2020年6月県議会 総務委員会
 奥村規子委員の質問概要記録
                2020623


《質問》奥村規子 委員
 職員の不祥事についてである。こういったことが県職員においてこれまでもあったが、発生した背景についてどのように考えているのか。

《答弁》 秘書課長
 本人の日頃の勤務態度は非常にまじめで、業務によく取り組んでいた。このようなことが起こるとは、なかなか計り知れないことだった。研修では、県民の信頼を損なうことのないよう、日常生活も含めて心がけることを常々指導している。
 今回の背景については、特に心当たりや思い当たるところはない。

《要望》奥村規子 委員
 日頃の態度では、なかなか計り知れないということで難しいと思う。
 今後の防止についてであるが、公務員としての自覚を高めていけるよう工夫し、一層取り組んでいってほしい。よろしくお願いしたい。
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《質問》奥村規子 委員
 新型コロナウイルス感染症への対応で、知事室に直接県民からのお声や団体から要望があると思うが、私も知事室へ何度か要望に行かせていただいたが、そのような要望はどのように吸い上げられ、どうなっていくのか教えてほしい。

《答弁》 政策審議課長
 県民の声いわゆる投書については、県政ポストという受付窓口を持っており本年度も多数の意見をいただいているところである。原則知事が全て確認し、それに対する対応を行うが、先ほど(他の委員から)ご質問をいただいた県内在住確認書についても対応すべきということで実施をしたところであり、いただいたご意見に対して真摯に検討し、対応している。

《質問》奥村規子 委員
 県民から何件程度、投書が来ているか教えてほしい。

《答弁》 政策審議課長
 団体からの要望という集計ではなく県政ポストに関してのお答えになるが、令和2年度5月末現在で約2,100件のご意見をいただいている。

《質問》奥村規子 委員
 色々な担当課や場所で反映されていくのだろうと思うが、今回、近畿ブロック知事会議の中で「保健医療体制の強化支援」も提言としてまとめられているということである。非常に心配するのが地域医療体制で、医療機関の経営状況に対する何らかの提言はあるのか。

《答弁》 政策審議課長
 経営改善ということについては、国から第二次補正も出たところであるが、医療機関の経営改善にもつながるよう交付金の大幅増額等について全国知事会として要望したところである。
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《答弁》奥村規子 委員
 県職員に関して残念なことがあった。県職員としての自覚の向上を図っていくことは本当に難しい課題であると考えるが、このようなことを二度と起こさないよう何か具体的な取組を考えているのか。

《答弁》 企画部長
 万引きをしてはいけない、窃盗をしてはいけないというのは当然のことであり、これを行わないようにするための具体的な取組は、なかなか難しい。一般的に、公務員としての倫理観の向上は、新規採用時の研修で行うようなものであり、例えば職場研修等の場でそれを続けて徹底していくしかないと考えている。

《要望》奥村規子 委員
 (してはいけないのが)当然のことが実際には起こってしまっている。上からしてはいけないといった話だけではなくて、公務員としての自覚に関しては、やりがいがある仕事であると思っており、このようなことに至らないような取組を考えていただくとともに、これから成長していく若い職員が多くいるので、職場づくりの面での課題として考えていただきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 IRについて、県民から心配の声をお聞きしている。昨日、県民の賛成についてどのように考えているかという議員からの一般質問に対し「全て意見を聞いたわけではないが8割の方が賛成」と企画部長が発言された。県民の中でも「ストップカジノ和歌山の会」から公開質問状も含め県にお尋ねがあったと思う。ぜひともカジノストップ、立ち止まってほしいといったこともあったと思うが、そういったご意見についてはどのように受け止めたのかお伺いしたい。

《答弁》 IR推進室長
 県民の方やストップカジノ和歌山の会から、カジノについて質問をいただいた。県を豊かにしたい、発展させたいという思いは、県もストップカジノ和歌山の会も同じであり、その手段が違うだけである。
 また、反対の方々が一番強く訴えているのは、ギャンブル依存症のことであり、これについては一般質問等で再三説明しているとおり、国による重層的で多段階的な規制に加えて、本県のIRカードや依存症対策専門員の配置など上乗せをした対策があり、論理的に考えれば、カジノに起因するギャンブル依存症は防げるという考え方のもとで推進している。冒頭8割の賛成と発言されたが、これは説明会やシンポジウム等でIRについて説明した後にアンケートを取った結果であり、まだまだ十分ではない。今後も、県民の皆様に丁寧な説明を続け、理解が得られるよう取り組む。

