2020年6月県議会 文教委員会 杉山俊雄委員の質問概要記録
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《質問》杉山俊雄 委員
 学校に関わる雇用調整助成金についてである。中学校の保護者から話があり、学校から子どもに熱があると言われて迎えに行くために、仕事を午前中に休まなければならなくなった。それは雇用調整助成金の対象になるか。

《答弁》 教育支援課長
 この助成金は、事業主や委託を受けた個人の仕事を受けた方向けの厚生労働省所管のものである。教育委員会のものではなく、私たちのほうでは分からない。

《質問》杉山俊雄 委員
 なぜ保護者が迎えに行ったかというと、学校あるいは教育委員会から熱があったら迎えに来てほしいという通知が来ている。小学校なら理解できるが、中学校・高校までも通知が出ている。ということは、文科省からの指示なのか、文科省なら厚労省との関係で当然話はついているだろうが、中学生でつかないということは、県独自でこういう通知を出しているのかということを言いたい。
 親はこうした通知が学校から来ているため、雇用調整助成金が出るはずだと思っていたが、出ないと言われたそうだが、どうなっているか。

《答弁》 教育支援課長
 文部科学省からの衛生管理マニュアルでは、学校内で発熱等の風邪症状が見られた場合の対応として、当該の児童を安全に帰宅させることが示されている。それに伴い、県教育委員会からの発出文書として、学校再開に向けた準備を伝える保護者宛てに発熱時は迎えに来てくださいという通知を出している。
 休業補償の関係の分は、県教育委員会所管ではないので、分からない。

《質問》杉山俊雄 委員
 教育委員会で分からないと言っても、親は仕事を休んで迎えに行くことは分かっているはずである。それに対してどうするかということも、考えないといけないことではないかと思う。
 その通知をもとに親が迎えに行って、親の仕事はどうしてくれるのか、教育委員会は知りませんと、そんなことでいいのか。

《答弁》 教育支援課長
 普段においても、学校の中で調子が悪くなったときは、迎えに来てもらっている。今回の休業補償については、やはり教育委員会で対応するのは考えられない。

《意見》杉山俊雄 委員
 こういう状況であることを踏まえて、通知を出す必要があるのではないか。
 私が担任しているとき、中学生だったら、親に迎えに来てなんて言わない。家に着いたらちゃんと電話する。そういう中学生、高校生の対応だから、厚労省も小学生を対象とし、中学・高校生は対象にしてないのではないかと思う。文科省と厚労省との間で、こういう話をきちっとしているのならそれでいいが、できていないのに県だけでそういうことをやっていいのか。親は戸惑うということだけ言っておく。
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《質問》杉山俊雄 委員
 私のところに相談に見えられた保護者から、特別支援学校の学校再開は7月だと聞いた。読売新聞にも掲載されたが、その保護者は特別支援学校や障害のある子どもの様子などをまとめたアンケートを持ってきて、なぜ7月再開なのか、という話だった。
 学校によって違うと思うが、親は自分の子どものことしか分からない。週に数回しか学校で見てもらえない、学校が開いているのに行くことができないと子どもはパニックになり、ストレスで自傷行為が出たり、体調を崩したり、昼夜逆になるなどの状況があるので、なんとか学校に行かせてほしいと思っている。
 親の方も仕事があり、子どもの学校のことを心配されていた。私は、そのすばらしいアンケートがあるのに、それをもとに学校長と話をして、親や子どもの願いを伝え、どうしたらいいかを話し合ったらいいのではないでしょうかと返した。
 学校は学校としての大変さがあると思うし、親はそのことが分からないと、なぜ普通校と同じように6月15日から授業ができないのかと心配になる。保護者が一番欲しい情報は、いつ学校が再開し、いつもどおりになるのかということ。そういう情報が学校から全く入ってこないので、いろいろと心配になる。
 スクールバスの増車もあり、徐々に普通に戻っていくのではないかと思われるが、特別支援学校の学校再開について見通しを教えてほしい。

