犯罪を誘発し国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらある」とし、「公共の福祉に反するものといわなければならない」としています。この判決は今も生きています。
 カジノは人の射幸心を利用し、何も生産することなく、付加価値も生まず、ひとのお金を移動させるだけで、勤労意欲をそぎます。それに加え、胴元であるカジノ業者に国民・県民の懐からお金を巻き上げられます。まともな経済活動などとはとてもいえません。
 日本はすでにパチンコと公営ギャンブルを合わせ、市場規模が27兆円にも上るギャンブル大国です。ギャンブル依存症も300万人をこえ、深刻な社会問題を引き起こしています。カジノ誘致によりギャンブル依存症は間違いなく増加します。
 また、IRカジノは民間企業が莫大な投資をするものであり、一度できてしまえば、長期にわたり事業が続くことになります。公営ギャンブルなら県行政の意志ひとつでとりやめることもできますが、民間業者では途中でやめることもできなくなります。
 カジノ誘致には、和歌山弁護士会も対しています。
 ましてや、候補地の和歌山マリーナシティは防災上も危険です。ここに常時1万人以上もの人をよびこむ施設を建設することが本当に妥当なのでしょうか。
 人口減少対策、経済成長を考えるのであれば、地道ではあっても働くことが希望と喜びとなるような、地域に根差した健全な施策に徹するべきだと思います。
 以上のことから、和議第10号の決議には反対します。


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