《要望》奥村規子 委員
 説明会やアンケートは、期間として少し経過していると思う。それ以後の県民の方のご意見も聞いた上で触れていただきたかったと思う。また、まだまだ理解できていないとか、分からないことがあると思うので、県にはしっかり対応をお願いしたい。

《質問》奥村規子 委員
 IR誘致の候補地となっている和歌山マリーナシティは、世界リゾート博が開催されるなどこれまで税金が投入されてきたわけであるが、現在の状況について総括してもらいたい。

《答弁》 地域政策課長
 マリーナシティ計画は、そもそも、県が昭和61年(1986年)に策定した「長期総合計画」の中で、関空開業や高速道路網の整備を想定して打ち出した「テクノ&リゾート計画」が掲げられ、和歌浦地区に海洋レクリエーション基地を形成する方針が盛り込まれたことから始まっている。
 昭和62年(1987年)にリゾート法ができ、これを受けて、県は平成2年(1990年)“燦”黒潮リゾート構想を作成し、和歌浦湾地区を海洋都市型リゾートゾーンと位置づけた。
 マリーナシティの建設は、埋立て及び公共施設の整備は県・企業局が行い、土地の譲渡を受けた松下興産が上物整備を行う、いわゆる上下分離の仕組みで開発が行われ、マリーナシティを会場として平成6年(1994年)に世界リゾート博が開催された。
 その後、バブルの崩壊があり、民間投資が進まず、当初予定されていた艇庫付き住宅や国際会議場を有する大規模ホテルなどの計画は頓挫し、遊休地が広がっている状況となったと理解している。
 一方で、リゾートホテルやマンション、黒潮市場やナショナルトレーニングセンターなどができており、全くの失敗であったとは言えないと考えている。
 構想が計画通りに進まなかった原因については、バブルの崩壊が一番大きな要因と考えられる。リゾート法では、マリーナシティ構想に限らず、第三セクター方式が採用されており、需要や採算性の見込みが甘かったことや収益の核となるエンジンが弱かったこと、あるいは、全国的に数を造り過ぎたことが失敗の原因と言われている。

《意見》奥村規子 委員
 バブル崩壊という想定していないものが失敗の原因の一つであるということだが、新型コロナウイルス感染症という予測していなかった事態も発生した。IR誘致を推進していくことはリスクを負っているということを認識し、立ち止まって検討することも必要と考える。

《質問》奥村規子 委員
 IRのスケジュールについて、国の基本方針が出ていない中で進めていくと言われたが、非常に無理があるのではないか。心配や問題、不具合が生じてくることはないか、お聞きしたい。

《答弁》 IR推進室長
 基本方針についてはまだ公表されていないが、去年出された基本方針(案)では、県が国の基本方針の決定を待たずに実施方針を作り、事業者の募集を始めることを認めており、この場合は、基本方針が決定された後に、その基本方針の内容に即して県が作った実施方針(案)や募集要項を補正した上で進めるという形になっており、県は今その方針に沿って誘致を進めているところである。

《質問》奥村規子 委員
 もう一点、審査を通過した2つの事業者について、経営状況をどのように把握されているか。

《答弁》 IR推進室長
 本県にエントリーしているのは、クレアベストニームベンチャーズ株式会社とサンシティグループホールディングスジャパン株式会社の2社である。
 クレアベストニームベンチヤーズ株式会社については北米等で事業を展開するクレアベストグループが、平成29年に日本に設立した関係会社である。
 また、サンシティグループホールディングスジャパン株式会社は、マカオ等でカジノ関連事業を行っているサンシティグループが、昨年関係会社として日本に設立した法人である。
 いずれの法人も非上場企業であり、その決算状況については非公開情報となっていることから、この場での発言は差し控えるが、関係会社について一定程度情報が公開されており、それによると、クレアベストグループについては、2018年度で約100億円の黒字を計上しているところである。サンシティグループについては、グループの中に非上場企業が含まれており、グループ全体の決算状況は把握していないが、ロシア、フィリピン、ベトナムなどのIRに積極的に投資をしているということは承知している。