《答弁》 特別支援教育室長
 各特別支援学校は、障害のある子どもたちが安心安全に学校で学ぶということの準備を進めている。学校には様々な障害がある子どもがいて、中には基礎疾患によって感染症が重症化する子どももいる。そのような中、学校は丁寧に取組を進めている。
 委員からご指摘のあった通り、保護者への説明についても、各学校は4月、5月の家庭訪問を通じて行っている。学校によっては保護者説明会を開いた学校もあり、また改めて、メールや再度の家庭訪問を行う中で、6月、7月の一斉登校に向けた方向性について各校で、保護者の方に説明をしているところである。
 特別支援学校の子どもの多くはスクールバスで登校している。中には肢体不自由の子どもと知的障害の子どもが同じバスに乗車している学校もある。なるべく肢体不自由の子どもの回りの席を空けるようにしたいということもあり、バスの増車をしていきながら、バス車中や登校時における安全への配慮、登校時には肢体不自由の子どもと知的障害の子どもとの動線が重ならないような配慮をしていく。また、給食も実施しているが、食べるということも障害のある子どもたちにとって大切な学習の場面である。食事の場面や、摂食指導時の配慮など、実際に今、分散登校をしながら、どのような課題があるのか、どのような物品が要るのか、動線をどう整理するのかということを学校も検討しながら、一斉登校に向けて準備をしている。今は、分散登校から少し登校する集団を統合し、学校へ来る機会を増やしつつある。7月の中旬を目処とし、ほぼ全ての学校が一斉に登校できるような状況にできるのではないか、と考えている。
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《質問》杉山俊雄 委員
 1年単位の変形労働時間制について。
 今後のスケジュール、対象期間や1日の労働時間、まとめ取りの時期や日数はどのように考えているのか。また、導入のために国のガイドラインをちゃんとクリアする見通しはあるのか。
 今回のコロナへの対応のように、学校が休業、再開と状況がころころ変わるときに、事前に確定した労働日や労働時間の変更ができないのではないか。
 また、これは選択制か。県に上程しても、市町村や学校でやるかやらないかを決めることができるか。

《答弁》 教職員課長
 コロナの関係で、春に開催予定だった中央教育審議会が、夏に開催することとなったため、国の方から都道府県にはまだ説明がない状況である。
 施行日は、令和3年4月1日を予定しており、夏の中央教育審議会の議論の様子や国の説明を踏まえて、対応していく必要があると考えている。
 1年単位の変形労働時間制実施までに、働き方改革を推進していくことが、必要であると考えている。

《質問》杉山俊雄 委員
 何月頃に県議会へ出されるのか。

《答弁》 教職員課長
 国の詳細な説明を受けて、それ以降の県議会に上程するかも含めて検討していく。

《質問》杉山俊雄 委員
 全日本教職員組合によると、9月議会に提出されるとも聞くが、そんなに早い時期となるのか。

《答弁》 教職員課長
 現段階では準備を進めていることころであり、明言はできない。
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《質問》杉山俊雄 委員
 高等学校の夏休みの短縮については、知事が4月30日の記者会見で発表した。同時に、その発表との整合性を取るためか、同日、教育委員会が県立学校に対し通知を出した。その後、6月2日に県報で、学校規則の一部改正を掲載したが、この一連の流れは、規則や条例にのっとった措置なのか。

《答弁》 県立学校教育課長
 県立学校の設置者は和歌山県であり、今回、知事から今年の夏休みについて発表した。また、県立学校の管理運営は教育委員会が行うこととなっており、県立高等学校規則、県立特別支援学校規則、県立中学校規則の一部を改め、6月2日に県報に掲載するとともに、学校にも通知した。

《質問》杉山俊雄 委員
 規則改正の前に、すでにその内容を発表している。規則では、高等学校長が教育委員会に申請し承詔を受けることになっている。知事からの発表というのは、規則条例にのっとっていないのではないか。

《答弁》 県立学校教育課長
 夏休みについては、教育委員会が定めることになっている。夏季休業は通常、7月21日から8月31日と規則で定めている。この期間の短縮を希望する場合、校長が教育委員会に申請を出すことになっている。今回の規則改正は、教育委員会として適切に対応している。

《意見》杉山俊雄 委員
 各学校や学科、また地域によって事情が異なるなか、一律にトップダウンで押し付けるのはいかがなものか。
 私は「教育は不当な支配に屈することなく」という言葉を大切にし、教師生活の40年間を過ごしてきた。トップダウンの指示には違和感を覚える。行政は縦社会であるが、教育は横社会である。このような指示が出されたら、各高等学校の自主性や主体性が損なわれるのではないか。

議案に対する採決
議案第 91号 令和2年度和歌山県一般会計補正予算
議案第 98号 財産の取得について
議案第103号 令和2年度和歌山県一般会計補正予算
議案第105号 和歌山県立学校等職員定数条例の一部を改正する条例
は全会一致で原案可決

議案第 95号 和歌山県本人確認情報の利用及び提供に関する条例の一部を改正する条例
議案第 96号 和歌山県行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法
        律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正す
        る条例
は賛成多数で原案可決
日本共産党 杉山俊雄委員は反対楠本文郎の議案と請願の不採択に対する反対討論


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