《要望》奥村規子 委員
 今、ご報告いただいたのは、新型コロナウイルス感染症による影響が含まれていない状況だと思う。世界的にも今カジノ業界の状況は厳しいと聞いており、その点について今後注視し、経営状況なども分かるようにしていただきたい。負の遺産になっては困るので、よろしくお願いする。
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《質問》奥村規子 委員
 今年度の地域生活交通確保支援事業の取組について、どのように考えているか。

《答弁》 総合交通政策課長
 これまでの県の取組としては、各市町村を訪問し、地域の公共交通の確保に向けた意見交換の実施や、市町村が設置する地域交通会議などにおいて、様々な交通手段の組合せ等を検討するとともに、利用促進について、市町村や事業者の方々と一緒になって考えてきた。
 平成30年度からは、地域住民の方にも参加いただき、住民と行政が一体となって公共交通の在り方を考える地域公共交通研究会を開催している。
 このような取組に加えて、今年度からは、市町村が考える地域の実情に即した交通体系の構築について支援していく地域生活交通確保支援事業を実施する。
 この事業については、例えば市町村がコミュニティバスをデマンド型の乗合夕クシーに転換するというような方針を定めて、実施計画を策定する際に、専門的な見地から助言を行うアドバイザーを派遣したり、正式運行に向けた調査や実証運行するための経費の一部について支援していくものである。
 県では今後もきめ細やかな対応を行い、住民、市町村、事業者の方々と一緒になって持続可能な交通ネットワークの構築に向けて取り組んでいく。
 なお、今年度の取組状況については、既に県内全市町村に対して支援アドバイザー派遣の要望調査を実施済みであり、今後、受入れ要望のあった市町村に対し地域交通の状況など詳細なヒアリングを行った後、支援アドバイザーの派遣を実施していく予定である。

《意見》奥村規子 委員
 和歌山県は高齢者が多く、障害がある方も、全ての人が移動できる自由を保障する観点で、今取り組まれている協議会などで十分話合いをしながら実現できるよう大変期待しているので、ぜひよろしくお願いする。
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《質問》奥村規子 委員
 人権尊重の社会づくりの推進についてお尋ねする。
 部落差別の解消の推進だけではなく、人権の問題では今回、新型コロナウイルス感染症の最前線で頑張っている医療従事者への心ない言葉や、その家族の方が保育園、学童保育に受け入れてもらえなかったりなど、いろんな場面でつらい思いをしたという話を聞いている。
 人権尊重の社会づくりの根本的なところで、世界での人権問題では、アメリカで黒人差別が大きな問題として上がっていることや、過去においても感染症ではハンセン病の問題で差別を受けてきた歴史があるかと思う。
 そういった問題を克服できるように、人権尊重の社会づくりの推進がある。啓発啓蒙について、今年度は特にコロナの関係もあるので、そういった問題を解決していくためにどのように取り組まれていくのか教えていただきたい。

《答弁》 人権施策推進課長
 新型コロナウイルス感染症による差別や誹謗中傷をはじめ、様々な人権問題が発生している。そのような中、どのような啓発に取り組むのかということであるが、人権が尊重される社会を実現するためには、県民の皆さん一人一人が人権を自らの課題として捉え、人権を尊重することの重要性を正しく理解し、日常生活の中で、他人の人権にも十分配慮した行動を取ることが大切であると考えている。
 このことから、県民に対する啓発については、本年3月に改定した「和歌山県人権施策基本方針」に基づき、国、市町村、企業、NPO等と連携・協働しながら、あらゆる場と機会を通じ啓発に努めるとともに、その手法についても、知識習得型の啓発だけではなく、年齢層や発達段階に応じた参加体験型の人権啓発など、創意工夫を凝らした啓発活動に取り組んでいく。また、今回の新型コロナウイルス感染症に関する人権問題等、新たに対応すべき問題が生じた場合については、今回知事もコロナ差別防止ということでメッセージを発信したように、適切に啓発活動を展開していきたいと考えている。

《要望》奥村規子 委員
 ぜひとも啓発活動ということでは、視野を広げてしっかりと取り組んでいただきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 補正予算が7億円と追加404億円あまりで、コロナ対策の事業に取り組まれている。
 当初、マスクや消毒用アルコールが非常に不足した。医療現場の最前線や市中でも不足し、感染拡大にも影響したと思う。
 第2波、第3波に向け、衛生材料などの不足に対して、どのように対応していくのかお聞きしたい。

《答弁》 総務部長
 福祉保健部で、それを適切に判断して予算要求していると考えている。

《質問》奥村規子 委員
 公立病院の経営状況をしっかりと見ていただきたいと思うが、現状はどうか。

《答弁》 市町村課長
 県内に11の公立病院があるが、公立病院全体の経営状況では、直近の令和元年度決算状況を把握しており、前年度と比較すると実は医業収入の減少は見られず、プラス1%となっている。
 ただし、3月の患者数では、対前年同月分で見ると、外来患者数マイナス3%、入院患者数マイナス1%、病床利用率マイナス3%悪化している。
 4月以降についても、新型コロナウイルス感染症拡大防止として、不要不急の外出自粛などの影響による患者減、感染患者受入れのため緊急を要しない手術入院の抑制などにより、公立病院の厳しい経営状況についても認識している。
 公立病院やその構成市町が過度な負担を背負わないよう、経営状況を注視していく。

《要望》奥村規子 委員
 公立病院だけでなく、市中の病院でも資金調達を苦慮していると県から聞いている。今回の補正でしっかりと対応していただきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 「和歌山県税条例及び和歌山県税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例」についてお尋ねする。
 ひとり親家庭への税の控除は、所得制限が500万円以下という線引きがあるものの、前進したことはよかったと思っている。
 NISAでお聞きしたい。ジュニアNISAも拡大してきたと思うが、今回は2023年迄で延長をしないと書かれていた。その理由は何か。

《答弁》 税務課長
 ジュニアNISAは、子どもの将来のための資産形成を促進する観点から平成28年度から導入されたが、これまで利用実績が乏しく制度が活用されなかったため延長せず終了となったと承知している。
 一方で一般NISAやつみたてNISAは活用が進んでおり、今般、より安定的な資産形成に資するよう見直しがなされた上でそれぞれ5年間延長されている。

《質問》奥村規子 委員
 私どもは、ジュニアNISAは、未成年の投資を非課税にするという点で賛成できないとしてきた。
 今回利用者が少なく延長しないということであるが、NISA制度は貯蓄から投資へと国の方針で導入された少額の投資非課税制度で、イギリスの個人貯蓄制度のISAは、預金利子が非課税であるが、日本の制度は、株式投資だけに限定されているので問題ではないかと思う。
 対象を狭めない小口投資の非課税枠をつくって投資先は投資家の判断に委ねるようにすべきだと指摘する。
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《質問》奥村規子 委員
 コロナ対策の影響によって納税が困難な方に、税の徴収猶予の特例制度があるが、軽減措置などはどのようになっているのか。

《答弁》 税務課長
 今回、新型コロナウイルス感染症関連の緊急経済対策に伴う税制度の支援措置として、ほぼ全ての国税と地方税に対して議員ご指摘のとおり、徴収猶予の特例制度が創設された。
 また、その他地方税では、中小事業者に対する固定資産税等の軽減措置や自動車税、軽自動車税の環境性能割を税率1%軽減する特例などの軽減措置が設けられている。

《質問》奥村規子 委員
 固定資産税の軽減措置は、家屋や償却資産が対象になっているが、例えば駐車場を経営したり、造園などをしている場合に、土地は固定資産税の軽減措置の対象とはならないのか。

《答弁》 税務課長
 今回コロナウイルス関係での税制上の支援措置には、土地の軽減措置は含まれていない。

《要望》奥村規子 委員
 ぜひ土地の方も対象にしていただけるように要望する。
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《質問》奥村規子 委員
 中止したイベントの払戻請求権を放棄した場合、寄附金控除の対象になるとのことであるが、全てのイベントが対象か。

《答弁》 税務課長
 このイベントに関しては、文化芸術、スポーツイベントなどで文部科学大臣が指定したものが対象となる。

《質問》奥村規子 委員
 県も文部科学大臣の指定したとおりで対応するという理解でよろしいか。

《答弁》 税務課長
 その予定である。

《要望》奥村規子 委員
 イベントもいろいろあるが、文部科学大臣の認めているイベントについても、一定の線引きがあると思うので、イベントが開催できなかったところの状況などもぜひしっかりと把握していただきたい。
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《質問》奥村規子 委員
 マイナンバーカードについて質問する。国の予算が大幅に増額ざれ、カードの交付予算として組まれていると思う。一般質問でも、県職員のカード取得の取組で、全国1位と言われていた。マイナンバーの利用を拡大、推進していく声が非常に強力になってきているように思うが、情報保護対策については、大丈夫なのか。

《答弁》 市町村課長
 マイナンバーに関するセキュリティの点からのご懸念かと思うが、セキュリティの点については、これまで特段ハッキングなどによる情報漏えいといったような事案も生じていない。また、一般質問の際にも部長から答弁したが、マイナンバーカード自体にも、非常に堅牢なセキュリティ対策が施されているため、そういった点では、ご懸念には当たらないと考えている。

《意見》奥村規子 委員
 まだ普及が本当に少ない中での今の状況だと思うが、そういった情報保護についての取組については十分対策が取られていないと思っている。
 また現在、国の方では、預貯金の口座をそのナンバーと連結させ、1人につき1口座を国に登録することを義務化する方針の検討が始められていると聞いている。給付金の支給の迅速化ということが言われているが、給付が頻繁に繰り返されるとは思わず、マイナンバーカードの取得がほとんど進んでいないことが示しているように、国民の圧倒的多数はそのような仕組みを必要と感じていないことの現れではないかと思う。
 政府に個人の情報を掌握管理されるのではないかとの強い不安を感じる。
 また、県民の中で、そのような声もあり、登録された口座を通じて、行政が税金や保険料の徴収をしやすくするのではないかという不安もある。ぜひ立ち止まって、見直すことが必要だということを述べておく。
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《質問》奥村規子 委員
 地方税回収機構は、昨年度3億6000万円を徴収しているが、そのうち延滞金、市町村税、県民税、国保税・料はそれぞれいくらか。

《答弁》 市町村課長
 延滞金1億835万6000円、市町村税1億428万6000円、県民税3630万3000円、国保税及び国保料1億1206万1000円となっている。

《質問》奥村規子 委員
 徴収額は減少傾向になってきているが、どれくらい減少してきているのか。

《答弁》 市町村課長
 近年の動きでは、平成28年度が4億3900万円程度、平成29年度が3億8500万円程度、平成30年度が3億5500万円程度と中長期的には減少してきている状況である。ただ、平成30年度と令和元年度の比較では、平成30年度は3億5500万円程度であったが、令和元年度には3億6000万円程度になっており、単年度で見れば前年度比増加というケースもある。

《質問》奥村規子 委員
 設立当初と比べて徴収額が減少してきており、設立の効果や必要性が薄れてきていると思うが、県としてはどのように考えているか。

《答弁》 市町村課長
 県としては、回収機構の存在意義が薄れているということは決してないと考えている。徴収額だけの面ではなく、例えば市町村から機構へ派遣された職員が滞納整理のノウハウを市町村に持ち帰るという効果もある。単に徴収額のみから機構の存在意義についてはかるものではないと考えている。

《要望》奥村規子 委員
 国保税・料を1億円程度徴収しているが、国保に加入されている方でも生活面で大変な状況の方が多い。また、延滞金の徴収額も多いが、納税者が自主的に納めることができるよう市町村において納税業務を行うことが大事だと考えている。回収機構も含めて、各市町村でも滞納処分を行う前に納税相談に力を入れていただくよう要望しておく。
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議案に対する採決
議案第93号 和歌山県税条例及び和歌山県税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
は賛成多数で原案可決
日本共産党 奥村規子委員は反対楠本文郎の議案と請願の不採択に対する反対討論

議案第 91号 令和2年度和歌山県一般会計補正予算
議案第 92号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
議案第103号 令和2年度和歌山県一般会計補正予算
は、全会一致で原案可決

諮問第1号 退職手当の支給制限に対する審査請求に関する諮問について
は全会一致で「知事の決定書(案)は適当と認める」と答申することに決定


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